
大型ヒラマサを狙うオフショアのキャスティングゲームで活躍するのがサーフェス系のプラグ。ただ、巷で噂の高実績ルアーや最後の切り札的ダイビングペンシルを投げても魚は見にくるだけで喰わない…ということもある。その原因と対策をオフショアキャスティングのエキスパート尾上拓哉さんがYouTube XBRAIDチャンネルで大公開! 動画を観れば納得の尾上流ルアーセレクト理論。ここではその要点を紹介しよう。
●文:ルアマガプラス編集部
オフショアキャスティングゲームのルアー選択3大要素は『スピード』『レンジ』『サイズ』
ヒラマサを狙うオフショアキャスティングはダイビングペンシルなどを使うプラッギングゲームが一般的。
超高活性で簡単に喰う日もあれば、追うけどバイトまでには至らないというもどかしい日も多い。魚がなにかを嫌がっているから喰わせきれない。尾上さんはその原因をきっぱり。
尾上「ルアーセレクトはスピードとレンジとサイズ。この3つの組み合わせで決まります」
つまり3つの要素のうち一つでもズレていれば、魚が反応しない、あるいは見にくるだけで喰わないといった状況に陥ってしまうということだ。
尾上さんのルアーセレクト理論はシンプル。ルアーのスピード、レンジ、サイズを状況に合わせて選ぶ。
SPEED 魚が浮いていれば速く、魚のレンジが深ければゆっくり
尾上「魚が表層近くに浮いているほど速いスピードで引けるルアーを選びます。逆に魚のレンジが深いほどゆっくり引けるルアーで誘い出します」
RANGE ベイトフィッシュの泳層に合わせる
尾上「ルアーが泳ぐレンジは実際にいるベイトフィッシュの泳層に合わせるようにします。マイワシだと水面より少し下の泳層が効果的です」
SIZE マッチ・ザ・ベイトが基本
尾上「ルアーの大きさはやっぱりマッチ・ザ・ベイト。そこにいる実際のベイトフィッシュのサイズに合わせるほうが釣果につながると思います」
ルアーセレクトの3大要素をどう引き出すか? それは各ルアーの特性に込められている!
尾上さんはルアーメーカー『ローカルスタンダード』の代表で、ルアーセレクトの3大要素をベースにルアーを開発。動画では『ローカルスタンダード』のルアーを例にスピード、レンジ、サイズの重要性を解説。
水面下を逃げるマイワシの泳ぎにマッチ・ザ・ベイト!
尾上「近年増えたマイワシパターンのために、表層を逃げるマイワシをイメージして作ったルアーがウォブルベイトです」
ウォブルベイト(ローカルスタンダード)
尾上「ウォブルベイトはただ巻きで使い、水面というより水面下にちょっと潜る。上に逃げないマイワシに合わせた泳層で、浮いている魚を前提に使いますが、魚のレンジがより浅ければ速く、ちょっと深ければゆっくり巻いて誘い出します」
ただ巻きで水面直下に潜り、水面を割って逃げないイワシのエスケープアクションを演出することができる。
浮いた魚には速巻き。ゆっくり巻けば深めの魚にアピール可能。巻き速度で魚のレンジに合わせていく。
スローなただ巻きで水深30mの根に付く魚にアピールできる!
尾上「魚のレンジがちょっと深いかなというときに効果的なのがパドルベイトです。魚が根に付いているとか、水深30mくらいまでの深い魚にアピールできます」
パドルベイト(ローカルスタンダード)
尾上「ただ巻きでのっそらのっそらとワイドなスラロームで泳ぐ。なのでウォブルベイトより魚が出てくるまでの時間が稼げて、より深いレンジに居る魚に有効です」
ただ巻きでワイドなスラロームアクションを発生。大きな動きでレンジの下がった魚に気づかせることができる。
パドルベイトはゆったり泳ぎ、魚が出てくる時間を稼ぎやすい。ウォブルベイトに反応しない深い魚を誘い出せる。
よりスローに深いレンジから魚を誘い上げるなら直立ペンシル
尾上「パドルベイトでもまだ速い。出てくるまでにさらに時間がかかるな、というときは直立浮きのペンシルを使います。アクションをつけても(ラインスラックを出せば)すぐに立ちます」
ダイブベイト(ローカルスタンダード)
尾上「移動距離が短いので同じような場所でアピールできる。魚がなんだ? と気づいて上がってきて喰うまでの間が作れる。じっくり誘いたいときに効果的です」
移動距離が短い直立浮きのペンシルは魚が浮上する時間が稼げ、より深いところに潜む魚を誘い出したいときに有効。
使い方はロッドでゆっくり引いて入力。パッと素早く戻して直立浮きの連続。戻した瞬間の跳ね上がるようなアクションが捕食を誘う。
凪で魚のレンジが深いときはポッパーが有効
尾上「海が荒れると魚が(表層近くに)上がっていることが多いのでペンシルの方が良い場面が多いですけど、凪いでいるときはポッパーが有効です」
バブルベイト(ローカルスタンダード)
尾上「凪だと深いところに居る魚も多い。ポッパーはパコンッと動かして待つ。待ち時間が一番長くとれるルアーなんで、ポッパーの方が深い魚に強いですよね。ただ、深い魚の気づかせるために強く動かすと魚は警戒する。軽めのポップ音と長めのポーズで誘います」
海面が穏やかなときはポップ音や飛沫でレンジの深いターゲットに気づかせ、長めのポーズで魚が浮上。
使い方はやさしく、ゆっくり。ポーズで魚が上がってくる間をとる。高活性時以外、強いジャークはNGだ。
状況に応じて3大要素が重複するルアーをセレクトすれば釣れる確率が上がる!
ここまでの解説でターゲットの泳層にアジャストした喰う間を作り出すことが重要というのがわかる。
尾上「昔からルアー釣りはマッチ・ザ・ベイトがセオリーで、オフショアのキャスティングもそれが基本になりますが、重要な要素でいうとスピード。魚が浮いていれば、速く引いたほうが出る確率が上がります。逆に魚が深いのに速く引くと魚が上がってくる前にルアーが通過してしまう。
あとはベイトフィッシュが泳いでいる層でフィッシュイーターは捕食しますよね。そこからズレると釣れなかったり、とか」
水面を割って逃げないマイワシ捕食時を攻略するために開発されたウォブルベイトが好例だ。
尾上「状況に応じてスピード、レンジ、サイズの3大要素を合わせていく。3つの要素が一番重なるルアーが、そのときに一番釣れるルアーということになります」
ルアーセレクトの3大要素に応じたルアーの使い分けが理論的にわかる動画は必見だ!
オフショアプラッギングのルアーセレクトはスピード、レンジ、サイズを状況に応じてアジャストしていくのが正解。
水切れの良いPEラインがルアーのポテンシャルを引き出し、3大要素が活かしきれる!
尾上さんがヒラマサ狙いで使うPEラインは6号を基準に、広範囲を探るときや10kg以下のヒラマサがメインのフィールドでは4、5号に落とすこともある。このラインセレクトで気をつけているのがラインのたわみ。
尾上「例えばウォブルベイトをただ巻きしているときに、水を含みやすいラインはただ巻き中にラインが垂れ下がるようにたわむじゃないですか。PEラインがたわむほど巻きスピードのむらが出やすくなります」
ルアーセレクトの3大要素のスピードに支障をきたし、巻きスピードにむらが出ればレンジにも影響する。
尾上「ガイドからルアーまで水に刺さるように一直線になりやすい、水切れの良いPEラインが良い。これができるのがフルドラグTSR X8(XBRAID)です」
尾上さんのルアーセレクト理論とラインシステムを参考に大型ヒラマサに挑もう!
フルドラグTSR X8(XBRAID)
●号数:3、4、5、6、8、10、12、15●巻き数:300m、100m×12連結●カラー:ホワイト(10m毎80cmブルーマーク、50m毎1mピンクマーク●価格:オープン
ラインに張りとコシを与えるTSR加工に類い稀な高撥水性能をプラス。キャスト時のライントラブルの軽減、遠投性能の向上、ラインメンディングのしやすさ、そして優れた直進性とキャスティングゲームで大物に挑むアングラーをあらゆる面からサポートするPEラインだ。
D-スペック アブソーバー(XBRAID)
●号数:5、6、8、10、12、14、18、20、22、28、35、40●:巻き数:30m●カラー:クリア●価格:オープン
特殊ポリマー高分子技術による原料生産と最先端テクノロジーによって生まれたナイロンリーダー。抜群の衝撃吸収性、柔軟性、伸びきらない復元性などナイロンリーダーの特性を高めながら直進性もあわせ持ち、ガイド干渉による飛距離の低下を軽減。ルアーの追随性も高められ、ただ巻き系プラグにもマッチする。
アングラー プロフィール
尾上拓哉(おのうえ•たくや)
オフショアキャスティングゲームのエキスパートで、PEラインのフルドラグTSR X8(XBRAID)を武器に、“疲れず、飛距離を伸ばすキャスティング”で大型魚を捕獲。豊富な経験を生かし、ルアーメーカー『ローカルスタンダード』代表としてルアーの開発にも取り組み、入手困難なほど人気のキャスティングゲーム用ルアーを生み出すビルダーとしても注目されている。XBRAID プロスタッフ。
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