今年の大阪湾の状況は…?オフショアジギングのエキスパートに聞いてみた。「気軽で釣りやすいと思いますよ!」

大阪に拠点を構え、ジギングのプロフェッショナルとして大阪湾を中心に全国のフィールドへ足を運ぶ小中孝浩(こなかたかひろ)氏。特にホームとされている兵庫県は“明石エリア”のこれからのシーズナルパターンや、小中氏のゲームメイクのキモとなるタックルセッティングについて聞いてみたところ快くインタビューに応じてくれた。

●文:ルアマガプラス編集部(漆畑) ●写真:グローブライド

小中さんのプロフィール

今でこそグローブライドのオフショアテスターを任され、ベイトジギングの名手として活躍されている小中さん。釣り歴は幼少からと概ね予想通りであったものの、オフショアジギングに興味を持ったのはなんと15歳頃と、既にこの時点でプロテスターの片鱗を見ることができた。

小中孝浩さん(こなかたかひろ)

当時のジギングはPEラインが普及しだすかどうかという時代。走り出しとも言えるジギング文化に中学時分の小中少年は魅せられていたのだという。

オフショアを中心に活動

様々な釣りを経て20歳頃から本格的にオフショアにのめり込み、ジギングの他にもキャスティングや餌釣りも経験して見識を深めていった小中さん。

自身で定めた釣りの“年間目標”を追い求めて釣りをするスタイルを極めているうちに、オフショアメーカーをはじめさまざまなメーカーのサポートを受け、現在のグローブライドのテスターに至る。

今もそのスタイルは崩さず、ビッグターゲットを中心に自信が立てた年間目標を達成するために日本各地を飛び回っている。

日本各地を飛び回り、ビッグターゲットをメインに活動する小中さん。

今年の大阪湾はお土産が豊富!

例年と比べ水温に変化が見られ、大阪湾に限らず各地で定番のターゲット以外に予想外のゲストが釣れている昨今ではあるが、小中さんのホームである大阪湾の2025年のシーズナルパターンはどうなのか伺ってみた。

小中「明石エリアは年間を通してブリ系の魚を狙っていますね。なので、シーズナルというのはベイトのパターンによる釣り方や有効なジグの事を指します」

小中さんが年間を通して狙うブリ族。

ちなみに、これからのシーズンは太刀魚をベイトとするパターンが強いとのこと。定番の9㎝程度のショートジグに加え、ロングジグへの反応も上がってきているそうだ。

小中「これからの時期は“型”も“数”も狙える。」

しかも今年は不思議と通称ブリ虫(ブリ線虫)が少ないそうで、脂が乗っていて味も良いとのこと。理由はわからないそうだが、ブリ虫がいないに越したことはない。最高だ。

大阪湾に限らず多様なベイトによってジグ形状だけでなく釣り方も変わってくる為、テクニカルなジギングを楽しむ上でもこれからがハイシーズンと言えそうだ。

太刀魚とサワラが好調

ブリ系がメインターゲットとなると、潮の緩いタイミングでは食い渋るのも事実。普段は潮の動かないタイミングでも青物1本勝負でなんとか魚を捻り出そうと頑張らなければならないところ、今年は太刀魚が好調。潮次第で狙いに行く事もあるのだとか。

小中「今年は最大で指7本程度、平均でも指3〜4本の太刀魚が好調なので、今年の大阪湾はかなり良いですよ。」

例年、釣れる太刀魚は指2〜3本程度とのことなのだが、今年はひと回りサイズもアップし、数も狙える。更に今年はサワラが多いとのことで、お土産の心配が少なくゲーム性の高いオフショアジギングを楽しめそうだ。

今年の大阪湾はタチウオとサワラが好調!

大阪湾のタックルセッティング

小中さんが大阪湾で愛用されているのはグローブライド/ソルティガSJシリーズ、61Bの2番と3番の使用頻度が高い。

早い潮の中でもしっかりとジグを持ち上げるスロージギングコンセプトのフラッグシップ [写真タップで拡大]

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リールはソルティガ300を愛用。カウンター付きのリールだと話題のコネクテッドリールのティエラIC300-Cも使うとのこと。

6.3ギアもラインナップされているソルティガ300 [写真タップで拡大]

ヒットマーカーを始めとする最新機器が満載のコネクテッドコンセプト [写真タップで拡大]

リールはいずれもギア比6.3ハンドル一回転80センチ弱と巻き取り量が少ないギア比を多用している。明石周辺のエリアが全体的に水深が浅く、狙いのストライクゾーンを長く誘うためだという。

とはいえ、6.3ギアに固執することなく、反応が無い場合には早巻きも可能なギア比7.3も使うとのこと。シンプルではあるが、実にロジカルである。

小中さんのタックルセッティング

  • SALTIGA SJ 62B-2
  • SALTIGA SJ 62B-3
  • 25SALTIGA 300
  • 25TIERRA 300-C

ロッドの使い分け

使用するジグウエイトと出したいアクションでロッドを使い分ける。大阪湾でメインとなる200〜250gのジグを使用する場合は2番、潮が早い場合は250〜300gを使用するため3番のロッドと、2番、3番パワーのロッドがメインだそう。

大阪湾は潮が早く、6ノット程度船が流れることもあるのだとか。爆流である。定番のウエイトに合わせた2番のロッドだけではジグを動かしきれないタイミングがあるのだ。

明石海峡大橋の西と東

本州と淡路島をつなぐ明石海峡大橋を境目として、西側は砂底で水深も浅く、比較的流れも穏やかなので1番パワーのロッドの出番もあるとのこと。対して東側は流れも早く岩礁帯のエリアが広がっている為、2番〜3番がメインとなる。

小中氏は長年の経験からシーズナルパターンと今釣れているエリアを把握しており釣り当日に東西どちらで釣りを展開するか理解しているが、一般の釣り客として船に乗る際は船長にジグのウエイトとロッドのパワーの確認をすると良いだろう。

大阪湾おすすめジグ

小中氏プロデュースで開発された、2025年新製品のグローブライド/クレードアーティスがズバリおすすめだという。150g〜200gを先行で販売しているが、250gまでは2025年中に販売に漕ぎ着けられそうとのこと。

“誰でも釣れる”を体現した鉛製ジグだ

“CLADE(クレード)”は、進化の原点、あらゆる釣り方へと分岐していく「起点」”を意味しており、今後のウエイト展開としては300g、400g、500g、600gまで予定しているそうだ。もちろん、どのウエイトにも小中氏が納得できるアクションが出るよう微調整が加わる。

今後のグローブライドジグの中核を担う香りがプンプンとしてくる。

気持ちよく使えて、釣れてしまうジグ

ジグの構造はややフロントに寄った重心のショートジグ。あらゆるエリアでメインベイトとなるイワシイカといったベイトに対応している。

クレードアーティスのこだわりは、フリーフォールに込められている。釣れるアクションを考えた際に、人間の操作が強く介入したタイミングはバイトが出にくいという。

糸を張らず緩めずの状態を作り出せるタイミングがフォールであり、そこにバイトチャンスを持ってきたいというのがクレードアーティスに込める小中氏の狙いだ。

ウエイトバランスを調整し、機械的ではなくランダムにイレギュラーなフォールアクションを出せるよう調整している。つまり、フォールを意識して操作ができれば”誰でも釣れてしまう”ジグだということだ。

動かしやすいフロント寄りの重心かつ引き抵抗を軽減するためのフラット形状など、初心者から上級者まで楽しめる要素が込められており、小中氏のホスピタリティが溢れる仕上がりとなっている。

フォールを誘発しやすくするために方向性を決定するサイドエッジ [写真タップで拡大]

引き抵抗を軽減するための薄型ヘッド [写真タップで拡大]

小中「めちゃくちゃ釣れますよ。カラーも既存にないパターンを意識してこだわっていますし。僕の今までの経験を形にできた傑作だと思います。ジグのプロデュース一発目にしてはやりすぎかもしれません(笑)」

クレードアーティスを起点としつつ、太刀魚ベイトのパターンが強い場合はグローブライド/TBジグII アデルなどのロングジグも使用する。ジグのチョイスでいうと、この2種類で事足りるほどのクオリティだそう。

「MGディープブルースポットグロー」 [写真タップで拡大]

「PHオレンジゼブラ」カラーも秀逸だ [写真タップで拡大]

今年の秋は大阪湾に行こう!

小中「初心者の方は特に、今年の10月〜12月の明石の海で釣りをすることをおすすめします。ブリ系を狙うためのジグもショートジグと太刀魚ベイト系のロングジグの2パターンで良いし、お土産で太刀魚も狙えるので気軽で釣りやすいと思いますよ。」

アオモノフリークのエキスパートもビギナーも楽しみ方が広そうな今年の大阪湾に足を運んでみてはいかがだろうか。

小中孝浩(こなか・たかひろ)

大阪に拠点を構え、ジギングのプロフェッショナルとして大阪湾を中心に全国のフィールドへ足を運ぶDAIWAフィールドテスター。多彩なロッドワークでビッグターゲットを狙い撃つ。

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