
「タックル・オブ・ザ・イヤー(T.O.Y)」とはルアーマガジンの読者が選ぶバス釣りアイテムの人気ランキングであり、年に1度だけ開催される。その年の流行の傾向や、時流、人気アングラーまで読み取れる、業界が注目するランキング企画なのだ。今回は2024年のベイトロッド部門を公開!
●文:ルアマガプラス編集部
HISTORY OF T.O.Y 1999〜2023
1999 エバーグリーンインターナショナル コンバットスティックインスパイア
2000 メガバス デストロイヤー
2001 メガバス デストロイヤーエヴォルジオンスーパーグリフォン
2002 エバーグリーンインターナショナル テムジン・コブラ
2003 エバーグリーンインターナショナル テムジン・コブラ
2004 エバーグリーンインターナショナル テムジン・コブラ
2005 メガバス デストロイヤーTHP・サイクロン
2006 エバーグリーンインターナショナル テムジン・コブラ
2007 メガバス デストロイヤーTHP・サイクロン
2008 メガバス デストロイヤーTHP・サイクロン
2009 メガバス デストロイヤーTHP・サイクロン
2010 メガバス デストロイヤーTHP・サイクロン
2011 エバーグリーンインターナショナル テムジン・コブラ
2012 アブ・ガルシア ファンタジスタディーズFDC-67L+MGSベイトフィネス2
2013 シマノ エクスプライド1610M
2014 シマノ エクスプライド1610M
2015 ジャッカル×シマノ ポイズンアドレナ1610M
2016 ジャッカル×シマノ ポイズンアドレナ1610M
2017 シマノ エクスプライド1610M
2018 DAIWA スティーズSC6111M/MHRB ファイヤーウルフ
2019 ジャッカル×シマノ ポイズンアドレナ1610M
2020 DAIWA スティーズSC6111M/MHRB ファイヤーウルフ
2021 DAIWA スティーズSC6111M/MHRB ファイヤーウルフ
2022 DAIWA スティーズSC C69M+-ST ファイヤーウルフ
2023 レイドジャパン グラディエーターマキシマムGX-70HC-ST ザ・マックス
タックルオブザイヤー2024ベイトロッド部門
10位 スティーズ C66M マシンガンキャストタイプⅠ(DAIWA)
●全長:6ft6in
●継数:2(グリップジョイント)
●自重:99g
●適合ルアー:3/16~3/4oz
●適合ライン:8〜16lb
●テーパー:レギュラーファスト
●価格:6万5,450円(税込み)
ミドルウエイトのムービングルアーならこれにお任せ
並木敏成さんの正確無比なキャストスタイルを体現する1本。ハードベイト・ソフトベイトを問わず、キャスト時は軽い力の入力で素直にロッドが曲がり込み、狙ったスポットにスピーディかつ正確に撃ち込んでいく楽しさを味わえる1本。
9位 ゾディアス172H(シマノ)
●全長:7ft2in
●継数:2
●自重:127g
●適合ルアー:12〜42g
●適合ライン:12〜25lb
●テーパー:ファスト
●価格:2万3,210円(税込み)
世界標準の性能を携えたハイコスパモデル
本場アメリカの舞台で鍛え上げた性能は超本格的で、ビギナーから上級者までその使い心地に満足するはず。172Hはロングレンズスのヘビーロッドで、ビッグベイトや重めの撃ち物、ヘビキャロの大遠投などにベストマッチする。
7位 レーベン・トルクチューン DLT-C611M/HRST1s エムスラ(デジーノ)
フィネスからビッグベイトまで、これが本当のバーサタイル
スモラバをカバーに撃ち込む釣りから、中量級の各種ルアー、そしてビッグベイトや大型羽物までをもシームレスに対応する驚きのバーサタイル性を発揮。これ1本でオカッパリもボートもオールシーズン順応できる、バーサタイルロッドの人気モデル。
7位 ブレイゾンC66M(DAIWA)
●全長:6ft6in
●継数:2(グリップジョイント)
●自重:108g
●適合ルアー:3/16~3/4oz
●適合ライン:8〜16lb
●テーパー:レギュラーファスト
●価格:2万570円(税込み)
ハイコスパ・高性能なブレイゾンのナイスミドル
多くのアングラーが手に取りやすい価格ながら、その性能は超本格的。66Mは絶妙レングスのバーサタイル機で、ショートピッチングの撃ち物、ジャークベイトやトップウォーターの操作系ルアーにマッチ。1本あると年中活躍する心強いモデル。(60pt ↑__)
6位 スコーピオン1652R-2(シマノ)
●全長:6ft6in
●継数:2
●自重:127g
●適合ルアー:7〜28g
●適合ライン:12~22lb
●テーパー:レギュラー
●価格:4万3,340円(税込み)
自由な発想で遊べる究極のフリースタイルロッド
魚種もフィールドも問わず、あらゆるスタイルで遊べる懐の深さを備えたスコーピオンシリーズ。その中でも1652R-2は特にバスフィシングとの親和性が高く、ミディアムウエイトのルアーを幅広く快適に扱える。長すぎないレングスで、ロッドティップを下げたアクションもさせやすい。
5位 グラディエーターマキシマムGX-72MH+C バルトロ・ヒート2(レイドジャパン)
●全長:7ft2in
●継数:1
●適合ルアー:MAX1-1/4oz
●適合ライン:MAX20lb
●テーパー:ファスト
●価格:6万500円(税込み)
巻きも撃ちもイケる強気のヘビーバーサタイル
バーサタイルロッドの名竿のGA-610MHCバルトロをベースに、より長く再設計。各種ワームの釣りからワイヤーベイト、クランク、バイブ、中~大型トップと、使えるルアーの幅はとても広い。長さを生かした、ラインスラックを出しながらのデッドスロー巻きはとても秀逸。
4位 グラディエーターマキシマムGX-71XHC-ST パワー・ザ・マックス(レイドジャパン)
●全長:7ft1in
●継数:1
●適合ルアー:MAX1oz
●適合ライン:MAX20lb
●テーパー:ファスト(30tソリッドティップ)
●価格:6万1,600円(税込み)
曲がるほどにほとしばるMAXを超えたパワー
GX-70HC-ST ザ・マックスをベースにさらなるパワーアップを施したのがこのモデル。ロング&ヘビー化することで、操作性をそのままに使用できるルアーの幅が増大した。ワーミングだけでなく、大型トップやジョイントベイト、アンブレラリグにもマッチする。
3位 24ポイズンアドレナ1610M(ジャッカル×シマノ)
●全長:6ft10in
●継数:2
●自重:97g
●適合ルアー:7〜21g
●適合ライン:8〜16lb
●テーパー:レギュラー
●価格:4万6,970円(税込み)
多くのアングラーのド真ん中になるロクテンミディアム
ハイエンドクラスの技術をふんだんに盛り込んだ超高性能ロッドシリーズのポイズンアドレナ。その中でもあらゆるアングラーのニーズを満たすのがこの番手。ミドルウエイトのルアー全般を快適に扱うことができ、1本あればスタイルを選ばず大いに活躍するはず。
2位 スティーズSC 69M+STファイヤーウルフ(DAIWA)
●全長:6ft9in
●継数:2(グリップジョイント)
●自重:112g
●適合ルアー:3/16~1oz
●適合ライン:8〜20lb
●テーパー:レギュラーファスト
●価格:7万4,250円(税込み)
オカッパリバーサタイルの完成系の2代目炎狼
初代のファイヤーウルフからさらに進化し、クランクベイトなどの巻き物への対応力がアップ。ネコリグからスピナベ、クランク、ライトなジグからコンパクトなジョイントベイトまで、多彩なルアーを扱うことができる、これ1本で釣り歩ける真のバーサタイルロッドだ。
1位 グラディエーターマキシマム GX-70HC-ST ザ・マックス(レイドジャパン)
●全長:7ft
●継数:1
●適合ルアー:1/8~1/2oz
●適合ライン:12〜16lb
●テーパー:エクストラファスト
●価格:6万500円(税込み)
柔よく剛を制す! ザ・マックスがT.O.Y.2連覇
ヘビーカバーをフィネスに攻略するためのソリッドティップを搭載したヘビーパワーロッド。軽量リグを繊細に操作しつつ、食わせてからは力強いバットで一気に引き剥がす。タフコンディション化した現代のバスフィッシングに欠かせない、ヘビークラスロッドの次世代モデル。
金森隆志さんのコメント
2年連続で皆さんに評価されたことはすごく光栄です。個人的には竿って「好み」だと思うんです。良い竿っていうのは世の中にたくさんあって、何をもって良い竿とするかは、そのフィールドでその人がやりたいこととのマッチングがすべて。そういう意味で、これまで自分がオカッパリでやってきた釣りと皆さんが今されている釣りがマッチングできているのかなと感じています。なので、皆さんと同じ釣りで今自分も楽しめているということが嬉しいです。そして! そんなザ・マックスが今年、さらにブラッシュアップされてリニューアルします。お楽しみに!
対談:今年も強かったソリッドティップ搭載モデル
profile
ティーチャー大場(てぃーちゃー・おおば)/大場諒(おおば・あきら)
ルアマガ爆買いキング(?)見参
元中学校の英語教師だったが、バス釣りが好きすぎて、ある日突然、地元山陰を飛び出して釣り雑誌編集者へと転職した異色の経歴を持つ男。給料日になるとタックル&ルアーを爆買いすることがなぜか社内で評価され、なんとな〜く7代目ルアーマガジン編集長に抜擢された。夜露死苦ゥ!!
profile
黒田健史(くろだ・けんし)
御存知、T.O.Y.のご意見番
シマノインストラクターにして、JBトップ50に参戦するプロアングラー。T.O.Y.では御意見番として鋭いコメントを連発すること早3年。地元は静岡県浜名湖エリア。バス釣りのほかには、クロダイのルアーゲームにも詳しい。契約メーカー以外の新製品も自腹で試しまくる超道具マニア。
profile
長谷川勇(はせがわ・いさむ)
タックル&ルアー知識無双
東京都足立区にある総合ルアーショップ『maniac’s(マニアックス)』副店長。過去にはJB戦で優勝経験もある実力派で、現在も徹底的な現場主義を貫く。国内外の豊富な商品知識には他のT.O.Y.コメンテーターも一目置くほど。T.O.Y.は2020年(21年3月号)が初参加。
大場:昨年に続き、レイドジャパンのグラディエーターマキシマム・ザ・マックスが首位でした!!
黒田:ソリッドティップ+ヘビーアクション。尖ったスペックのロッドがT.O.Y.を連覇するのには正直驚きもある。というのも、例年ならバーサタイル系が票を集めるでしょ!?
長谷川:チューブラーティップ+ヘビーアクションだと用途が限定される。でも、多少マイルドなソリッドティップであれば、軽めのルアーも投げられる。わずかでも使用できるルアーの幅が広がる。そのあたりの「プラスアルファの汎用性」が支持される理由かもしれませんね。
黒田:3位ポイズンアドレナ1610M、6位スコーピオン1652R-2、7位ブレイゾンC66Mは定番のオールマイティーモデル。以前ならこのあたりのロッドでこなしていたことを、最近は硬めのソリッドティップでやる人が多い。関東では川村光大郎さん監修の2位ファイヤーウルフが大人気。それが西日本へ向かうにつれ、金森隆志さんが手掛けたザ・マックスや4位パワー・ザ・マックスの支持が増えていく…と。
大場:昨年と同じく7位エムスラが根強い人気。曲がりの美しさ+ブランクスの復元力を重視したトルクチューンモデル。実は僕も昨年から気になってるんですよ。
長谷川:本当ですか。ぜひうちの店に来てください(笑)。24年から取り扱いをはじめました。レーベンのなかでも屈指の人気モデルです。
黒田:毎年エッジが効いていると思うのが2つ。ひとつはハートランドのロングロッド。23位疾風七四、30位802MHRB。そしてもうひとつはロードランナーの6.6ft以下のモデル。こちらは22位HB640MLがランクイン。ハートランドとロードランナーには自分たちの釣り=世界観を持ったユーザーがついている。
大場:20位に清水盛三さんが完全監修したデパシオンが入ってます。
黒田:ハードルアー部門のワイルドハンチやDゾーンもそうだけど、モリゾーさんプロダクトは確実にランキングに入ってきますね。そのほかでは26位デストロイヤーF5-62Xも人気の番手です。
長谷川:デストロイヤーもずいぶん歴史のあるシリーズだよね。
黒田:初代の発売が96年なので、もう30年近いですね。
長谷川:デストロイヤーには根強いファンがいます。この番手のように初代とか2代目を今も愛用しているベテランがたくさんいるし、ショップでもいまだに「F0エリーゼないですか?」って聞かれたりする(笑)。
黒田:個性的なロッドには、何年経っても色褪せない魅力がありますよね。そのほか、バーサタイルモデルが票を集めがちなランキングに、ハードプラグに最適化されたマシンガンキャストTYPE-Ⅰ(10位)が入っているのも小気味いい。HB640MLと同じく、ハードベイトファンに愛される名竿です。
個性的なロッドには何年経っても色褪せない魅力がある
黒田健史
ポイズンアドレナはトップ3の常連。
高性能なだけでなくデザインも抜群にカッコいい
大場 諒
2025年のT.O.Y.は現在発売中のルアーマガジンにて投票受付中!
※本記事は”ルアーマガジン”から寄稿されたものであり、著作上の権利および文責は寄稿元に属します。なお、掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。 ※特別な記載がないかぎり、価格情報は消費税込です。
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