
第4回目は四国最大のリザーバー、さめうら湖へと向かった当連載の主・奥田学さん。普段のマイカー&マイボートではなく、今回は携帯性に優れた相棒・キャプチャーを引っ提げて飛行機&レンタカーでの現地入り。狙うは「表層ワンビッグ(ONE BIG)!」。そこには怒涛の展開が待ち受けていたのだった。
●文:ルアマガプラス編集部
奥田学
おくだ・まなぶ/ビッグベイトやジャイアントベイト、そしてアンブレラリグなどストロングスタイルを主軸に、現場最大級のバスを仕留め続けるB I GBASSハンター。愛称は誰が呼んだか“ロボ奥田”。直立不動で精密機械の如く狙った獲物を確実に仕留めるのがその名の由来だ。当連載ではバスのみならず、淡水海水の大物ゲームに挑む氏のフリースタイルをお届けしている。
濁り・マットカバー・流れを制した〝表層ワンビッグ〟狙いゲーム!
奥田学の右腕、剛のツアーロッド。今回の主軸はこのモデル!
キャプチャー 163H-5(シマノ)
●全長:1.91メートル●継数:5ピース●パワー:Heavy●テーパー:Regular●ルアー:14〜56グラム●ライン:ナイロン・フロロ12〜25ポンド、PE MAX5号●価格:4万8400円(税込み)
さめうら湖でメインに使用したロッドは、今季から奥田さんの相棒となった『キャプチャー』のベイトとスピニング各1モデルの計2モデル。一方のベイト『163H-5』は「ビッグベイトなど大型ルアーをしっかり乗せて投げやすく、ショートレングスだからこそ精度の高いキャストや繊細な操作も付けやすい。ボート釣行のみならず、小規模フィールドの岸釣りでも使いやすいね」。もう一方のスピニング274MH/H-2』は「バンタム274MHをブラッシュアップ。ティップがフレキシブルでシェイキングしやすい一方で、カバー周りでも大型に負けない最強クラスのパワースピンやね」。今回もワンビッグを獲る準備は万全だ。
専用竿袋に収納すれば、スーツケースに収めての移動も可能なキャプチャー5ピース。国内外を所狭しと闊歩する奥田さんにとって、もはや代えの利かない相棒だ。
今夏も線状降水帯が我々の行き先を阻む…
「なかなか思い通りに釣りをさせてくれないな、この連載は(笑)」。
今回、奥田学さん率いる取材班は飛行機で四国・高知県入り。当初は県内の河川でまずは岸釣りを楽しんだ後に、さめうら湖へ移動してのレンタルボート釣行を予定。ところが、前日に四国全域を襲った線状降水帯が各河川を大いに濁らせ壊滅状態…。岸釣りで竿を振ることなく、ボート釣行へと方向性を変えたのだった。さらには…。
「本来ジンクリアのサメウラがどこも濁っとる…。かなり増水もしとる。しかも水面は流されてきた流木やウッドチップだらけ…」。
流木で塞がれたスロープを総勢でこじ開けてようやく湖面に浮かぶも、向かった先はどこも濁りとマットカバーだらけ。大増水により岸際のオーバーハングの多くが冠水して、狙いどころは限られる。
「この濁りやとインレットしかできんな…。それにウッドチップが多くてトリプルフックのルアーは難しい状態やね。まずはスナッグレス性の高いリグで魚を浮かせてみようか」。
今回のテーマは「表層ワンビッグ」ゲーム。まずは6・5インチストレートのワッキーリグでマット上〜水面下で誘い、魚を表層へ吸い上げていく作戦。登板したのは『キャプチャー274H/MH︲2』だ。
「PE1・2号にリーダー20ポンド。カバーが絡む釣りで予期せぬでかい魚が食っても確実に獲れるセッティング。この1本はバスフィッシングではMAXパワーとも言えるスピニングやね」。
まずは余裕の良型2連発。当初の不安も杞憂に終わり、怒涛の快進撃が始まっていったのだった。
取材地:さめうら湖(高知県)
別名:早明浦ダム。吉野川の上流部に位置する四国最大のダム湖。マイボートの持ち込みには事前登録が必要なため、今回は“ペリーの早明浦レンタルボート”を利用。入漁券に相当するNPO法人さめうらプロジェクト月会員証は1ヶ月利用可能で2500円。本山町内のコンビニ等で購入が可能だ。
テクニカルな表層ビッグベイトゲームが炸裂!
豪雨の中でも躍動する強波動ビッグベイト2選
「全域でマットカバーが多い状態だと、どうしてもキャスト精度が問われる。闇雲に投げて巻いてだけがビッグベイトじゃない。狙ったスポット、狙ったコースを通すことができなければ答えは導き出すことはできない」。
前項で奥田さんが解説した通り、各所の湖面は流木やウッドチップで覆われ、水質はどこも濁りを伴っていた。ただ幸いなことに前日の雨は湖の各所に雨水によるインレットを生み出し「サメウラは濁るのも早ければ、回復するのも早い」と奥田さんが経験値から語る通り、インレットから注がれる水はごく小規模ながら澄んだ水域を形成。マットカバーの餌食となることなくトリプルフックのハードベイトを投入できれば、バイトチャンスを増やすことができる。
「多少濁っていても波動が最強クラスのルアーなら、水面に吸い上げることも不可能じゃない。そのためには、PE3号にナイロンリーダー30ポンドを組んで表層仕様にした『163H-5』の取り回しの良さが活きてくる」。
海外ではスネークヘッドのバズベイティング、国内ではボートシーバスゲームで奥田さんが愛用する1本。そのショートレングスはバスフィッシングでも同様に高精キャストを促し、テクニカルなゲームで躍動する。
「各インレットの水を見て回復しているなら撃つ。本流と同じく濁っているなら即移動」。
ルアーはビッグクローラーベイトとビッグウェイクベイトを軸に、水を見極め各インレットをラン&ガン。結果はもはや言うまでもないが、いずれのルアーでも幾度もの水面炸裂シーンを魅せてくれたのだった。
「リザーバーは水深が存分にあるから、太陽が上ったら魚が浅場から消えて一気に深い場所へ落ちるタイミングもある。そんな時はフリーリグで探る必要もある」。
さらに釣果を伸ばすことに成功。初日は実に全16本(‼)を仕留めることに成功したのだった。
「明日は昼前から豪雨予報。その前にワンビッグ獲りたいね」。
存分な釣果を得ながらも飽くなき野望を求め、朝から降り続く雨の中をボートは突き進む。激流化した最上流域、流れが巻く反転流。大岩という壁にベイトを追い込む巨大バスを想定してBtフォースを送り込み、トゥイッチで水面を攪拌するドッグウォークで一閃!
「警報が出る寸前、ギリで獲ることができたワ(笑)」。
明らかに50センチの大台を超えた1本に納得の奥田さん。この日の釣果は計4本。ドラマティックな展開で今回も大成功。遠くに雷鳴も轟く中、危険を回避すべく昼前に帰路へと向かったのだった。
リザードクローラー(シグナル)
ボリュームと強波動で一閃 クローラーベイトの金字塔
「濁りが強いだけに、このボリュームで存在感をアピールできて、スローかつ強い波動で水面に吸い上げることができるビッグクローラーベイトやね」。
ワイドかつ肉厚の全長110ミリで自重2オンスクラス。水面の水を力強く掻き分けつつスローなアピールで誘い、初日6本&2日目1本。晴天時が多かった初日に猛打を魅せてくれた。
バンタムBtフォース(シマノ)
●全長:190ミリ●重量:0グラム●タイプ:フローティング●カラー:全15色●価格:3795円(税込み)
ただ巻きウェイクだけじゃない ドッグウォークで強波動コールアップ
投げて巻くだけで表層に引き波を起こし、強烈なロールアクションと独自のサウンドを生み出して誘うジョイントウェイクベイト。
「今回はドッグウォークで移動距離を短くして、より強い波動を生み出してのアピールが効いた」。
ここぞというスポットまで巻き、ピンでドッグウォークのテクニカルなアプローチも奏功。釣果は初日3本&2日目3本。トップウォーターのアピール力が削がれる強雨時でも存分なポテンシャルを発揮したのだった
ソフト素材のマストテールが躍動する吊るしのテクも!
枝越しのミスキャスト時でもチャンスは無駄にしない奥田さん。周辺に見えた個体にアピールすべく上下を繰り返すと何と!「ソフト素材のテールだからこそ、水中でうまくアピールできているんやろね」。ビッグベイトが吊るしで釣れるシーンを見れるとは!
奥田学 使用タックル
❶[ビッグベイト用]●ロッド:キャプチャー163H-5(シマノ)●リール:25アンタレスHG+夢屋ウルトラストロングハンドル48ミリBH-1(共にシマノ)●ライン+リーダー:PE3号+ナイロン30ポンド
❷[フリーリグ用]●ロッド:6フィート6インチプロトロッド●リール:メタニウムXG+夢屋ウルトラストロングハンドル48ミリBH-1(共にシマノ)●ライン:フロロカーボン16ポンド
❸[ライトリグ用]●ロッド:キャプチャー274H/MH-2(シマノ)●リール:ステラC3000XG+夢屋ハンドルノブEVAパワーラウンド型M(共にシマノ)●ライン+リーダー:ピットブルG5 1.2号(シマノ)+フロロカーボン20ポンド
記事には載せきれない⁉驚きの爆釣劇は動画でチェック!
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