
ヒラマサのオフショアキャスティングゲームでただ巻きが効く! YouTube XBRAID チャンネルで興味深い動画が公開されている。解説しているのはXBRAIDプロスタッフでルアーメーカー『ローカルスタンダード』の代表の尾上拓也さん。ルアー、ロッド、そしてラインの三位一体で実現するヒラマサキャスティングゲームの新戦略を紹介しよう。
●文:ルアマガプラス編集部
“マイワシ”と“魚のスレ”。新戦略ただ巻きメソッド誕生の2つの理由
今回紹介する動画は、YouTube XBRAIDチャンネルの『【ヒラマサキャスティングの新戦略】Wobble Bait ただ巻きメソッド~尾上拓哉~』。
ウォブルベイトは尾上さんが開発したローカルスタンダードのプラグで、新戦略のただ巻きメソッドは、このルアーで成立する。
ウォブルベイト(ローカルスタンダード)は、ヒラマサキャスティングゲームの新戦略“ただ巻きメソッド”のために開発。
通常、ヒラマサのキャスティングゲームはダイビングペンシルやポッパーで水面に誘い出す釣りが多い。
尾上「3年くらい前頃からマイワシが増えはじめた。マイワシは(魚食魚に)追われても水面に逃げない。水面下を逃げる。マイワシのせいで、水面に逃げ上がるルアーへの反応が悪くなってきたので、水面下を逃げるウォブルベイトを作りました」
これが新戦略ただ巻きメソッド誕生のひとつめの理由。
尾上「ヒラマサのキャスティングがはじまって20年くらい経ちますが、釣り人が意図的にルアーをジャークすると急に加速します。その動きにスレてきている部分もあります」
新戦略ただ巻きメソッド考案のもうひとつの理由がこれ。
シンキングタイプのプラグで狙うレンジを下げれば喰うこともあるが、船全体でみると誘い上げたほうが釣果が出やすい。ヒラマサはかけたら根に走る魚なのでなるべく水面近くで喰わせたほうがファイトで優位。
こういった理由も加味して、ただ巻きメソッドとそのためのルアーが開発された。
水面下を定速で巻き切る! ただ巻きの釣れる仕組みはここにある!
ただ巻きメソッドの主役となるウォブルベイトは、タイイングアイの形状が独特だ。
これは堤防など足場の高いところでミノーを引いてると足元付近では上昇軌道で泳ぐ。この軌道を利用するための形状だ。
ウォブルベイトは上を向いた独特の形状のタイイングアイを備える。
尾上「アイが上を向いていれば、着水直後の巻きはじめから上に引っ張られる。でもボディの面で水を受けるから押し下げられる。このバランスを調整して水面下を引き続けることができて、なおかつ速くて振動数の多いウォブリングをします」
ただ巻きで水面を割らずに速いウォブリングで泳ぐのがウォブルベイトのアクションのベース。
ウォブルベイトの泳ぎはその名のとおり、ウォブリングをベースに軽くロールが入る。
尾上「ウォブルベイトを一定の速度で巻いているとボディが横にブレる。このチドる動きの集魚効果がすごく強い。たまにタイイングアイの延長線上にキュッとちょっとだけレンジを上げると、追ってきた魚のスイッチが入って釣れます」
これがウォブルベイトによるただ巻きメソッドの釣れる仕組みだ。
表層の魚を狙うリトリーブと深い魚を誘い出すリトリーブ
ウォブルベイトの使い方はただ巻き。リトリーブスピードによって表層の魚を狙ったり、速度を落として巻くことで深いレンジに潜むヒラマサも誘い出せるという。
尾上「ヒラマサのキャスティングゲームは表層に誘い出すことが大事。そのほうが釣果は出やすくなります」
具体的な巻きスピードは動画内のデモンストレーションでまるわかり。状況に応じてロッドティップの高さも調整が必要だ。
ウォブルベイトはただ巻きに特化したプラグでフックセッティングにもこだわりをみせる。
尾上「フックはただ巻き中にアタックしてきた魚が刺さりやすいストレートポイント。トリプルフックのハリ先1本が下を向くように付けて、水を抵抗を減らすようにしています」
フックはストレートポイントを推奨。水の抵抗を減らすために下を向くハリは1本になるようにセッティング。
新戦略ただ巻きメソッドで欠かせないのがガイドからルアーまで一直線になるPEライン
ただ巻きメソッドで使うウォブルベイトのポテンシャルを最大限引き出すにはタックルセレクトも重要。
尾上「ロッドはMCワークスのプロトモデルですけど、軟らかめでフロントグリップがない。要はブランクの有効長が長いんですよね。
ただ巻きの釣りはほぼサオを立てない。バイトしてアワセを入れなくてもフッキングが決まります。魚をかけてサオが曲がるということは、魚が首を振って下を向いて根に走ることにもつながります。ファイトでロッドを立てることもないです」
尾上「リールはハンドル1回転で130cm程度巻けるもの。ギア比の低いリールで無理やり速く巻くとどうしてもスピードむらが出てしまう。一定速で巻けない状況をなるべく消したいのでエクストラハイギアが良いです」
リールはハンドルひと巻きの巻き取り長130cmが基準。速巻きで一定速度をキープしやすいギア比の高いリールが向く。
そして尾上さんが力説するのがPEラインの重要性。
尾上「ガイドからルアーまで一直線にできるPEラインが理想です」
尾上さんはただ巻きメソッドで使うPEラインについても要望の質が高い。
ただ巻きメソッドで使うPEラインは6号を基準に、広範囲を探るときや10kg以下のヒラマサがメインのフィールドでは4、5号に落とすこともある。
尾上「水を含みやすいラインだとただ巻き中もラインがたわむじゃないですか」
ただ巻き中にPEラインがたわむほど巻きスピードのむらが出やすくなり、フッキングにも支障をきたすことになる。
尾上「ガイドからルアーまで水に刺さるように一直線になりやすい。これができる水切れの良いPEラインがフルドラグTSR X8です」
フルドラグTSR X8(XBRAID)
●号数:3、4、5、6、8、10、12、15●巻き数:300m、100m×12連結●カラー:ホワイト(10m毎80cmブルーマーク、50m毎1mピンクマーク●価格:オープン
ラインにハリとコシを与えるTSR加工に類い稀な高撥水性能をプラス。キャスト時のライントラブルの軽減、遠投性能の向上、ラインメンディングのしやすさ、そして優れた直進性とキャスティングゲームで大物に挑むアングラーをあらゆる面からサポートするPEラインだ。
リーダーはD-スペック アブソーバー(XBRAID)を使用。
尾上「フルドラグTSR X8の6号に40号のD-スペックです。ラインシステムは伸びすぎてもダメだし、伸びが悪すぎるとただ巻きでバイトを弾いたりもしますからね」
D-スペック アブソーバー(XBRAID)
●号数:5、6、8、10、12、14、18、20、22、28、35、40●:巻き数:30m●カラー:クリア●価格:オープン
特殊ポリマー高分子技術による原料生産と最先端テクノロジーによって生まれたナイロンリーダー。抜群の衝撃吸収性、柔軟性、伸びきらない復元性などのナイロンリーダーの特性を高めながら直進性もあわせ持ち、ガイド干渉による飛距離の低下を軽減。ルアーの追随性も高められ、ただ巻きメソッドにもマッチする。
ルアーの性能を補うタックルセレクトで高次元のヒラマサキャスティングゲームを実現!
前述のとおり、敵に追われても水面に逃げないマイワシの増加や、フィッシングプレッシャーによって水面に出ないヒラマサを克服するために生まれのが、ウォブルベイト(ローカルスタンダード)によるたただ巻きメソッドだ。
尾上「どんな釣りもルアーだけでは足りない部分が必ずある。それをサオやラインに頼ったりする。タックル同士が補いあって最強のタックルが出来上がる。だからこそ高いレベルの釣りが成立するんだと思います」
尾上さんの理論を参考にヒラマサキャスティングゲームに挑めば、今まで喰わせ切れなかった魚を手中に収めることも可能。新戦略ただ巻きメソッドの詳細は、動画をチェックだ!
ただ巻きメソッドは、近年増え続けている難局を克服するためのルアー、ロッド、そしてラインの三位一体で成立する新戦略だ。
アングラー プロフィール
尾上拓哉(おのうえ•たくや)
オフショアキャスティングゲームのエキスパートで、PEラインのフルドラグTSR X8(XBRAID)を武器に、“疲れず、飛距離を伸ばすキャスティング”で大型魚を捕獲。豊富な経験を生かし、ルアーメーカー『ローカルスタンダード』代表としてルアーの開発にも取り組み、入手困難なほど人気のキャスティングゲーム用ルアーを生み出すビルダーとしても注目されている。XBRAID プロスタッフ。
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