
「これで釣りたい」と、数多くの人を魅了する「ビッグベイト」と呼ばれるジャンルのルアーだが、ついつい投げるだけで満足してしまってはいないだろうか? ビッグベイトも多分に漏れず、あくまでもバスを「釣るため」のルアー。無意味にやたらめったら投げるのではなく、釣れるための使い方が確かに存在する。そこで今回は三原直之さんにその出しどころをうかがった。
●文:ルアマガプラス編集部
profile
三原直之(みはら・なおゆき)
唯一無二の個性で活躍していたトーナメントを2023年に惜しまれつつも引退。現在はイマカツ内のブランド「WAZAMONO」にてルアー開発にいそしむ。ビッグベイトを筆頭としたハードな釣りを得意とする一方で、繊細かつハイセンスな釣りも引き出しに持つ技巧派だ。福禄寿のように知恵者でもある三原さんの理論は、すぐに役立つはず!
「流れ」と「濁り」存在感を活かせる状況変化に注目‼
普通のルアーをバスが見つけにくいときに
ルアーが大きいから「ビッグベイト」。そのシンプルかつ合理的な出しどころを教えてくれたのは、三原直之さんだ。
「全部で3つ。ビッグベイトが有効となるシチュエーションは3パターンあると思っています。まずひとつめはベイトが大きいとき。アユ、ボラ、ウグイ、ワタカ、ハス、ギル、バス。このあたりの魚がバスに食われやすい大型のベイトといえると思います。ただし、このベイトが大きいときというのは普段から食べているかどうかが重要になってきます。例えばワカサギレイクであれば、ほとんどの魚はわざわざ大型のベイトを食べようとはしないはずです。逆に言うと、大きいことそのものが重要なので、習慣的に食われているフィールドであれば例えばルアーをそのベイトの色に合わせる必要もなかったりしますね」
残りの二つは、フィールドで起こる状況変化が鍵となる。
「濁りと流れです。これはマッディウォーターがいいか、とか川がいいか、とかではなくて、通年を通した状況からいかに変化しているか、という意味です」
つまり、「濁りが入っている」や「カレントが出た」といわれるような、釣り場の環境が変わったときがビッグベイトの出しどころだというわけだ。
「濁りは雨のあとなどに起こる状況変化ですよね。どちゃ濁りやカフェオレ色といった言葉を聞くと思いますが、そういった状況変化です。流れも同じで、雨が降って増水したり、水門やダムサイドからの放水なんかでカレントが発生したりといった状況変化。共通するのは、視界にせよ側線にせよ、バスがルアーを見つけにくい状況だということ」
小さいルアーなら濁っていれば見つけにくいし、水押しの弱いルアーなら流れの中では主張しきれない。
「だからこそ、シルエットが大きくて、水押しが強いルアー、つまりビッグベイトが活躍してくれるんです」
バスに気が付いてもらうためにビッグベイトを使う。決して難しい話ではないのだ。
「もう一歩先の話をすると、流れは水押し、濁りはシルエットがポイントとなってくるわけですが、流れに対してもシルエットを変えることは有効です。例えばちょっと濁っているだけならルアーサイズを大きく、濁りにプラスして流れも発生しているならもっとルアーのサイズを大きくするのも有効になってきます。逆にシルエットのことだけで考えると、濁っていない水でも大きいルアーほどバスに見つけてもらいやすいという利点もあったりします」
やはりビッグベイトの釣りは難しい…? いやいや。まずはシンプルに、濁ったり流れが強まったら投入してみてほしい。
バズビルマグナム(イマカツ)
●全長:18cm
●重さ:1.3oz
●タイプ:フローティング 
元祖ビッグベイトへのイマカツ的回答
日本のビッグベイトブームのうち、ACミノーに端を発した流れへのイマカツ的回答ともいえるルアーがこのバズビルマグナムだ。ただ巻きだけでもガンガン水を攪拌して泳ぎ、フレキシブルに動くボディジョイントボディから発生する音でもアピールする。
バスロイドJr. タブー(イマカツ)
●全長:140mm
●重さ:1.7oz
●タイプ:フローティング 
首振りカスタムのルアーが製品化!
バスロイドJr.をイマカツのプロスタッフ・薮田和幸さんが改造し、首振りアクションに特化させたアイデアを製品化させたのがこの「タブー」。コンパクトサイズながらも首振り系ビッグベイトには珍しいずんぐりむっくりとしたシルエットで水押も強いのが大きな武器となる。取り外し可能なFDガードシステムにより、回避力も高い。
点のタブー、線のバズビルマグナム
三原さんが紹介してくれたビッグベイトの投入タイミングのなかで、カバー撃ちやフィネスなアプローチなど、点で釣っていきたいならタブーの首振りを試す。一方、ファストムービング系ルアーで釣るように線でルアーを通したいならバズビルマグナムをチョイスする。また、バズビルマグナムは巻いて使うので流れに対しても特に強い。タブーは流れに対して使うならヨレに投げることが多いという。
同系統のパワーダウンルアーたち
今回はビッグベイトの使いどころということで、濁りや流れが発生した時の使い方を聞いているが、逆に平常時にも同じような魚を釣る方法もあるという。
三原「晴天、クリアアップ、無風、みたいな状況にカバー周りで釣るなら例えばリップライザーやログ、ロングAみたいなフローティングジャークベイトはぜひとも試してみてほしいですね。タブーの首振りの感覚で、ジャーク&ポーズで焦らす釣りです。バズビルのシチュエーションでパワーダウンさせるなら、ブレ―デッドジグやバド系ルアーがおススメです」


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