
凄腕アングラーには誰しもひとつやふたつ、苦労話や驚きの体験談があるもの。一昨年のJBトップ50で年間優勝を果たした若手バスアングラー・梶原智寛さんも特殊な経験の持ち主。一本芯の通った、精神力の強さを感じさせる梶原さんのルーツを聞けば…その強さに納得してしまうに違いない。
●文:ルアマガプラス編集部
profile
梶原智寛(かじはら・ともひろ)
青木大介さんの釣りを見てバスプロに憧れ、高校時代にはディスタイルのサポートを受けるように。柔道で鍛えたフィジカルとアウトローが多かった高校生活で培った精神力は、現在のトーナメント活動にも生きている。1999年生まれ。福岡県出身。
修羅の国(?)筑豊のヤンキー高校
バス釣りで芽生えた学校一のワルとの絆
バス釣りを通じて
不良からも一目置かれる存在に
福岡のやや治安のよろしくない地域で生まれ育ったという梶原さん。釣りをしていて、怖いお兄さんに絡まれたこともあったという。
「中学生のころ釣りをしていたら隣で釣りをしていた人と糸が絡んで、それを理由にめちゃくちゃ怒鳴られて、挙句の果てにあんなことまで…。たまたま近くを知り合いが通りかかって助けてもらったのですが、とても怖い思いをしました」
それでもめげずに釣りを続けて中学校を卒業。進学先は、福岡県の田舎のほうでは1番ワルが多いと言われている高校だった。
「そこの学校は遠賀川の支流の犬鳴川のすぐ近くにあって、バイクの免許も取ってOKだったので、毎日釣りできるじゃん! って決めたんです。まわりからしたら『え、そこ行くの…』みたいな感じでしたけど(笑)。入学したらすぐに、同じ学年の不良3~4人にトイレに呼ばれました。自分が通っていた中学が不良が多い学校だったからか、僕まで呼び出しをくらった。まあ僕は柔道をやっていたので、ケンカするならしますけど、くらいの感じでしたけど(笑)。まわりではよく、1年で一番強いやつを決めようやってことでめっちゃケンカしてましたね。それで、その中で一番悪そうな奴といろいろ話をしていったら、そいつもバス釣りをしてるらしくて、釣りの話でめちゃくちゃ盛り上がったんですよ。そのころにはルアーメーカーのサポートも受けてたんで、『お前すげーな! 明日釣り行こうや!』てことになったんです。そこからみんな仲良くなっていきましたね。学校が終わったら僕は釣りに行き、ほかのみんなは暴走しに行くみたいな感じでした(笑)」
まるで不良漫画のような高校に進学し、入学早々トイレに呼び出された梶原さん。呼び出した相手がバス釣りをするようで、そのまま意気投合し友達になったという。



不良だらけの高校だったが、梶原さんは曲がった道には進まず、ひたすらバス釣りに精進する日々。
「ちなみに高校で最初に絡んできた奴とは今でも仲の良い友達で、フィッシングショーに来てくれたりもしますよ。退学になって途中で高校辞めちゃいましたが。思えば高校の友達の半分は卒業できなかったですね(笑)」
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