海外釣行こそその魅力が伝わる⁉奥田学渾身のロッド『キャプチャー』のこだわり

海外釣行こそその魅力が伝わる⁉奥田学渾身のロッド『キャプチャー』のこだわり

ビッグフィッシュハンター奥田学さんのこれまでの経験と知識が注ぎ込まれ、ついに完成した対モンスターフィッシュロッド『キャプチャー』。その未知なるポテンシャルを確かめるため、マルチピースモデル4機種+プロトロッドを携えて奥田さんは東南アジアのタイに降り立った。強烈すぎるファイトでキャプチャーを無遠慮に絞り込むタイの巨大魚たちを相手に格闘する!

●文:ルアマガプラス編集部

海外の怪魚釣り堀は僕の試験場

一般的に釣具の開発は、フィールドテスターやサポートアングラーの釣り場でのフィードバックを反映して製品化される。世界に誇るシマノのタックル開発ももちろん例外ではない。その中でも奥田学さんからのフィードバックはとりわけ重要だ。なぜなら、国内外でビッグフィッシュを狙い続ける奥田さんは、「タックルの限界値」を最も感じやすい状況で常に釣りをしているからだ。

「僕が海外のビッグターゲットの釣りを始めたのは15年くらい前から。国内では経験できないような凶暴なファイトをする魚がいるからね。そこでロッドやリール、ルアー、フック、スプリットリング…それらの強度や性能をリサーチできる。そしてでかい魚とのファイトの仕方も学ぶ。経験値はめちゃくちゃ上がるよね。シマノから新製品が来て、僕が試しに使うと強度不足だったり不具合が起きたりすることがある。担当者は『ほかのアングラーさんは問題なかったんですけどね』って言うんだけど、僕の釣りに必要な強度や性能には達していないっていうことはあるんです」。

今回の旅の前半はタイの釣り堀を2ヶ所訪れた。限られた日程の中、奥田さんがネイティブフィールドだ
けではなく、釣り堀にも時間を割く理由は何なのか。

「日本ではあり得ないようなパワーファイトをしてくる魚が比較的イージーにたくさん釣れる。ロッドのパワーやドラグの設定値、結んだノットが正しいかどうか、フックが合っているか…そういったデータを膨大に取れるいわば試験場みたいなものやね。もちろん釣りは釣れたほうが楽しいしね」。

プラーテーパー
タイの釣り堀ではお馴染みのサメのように尖ったヒレをもつオオナマズ。雑食性でルアーにもアタックしてくる。タイの魚醤「ナンプラー」という言葉からもわかる通り、「プラー」は「魚」の意。 [写真タップで拡大]

チャド―
東南アジアに広く生息するライギョの仲間で肺呼吸とエラ呼吸を両方行う。最大で150センチクラスにまで成長する肉食魚で、ルアーフィッシングの人気ターゲット。マレーシアやインドネシアでの呼称はトーマン。ジャイアントスネークヘッドと呼ばれることも。 [写真タップで拡大]

メコンオオナナマズ
メコン川流域に生息するが、タイではその巨体と引きの強さから釣り堀で人気の魚種。体色は灰色や白色で模様がなく、一般的なナマズに見られるヒゲは成魚になるにつれて消失する。通常は2メートル前後で、稀に3メートルにまで成長する個体も。 [写真タップで拡大]

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全4機種+プロトロッドで怪魚獲り!

知る人ぞ知るバラマンディ釣り堀『ブーン・マー・ポンド』。ここでキャプチャーのマルチピースモデル全機種のポテンシャルを再確認!!

元々はバラマンディの養殖池だが、釣り堀として釣り人にも一部開放している。釣り上げられた魚はスタッフによって出荷用の生簀に運ばれる仕組みだ。要予約。
●所在地:Bang Klua, Bang Pakong District,Chachoengsao 24180 Thailand電話番号:+66 89-251-3153

キャプチャー 169XXXH-SB/5

●全長:2.06メートル ●テーパー:レギュラー ●継数:5 ●仕舞寸法:56センチ ●自重:210グラム ●ルアーウエイト:MAX500グラム ●適合ライン:ナイロン・フロロ18-40ポンド、PE MAX8号 ●価格:5万1700円(税込み)

【リール】カルカッタコンクエスト MD 300XGLH【 ライン】P E6号+ナイロン80ポンド *先端はザイロンリーダー

キャプチャー全モデルの中で最強パワーをもつ500グラムのルアーまで対応するジャイアントベイト・ビッグベイト用マルチピースロッド。奧田さんはアーマジョイント280SFなどで使用。

奧田「世の中にあるマルチピースロッドの中でも最強クラスなんじゃないかな」。

圧倒的なロッドパワーにバラマンディもなす術なし。マルチピースのデメリットはまるで感じられない。

奧田「正直バラマンディにはオーバースペックかな(笑)。でもジャイアントベイトで釣りたい人やガンガン寄せてきたい人には使ってもらいたいね」

キャプチャー 167XH-5

●全長:2.06メートル ●テーパー:レギュラー ●継数:5 ●仕舞寸法:56センチ ●自重:210グラム ●ルアーウエイト:MAX500グラム ●適合ライン:ナイロン・フロロ18-40ポンド、PE MAX8号 ●価格:5万1700円(税込み)

【リール】カルカッタコンクエスト MD 300XGLH【 ライン】P E6号+ナイロン80ポンド*先端はザイロンリーダー

奧田さんのビッグベイティングの中核をなすモデルでグラヴィテーター220SFなどを扱うのに適したモデル。今回はアーマジョイント190Fのドッグウォークでビッグザイズのバラマンディをキャッチした。

奧田「バラマンディはよく引く魚だけどロッドパワーでしっかり寄せてこれた。ビッグベイトでバラマンディを楽しみたい人にはうってつけのモデルやね」。

奧田さんは魚が暴れていないときは指でスプールを押さえながら竿で魚を寄せて、暴れ始めたらスプールを離してドラグでいなしていた。

キャプチャー 163H-5

●全長:1.91メートル ●テーパー:レギュラー ●継数:5 ●仕舞寸法:43.5センチ ●自重:155グラム ●ルアーウエイト:14-56グラム ●適合ライン:ナイロン・フロロ12-25ポンド、PE MAX5号 ●価格:4万8400円(税込み)

【リール】アンタレス DC MD XG+夢屋ウルトラストロングハンドル4 8 ミリ【ライン】PE4号+フロロ60ポンド

奧田「元々はビッグベイトやスイムベイトをショートシューティングで精度高く次々と撃っていくために作った竿。日本ではビッグベイトシーバスでもメインで使っています。アーマジョイント190にもばっちり合うよ。ファイト中もよく曲がるけど復元力が強いので、ガンガン寄せて来れた。バラマンディなら余裕やね。ルアーはアーマジョイント190のプロトのボーンモデル。ドッグウォークで使ったけどアクションレスポンスがさらに向上しているね」。

キャプチャー 1510MH-4

●全長:1.78メートル ●テーパー:レギュラーファスト ●継数:4 ●仕舞寸法:48.9センチ ●自重:142グラム ●ルアーウエイト:10-42グラム ●適合ライン:ナイロン・フロロ10-20ポンド、PE MAX4号 ●価格:4万7300円(税込み)

【リール】25アンタレス XG+夢屋ウルトラストロングハンドル48ミリ【 ライン】PE4号+フロロ60ポンド

キャプチャーの現行ラインナップの中でもっともショートレングスかつライトパワー寄りのモデル。小型のスイムベイトからペンシルベイト、ミノーやクランクベイトまで幅広いルアーに対応する。

奧田「キャプチャー全般に言えることだけどとにかく軽い。この1510はショートレングスと相まって操作性が非常に高いモデルです」。

MHクラスだがこのロッドでもあっさりとバラマンディを寄せてくることができた。

奧田「25アンタレスのトルクもやばい。本当にグリグリ巻いてこれる」。

プロト 7フィート ベイトロッド

【リール】アンタレス DC MD XG+夢屋ウルトラストロングハンドル48ミリ 【ライン】PE4号+フロロ60ポンド

奥田さんが現在テスト中かつほぼ完成に近づいているのがこの7フィートベイトロッド。

奧田「汎用性が高い超ど真ん中のロッド。1510も幅広いルアーが扱えてすごく良い竿なんだけど、1510では補えない飛距離が必要なときがこのロッドの出番。7フィートあるとやっぱりよく飛ぶんです。ダム湖などでボートからチャドーを狙うときにも飛距離は必要になってくる」。

このロッドも今後の奧田さんの海外遠征に必須のモデルになることは間違いない。

キャプチャーへのこだわり

ブランクからグリップまで妥協なく奥田学の経験値を注ぎ込んだマルチピース

奧田「いろいろなルアーを操作する上で、僕はグリップの長さをすごく気にする。キャプチャーはビッグフィッシュをターゲットにしているので、掛けたら脇に挟んでホールドできるっていうのは必須。それに加えてキャスト時の負担軽減。短いと手首から肘にかけてすごく負担がかかる。かといって長すぎると今度は操作性が悪くなる。キャプチャーは何度も修正を繰り返してベストなグリップ長にしました」。

マルチピースであることを全く感じさせない滑らかな曲がりもキャプチャーの特徴。

奧田「シマノの技術だからこそできることですが、継ぎ目を全く感じさせず、高い強度も誇る。あとファイト中、弧を描くブランクにラインが当たらないことも大切。たまに当たってしまうロッドを見かけることがあるけど、ちゃんとテストしてるのかなって思うことがありますね」。

奥田学というスタイルと求めるロッド

「ひと口に怪魚やビッグターゲットと言っても魚種ごとにサイズは多様なので、当然求められるロッドパワーは違ってくる。

チャドーなら10キロくらいのサイズが来ても掛けて寄せられるパワーが必要で、かつ操作性の高さも求められる。となると1510MH-4や163H-5の出番が増える。

一方、たとえば西パプアのパプアンブラックバスとかになると、1510MH-4では全く歯が立たない。169XXXH-SB/5でなんとか獲れるレベル。ターゲットによってロッドに求められるものは変わってくるんです。

だから、キャプチャーのマルチピースになぜ510から69までのバリエーションがあるかというと、現状僕がやりたいゲームフィッシングのスタイルの全ての釣りを網羅できるから。この竿1本あれば全てできるっていうことはない。

あとはね、どんなビッグターゲットを釣るにしても、僕は自分が日頃やっているビッグベイトスタイルやタックルで釣りたいんですよ。例えば僕が釣ってみたい魚にターポンっていう魚がいるんですけど、基本でっかいスピニングリールに長い竿で海釣りっぽくなる。構えたくないんですよ(笑)。キャストを繰り返して仕掛けるのが僕が考えるゲームフィッシングのスタイル。だから、新しい魚種に挑戦するときはまずビッグベイトで釣れないかっていうのを考えたり試したりする。それで釣り方を見つけられたときは、新しい扉を開けた感じがしてとても嬉しいですね」。

「海外遠征は僻地に行くことも多いので、移動はLCC(格安航空会社)やチャーター小型機とかになったりする。そうなるとロングロッドだと載らない可能性も高い。これまではバズーカに2ピースロッドなどを入れていたけど、キャプチャーができてからは、移動が本当に快適になったね」。

奥田さんが国内外のトロフィーフィッシュを狙うため、これまでの経験と知識を元に一切の妥協なく仕上げた理想のツアーロッド『キャプチャー』。そのポテンシャルを確かめる奥田さんの旅はこれからも続く。

海外遠征は敷居が高いと感じる人も多いかもしれないが、タイは観光目的ならばビザ不要、直行便な
らば片道6時間半程度、LCC(格安航空会社)ならば往復4万円台で航空券を購入することも可能だ。バンコク市内は日本語表示が多く、タイ語が話せなくても英語やスマホの翻訳アプリで最低限のコミュニケーションは取れる。移動はボルトやグラブといった配車サービスがおすすめだ。お店などでクレジットカードが使用できるが、現地通貨のバーツも持っておくと何かと安心だ。

動画でもその激しいファイトがみられる!!

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