シマノの低弾性カーボン『ローモジュラス』コンセプトシリーズが凄い!

シマノの低弾性カーボン『ローモジュラス』コンセプトシリーズが凄い!

幅広いラインナップで現代バスフィッシングを隈なく網羅するハイコストパフォーマンスロッドが『エクスプライド』。今季新たに加わったのはすでに巷で話題沸騰中の低弾性カーボン『ローモジュラス』コンセプトシリーズだ。ここでは開発に携わった黒田健史さんが真夏の関東フィールドでその威力を検証する。

●文:ルアマガプラス編集部

黒田健史
くろだ・けんし/国内最高峰トーナメントJBトップ50シリーズに参戦するトッププロにして、誰にでもわかりやすい丁寧な解説で定評のシマノプロスタッフ。今回解説するエクスプライド・ローモジュラスコンセプトは開発に深く携わった意欲作のひとつだ。2025年のトップ50ランキングは年間2位。

将監川(千葉県)
しょうげん・がわ/今回は利根川の支流・長門川に位置する長門川マリーナからレンタルボートで出船。その長門川のさらなる支流に当たるのが将監川だ。河口となるエリアは川幅が狭いものの上流方向へと進めば幅が広がり両岸共にフローティングマットを始めとするカバーエリアが続く。流程は約6キロで、丸1日釣りを存分に楽しめる好釣り場だ。

「ほぼ初場所は巻きが先行。たとえ真夏でも」

「ここ将監川は以前、晩秋に一度来たことがあるだけで、ほぼ経験がありません。土地勘があったり、ここぞというスポットが絞られた状況なら撃ちモノをやることもありますが、僕にとってここはほぼ初めての場所。なので、真夏とはいえ、まずはスピーディーな巻きで広く探りたいと思います」。

そう言って当企画の主・黒田健史さんはピッチングで岸沿いのカバーへと正確にブレーデッドジグを撃ち込むや軽快な巻きを繰り返す。手返しの良いゲームを開始したのだった。

「ここは川幅が絞り込まれて、流れが生まれやすいエリア。巻き物ってフルキャストして巻くイメージもありますがそれだけじゃない。場所場所でショート〜ミドルキャストやピッチング、振り向きざまにバックハンドキャスト…と様々なキャスト方法を使うことがありますよね」。

ここで黒田さんが使用しているのは『エクスプライド・ローモジュラス(=LM)』コンセプトの1機種である『165MH ‒LM』。同コンセプトモデルには4機種がラインナップされ、いずれもフルコルクのストレートグリップが採用されている。ダブルハンドでもシングルでも握り込みやすく、あらゆるキャスト方法に対応できるのが強みだ。

とはいえ季節は真夏の一歩手前。気温30度超、太陽がギラギラと照りつける過酷な炎天下。黒田さんが如何に精度の高いキャストを繰り出し続けているとはいえ、魚の活性は明らかに低いことが予想された。この状況下での巻きは無謀か…。否、実釣開始からものの10分と経たぬ間に見事に1本目をキャッチしたのだった。

「見てください、コレ! アベレージサイズでも太軸シングルフックがガッチリ口元を捕らています。コレが『ローモジュラス』の威力のひとつなんですよ!」。

黒田さんの快進撃が始まる。

操作性の高いショートかつコルクストレートグリップ

フルキャストではダブルハンド、ピッチングならシングルでグリッピングしやすいコルクストレートグリップ。ジャークやトゥイッチでヒジや袖に干渉しないショートグリップは操作性が抜群。先端よりやや下から曲がり始めるテーパーはあらゆるルアーの重みを乗せたキャストがしやすく、水中から伝わる振動をスポイルすることなく手元へ伝える高感度を発揮する。

「巻きでもう逃さない。全てのバイトを獲るべく仕上げたシリーズです」

「ハードベイトって、ソフトベイトに比べてアピール力が高い。だからこそ一撃で仕留めることがで
きるルアーなんだと思います」。

投げて巻く。それだけでも釣れるのがハードベイトだが、その実は奥が深い。けっして闇雲で大雑把な釣りではない。

「ここぞという良い場所へ1投でルアーを届けることができること。通すコースによって食う食わないがあるので何度もコースを変えて通してみること。繊細なアプローチができてこそ、ハードベイトが機能するんです」。

その黒田さんの理想とするハードベイトゲームを完遂するために今季の発売に向け仕上げてきたのがエクスプライドローモジュラスコンセプト。あらゆるキャストにおける精度の高さ、巻きの感度、取り回しの良さ、優れた操作性、そして確実なフッキング性能。すべてを兼ね備えたハードベイトスペシャルロッドがここにある。

「進行方向にスピナーベイトをフルキャストしたあと、真横にジグ撃ちのようにピッチングしてのヒットでもホラこの通り! この短い距離だとほかの竿では弾いてしまうのが常。コレもローモジュラスの威力ですね」。

釣りに釣ったり全6本! 反応を得た魚は1本たりとも逃さないノーミスゲームを魅せた!

LOW MODULUS=低弾性カーボンを採用したハードベイトスペシャル機

BFS、グラスコンポジット、スイム&ビッグベイト、パワーゲーム、バーサタイル、タフテック∞という6つのコンセプトに続き、エクスプライド7番目のコンセプトとなったが『ローモジュラス』。低弾性カーボンを意味する言葉で、手返しよくハードベイトを撃ち込んでいくスタイルにマッチするスペックに仕上がったシリーズだ。低弾性カーボンは巻き物ロッドに多く採用されるグラスコンポジット素材と比較して、軽さと感度がアドバンテージ。カーボン特有の適度なパワーと低弾性ならではのしなやかさを持ち合わせるため、高精度なキャストや操作性を発揮するのが最大の特長だ。

エクスプライド165MH-LM[シマノ]

シングルフックの巻き物スペシャル

「カバー絡みでシングルフックの巻き物を使うスペシャルモデル」。

黒田さんがスピナーベイトやブレーデッドスイムジグなどを主軸とした釣りで欠かせないのがこの1本。

「しっかり曲がって投げやすく、バイトがあれば太軸フックを貫通できるパワーがある」。

投げて良し、掛けて良し。

「一見硬いけど低弾性だからこそ全てを可能にできるロッドです」。

バンタム スウェジーMDW(シマノ)
前後共に♯3.25という比較的小型のウィローリーフブレードを搭載したマルチ・ダブル・ウィロータイプ。他モデルよりアピール力はわずかに劣るものの、空気抵抗が少ないためより飛距離を増す上に、より速巻きを可能にする。手返しの良いゲームで最適なモデルだ。

エクスプライド168M-LM/2(シマノ)

オカッパリやレンタル艇で相性の良いLMバーサタイル

LMコンセプトで唯一のセンターカット2ピース機。

「165MLと165MHの中間となるMパワーで、レングスはやや長い6フィート8インチ。使用本数が限られるオカッパリや小型艇での釣行時に使用頻度が高いですね」。

対応ルアーは?

「MLとMHのスペシャル機には及ばなくとも、どちらの使用ルアーも存分に使えますよ」。

いわばローモジュラスバーサタイルか。

バンタム オリバクランクフラット65Fフラッシュブースト[シマノ]
シャッドライクな波動で誘えるフラットサイドクランク。耐摩耗薄型クリアリップがハイピッチアクションに磨きをかけると共に、フラッシュブーストによる別次元のフラッシングで広範囲から魚を呼ぶことが可能だ。

エクスプライド165ML-LM[シマノ]

●全長:6’5”/1.96●アクション:レギュラー ●2 167.4 112 5-21 7-14/MAX 2 217 ストレート 3万3660円

ジャークベイトを始め操作系スペシャル機

「ジャークベイトや、ポッパーやペンシルベイトなどトップウォーターでのテクニカルな操作で使いやすい1本です」。0

ジャークやトゥイッチのロッドワークでは、張りのあるティップが機能してメリハリのあるアクションを演出可能。

「軽量ルアーでもしっかり曲がってキャストしやすいのもアドバンテージです」。

バンタム チャグウォーカー[シマノ
エビや小魚のライズをイメージした控えめなポップサウンドと飛沫、そして移動距離の少ないドッグウォークで誘うポッパータイプ。優れた操作性は誰もが使いやすく、今なお現場で愛好者が多いモデルとして知られる。

エクスプライド173H-LM[シマノ]

ビッグレイクにおけるフルキャスト&ディープ攻略機

「こちらは米国ツアーで活躍中の深江真一プロによる開発モデル。国内ならビッグレイクでシングルフックルアーをフルキャストで使ったり、ディープクランクにも相性の良いモデルですね」。

LMコンセプトは全4モデル。

「いずれも人気のため、なかなか供給が追い付いていない状態が続いていますが…巻きの本格シーズンである秋に向けて生産が進んでいるようですので、しばしお待ち下さい!」。

トリプルフックでもシングルでもガッチリ貫通!

上記3つのルアーのほか、プロップミノーでも釣果を得て、その総数は全6本。特筆すべきはすべてのバトを逃すことなく仕留めたこと。

「そのために作ったと言ってもいい。エクスプライド前作でも存在したMLとMHは66レングスでした、今回は65ながらブランクス部分の長さは同じでショートグリップ。ジャークやトゥイッチでヒジや袖に干渉せず、より操作性が高まり、サークルキャストもしやすいですよ」。

進化した巻きの真定番に注目。

使用タックル

●ロッド:エクスプライド165ML-LM(シマノ)
●リール:メタニウムシャローエディションHG LEFT(シマノ)
●ライン:ナイロン15ポンド

●ロッド:エクスプライド168M-LM/2(シマノ)
●リール:カルカッタコンクエスト シャローエディション31HG LEFT(シマノ)
●ライン:マスティフFC12ポンド(シマノ)

●ロッド:エクスプライド165MH-LM(シマノ)
●リール:メタニウムシャローエディションLEFT(シマノ)
●ライン:マスティフFC14ポンド(シマノ)

動画でもローモジュラスの威力をチェック!

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