
ハロー、ルアマガプラスの読者のみなさん。過去2回ほど記事を書かせてもらったところ、反響も得られたようで、早くも3回目の記事依頼をいただきました。前回、前々回とフィッシングライン(釣り糸)のことを、さまざまな事実と経験を踏まえた上で、ゴリッゴリの主観で書き綴りました。まだ読んでないという方はぜひ過去記事も読んでいただけたら幸いです。
そして3回目ということもあるので、そろそろ秘蔵のハードプラグのネタでも頼まれるかなと、どのジャンルがきても良いように、大量のタックルから準備だけは万全にしておいたものの……
「今回もラインで!」とのこと。ルアマガさん、ルアーとか竿も同じ熱量で語れますけど?大丈夫そう?(大丈夫ですby 編集スタッフ)
●文:ルアマガプラス編集部
釣り糸で悩んでる人が多いってことなんだろうけどね……。
ということで、気を取り直してメーカーのプロスタッフでもなく、メーカーの広告でもなく、リアルにプロの釣りの取材で見て感じて、自分で触って完全に己の主観に当てはめて思ったことをぶちまけるシリーズを開始します。
今回頂いたテーマは「ハイエンドフィッシングライン」。
各メーカーの使用素材の品質や製法など、すべてにおいて最高峰のモデルのライン。
3回目の記事投稿となると、これまで紹介した商品の中にもハイエンドラインはあった。私がハイエンドのラインを選んで使い始めて、まず気づいたことは…、よっぽどのことがない限り巻き替えしないこと。ハイクオリティなラインは長持ちするので、巻き替え頻度は減りました。さらにお気に入りのラインは、金銭的な事情はさておき、愛着もあるのでしっかり使い込みます。
そのようなハイエンドフィッシングラインの中でも、擦るようで申し訳ないのだが、まずはコレを紹介。以前も紹介&最近俄然気に入っている、バリバスのアバニシーバスマックスパワーPE X9。
アバニシーバスマックスパワーPE X9
●号数(MAX LB.):0.8(18)、1(23)、1.2(25)、1.5(33)●編み数:9本●巻き:150m●価格:オープン
こちら4本組みでも、8本組みでも、12本組みでもない9本組み。
このX9というシリーズは、芯材が入ることで9本組み構造なのだが、2024年からシリーズが展開。各魚種用のモデルで展開し、シーバス、イカ、ジギングなど専用ラインが登場し、2026年にはウワサではついに淡水系にも採用されるとか。
X9の特徴としては、芯材が入ることでやや張りのある質感。バーティカルな釣りや巻モノ系のダイレクトな操作感に加えて、構造上、当然感度は上がっている。
(メーカーのWEBサイト情報では伸度3%台)
ここで、PEの質感についておさらいしておきたいポイント。PEラインと言っても、質感はメーカーや銘柄、構造やコーティングによって変わる。また質感はあくまで感覚なので、個人の感じ方の差は大きい。まあ、私の主観では大きく分けて「しなやか寄り系」と「張りコシがある系」がある。そしてそれぞれに良さがある。
しなやか寄り系は、ルアーの動きに干渉しづらく、小さい繊細なルアーでも細かくアクションが出せる。一方で、張りコシがある系のラインは直進性が高く風の影響を受けにくいがゆへ飛ぶ、そして感度も高くなる。X9はどちらかと言えば後者。
細かい話に関しては、前回の記事もあるので割愛させていただくが、改めてアバニシーバスマックスパワーPEX9を使い込んで最近になって感じたことを少し共有しておこう。
私は大きい河川の下流域で釣りをすることが多いのだが、まずは、このX9を使うとバイブレーションとスピンテール系のメタルが気持ち良すぎる。
感度に関しても、ルアーのアクション時に違和感に対してロッドを煽ったりすることがあるが、その際のラインが水を切る感じに軽快さを感じる。もったり感はなくシュパン!と切れるこの感じがとてもいい。ミノーに関しても、ロッドでチャッチャとアクション入力を行う時にそれを感じることができる。理屈ではそうなると解っていても、使い込むとやはり違う。かといって釣れるか?と聞かれたらそれは別問題だが、ルアーがエビったり、ルアーの動きに違和感がでたらすぐ分かるし、障害物に当たってもすぐに感じることができ、水中の解像度は本当に高くなるので、ハイエンドラインの恩恵を感じることは多々ある。
コスパ系のラインやミドルラインを使ってるアングラーにはぜひ試してもらいたい。
続いてのオススメのハイエンドラインは、やはりバリバスのキャスティングPE SMPヒラマサチューン X8。
キャスティングPE SMPヒラマサチューン X8
●号数(MAX LB.):5(80),6(90),8(120),10(150),12(160)●編み数:8本●巻き:200~400●価格:10500~23000円(税抜)
オフショアキャスティングをやらないアングラーには馴染みのないラインなのかもしれないが、私がハイエンドということで感銘を受けたのはこのライン。
キャスティングSMPヒラマサチューンにはコーティング効果により、「張りコシがある系」にカテゴライズしている。ヒラマサキャスティング自体に使うラインの規格は5号、6号と、他ジャンルに比べて基本太いこともあるが、リールに巻いた時の糸離れ感というのか、スプールから糸の端っこを落としてしまった時に、クセも残らずファサファサと落ちていく感じが凄い。
キャスティングをした時には、その放出力の高さを感じることができるはず。
また、放出力の高いから故なのか、キャストの直進性も高く、ガイドにラインが干渉する感覚も少ないのでスーっとガイドを抜けていくフィーリングも極上だ。
オフショアキャスティングゲームを乗合船で楽しむアングラーなら分かるかと思うが、釣果を左右する大きな要素に飛距離がある。ことナブラうちに関しては、届かなければほぼ絶望的な展開が待っている。
チャーター船であれば、キャスティングできるポジションも良いし、一人に対してのチャンスが多くはなるが、乗り合い戦になると話は別。常に群れに対しても近いわけでなく、5m~10mぐらいの距離が釣果を分ける場合がある。
飛距離で負けることなく戦えるライン。正直、このラインを使って釣れなければ、「しょうがない」とあきらめがつくぐらい完成度が高い。
ちなみに、このPEラインに合わせるべきショックリーダーとして、オーシャンレコードショックリーダーを推す。これらもおまけに紹介させて欲しい。
オーシャンレコードショックリーダー
●号(LB.):8~100●巻き:30~50m●価格:2000~3000円(税抜)
そもそもバリバスのショックリーダーの品質の良さは高く知られているが、私もこれまでにアカメ釣りや大型青物釣りにてVEPやショックリーダーナイロンなどを使ってきたが、海のビッグゲームは全てオーシャンレコーダーに切り替えた。
性能の高さ、強度と粘りは大前提として信頼して良いもの、間違いない。
それ以上に、感動するのは本当に管理がしやすいこと。リーダーを組んだ後にリーダーがボビンからズルズルでてしまって、バッカンなどに収納していた場合、糸が内部で出てしまっているという経験を誰しもが通ったはず。使う前に気が付かずにラインに傷でも入ったら最悪な展開も考えられる。
しかしながらこのリーダーのバンドには穴が空いていて、必要なだけを取りやすくしている。それが付属品で着いてくるのだ。このアングラーへの配慮、メーカーがユーザーを思っての愛と言わざるを得ない。
ちなみに、最近では似たような付属バンドを他メーカーでも付けているところもあるが、私は間違いなくバリバス社がこの配慮を一番最初に始めた事を忘れない。
ハイエンドラインをお得に使うために
こういった消耗品も数が重なると出費もかさむので、この時期であれば年末のネットのセール時にまとめて買ってストックを持っておくと良いだろう。
そして、この記事を仮にバリバス社が読んでいたのであれば、私に少しばかりハイエンドラインを協賛して欲しい(ちゃっかり)。
上記は半分?冗談だとしても、ハイエンドラインを購入し安価なPEよりも多くの恩恵を受けるところまではいいが、等価交換として金銭面のダメージが大きい。私のような給料日に奮発をしてタックルを買うタイプの人間は、交換のペースが早くない、いや、上げることができない。もし、この記事をここまで読んでくれた仲間がいたとしたならば、ハイエンドラインを買ってから必ずやったほうがいいことを最後に共有したい。
それは、新しいPEを使う前にPEのコーティング剤を使うこと。ホームセンターなどでシリコンスプレーなどを使うのもいいが、やはり専用成分が配合されたメーカー市販品のスプレーは維持する時間が長い。私のおすすめは、PEにシュッ!というシリーズにプロ仕様というモデルがある。
PEにシュッ! [プロ仕様]
●容量:50ml●価格:オープン
これは液状のものなので、買ってきたPEがボビンに巻かれた状態で、全体が湿るほど塗っておく。これをすることで、ハイエンドラインの初期状態のコーティングを守るという認識だ。キャストを繰り返すうちに、ハイエンドラインの初期状態に近づいていける感覚で使うことができる。メーカーに直接聞いた話によると、これをすることでの性能ダウンはないらしい。むしろ、毛羽立ちなど劣化を防ぐメンテナンス効果としてもいいらしい。釣行の最後に必ずメンテナンススプレーを使って上げることも大事だそう。
初期状態を守りに行ってる時点で、ちょっとそれはと思ったそこの釣り人さんよ、実際試してみてよ。
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