出るか? 出ないか? その一瞬に賭ける! ヤミツキな釣り人も多数な「チヌトップ」の魅力とは?

クロダイ、キビレをトップルアーで釣る「チヌトップ」。水面を割る派手なバイトにヤミツキになるアングラーも多数。今回は、静岡県・浜名湖のロコアングラー「稲垣文哉」さんがチヌトップの魅力を語ってくれた。

●文/写真:稲垣 文哉(いながき ふみや)

 浜名湖に響く「ジュボッ!」チヌトップ開幕、駆け引きの夏が始まる

桜が散って葉桜になり始める頃、私は毎年ソワソワしてしまいます。理由はもちろん、大好きなチヌトップのシーズンがいよいよ開幕するからです!

私の住むすぐそばには浜名湖があり、例年GW明けくらいからトップでチヌが釣れ始めます。本格的に盛り上がるのは梅雨明けあたり。ちなみに県外の方と話すと「浜名湖って淡水でしょ?」なんて言われて驚きますが、実際は海水に近い汽水湖。

チヌトップ発祥の地とも言われていますが、潮の変化などが読みにくく、簡単に釣らせてくれないのもまた浜名湖の面白さですね。

今年は特にシビアで、ルアーに一度だけ出て終わり…なんて展開が多め。何度も追ってきてくれる魚は少なかった印象です。それでも苦戦する中で釣れる1匹は格別。

チヌトップは浅い水深で釣れやすいので、オカッパリで岸際のハードボトムを中心にランガンしたり、湖に繋がる川や、干潮で干上がるような水路まで歩き回ってチヌを探すのもまた楽しい時間です。

尾ビレを出してボトムを漁る姿を見つけるとテンション爆上がり!けれど、餌に夢中なチヌはトップにはなかなか反応してくれません。そんな時は釣れる魚をひたすら探すスタイルで挑みます。

ある日は涼しい川に入り、見えているチヌを発見。距離を取ってキャストし、ドッグウォークで誘うと「ジュボッ!」と豪快バイト!ザブラポッパー・シークレットのバージンオリーブでキャッチした綺麗なチヌは最高でした。

澄んだ流れの中で出た嬉しい1匹!水面を割る瞬間は何度見ても鳥肌モノです。

水がクリアならプレッシャーをかけにくいクリア系カラーを、濁っていれば目立ちやすいチャートやフラッシング系を選ぶなど、カラー選びも工夫しています。

別日には、自作のショートロッドで狭いポイントを攻め、クリア系カラーで小ぶりなチヌや、濁りの中オレンジ系カラーに食ってきた良型キビレをキャッチ。

見えない濁りの中から派手に出てくれた1匹。

狭い水路から猛ダッシュでルアーをチェイス!トルク満点の引きで存分に楽しませてくれました。

今回も頼りになったのが ザブラポッパー・シークレット。後方重心のおかげでしっかり飛んでくれるので、風が強めの日でもポイントに届いてくれるのがありがたい存在です。しかも動きが素直で、軽いロッドワークだけでキビキビとドッグウォークしてくれるから、川の小場所でも浜名湖の広いエリアでも使いやすい。

夏の日差しを浴びて光るキビレの鱗。エメラルドグリーンが本当に綺麗!

橋の下で発見!派手な水柱とともに飛び出してきてくれました。

雨+濁りでチャンスあり!フラッシングに反応してくれました。

実際、この日も「ここだ!」と思う沈み岩の脇にキャストして、チョンチョンと動かしていたら、後ろからチヌが追いかけてきて…「ジュボッ!」と一発でバイト!

派手すぎないスプラッシュでナチュラルに誘えるのも、このルアーのいいところだと思います。特に水がクリアな場面では、プレッシャーを与えすぎずに口を使わせてくれるのが心強いですね。

チヌとの駆け引きは本当に面白くて、ルアーを追いかけてこちらに近づきすぎ、気づいて反転してしまうことも多々あります。距離が詰まる前に口を使わせるために、ドッグウォークやポッピング、ストップ&ゴーといった誘いを使い分けます。うまく食わせられた瞬間は何度味わっても感無量です。

また、朝まずめは水面も静かでルアーのアピールが通りやすく、夕まずめは岸際に差した魚を狙えるなど、時間帯ごとの戦略も楽しみのひとつ。短い時合をどう活かすかで釣果が大きく変わるのもチヌトップならでは。

日の出直後の浜名湖。ここから1日のドラマが始まります。

そして最後に、今回使ったタックルを簡単にご紹介。

使用タックル

• ロッド:自作ショートベイトロッド(5ft10in、近距離戦・小場所用)
• リール:25SLX BFS XG
ライン:PE1号+フロロリーダー12lb

•ロッド:ricordo ライトゲーム五目ロッド(7ft4in、遠投用)
•リール:21ルビアスエアリティFCLT2500S-XH-QD
•ライン:PE0.4号+フロロリーダー8lb
•ルアー:ザブラポッパー・シークレット(バージンオリーブ、オレンジシャーベット、浜レモンケイムラ、トウゴロウイワシ、ターボスイカ)

トップゲームはルアーの動きやカラー選び、ちょっとした誘いの違いで大きく反応が変わるのが面白いところ。まだまだトップで楽しめる時期なので、もう少し浜名湖のチヌトップを追いかけて、ワクワクの時間を満喫していこうと思います!

今回の相棒たち。タックルを眺めるだけでも釣り欲が湧いてきます。

稲垣 文哉(いながき・ふみや)

幼い頃から水辺が身近で、今も浜名湖を拠点に釣りを楽しむ浜名湖育ちのマルチアングラー。珍しい魚やまだ釣ったことのない魚を追いかけるのがマイブーム。ライトゲームを中心に、渓流からオフショアまで気の向くままに釣りを満喫中。ロッドビルディングも趣味で、自分だけの一本を作る時間も楽しむ。

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