【タイラバ】名手、平田俊也のタイラバチューニング(イワシパターン編)

ヘッドにネクタイ、スカート、フック、ブレード等を組み合わせることで、さまざまな状況に対応したり、自分だけのマル秘リグを作る楽しみもあるタイラバ。しかしタイラバアングラーの中には組み合わせるパーツが豊富すぎて、何をどうすればいいか分からない人もいるだろう。釣り人ならだれしもよく釣る人がどんな仕掛けを作っているか興味があるはず。そこで今回は、ダイワ紅牙フィールドテスターの平田俊也さんが、取材時に使用したブレード付きタイラバ玉神のチューニング例をお届けする。

●文:ルアマガプラス編集部

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初めて訪れたアウェイの地で、結果を出したチューニング

2025年10月初旬、広島・瀬戸内エリアで初めて実釣ロケを敢行することになった平田俊也さん。ダイワ紅牙フィールドテスターであり、鹿児島・錦江湾で遊漁船「Jumbo」で船長を務める気鋭のアングラーだ。平田さんがアウェイの釣り場で、どのようにゲームを組み立てていったかは別記事で紹介しているのでそちらもぜひチェックして欲しい(※記事URLリンクお願いします)

実釣ロケでは主にカタクチイワシの群れに着いたマダイを狙ったため、平田さんが使っていたタイラバもカタクチイワシを意識したものが中心だ。

平田俊也さん。ダイワ紅牙フィールドテスターであり、タイラバをメインに、タチウオ、ティップランなどの四季折々のソルトルアーゲームを楽しんでいる。遊漁船でのガイドも含め、年間釣行は200日以上。モットーは、初めての方にも「また釣りをしたい」と思うような経験をさせてあげること。

イワシパターン(カタクチ)の基本的な考え方

マダイがイワシを捕食している時には、どんなタイラバが有効なのだろうか。

「一般的には小魚っぽいキラキラしたものやグリーン系のカラーが有効とされています。また強めの波動が効果的なので、幅広で厚みのあるネクタイを選ぶことが多いです。ただこれはあくまで一般的な話です。紅牙のラインナップには、イワシパターンに適した「紅牙 ブレードブレーカー玉神」があります。

これは僕が尊敬するタイラバの第一人者、中井一誠さん(和歌山の遊漁船”海竜”の船長で、タイラバ界のカリスマ。これまで数多くのタイラバタックル開発に携わる)が考案したイワシパターンのためのヘッドで、僕も監修として開発に協力させていただきました。

「玉神」の名前は“玉を噛む”ことに由来している。ボディとネクタイとの絡みを軽減したトラブルフリー構造で、安心のサクサスフック採用。優れたフッキング性能を発揮する(画像はダイワHPより)。

「玉神」はタイラバのヘッドという位置づけですが、メタルジグと思ってもらえば分かりやすいと思います。それというのも、タイラバで釣りをしていると結構な頻度でヘッドに直接バイトしていることが多いです。これをフッキングするため、フックをヘッドに近い位置にセットしています。ヘッド形状もベイトフィッシュらしい専用デザイン。テール側のブレードを使ってマダイの活性を上げ、ヘッドに噛みつかせるようにして、積極的に掛けていくのがコンセプトです」。

ブレードを外してネクタイも最小限にする

では次に今回の実釣で結果を出した「玉神」のチューニングを教えてください。

「最初に使ったのはオリジナルセッティングのブレードもネクタイも付けたものでしたが、サワラが回遊していたのと潮流の速さを考慮して、ブレードは早めに外しました。真鯛狙いの細いショックリーダーでは、ひとたまりもないですからね。ネクタイもいくつか試しましたが、シンプルな細身のネクタイ1本が一番良かったですね。ネクタイもいくつか試しましたが、シンプルな細身のネクタイ1本が一番良かったですね。これは魚に対してのアピールというよりも、水流を受けてヘッドを安定させる意味合いがあります。小川船長から「メタルジグでもマダイが釣れている」と聞いたので、これは確実にハマるな!と思いました。「紅牙 ブレードブレーカー玉神」はヘッドに食いつかせるメタルジグ的な使い方に最適ですからね」。

取材時にマダイを2匹キャッチした「紅牙 ブレードブレーカー玉神」45g。ネクタイ(プロト)は細身で1本のみ。「ネクタイなしだと巻き上げ時に潮流に揉まれて姿勢が不安定になるので、必ず付けた方がいいです」(平田)。
初めての釣り場でも、狙い通りの食わせ方でキャッチした52cm。イワシパターンにおける「玉神」の強さが証明された瞬間だ。
「ネクタイのカラーは実績の赤系、オレンジ系の他にクリア系もおすすめ。「玉神」はヘッドに食ってくる前提なので、フックは2本がマストですね」(平田)。このネクタイは「紅牙シリコンネクタイ 3D やり過ぎカーリー」をカットしてチューンナップしたもの。
マダイに混じって50cmあるなしのハマチもヒット。イワシに似たシルエットの「玉神」なら、ゲストで青物が掛かるのはよくあること。

ブレード交換で波動を変える

残念ながらこの日は釣果につながらなかったが、ブレードチューンについてもお話をうかがった。

「ブレードは「紅牙 ブレードブレーカー玉神」の最大の特徴です。金属製ブレードのフラッシングと波動は他に類を見ないアピール力があります。同時にヘッドのスイミング姿勢の安定にもつながっていて、ボディへの食いつきが向上していると感じています。

前述しましたが、活性の高い大ダイは一気にヘッドを吸い込むので、ヘッドの近いところにフックポイントが来るようボディをデザインしたと、開発を担当した中井さんからお聞きしています。

オリジナルだとウィローリーフタイプのブレードが付いていますが、僕はさらに波動が大きくなるようコロラドブレードに交換して使うこともあります。巻き抵抗が増えますが、潮の流れが緩くてレンジキープしにくい場合や、波動アピールでガンガン当たるような時は効果てき面です。また、意外かもしれませんが、コロラドブレードの強波動でスイッチが入って、急に食い出すこともあるので、一度試して欲しいですね」。

ノーマル状態ではウィローリーフブレードを装着。イワシ特有のフラッシング効果と後方への波動でアピールする。
テールをコロラドブレードに交換した「紅牙ブレードブレーカーTG玉神ヘッド」80g。ブレードは2番サイズを使用。

ヘッドにアタックしてくる真鯛へのフッキング率をアップさせるには?

ヘッドへのバイトしてくる魚を掛けるため、どんなセッティングがいいか教えてください。

「私はアタックしてくるイワシパターンなどに限ったチューンではないんですが、フックとネクタイをシンクロ(同調)させるために、「紅牙 フレアリーフ」という小さいワームをフックにチョン掛けします。ワーム自体の浮力と細くて幅のある形状が、まるでネクタイと一体化したように同調するんです。これによりマダイが違和感なくネクタイとフックを吸い込み、フッキングしやすくなります。

「紅牙 フレアリーフ」の特徴は、テール部分を2つに裂けるようになっていて、より波動を大きくしたい場合は、裂いて使うといいでしょう。またテールには細かな突起があるので、ネクタイとくっつきにくく、フックの絡みを軽減する働きもあります」。

イワシパターン以外の時にも効果的なワームとの組み合わせ。「フックに刺した状態で、ワームの後端がネクタイよりやや短いくらいがいいです」(平田)。
「紅牙 フレアリーフ」。吸い込みやすい高強度スーパーソフトマテリアルを採用。マダイにしつこくバイトさせるオキアミフレーバー配合。長さは2インチ(ダイワHPより)。

極厚の強波動系ネクタイで攻める

今回はチューンナップした「玉神」が大活躍でしたが、「紅牙ベイラバーフリーβ」で釣果があったチューンを教えてください。

「大きくないけれど記念すべき最初の1匹でしたね(笑)。「紅牙ベイラバーフリーβ」に使っていたネクタイは、「紅牙シリコンネクタイパデシャ」です。0.8mmの極厚シリコンシートを、時々イレギュラーなアクションが出るように独自のデザインにカットしたネクタイです。強波動タイプのシングルカーリーで、僕の地元の鹿児島でもイワシパターンに実績があります。ここでもこのネクタイに助けられました。頼りになるネクタイです」。

パデシャとは、小さなジャンプを繰り返す猫の足運び”Pas De Chat”(パドゥシャ)に由来するバレエのステップの一種。従来にないアクションから命名された。
裏と表でカラーが異なるリバーシブルカラーを設定。明滅効果でターゲットを魅了する(ダイワHPより)。

ネクタイは専用ケース収納

ここまで平田さんが取材で実際に使ったタイラバのチューニングを紹介してきたが、手際よくリグやネクタイ交換するには、収納方法にも注目したい。

「よく見かけるのがネクタイ等を購入したパッケージのまま、バッカンにバラバラで入れている方ですね。1つずつ出し入れするのが手間だし、最悪の場合は風で飛ばされることもあります。最初の数本ならバラバラでも何とかなりますが、ある程度タイラバをやり込むと、ネクタイ等が溜まってきますよね。そうなる前にできれば専用の収納ボックスを用意しておくといいと思います。

ボックスを開けて、パッと見てすぐ取り出せるのは何より大事だし、ある程度の余裕を持って入れていれば変なクセもつきにくいです。あとは追加で購入する場合にも、何が必要か分かりやすいです」。

「紅牙タイラバケース」は専用設計なので、タイラバヘッドやスカート、フック全てを一つのケースで収納可能だ。

タイラバでゲームを組み立てていくうえで、ネクタイ交換は欠かせない。船上では慌ただしくなることも多いため、ネクタイは専用ケースにまとめて収納しておくと便利。

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