
秋も深まり、過ごしやすくなってきた今日この頃。旬を迎える食べ物も多く、ついつい食べ過ぎてしまう季節だろう。しかし、10月は食中毒発生件数が非常に増える時期。なんと、厚生労働省が発表しているデータによると、食中毒の原因でもっとも多いのは我々釣り人にとって非常に馴染み深い“アイツ”だという…。
●文:ルアマガプラス編集部
10月は食中毒に要注意!
食欲の秋とも言われ、さまざまな食べ物が旬を迎える10月。キノコや魚介類、冬にむけて栄養を蓄えた食べ物が非常に美味しいシーズンだ。
魚介類も美味しくなる秋。
しかし、10月は1年を通して、食中毒の発生件数が非常に多い時期。健康に過ごすためにも食中毒の原因にはしっかり注意したい。
厚生労働省が発表している令和2年から令和6年までのデータによると、食中毒の原因ランキングでは3位が『ウイルス』。2位が『細菌』だ。
『ウイルス』による食中毒では、代表にノロウイルス。また、『細菌』では鶏に多く見られるカンピロバクターや、間違った保存方法をしてしまった煮込み料理で発生件数の多いウェルシュ菌が挙げられる。
そして、気になる1位だが、これはまさかの『寄生虫』。なんと食中毒発生件数の半数近くが、寄生虫が原因だという。「やっぱりコイツらだったのか」となった読者もいるだろうが、筆者はこの事実にかなり驚いた。
寄生虫の代表格“アニサキス”
寄生虫といえども、さまざまだが、やはりアニサキスによる食中毒が非常に多い。アニサキスは、海洋生物に寄生する線虫の一種。終宿主はクジラ類だが、我々の食卓にも並ぶサバやイカなどといった魚介類が中間宿主だ。
アニサキスの中間宿主となるサバ。
イカにもアニサキスは多く見られる。
サバやイカに寄生したアニサキスを生きた状態で、経口摂取してしまうと激しい腹痛や吐き気などを伴う“アニサキス症”に見舞われてしまう。
サバの内蔵に寄生しているアニサキス。
アニサキスは内蔵に寄生しており、宿主のサバが死ぬと身のほうへ移動する。釣れた魚はすぐに内蔵を取り除くと、アニサキス予防になる。
これは、生きたまま人の胃に入り込んだアニサキスが胃壁を破って脱出しようとする行動から引き起こされていると言われており、場合によっては病院での摘出処理が必要になってしまう。
もちろん、しっかりと加熱、冷凍処理をすればアニサキス症は予防できるが、生食をする場合は気を付けてほしい。とくに、自分で釣った魚や釣り人から貰った魚はきちんと処理する必要がある。
旬を迎えているサンマにもアニサキスはいるので、要注意だ。
サンマにもアニサキスはいるので、生食する場合は気を付けてほしい。
アニサキス対策グッズも!
また、アニサキスを対策するグッズも販売されている。アニサキスをブラックライトの照射で発見する『アニサキスライト』やアニサキス専用のピンセットなどがあるので、不安な方は使ってみるのもオススメだ。
アニサキスライト(ハピソン)
さまざまな食べ物が美味しくなる秋。だからこそ、食中毒にはしっかり気を付けて、食を楽しんでほしい。
サンマの寄生虫はアニサキスだけじゃない!
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