
現場に立つや鋭い眼光で即座にコンディションを見極め、1タックルのみを手にフィールドを闊歩。無駄な選択肢は要らない。“今”を捉えた適材適所のロッド選びがアングラーを正解へと導くことを“水野浩聡×ポイズンアドレナ”が教えてくれる。その本領を見よ。
●文:ルアマガプラス編集部
水野浩聡
みずの・ひろあき/明るいキャラクターとわかりやすい解説力、そして必ず結果を導き出す確かな腕で人気の“アドレナの顔”。185センチの高身長とロングリーチから繰り広げられる稀有のワザにも要注目だ。岐阜県出身。
現場を見極め〝1タックル〟で斬る〝水野スタイル〟
まずはリズミカルなカバー撃ちで釣果連打
「爆濁りです…。ちょうど田植えの時期が重なりシロカキ水が流入していることに加え、連日降雨の狭間。今回オカッパリで釣っていく上でプラスになる唯一の条件と言えば、増水くらい…かな」。
GWを過ぎた5月中旬、連日の雨が一段落したタイミングの大江川に降り立った水野浩聡さん。
大江川水系(岐阜県)
おおえがわ・すいけい/お隣の五三川と並ぶ、東海エリア屈指の人気バスリバー。東大江川と西大江川が合流して本流となり、その総延長は約15キロ。入漁券は1日300円(年券6000円)。なお、同水系内のヨット池&牛池は別料金で、1日500円(年券7000円)だ。
当日の早朝、川面を見下ろしてこう語ったのだった。
「これほど濁るとバスの視界が利いていないと思うので、何らかの障害物にピタリと寄り添っているはず。なおかつ増水で岸寄りに入り込めるスペースがある。だとすれば、最初の1本は近距離で手返しよくカバーを撃っていけるロッドになりますね」。
水野さんの手には、ポイズンアドレナの2025追加モデル『165MH』。バーサタイル性の高いアドレナを区分する10のカテゴリー分けでは『リアクションバイト』に属する1本。入力したアクションを逃さない硬めのティップが瞬発的なエネルギーを生み出すベイトモデルだ。
「僕が普段この水系でメインとする『168M+』と比較して迷いました。65の取り回しの良さか、巻きにも対応できる68か。今日の日中は晴れでカバー+シェード撃ちが主軸となるので、まずは165MH。夕方は風が吹く予報なので、その頃に168M+を登板させようと思います」。
適材適所のロッド選びが水野さんのゲーム展開を加速する。
手返しの良いカバー撃ち◎ レンタルボートでも活躍@165MH [REACTION BITE /リアクションバイト](ジャッカル×シマノ)
「65のショートレングスは、オカッパリの撃ち物で手返しが良く、レンタルボートでも取り回しが良いですね。竿先がパリッとしていて、抵抗があるやや重めのルアーでもクイックな操作ができます。テキサスやジグなどカバー撃ちにベストマッチ。今回は1ピースの165MHを使いましたが、携帯性に優れた2ピースの165MH-2もあるのでお好みで選べます」。
狭小スペースでも軽快操作 ショートレングスが奏功!@165MH [REACTION BITE /リアクションバイト](ジャッカル×シマノ)
張りのあるティップでやや重めのリグや水中で抵抗の強いワームを使用した際にもメリハリのある操作が可能。狭いスペースでも正確なアプローチを可能にする65レングスが序盤の岸際カバー撃ちで幾度もの正解を導いた。
さらに軽く、さらに高感度ポイズンアドレナ全33モデルへ!
昨季フルモデルチェンジを果たして2年目となる今季は7モデルを追加して、全33モデルが注い踏み。進化したフルカーボンモノコックグリップと開口端はクリアな感度と軽快性を増し、上位機種にも搭載されるパーフェクションシートⅥが軽量化と共に操作性をより快適化。1ピースモデルは全てグリップジョイントで、飛行機での手荷物預けも可能で公共交通機関等での持ち運びにも便利だ。
ポイズンアドレナ 2025追加モデル
適材適所のロッド選びが導いた現場MAX級!
確かな読みと技が大台突破の扉を開く
濁り・増水・晴れ。
3つの条件を加味して立てた水野さんの戦略は見事に奏功した。
岸寄りのカバーに音もなく実弾を滑り込ませてバイト頻発。ここぞというストレッチは数10センチ刻み、1級スポットには角度を変えて幾度となくピッチン&フリッピン。左右のスペースが限られる濃密カバー際で、165MHの軽快さが際立った。
「ただ、ショートバイトで獲り切れない魚が多かったのも事実。ならばルアーをよりフィネスにして撃ち直していきます」。
いわばフォロー策として手にしたのは『268M+』。
アドレナ10カテゴリーの『パワースピン』に属する1本で、ヘビーカバーで吊るしもフォールも自在なパワーフィネスモデル。先程より繊細なスモラバを撃ち込むことで、魚の口元を確実に捕らえていくのが狙いだ。 だが、思いの外に状況はタフ。日中に数バイトを得るも確実に釣果を得ることは叶わず、夕マズメを迎えることになったのだった。
「予告通りの『168M+』の出番です。165MHと同じくカバー撃ちもできますが、このモデルは1本あれば地形変化を探るワーミングからシングルフックの巻き物まで様々な釣りに対応できるのが強みです」。
68のレングスを活かして、ときに沖の障害物を狙い、ときに岸沿いをロングトレース。この日はスピナーベイトとブレーデッドスイムジグで反応を探っていった。激しく吹き付ける向かい風の中、水野さんは果敢にキャストを続けていく…すると!
結果はご覧の通り、大江川水系では最大級とも言える54センチを見事に捕獲!
このドラマティックな展開は、水野さんによる適材適所のロッド選択が導いたことは言うまでもないだろう。
カバーでの自由度を高めたパワーフィネスの新機軸@ポイズンアドレナ26 8M+[POWER SPIN/パワースピン](ジャッカル×シマノ)
「ただ硬いだけの竿ではキャストが決まりにくく、撃ち込めたとしても繊細なアクションを出しにく。伸びのないPEラインの使用、かつリールのドラグはほぼフルロックが前提となるパワーフィネスにおいて、扱いやすさを求めたのがこの1本です。強過ぎずある程度の曲がりを求めたテーパーが軽快さを増した一方で、強靭なバットパワーは掛けた魚を確実にカバーから引き剥がす強い味方です」。
Xガイドタッチフリー
張りのあるラインでもスムーズに収束させ、放出されたラインがガイドやブランクスに当たることなくトラブルを軽減して遠投に直結。アドレナのスピニング全モデルに標準装備。
夕マズメ・爆風・向かい風 「時」を見極めた巻きの選択
この時期、太陽が傾き光量変化が始まるのは16時台。水野さんが「俺の右腕」と呼ぶ、伝家の宝刀168M+』を手にワイヤーベイトの巻きへとスイッチ。「風を利用してフィーディングに入る魚は必ずいる。濁りの中でも巻きのパワーで魚を引き付けたい」。狙いは的中した。
トリを飾ったのは「水野の右腕」陸で欠かせないTHEバーサタイル@ポイズンアドレナ168M+[VERSATILE /バーサタイル](ジャッカル×シマノ)
「オカッパリでは絶対に1本持っていく、僕のスタイルに不可欠なベイトロッド。今回はワイヤーベイトが主軸でしたが、テキサスやジグの撃ち、68の長さを活かしてフリーリグで沖の地形変化を探す釣りにも便利。あらゆる釣りを1本でこなせるTHEバーサタイルです。昨季フルモデルチェンジからの1年半でこの水系では使用頻度No.1のモデルですね」。
膨張色のホワイト系から、シルエットを際立たせるブラック系へとローテしての好結果。いずれもその場の濁りに着目したカラー選択で、目先を変えたセレクトが奏功した
水野浩聡・使用タックル
①[ワイヤーベイト用]
●ロッド:ポイズンアドレナ168M+(ジャッカル×シマノ)●リール:メタニウムDC 70HG(シマノ)●ライン:レッドスプール 14ポンド
②[撃ちモノ用]
● ロッド:ポイズンアドレナ165MH(ジャッカル×シマノ)●リール:メタニウムDC 70HG(シマノ)●ライン:レッドスプール16ポンド(ジャッカル)
③[パワーフィネス用]
●ロッド:ポイズンアドレナ 268M+(ジャッカル×シマノ)●リール:ツインパワー C3000XG(シマノ)●ライン:PE 1.5号
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