
H-1グランプリで優勝するなど、アングラーとして高い実績を持ちながら、釣り具メーカーのティムコで社員として働く大津清彰さんが、リアルタイムな情報を発信する「バス釣り真相解明」。今回は、もっと自由でいい!スーパーバイブレーションスカートのお話です。スカートの基本的な考え方から、大津さんオススメのチューニング方法も併せてお伝えします。
●文/写真:大津清彰
バスの反応を引き出す、「揺れ動くスカート」とは?
さて、今回はスーパーバイブレーションスカートの話。
スーパーバイブレーションスカート
ここ数年(というかライブスコープ誕生後)、各社サカマタシャッドやミラージュスティック、HPミノー、リンキンシャッドのような、高速巻きすると小魚のように逃げるワームが注目されてきました。やはりこの動き(エスケープアクション)はバスのスイッチを入れる要素になると多くの人が感じていたことでしょう。
ライブスコープで見ていると、この動きは確かに後ろから追尾してきたバスの反応が良いことがわかります。つまりバスは視界が効くフィールドでは、「後ろから追尾している間に、バイトするか考えている」とわかってきたのです。※待ち伏せ型のバスはこの限りではない。
さらにこの事は、他のルアーも同様であるとわかってきたのです。バイトトリガーを最後に引き出すのは「バスの後ろ姿にある」という事です。我々は従来、横姿や上からの動きばかり注目していたのですが・・・今、私が最も大切だと感じているのが後ろから見たルアーの動きです。
これを意識するようになってから、ルアー開発は劇的に変わりました。このスーパーバイブレーションスカートも同様です。昨年、H-1GPXで津久井湖・亀山湖で2連勝しましたが、この時もスカートの動き、特に後ろから見たスカートの動きを重要視していました。
つまりスカートもサカマタシャッドの高速巻きのような、しっかり揺れ動く方がバスの興味をひきやすいのです。2連勝した時は、オリジナルタイイングとカットで対応していましたが・・・これがスーパーバイブレーションスカートを販売するきっかけとなりました。
オリジナルタイイングでも、スーパーバイブレーションスカートでも、スカートが動く原理は同じです。つまり、ルアーは一定の物理法則の中でしか動かないのです。スーパーバイブレーションスカートが動く原理は、カルマン渦という現象が関係しています。
新製品のスーパーバイブレーションスカートがよく動くのは、この物理現象が関係しています。意外かと思われますが、ヘッドのバイブレーションはこのスカートでは直接的に関係しません。
さて、そんなスーパーバイブレーションスカートですが、カットした方がその力をより発揮できると私は考えています。
カット方法1
まず基本は市販状態のクラゲカット状態の毛先をすいて、シャギーカットをすることです。毛先に軽やかさが生まれるため、動きにさらなる躍動感が生まれます!カットは私は勝手にヘアスタイルの名前を流用していますが・・・。基本方針として、
・長め大きめカットのほうが、でかいバスが食いやすい。
・短いと小型のバスも良く釣れる。
例外も存在しますが、これは覚えておいてください。
ベリーショート
ちなみにスーパーバイブレーションスカートは、こんなベリーショートでも良く動きます。これも作って持っておくと、重宝します。私が良く使うカットはかなりスカートをすいて作る「ウルフカット」です。これは本当によく釣れます。
ウルフカット
毛先のボリューム感や長さはお好みで。スピナーベイトは大抵、ロングボブでカットされています。もちろんこれも釣れますが、スカートはもっと自由で良いのです!
ラバージグやスピナーベイトはあまりこだわったカットを施したルアーはありませんネ。スモラバはカットにこだわりますが・・・。まぁ私の場合、バスの反応を見ながらいろいろ変えていく感じです。例えばショートバイト多発の状況で、あえてスカートを長くするとバイトが深くなることもあるからです。
スカートに関しては実はもっと釣れるスカートを数型テストしている段階です。来年はいくつか販売できると思うのですが・・・。スカートの世界は奥深いです。
プロトのスカートにて
大津清彰(おおつ・きよあき)
老舗ティムコにてルアー・ロッド開発から各種広報まで担当するマルチプレイヤー。生み出したいくつもの製品がバスフィッシング業界に多大な影響をもたらす大注目の奇才アングラー。
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