
堤防のマグロはもはやロマンではない?釣り人なら誰しもが一度は夢見る奇跡の一尾。消えぬマグロを釣りたいという想い。その後起きた奇跡の瞬間。夕まずめの激闘を紹介していこう。
●文:ルアマガプラス編集部
午後5時。静かな堤防に再び現れる男
舞台は伊豆諸島・式根島の堤防。
午後1本目となる、29kgのキハダを激闘の末に仕留めたばかりの男「たくわん」は、まだ竿を握っていた。
29kgのマグロを仕留めた様子
たくわん「脂が足りないなぁ・・・50kg越えが本命なんだよ」
疲れた表情の奥に、まだ火は消えていない。それどころか、次の一投が始まりだった。
マグロを求めて夕まづめの大勝負
「釣れるはずがない」その先へ
夕まずめ。周囲の釣り人もどこか浮足立つ中、彼の目の先に異変が・・・。
”ドッバーン!”堤防の端、別の釣り人のルアーに信じられないサイズの魚が突っ込んだ。
別の釣り人に大型のマグロのチェイスが。期待が高まります。
残念ながらフックアウトに終わったが、推定50kgオーバーのモンスターだった
その魚影を目にした瞬間、心に火がついた。
たくわん「これは・・・ワンチャンあるかもしれない」
午後6時、想像を絶する事態に。
気づけば18時。その瞬間は突然訪れた。
何もないまま時間だけが過ぎ18時03分を迎えたころその瞬間は突然訪れた。
ルアーを遠投、一度アクションを入れたその瞬間・・・水面が炸裂。
たくわん「でた!でた!」
一度はフックアウトかと思われた次の瞬間・・・竿が絞り込まれる。
たくわん「乗ってる。乗ってるわ」
ラインは高速で引き出され、叫ぶドラグ音が堤防に響いた。
たくわん「これはやばいかも。さっきとは段違いだ」
実際、29kgの1本目とはパワーもスピードも桁違い。
ファイトの時間はなんと21分03秒。体の限界と精神の駆け引き。釣り人だけが味わえる、戦いの時間が始まった。
戦いの最中、彼の脳裏に浮かんだのは、前回惜しくも逃したマグロの記憶。
たくわん「全然寄らない。でかい・・・」
一度水面付近まで浮き上がるも、またラインが引き込まれる。
たくわん「さっきとはレベルが違う。絶対捕るぞ」
水面に浮きあがったと同時に勝負をかける。全力でリフトアップし最後の死闘。
たくわん「見えた、見えてきた」
仲間たちが支える中、尾にフッキングした59kgのモンスターは、奇跡的にも無事キャッチに成功。
堤防から釣れたとは思えない絶句するレベルの大きさだ。堤防にいた釣り人全員がその巨大さに唖然としていたのも事実。
たくわん「やりましたよ。リベンジ成功です。ありがとうございました」
釣ったマグロを食す。釣り人の醍醐味
持ち帰ったマグロは、6日間熟成。
熟成後、彼のキッチンで切り出されたブロック肉は、ピンク色に透き通り、サシが輝く。
その光沢は、市場で見る冷凍マグロとは一線を画していた。
たくわん「これが釣り人にしか食べれない味だ」
脂はくどすぎず、下に広がるコク。
鮮度と熟成が織りなす、まさに奇跡の味。
今はマグロのフルコース。釣り人の醍醐味。
釣り人が集う島。交差する思い。
式根島での滞在中、民泊「鈴豊(すずとよ)」や仲間たちとの絆も深まる。
釣ったマグロは、感謝の気持ちとともに真空パックで全国の知人へ発送。
お世話になった皆様にお裾分け。全国の知人へ発送。
さらに後日、釣り友ゴリハンさんも式根島に来島。59kgのマグロが釣れたと聞きつけ、福岡から来たのだ。彼も34kgのキハダを堤防から仕留めた。
釣り人の奇跡は現場に宿る
この動画の詳細はYoutubeチャンネル「たくわんのフィッシングライフ」を要チェック!
釣果、料理、仲間、そして島の空気。すべてが重なって生まれた1本のマグロ。
「こんな体験、もう一生できないかもしれない」「でもまた来るよ、必ず」
たくわん
釣りが好きすぎて31歳で会社を辞めて釣り旅を開始。車で生活しながら、日本全国を駆け巡る男の物語をYouTubeで配信している。好きなことを全力でやったらその先に何があるのか? を確かめるために旅を続ける釣り人の目は世界に向けられている。
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
- 1
- 2