近所の川で楽しめる『チャビング』って知ってる?手軽で奥深い、魅力あふれる釣りを解説。

近所の小川で気軽に楽しめる『チャビング』って知ってる? 今回はマルチアングラーの稲垣文哉さんがチャビングの楽しさを解説してくれた。

●文/写真:稲垣文哉

近所で楽しむ「チャビング」の魅力

皆さんこんにちは! 今回は僕がすっかりハマってしまっている『チャビング』という釣りについて書いていきたいと思います。

小さくても元気いっぱいなウグイが相手だ。

ロッド一本と小さなルアーケースをポケットに入れ、近所の川へ。軽装でふらっと出かけて、気ままに魚と遊べる。そんな手軽さが、この釣りの一番の魅力。

チャビングってどんな釣り?

チャビングとは、小型ルアーを使ってウグイやカワムツ、オイカワなどを狙うライトゲームの一種。名前の由来にはいくつか説があるけれど、カワムツやオイカワの英名に共通する “chub(チャブ)” が語源と言われている。

クリアケースで計測。夏の光を浴びて、銀色の鱗が美しく輝く。

響きもかわいらしくて、この釣りののんびりした雰囲気にぴったりだ。魚が掛かる瞬間の軽快なバイト。サイズは小さくても、アタリの数とテンポの良さは他の釣りでは味わえない。

リトリーブ中にヒット!流れの中でしっかり食ってくるアグレッシブなウグイ。

一匹一匹とのやり取りが、なんだか楽しくて癖になる。

近所の川で楽しむ“ちょっとした冒険”

僕のフィールドは、家のすぐそばを流れる小さな川。透明度が高く、浅瀬には小魚の群れがキラキラと泳いでいる。夕方になると風が涼しくなり、虫の声が響く中でロッドを振る、それが最近の癒しだ。

釣れるのは主にウグイ。見た目は地味かもしれないけれど、ヒットした瞬間の引きは意外と強い。細いラインを使っていると、ヒヤヒヤする場面も多い。ジャンプしたり、流れに乗って走ったり。

その姿に思わず「おっ!」と声が出てしまうこともある。

小さなルアーで広がる世界。僕がよく使うのは、スプーンや小さなハンドメイドプラグ。中でもスプーンはゴールド系やイエロー系が好反応で、光を受けてキラッと揺れる瞬間にウグイが飛びついてくる。

ハンドメイドプラグのリトリーブでもキャッチ。

予想外に良かったのが「にゃんこスプーン」

巻き抵抗が程よくて操作感がわかりやすく、ウグイからの反応が特に良かった。小さなフィールドでも存在感があり、チャビングにはかなり相性のいいルアーだと感じた。チャビングの魅力のひとつは、ハンドメイドルアーでもしっかり釣れること。

予想外にも好反応だったのはにゃんこスプーン。

ネットを見ていると、自作ルアーで楽しんでいる人も多くて、自分も来年挑戦してみたいと思っている。

使用タックル紹介

チャビングは繊細な釣りだからこそ、タックル選びも大切。でも、特別な道具がなくても大丈夫。ライトゲーム用のロッドやトラウトロッドで十分楽しめる。

スピニングタックル
ロッド:RYOBI ストリームライン66UL
リール:ダイワ 15ルビアス2004
ハンドルは木で作られたものを使用
ライン:フロロカーボン2lb

古き良き雰囲気をまとったコルクのテネシーグリップが、この釣りの世界観をいっそう引き立ててくれる。見た目だけでなく、しなやかなティップが暴れる魚をやさしくいなしてくれるのも魅力だ。ハンドルは木製のdiggripを使用。手になじむ自然な質感が心地よい。

ベイトタックル
ロッド:アブガルシア エラディケーターベイトフィネス EBTC-55ULT-ST
リール:ダイワ 月下美人AIR TW
ライン:PE0.4号+フロロリーダー6lb

軽いルアーも投げやすく、ティップの柔らかさが魚の突っ込みをしっかり受け止めてくれる。ピンポイントに狙える操作性の高さも魅力で、ベイトフィネス専用リールとの組み合わせはチャビングにもぴったり。キャストの感覚が軽快で、扱っていて気持ちがいいタックルだ。

ルアー:スプーン(1〜2g)や豆ミノ20スタビライザーC(ハンドメイド小型プラグ)

今回のルアー。

スピニングとベイトの使い分けは、その日の気分次第。「今日は軽快にキャストを楽しみたいな」と思えばスピニング。「ちょっとテクニカルに攻めてみようかな」と感じた日はベイトを選ぶ。

今回のタックル。

そんな気ままなスタイルも、チャビングの楽しさのひとつだと思う。

小さな工夫で釣果アップ!

今回の釣行で改めて大事だと感じたのが「針」だった。いろいろ試した中で、ゴールデンミーン ウルトラコンパクトフック(Mサイズ)がかなり良かった。小型魚のショートバイトもきれいに拾えて、掛かりが安定。小さな魚との繊細なやり取りを、より楽しめるようになった。

夕暮れの満足感と“身近な幸せ”夕暮れの川面がオレンジ色に染まる頃。釣れたウグイをそっとリリースして空を見上げると、不思議と満たされた気持ちになる。

遠くに行かなくても、すぐそばにこんなに豊かな時間がある。チャビングは、日常の中のちょっとした冒険。夏の名残を感じながら、今日も僕は近所の川で小さな魚たちと遊んでいる。

稲垣 文哉(いながき・ふみや)

幼い頃から水辺が身近で、今も浜名湖を拠点に釣りを楽しむ浜名湖育ちのマルチアングラー。珍しい魚やまだ釣ったことのない魚を追いかけるのがマイブーム。ライトゲームを中心に、渓流からオフショアまで気の向くままに釣りを満喫中。ロッドビルディングも趣味で、自分だけの一本を作る時間も楽しむ。

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