「見つけて落としたら釣れる時代はおしまい…」ライブサイトが超難関に…。それでも釣る方法は?

H-1グランプリで優勝するなど、アングラーとして高い実績を持ちながら、釣り具メーカーのティムコで社員として働く大津清彰さんが、リアルタイムな情報を発信する「バス釣り真相解明」。今回は榛名湖でプロトスピナーのテスト釣行のレポートです。開発のこだわりと、今の榛名湖で効果的なバスへのアプローチ方法をお伝えします。

●文/写真:大津清彰

今回はプロトスピナーのテスト!

さて、今回は榛名湖にプロトのスピナーベイトのテストに行ってきました。

榛名湖

プロトのスピナーベイトといっても、本体だけでなくスカートやトレーラーフック等々もテスト。スピナーベイトは深い場所まで目視できるため、クリアウォーターでテストしたい感じです。巨大な水槽でもあればよいのですが・・・それは本社にはないのでこういった場所でテストします。

私の場合、スピナーベイトはかなり重たいモデルも使用します。メインは3/8oz.を使いますが、結局50gくらいまではおもりを追加します。最近判明したことですが、特にクリアウォーターでのスピナーベイトは想像していたよりもかなり速く巻いた方が釣れることが多いです。

遅いとアッという間に見切られてしまいます・・・。従来、そういったハイスピードディープ攻略はディープクランクの世界だったわけですが、同じことをスピナーベイトでやる感じですね。そのため、重くして対応するわけです。ディープクランクよりも助走が必要なくなるので使い方によっては効率が飛躍的に良くなります。

また、スピナーベイト本来のパワーをディープエリアで発揮するだけでバイト連発になることもあります。その際、ブレードが回転し続けるフォールが結構重要なのですが、これを計算しないとしっかり回らない・・・。

また、平行に巻くスピナーベイトとフォールさせながら巻くスピナーベイトでは最適なワイヤー角度が違う。そんなことを考えながら調整していきます。ただ、この日はスピナーベイトを全く食わない日でした・・・。

ブレードの回転やトラブルのテストは進められたものの予想外の展開。なんと午前中はノーバイトノーフィッシュ。バスは気まぐれなので、テストも思うようにいかないこともあったりします・・・。このままだと凸る。そう感じ、一旦下船。車からセミ系とワーム、ジグを持参。するとすぐに反応アリ!

マイクロシケイダー

マイクロシケイダーにて。ボイル撃ちでした。やはりこういった小型な虫系は食われているようですが、沖にはそういうボイルフィッシュは皆無。岸近くです。バスはウィードのあるエリアに集中しており、そういうところを狙います。サイズは下がりますが、レインズスワンプミニのネコリグなんかを使うと30cm程度のコバスはかなり釣れると思います。

一瞬で4本

でかいのだけを狙うならば沖になりますが・・・沖の榛名湖はテンション低くて食わない…。どんなに猛暑でも、関東の山上湖はお盆過ぎてくると最高水温から下降傾向に転じてくるのですが、こうなってくると一気に厳しくなるのが毎年の流れ。

沖は基本的に外したほうが無難ですが、やはりライブサイトで、でかいバスを釣りたいこともあるでしょう。そんな時、榛名湖のような場所では「食うバスだけを超高速で探す」方法がマイブームです。通常、ライブサイトは振動子を左右に振りながら探し、見つけたら止まってアプローチするのが普通です。

ただ、左右に振りながら、しかも止まるとなると意外と広い範囲を探すことができません。そこでエレキを直線的に、高速で出会うバスを探す方法があります。※私は時速6km位。直線的とは言え、ライブスコープの指向角は20度あります。これがむしろちょうどいい塩梅。

高速でバスを見つけた後は逆噴射しません。そのまま惰性で前方方向へ流れる形です。魚探の距離は36m程度に設定し見つけたらフルキャストでアプローチするので構えて移動します。そうすると想像以上に広く探ることが可能になります。

この時は「向かってくる」「遊泳速度が速い」「5mより浅い」これが反応が良いバスの正解でした。そういうバスしか相手にしない。ニュートラルなバスは投げても確率的に食わないし、時間が無駄になります。無視しましょう。そうすると、釣れる確率が高いバスが、おおよそ30匹に1匹位いました。

ライブサイトにて

この時は1時間やって、3匹のバスを食わせて2匹キャッチ。湖を何度も往復して狙っていきます。かなり特殊な釣りですが、現代のライブサイトは超難関になっています。見つけて落とせば釣れる時代は終わり、より高度でテクニカルな技術が必要になっています。

この辺りの変化は、プレッシャーの高い湖のサイトフィッシングに似ていますね・・・。バスは学習能力が高いので、同じ釣りがずっと続く事は無いのです。

★タックル★

ロッド: フェンウィック ACES 68CMHJ
リール:アルファスエアTW
ライン: バリバス アブソルートAAA 14lb.
ルアー:プロトスピナーベイト

ロッド: フェンウィック ACES 64SULJ Ver.ZERO
リール:ヴァンキッシュ2500S
ライン:エックスブレイド フィネスシャングリラ0.6号+LDLフロロ2号
ルアー:マイクロシケイダー

ロッド: フェンウィック LINKS 65SMLJ
リール:エアリティ LT2500S-XH-QD
ライン:エックスブレイド フィネスシャングリラ0.6号+LDLフロロ2号
ルアー:レインズスワンプミニ 1.4g ネコリグ

大津清彰(おおつ・きよあき)

老舗ティムコにてルアー・ロッド開発から各種広報まで担当するマルチプレイヤー。生み出したいくつもの製品がバスフィッシング業界に多大な影響をもたらす大注目の奇才アングラー。

※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。