
DAIWAフィールドテスターの渡邉長士さんの連載企画「今日もいいチョーシ」。今回は夏アジング攻略のカギを実際の釣りの様子と共に紹介。さらに発売目前の『月下美人MX アジング』に関しても教えてくれた!
●文/写真:渡邉長士
夏といえばの回遊魚を満喫!マルソウダも実は美味い!!
こんにちは。ダイワフィールドテスターの渡邉長士(たけし)です。いつも「今日もいいチョーシ」を読んでいただきありがとうございます。
今、この原稿を書いているのは夏真っ盛りなので、連日暑い日が続いています。
そんな夏に面白くなるターゲットの1つに回遊魚のソウダガツオがありますが、地元の千葉県ではソウダガツオを狙って釣れるポイントは少なく、毎年群れが回ってくるポイントは連日満員の激混みになります。
そのため、ここ数年はソウダを狙ってませんでしたが、近年はソウダガツオ、特にマルソウダの食味の良さが注目されているため、久しぶりに食べようと狙いに行きました。
平日なのでそこまで混んでないと考え、午前3時前にメインの釣り場に行くとすでに満員で入るスペースがありません。「夏のソウダ釣りを侮ってた・・・」と後悔しながら近隣をチェックしてみると堤防の付け根に2人ほどが入れるスペースを発見。先行者に了承を得て入れさせてもらい、あとは明るくなるまで待機。
午前4時ごろには徐々に空が明るくなってきたためキャストを始め、午前5時半ごろに水面がざわついたのを発見した直後にヒット。タックルはキャロ用のアジングタックルなので引きは強烈ですが、すぐ隣には他の釣り人がいるので悠長にファイトは楽しめません。強引気味に寄せて35cmほどのマルソウダをブッコ抜きます。
あとは水汲みバケツで血抜きをしたら1分ほどで海水の氷水が入ったクーラーボックスへイン。こんな感じでしっかりと冷やせばヒスタミン中毒を防止できます。
数本キャッチしたところで午前6時には早々と納竿し、さっそく調理へ。
鱗を取って3枚におろし、中骨と腹骨を取ったら皮目をバーナーで炙ります。あとは切り分けて薬味を乗せ、ポン酢をかければマルソウダのタタキが完成。
モッチリとした歯ごたえと血合いの濃厚な旨味が最高でした。
さて、夏は回遊魚も楽しいですが、もちろんアジングも楽しめます。ただ、夏のアジング満喫するためには2つの対策が重要です。
その2つというのが“高水温”と“豆アジ”の対策。
夏のアジングで大切な2つのポイントとは?
私のホームの房総半島では夏になると水温が30℃ほどまで上がりますが、アジの適水温は17~23℃ほどといわれています。
適水温よりも7℃低い10℃の低水温でもアジは釣れますが、7℃高い30℃の高水温では溶存酸素量も減りアジにとって死活問題になります。そのため、高水温になると遊泳力の高い中型以上のアジは沖の深場などの水温の低いところに移動するなどして群れがまったくいなくなることもあります。
そこで重要になるのが、少しでも水温の低いエリアや溶存酸素量が多く潮通しの良いポイントを選ぶこと。
まず低水温のエリア探しはシンプルに北に行くことをオススメします。これまでも東北のアジングをルアマガ+でも何度か紹介してきましたが、当然関東に比べて水温は低く、アジの適水温に近いため夏でも好釣果が期待できます。
といっても、なかなか東北まで遠征できないよ!という方が大多数のはず。
そこでオススメなのが千葉県の銚子エリアから茨城県へのプチ遠征です。
暖流の黒潮は外房南部の勝浦~鴨川周辺に最接近したあとに東へと流れていくため、外房北部の銚子~茨城エリアは黒潮が直接当たらず外房南部に比べて水温が2~3℃低いことは日常的です。
もし東京などの首都圏にお住まいの方であれば、外房南部まで行く時間と大して変わらずに銚子エリアに行けるので高水温の時期は特にオススメのエリアです。
外房南部のような水温の高いエリアでアジングをする場合は潮通しの良いところで溶存酸素量の高いポイントを選ぶのがいいでしょう。
潮通しが良く深場が隣接するエリアにある平磯のワンド、周囲に磯やサーフのある漁港などはサラシがあり酸素が多く供給され、常にフレッシュな潮が流れるため夏でも良型のアジが残っている可能性があります。つい先日も外房南部のそのような条件のポイントで25cm前後が連発しました。
夏アジングでもう1つ重要になるのが豆アジの攻略。
マアジは冬から春にかけて産卵期で、夏は生まれたばかりの0歳魚も多くなります。サイズは10cm前後と小さいので普通にアジングをするとなかなかフッキングせず難しい相手になります。
そこで重宝するのが豆アジの小さな口にも入りやすいフックサイズの小さなジグヘッド。
2025年9月に発売される「月下美人ジグヘッドSS麗」のフックサイズは#14と#12のゲイプ幅が狭いフックなので豆アジにもオススメです。
ちなみに同じタイミングで「月下美人ジグヘッドSS」というジグヘッドもリリースされ、こちらはライトSWゲームオールラウンド対応ジグヘッドです。
フックサイズは#10~#6、ウエイトは1g~3gとアジングやメバリングはもちろん、ライトSWゲーム全般に使えます。
「月下美人ジグヘッドSS」の特徴はサクサスフックの搭載やヘッドのウエイト表記などがありますが、何より嬉しいのがメーカー希望本体価格350円とコスパが良いこと。ジグヘッドは消耗品なので、これは本当にありがたいです。
そんな新製品のジグヘッドを用意して夏アジングを楽しもうと銚子~波崎エリアにプチ遠征に行ってきたのですが、実はこの釣行には強力な武器がもう1つありました。
それが9月に発売されるニューロッド「月下美人 MX アジング」です。
『月下美人MXアジング』発売間近!!
MXシリーズは月下美人ブランドではミドルクラスですが、その実力は上位機種に迫るスペックで、入門者からエキスパートまで幅広い層が使いやすいロッドになっています。
最初のアジングロッドを低価格のエントリーモデルにすると上達した時に満足できなくなるタイミングが早めに来てしまうかもしれませんが、MXならかなり上達してもロッドのスペックが高いため長く使え、中級者以上にもマッチするシリーズになっています。
実際に自分が使っても上位機種と比べて大きく劣るとは感じる点はなく、これからアジングを始める人にロッドのアドバイスをする時も「MXにしておけば間違いない」と常々言っています。
今回のモデルチェンジで変わったところはいくつもありますが、もっとも特徴的な変更点が月下美人シリーズでは初の「カーボンモノコックリアグリップ」の搭載。
本物の平織カーボンを使用しているのでデザイン性も高いのですが、ラッパ形状のリアグリップがロッドの振動が反響するため感度がより上がります。
重量が少し重くなるデメリットがありますが、これがバランサーの働きをして重心が手元に近づくため、持ち重り感はむしろ減少して操作性はアップします。
リールシートはフラッグシップモデルにも採用している「ゼロシート コンパクトフィット」を搭載したため、軽量性と高感の向上に貢献している点も大きいです。
そしてあまり目立たないものの、実は大きく変わっているのがガイド。
前回のMXはガイドリングサイズを4で設定していましたが、今回はガイドリングサイズを3へと小さくし、トップガイドの形状もより軽量なものへとチェンジしたため、よりシャープな操作感になっています。
アジングモデルのラインナップは410UL-S、48L-S、54L-T、55L-S、64UL-S、66L-S、711ML-Sの全7アイテムですが、半数以上の4アイテムが5.5ft以下のショートレングスというのも特徴的で、アジングの基本となるジグ単の釣りに特化したモデルを多くラインナップしました。
夏アジングでプチ遠征へ!関東圏の穴場とは…⁉
今回のプチ遠征に選んだアイテムはMXシリーズの中では長めの66L-S。
豆アジの多い時期なので近距離戦に特化した410UL-Sも良いですが、遠投もできて重めのジグヘッドも操作しやすい万能の66L-Sをチョイスしました。
使用タックル
ロッド 月下美人 MX アジング 66L-S
リール ルビアス SF2000SS-H
ライン UVF月下美人デュラセンサー+Si2 0.15号
リーダー 月下美人フロロリーダー 3lb
ジグヘッド 月下美人ジグヘッドSS、月下美人ジグヘッドSS麗、月下美人アジングジグヘッドTG
ソフトルアー 月下美人ブレーキンビーム 1.3インチ、2インチ、月下美人アジングビーム
※すべてDAIWA
まず向かったのは自宅から2時間弱の銚子エリア。
夕マヅメは比較的広いポイントで回遊系のアジを狙おうと思っていましたが、途中のポイントの下見をしながら向かうと到着時はすっかり暗くなってしまいました。
そうなると次の狙いは常夜灯周辺。別の漁港に移動して常夜灯に照らされた海面をのぞき込むと25cmほどの魚の群れが確認できます。
「ん?これはアジ?セイゴ?」と半信半疑でブレーキンビーム2インチに1.5gのジグヘッドで攻めるとバイトはあったものの反応はイマイチ。
そこでウエイトを0.5gに下げ、2mほどのレンジでスローに漂わせるとヒット。
その正体はアジで、しかもサイズも25cmクラスと良い!
「これ全部アジじゃん!」
と同じアプローチで攻めると同じようなサイズが連続ヒット。キモは浮遊感のあるアクションで、こんな時にはブレーキンビームが最適です。
しばらく良型アジで楽しんだところで次のポイントへ移動。
利根川を渡って茨城県に入り、ここでも常夜灯をチェックします。
実績の高いポイントですが、パッと見はアジの姿はナシ。
そこで先ほどのリグのまま表層を浮遊感のあるアクションで攻めると数回のバイトのあとにようやくヒット。
その正体はいかにも夏っぽい10cmほどの豆アジ。
となれば使うジグヘッドはコイツ。「月下美人ジグヘッドSS麗」です。
0.3gにブレーキンビーム1.3インチをセットして表層をスローに漂わすと狙い通りすぐにヒット。
やはり豆アジはフックサイズが重要ですね。
今回は汎用性と感度、強度の高いPEラインを使ってますが、さらに近距離戦の豆アジに特化させる場合はロッドを410UL-Sあたりにして、ラインはナイロンを使うのがオススメです。
伸び率の大きなナイロンはアジングには向かないと思われがちですが、軽いリグを操作する弱いテンションなら伸びることなく繊細な操作もでき、近距離戦の表層ならアタリも普通にわかります。
しなやかなナイロンは吸い込みが良く、バイトを弾きにくく、バラシも少なく、軽いリグのキャストもしやすく、1.1の軽い比重は表層をスローに攻められます。むしろ豆アジの近距離戦ではナイロンの方がメリットは大きくなるといえます。
私の場合、「月下美人 TYPE-N 煌」の1℔に月下美人フロロリーダー2lbをリーダーとして15cmほど結束しています。
ナイロンの場合は直結でも強度低下がおきにくいですが、細いナイロンはしなやかなのでルアーへの絡まり防止と、フロロの水中でのステルス性を生かしてリーダーをつけてます。
豆アジでもしばらく楽しんだあとは外洋に面した小場所の常夜灯へ移動。
ここではフレッシュなアジが多いので、少し重めの「月下美人ジグヘッドSS」2gにアジングビームをセットして広範囲を手早くサーチ。
中層をシェイキングしながらリトリーブするとヒット。こちらも25cmを超える良型でした。
その後、爆風のなか朝マヅメもやりましたが小型のマゴチだけでアジはヒットならずで帰路につきました。
今回は外房の南部よりも水温の低い銚子エリアへプチ遠征しましたが、狙い通り25cmクラスの良型と夏っぽい豆アジで楽しめました。
あらためて感じたのはこのエリアの人の少なさ。アジング人気の高い外房南部エリアは夏の厳しい時期にもかかわらず人が多いのですが、銚子エリアは夏休み期間だというのに釣り人は多くありません。一部に釣り禁止の漁港もあるので注意が必要ですが、のんびり夏アジングが楽しめるエリアだと思います。
これからは台風などで海が荒れると水温も徐々に下がり始め、秋のハイシーズンまであと少しという状況になり、そうなると外房南部を含めた全国のエリアがアジの適水温に近づくので、アジングもベストシーズンに突入します。
まだ暑い日は続くかもしれませんが、皆さんも夏から秋のアジングを楽しんでみてはいかがですか?
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