バス釣りトーナメントには夢がある⁉極貧からの逆転劇⁉「結婚資金になりました」

バス釣りトーナメントには夢がある⁉極貧からの逆転劇⁉「結婚資金になりました」

凄腕アングラーには誰しもひとつやふたつ、苦労話や驚きの体験談があるもの。ここではルアマガ編集部からの白羽の矢が立った7人の過激な人生・体験談をご紹介! 今回はチーム・イマカツが誇る若手の一人、河野正彦さんだ!

●文:ルアマガプラス編集部

profile

河野正彦(こうの・まさひこ)
今江克隆さんを傍で見てその釣りを吸収してきた、次世代実力派アングラー。一時はJBプロの中でも最極貧と言われた生活を送りながら研鑽を積み、JBトップ50やBMCトーナメントなどの大舞台で栄光を掴んできた。1999年生まれ、兵庫県出身。

チャンスはピンチの形をしてやってくる
逆境をパワーに変える令和の賞金王

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幼少期のころから釣りを楽しんでいた河野さん、自然な流れでバス釣りもするようになった。

「身の危険を感じたことと言えば、10歳のころに40cmくらいのバスがミノーで釣れて、ハリを外そうとしたら左手に刺さって、それを外そうとしたら右手にも刺さっちゃったんです。バスが付いたままの状態で、両手にフックが刺さって身動きが取れなくなってしまった。近くを通りかかった人に救急車を呼んでもらって、病院に運ばれたということはありました」

高校卒業後はヒューマンアカデミー大阪心斎橋校フィッシングカレッジに進学し、2021年からはJBトップ50に出場するバスプロに成長。しかし、22年に自動車の免許取り消しになり、トーナメント出場が危ぶまれたことがあった。

「2トントラックで灯油の巡回販売のアルバイトをしていたんですが、軽い物損事故をしてしまったんです。そのときに『君の免許ではこの車は運転できないよ』って言われて、免許取り消しになったんです。会社の指示で違反とは知らず乗ってしまっていて、結局1年間の免停に。もうトーナメントにも出れないなと思っていたんですが、今江さんに助けてもらって、なんとか出られるように面倒を見てもらいました。一緒にプラをさせてもらっていろいろ吸収できましたし、とても大きな財産になりましたね」

多くのバスプロ同様、駆け出しのころはいつも金銭的に厳しかった。

「所持金が100円しかない状態でトーナメントに出たときもありました。けど、そういう追い込まれた状況こそ勝てたりするんですよね。大会の賞金でなんとか食い繋いでピンチを乗り越えるということが何度もありました。免停後のJBトップ50七色ダム戦で優勝できたのも、めちゃくちゃ切羽詰まっていたからでしょうね。友達や彼女、家族に運転を手伝ってもらったりして、いろいろな人に迷惑をかけてしまった中での優勝だったので、このときは表彰台で恥ずかしいくらい泣いてしまいました。この感動、感情を上回ることはこの先もないと思います」

所持金100円のままトーナメントに出て、そこで優勝して賞金を稼ぎ食い繋ぐということあった。生活がかかっていると、いつも以上の力が発揮できるのが河野プロだ。

昨年度のBMCトーナメントで優勝&AOYを成し遂げ、合計400万円の賞金を獲得。
「まだまだ金銭的にはカツカツな状態なので、この勝ちは大きかったです。この賞金のおかげで昨年末、彼女と結婚することができました」

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