『バス釣り上達100のヒント』CH.12「変化するバスフィッシング。大切なことは今も昔も取捨選択!?」【帰ってきた、シン・ネバギバ。】清水盛三、インタビュー連載!!

毎回語り尽くしのネタ満載トークインタビュー・清水盛三「帰ってきたシン・ネバギバ。」。連載12回目は、バスフィッシングの酸いも甘いも知り尽くしたモリゾーさんが語るバスフィッシングの真髄に触れた!?どんな状況でも変わりない金言をいただいた。

●文:ルアーマガジン編集部(写真提供:MORIZO SHIMIZU)

清水盛三 MORIZO SHIMIZU 
1970年5月29日生まれ。大阪府出身。’97JBスーパーバスクラシックウィナー、’00JBワールドU.S.チャレンジinレイク・ミード優勝を経て渡米。老舗トーナメント団体B.A.S.S.が主催するエリートシリーズやFLWなどに参戦。2018年をもって引退、17年間の米国競技生活にピリオドを打った後は日本国内の各メディアへの出演他、ご意見番として後輩の指導にあたる。バサー・オールスタークラッシック2022優勝。
オフィシャルサイト http://www.morizoshimizu.jp/
<スポンサー>
エバーグリーンインターナショナル、グローブライド、東レ・モノフィラメント、グレンフィールド、マーキュリー、カラーズインターナショナル、ALL of FAN
<バスマスター通算成績>
●B.A.S.S.
’01ウェスタンオープンでデビュー。1シーズン目で、翌年からのツアー参戦権を獲得。公式戦出場151回、クラシック出場3回、2006年にエリート・ケンタッキーレイク戦優勝、入賞66回(優勝:1回、準優勝:2回、トップ10:9回、トップ20:21回、トップ30:34回)。獲得賞金77万1299ドル(約1億1801万円 *1ドル153円換算)。

アメリカという経験を持つモリゾーさん。今のバスフィッシングを志す若者は何を目指すべきなのか?

モリゾーさんのアメリカ遍歴。その英語力やいかに。

−-モリゾーさんといえばアメリカのイメージが強いんですけど、幼少期アメリカで過ごしたとか留学経験ってというか、アメリカで生活したっていう下地ってあったんですか? 

清水「全く。英語も全く喋られへんし。 高校までは限りなく1に近い2でギリギリ、ギリギリ進級できてるぐらいのレベルの英語力しかなかったしな。 大学行くときも他の教科はイケてても英語で足切りなるかもなって言われてたような男。 」

-−じゃあむしろ英語に関しては苦手意識はあったっていうところですね。 

清水 「うん。最高にね。最高に。 」
 
-−そこで試合はもちろんですけど、生活していくにあたって最初は通訳とかいたんですか? 

清水「いないですよ、最初から。でも助けてもらってたカメラマンがいてたけどね。 
とはいえ、ずっと一緒じゃないからね。 」

-−ほとんどは一人でなんとかしてきたって感じなんですね。じゃあ今はもう完璧ですか? 

清水 「もう、イッテQの出川イングリッシュクラスやったと思うわ。 
モリゾーイングリッシュクラスやったと思うで。 」

−−モリゾーイングリッシュ。笑 でもなんか勢いで行く感じイメージできるかもです。 

清水 「トレイルしてた頃は、ミズーリ州のスプリングフィールドっていうところを拠点にしててね。 
ブラッドピットが生まれ育ったとこ。ブラピの故郷。 」
 
−−ブラピと同じ空気吸って生活してたんですね。それこそあれですか、アメリカ行かれてから、洋画の見方とかも変わりましたか。 

清水 「変わったかもわからんね。 」
 
−−字幕っていうか、もう英語で聞き取るんですか? 

清水 「聞き取れるはずがないし。笑 聞こうとして努力すんねんで、努力するけど余裕で字幕を読んでしまう。まあこんなこと言ってんなっていうのは分かったりもするし。 
ハイブリッドでいける。」 
 
−−モリゾーイングリッシュのハイブリッドで。笑 逆に言うと、そこまで日常会話バリバリできるよってことではなくても、アメリカに挑戦することはできるってことなんですね。 

清水 「できると思いますよ。情熱さえあれば。 」

単身挑んだアメリカという舞台。英語に苦手意識があっても情熱さえあれば挑戦することはできる。

−−情熱さえあれば。そこで、まさにその今回の質問しようとしたところなんですけど。 

清水 「はいはい。うまいこと繋げたね。(笑)」 
 
−−(笑)バスフィッシングをこれから始める人もそうだし、今からいわゆるプロに目指す人っていうのは、何を目指すべきでしょう。モリゾーさん的に。 
 

清水 「そうやな。僕はね、子供の時から釣りが好きで。 4歳くらいの頃から釣りを始めて、小5くらいでバス釣りを知って、まだ全然、創世記やったからさ、バスフィッシングっていうのがね、何も情報がない時代にやってて。 それで、アメリカにバスプロというのがおるらしいでっていう、賞金でご飯食べてる人らがおるらしいでっていうのを、なんか記事で読んだぐらいでね。 逆に言うと、その頃は日本でバス釣りで飯を食うっていう、そんな感覚の人は0人ちゃう。僕も0やし。 もちろんそれで食べてる人もいなかったし。 みんな釣り以外の違う仕事をしてた。 こういう時代が来るとも思わへんかったし。 僕でも働きながらトーナメント出てた。セルフタイムプロみたいな感じなんちゃう。 そういう人らは今もいっぱいいてるからね。 」
 
−−そうですよね。今もほとんど専業でやられてる人っていうのは果たして何人いるんだって感じですよね。 

清水 「メーカーの社員さんになったりとか、ガイドをしたりとかもしくは他の仕事をしながらだよね。 
だから、あとは純粋に釣りを楽しむ人たちと、トーナメントを目指す人たちと多分その2つに分けられるよね。」 

−−いずれにしても、トーナメントでご飯食べていくのは日本では難しい。 
アメリカではバスフィッシングでご飯食べている人って結構いるんですかね? 
 
清水 「うん。ゴロゴロおるよ。ゴロゴロね。 特にアメリカは今すごくて、ハイスクールでバスフィッシングだとか釣りクラブやわな。 で、そこでインターハイみたいなもんがあるわけよ、バスのトーナメントで。 」
 
−−日本じゃ考えられないですね。 

清水 「強い高校の子とかおったら、もうそこでアメリカのメーカーさんたちは青田刈りするからね。」 

−−ほんとに高校野球みたいな感じなんですね。 

清水 「そう、そこでスポンサーが付いたりとか。 あとは、カレッジからスカウトとか。 すごいで。釣りで大学行けたりとかするからね。アメリカ。笑 」
 
−−すごいな。ホント日本じゃ考えられない。 

清水 「だからもう文化が違うよね。 やっぱり日本では外来魚っていう問題があるからね。どうしても。 だから、やっぱり日本とアメリカでは土壌がもう全く違うんじゃないかな。」
 
−−違いますよね。スポーツとしての見方が、やっぱりアメリカの方がかなり色濃い。だからこそ、あれだけエンターテインメント性の高い検量の見せ方とか、ほんとお祭りみたいな感じに。 

ド派手なウエイインショーはアメリカでは当たり前。日本ではなかなかお目にかかれない規模の演出だ。

清水 「当時、僕らがやってた頃はESPNっていうアメリカのスポーツチャンネルが親会社やったんよ、BASSの。さらにその上の親会社がディズニーやからね。僕もディズニーの中の池で釣りするっていうロケのオファー貰ったんだけど断ってしまった。今思えばやっとけばよかった。(笑) とにかくスポーツチャンネルだからメジャーリーグも放送するし、ゴルフも放送するし。スポーツ全般。 」
 
−−そこに日本人選手が、例えば今ですと伊藤巧さん藤田京弥さんいますけども。向こうの生え抜きの、日本で言うと甲子園球児からプロ野球に入ったみたいな人たちの中に入って、なんで戦っていけるんですかね。 

清水 「今はライブスコープというのがあって。ライブスコープを使いこなしてるのは、多分何年か前までやったら日本が1番やったと思うわ。僕はいつもeフィッシングって言ってるねんけど。 eスポーツじゃなくて、eフィッシング。 ゲームチックで、そのメカニカルなことを使って、ゲームのように釣りに当てはめてやっていくっていうのは日本人はすごい長けてたと思うねん。 僕らの時もそうやったけど、強かった時っていうのは、紙の地図しかなくてGPSに地図が載ってない。その状況でサカナを見つけるのが得意だったから時代的に強かったのよ。それが、GPS魚探をつけて誰でもができるようになったから、自分のアドバンテージがなくなったんよね。僕がやってた頃はね。だから、最初行き出した頃強かったっていうのは、それがあったからっていうのもね。 」

−−だからこそ日本人選手も活躍できると。 

清水 「ただ、アメリカ人のすごいところは、それをすごく吸収するのが早い。 ああいうのを使って成績上げたり、タクミくんやキョウヤくんもそうやけど。やっぱそれを使いこなしてね。 で成績残してくると、やっぱりみんなが学習し出して、上達するスピードがものすごく早いし、選手たちにも広まるのめっちゃ早いから。 僕らのこのアドバンテージはどんどん減ってくると思う。 」
 
−−そうですよね。確かに。今でいうFFS魚探は誰もが使いこなしていますもんね。 

清水 「うん。だからそこをもっともっとこう、他の人とは違うことをやっていかなあかんのちゃうかなっていう。アメリカの情報を聞いてたりとかしてたらやっぱそうなんじゃないかなっていう気はするけど。 」

−−FFS魚探だけでは勝てなくなってくると。  

清水 「うん、それはもうマストでその技術は持ってて、それプラス違うものが必要になってくるんちゃうかな。逆に言うと、いわゆるEフィッシングできるのはもう当たり前になっててね。 で、レギュレーションも変わって、来シーズンはマックス5試合しかFFS魚探を使えないと。あとはノーマルフィッシングしかできないみたいな。 」

−−そうなんですね。 

清水「全9試合中4試合か5試合かは2D魚探のみっていう発表あったところ。それはやっぱまた面白くなるし、多分違う結果だったり、違う選手が活躍してくる。 その、ハイブリッドっていうんかな、それも。 ある意味、 eフィッシング+α、ノーマルフィッシングも総合的に。 で、例えば選手らがジャックハンマーを巻いたりとか、ラバージグを打つとか、テキサスリグを打つとか、クランクベイトを巻くとか本来できるのよ。元々はそういう釣りをしてたはずだから。 でも、そこにやっぱり僕らの時代っていうのは、スペシャリストたちがおって、やっぱりすげえなって思うやつがたくさんおったわけよね。 普通に魚を見つけて釣る方法だから、それって昔から言うてたけど、天候とか、暦とか、風とか、雨とか、週間予報とかを見ながらとか、水の色を見ながらとか、総合的に判断せえへんかったら、食わせられへん。 ただ、そのライブスコープで釣ってる魚たちは、そのスイッチが入ってへんやつらでも釣れたりとかするから。 ドンピシャでその魚たちを狙っていかへんかったら、やっぱ釣れへん魚たちっていっぱいおってね。日本なんて、ものすごいその傾向が強い。 だから、その総合力が、さらにスキルが上がるんじゃないかなと期待してますけどね。 」
 
−−それは楽しみです。まさにノーマルフィッシングとeフィッシングをハイブリッドでこなせる人が活躍するようになると。 

清水「楽しみですね。今は20代の若手が台頭してきてるけど、ベテランと言われる30代以上の人たちも、まだまだ体力的には全然いけるから。 僕でも40歳過ぎてからクラシック2、3回行ったりとかしてるし。 だからトータルで見ると、競技として40代半ばぐらいまでは全然ピークパフォーマンスは出せるはず。」

輝かしいモリゾーさんのアメリカ時代を写真等。今なお若々しいモリゾーさんだが、並べてみると違った年代でそれそれ活躍している様が伺える。


 
−−なるほど。若ければ有利ってものでは本来ないですもんね。 

清水「そう、フィジカルだけではないスポーツがバスフィッシングトーナメントっていうね。まあ、あるに越したことないけど。 」
 
−−天候だったり、さっきおっしゃってました水を見るとかっていう、いろんな経験値が釣果に繋がるっていう意味で言うと、40代で全盛期っていうことはもう全然おかしくないというか。 

清水「全然あり得る話だと思うけどね。 」
 
−−じゃあ、これからどんどんまた往年の選手が活躍してくる可能性もあると。 

清水「可能性もあるな。若い子らもそういう釣りができるようになって、全体的なレベルが飛躍的に伸びるんちゃうかなと。  」

−−改めていろんなスタイルのバスフィッシングが見れるっていうのは非常に楽しみな流れですね。 

清水「本当にファンフィッシングもいろんな釣りした方が面白いと思うからね。 
やっぱりこんだけのルアーがあって、こんだけのカテゴリのルアーがたくさんあって、それが全部釣れるのがバスフィッシングやからね。 だから、バスがすごいっていうのは、どんな釣りでもうまいこと合わせれば釣れるし、釣れへん状況でも口を使わせる可能性がある。 例えば海釣りやったら、潮が全く動かへんやったら、もう何やっても釣れないでしょ。 だからバスフィッシングはもう魚の中では多分1番楽しいとも思うけどなー。」 
 
−−そうですよね。だからやっぱり釣り場にいれば山ほど釣り人いますし。 

清水「魚を釣るのは楽しいって、バス釣りってかかった時に引っ張り合いするのももちろん楽しいねんけど。 
そこに行き着くまでのプロセスを楽しめるところまで持っていければさらにね。 以前の動画とか雑誌でも話してたけど、そこを超えた時に面白さがあんねんな。 天気がこうで、水の色がこんなんやからクランクベイトかな。とか。それがバス釣りの楽しさでもあるわけよ。そこに行けば、多分、みんなが沼ると思うねんな。 自分の思った通りの展開で、綺麗な誰にも釣られたことないような魚を釣れれば楽しさ倍増で沼りますね。(笑) 」
 
−−そうですね。簡単じゃないからこそ、というところですね。 
 
清水「遊びでもね、そうやって仮説を立てて、検証して、あとは考察して、これこうじゃないのかな。 
みたいな。それで釣れたら、その考察はあってた。とかね。 めちゃ嬉しいやろ。 ドラマとか観てて犯人こいつちゃうの。と思って、最終回見たら、やっぱりこいつやったんかと思ったら気持ちいいやろ。 それと一緒やねん。バス釣りって。 」
 
−−釣り人は探偵だったんすね。(笑) 
 
清水「探偵。(笑)いい言葉です。アンド冒険者やからね。チャレンジングスピッツエクスプローラーです。エクスプローラー。うん、冒険者。 」
 
−−いいですね。それいただきます。(笑) 
 
清水「それをみんなにやってもらいたいなと。んで、情報過多にもほどがあるぐらいの時代やから、ゴルフにしてもね、何にしてもね。 そこで自分に合った情報を取り入れるとか、この人が言ってることは正しいよねとかって思う目を持たなあかんと思う。 」
 
−−全部鵜呑みにするんじゃなくて。 
 
清水「そうそうそう。自分で見極めていい質の高い情報を自分に取り込んだ方がいいと思う。 
見てて質の低いのもめっちゃいっぱいあるからね。 僕からして。」 
 
−−我々も発信する側でありながらすごい耳が痛いというか。 
 
清水「そうでしょ。やっぱ、その質の高い情報をいかに拾ってこれるかっていうのも、昔はなかったことやけど、今はそれも技術の1つやからな。 」
 
−−質の高い情報を自分で拾ってくるところ。もうそっからもう探偵は始まってるんですね。 
 
清水「そうです。始まってますね。自分の武器をどんどん集めていって、それもいい武器ばっかりを集めていくように。 自分の目、頭を働かして見つけてくるっていうことはすごい重要。 」
 
−−流行りものばっかり追いかけて、みんな同じことしてるみたいな雰囲気ありますよね。 
 
清水「みんな同じように見えるからね。でも僕は昔からあまのじゃくなのか、人と同じことやってたら釣れへんと思ってるから。 自分で考えて、スペシャルのことができれば絶対人より違う結果になると思ってるからね。 
スペシャルになるために、自分の目で見て、頭で考えて。 」
 
−−そうですね、考察して。いやほんとに釣りは頭使いますね。 
 
清水「僕も淡々とキャストしてるように見て、ずっと脳みそ動いてるからね。 」
 
−−うーん、なるほど。直近のルアーマガジンの取材でもめちゃくちゃ釣っていただきましたけど、終わってみて山ほど釣れた。その結果、答え合わせみたいなのってどうだったんですか。 

ルアーマガジン12月号掲載の合川ダム取材の一幕。モリゾーさんらしいパワーフィッシングで良型のバスが連発した。


清水「結果的には、答え合わせはその現場でしていくねんけど、最初に考えたプランで大体近かったかなと思うけどね。少し違ったのがフィールドの状況がちょっと濁ってたりとかしてたし。 でも、いつも言ってるように、上流、中流、下流に分けてどんどん潰していって、結局上流付近にでかい魚がいっぱい固まってたなっていうところまでわかれば、あとは釣り方を考えて、とか。こんな水の色やったらこういうルアー食うんじゃないかなって当てはめていって結果として自分が思ってるストーリー通りに最後はなっていく。」 
 
−−じゃあ最初から考えていたプラン通りにっていうよりは、水の色とか状況を見てアジャストしていった結果、色々なものを取捨選択して、結果に繋がったってことですね。 
 
清水「ロジカルにね、ロジカルに考えて場所を見たり、いろんなものを投げて、取捨選択。自分のやることを決めていくという。 トップカテゴリーにずっとおったから、やっぱその引き出しもたくさんあるし、引き出しを出すスピードも早い。でも、これはもう慣れしかないのよね、これ残念ながら。 で、僕らが教えれるのは経験からこうやからっていうのを教えてるから。 来年にも再来年にも、10年後にも効くことを僕は言ってるつもりやから。 それはものづくりに対してもそうやし、なんでもそう。 」
 
−−そうですよね。だってもうジャックハンマーって何年目ですか。 
 
清水「もう10年近いちゃうかな。 」
 
−−それも今なおカテゴリーのトップ。カテゴリーのトップどころじゃないですけど。 
 
清水「Dゾーンも25年とかでしょ。多分。 」
 
−−それはやっぱりいろんな経験を詰め込んだものづくりが息づいているからですよね。 
 
清水「例えば今回の取材で1つの例をあげるとすると、DDXオーバーっていうディープクランクを投げとって、はじめアユカラーを投げたのよ。で、水の色がちょっとこれ、少しだけ濁りがきついなと。ちょっと色を変えてみた方がええかなと。 ルアーを泳がしたら、やっぱちょっと見えてないなみたいな感じやったからチャートにするよりも、白っぽい色にしたら効くんちゃうかなと思って結び直して投げたらすぐに釣れたからねえ。 それはもう経験やねんけども。 でも、それは積むしかない。経験積むにも闇雲にやるのではなく、やっぱこういう話とかを聞くなり見るなりして覚えといてもらったらいらんことをしなくていい。水の色でも色々あるからね。」

あらゆるシチュエーションに対応できるルアーをラインナップ。常に自分の納得できるルアーを投げられる備えも重要だ。

 
−−どうしても素人は、私も含めてですけど、2極化してしまう。クリアかクリアじゃないか、とか。 
 
清水「その中間。中間もあるしね。あまり難しいことを言いすぎるとややこしいから、その2極化からスタートしても全然最初はいいと思う。うん。 」
 
−−それでも選択をするっていうことを積み重ねていくみたいなことが大事なんですね。 
 
清水「そうそうそうそう。試すということね。 作業を繰り返すっていうこと。 そしたら、自分の身になると思うけどね。それがどんどん、どんどん沼に入っていく。 楽しくなっていくんですよ、これが。 
だから、しばらく自分が納得するまでやらなあかん。 まず自分が釣れそうと思ってやって、やっぱりダメだなって自分で納得するまでやってみる。 」

 −−なるほど。それは金言ですね。ダメだってことを納得するまでやってみる。 
 
清水 「そう、しばらくやってみる。納得するまでまずやるっていうのが大事。 
もう今はこの状況ではないって割り切れることができるまでやり続ける。 
これはすごく大事なこと。 」
 
−−そうすれば、そこに迷いがなくなって、やっぱあれやっとけばよかったなみたいなこともなくなりますよね。 
 
清水 「ずっと迷いっぱなしでしょ。人間迷うからな。 でも、その迷いっていうのが1番良くなかったりするからさ。 集中力もかけてくるし。ちゃんと動かさなあかんのが、動いてなかったりするからさ。 迷ってると。 」
 
−−迷いを捨てるためにやりきると。あ、ここが今日の話の肝な気がします。 
 
清水「でも、本当に今から始める子もそうやっていくのがいい。 今やってる子らもそうやし、もっともっとうまくなりたい人たちもそうやし。 トーナメントアングラーもやっぱり迷うからね。上に行けば行くほど迷うからね。僕らでもやっぱり迷うからね。」 

今回はバスフィッシングにとどまらず、物事の真髄に触れるような金言をいただいた。

経験すること、取捨選択をすること、納得するまでやってみること。バスフィッシングを楽しむ全ての人もこれからチャレンジしていく人も肝に銘じて存分に楽しんでほしい。 
 

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