『ワイルドハンチのディープモデルは作らない』清水盛三のディープクランク論

『ワイルドハンチのディープモデルは作らない』清水盛三のディープクランク論

皆さんはディープクランクにどのようなイメージを持っているだろうか。「巻き抵抗が重い」「秋以降に使う」「釣ったことがない」「玄人向けのルアー」といった言葉が返ってきそうだ。2024年はそんなディープクランクに復権の兆しが見られた。SNS上では琵琶湖をはじめ、全国各地でディープクランクによる釣果投稿が目立つ。そんなディープクランクブームの立役者のひとつ『DDエックスオーバー』に絶対の信頼を置き、ビッグバスを釣り続ける清水盛三さんにディープクランクの秘密を教えてもらった。

●文:ルアマガプラス編集部

profile

清水盛三(しみず・もりぞう)
国内トーナメントで数々の成績を残したあと、02年から単身渡米、以来18年まで米国トーナメントで活躍した。クランクベイトをはじめとした巻き物の釣りを得意とするパワーフィッシャーマンで、その知識と経験は自身のルアーブランド『モード』に注ぎ込まれている。2006バスマスターエリート・ケンタッキーレイク戦優勝、2011/2014/2015バスマスタークラシック出場、2022バサーオールスタークラシック優勝など。1970年大阪府生まれ。

食わず嫌いは損するで!ホンマに年中釣れるから‼

DDエックスオーバーで釣りに釣った2024年

2023年はもう3月からDDエックスオーバーが大活躍。テレビの撮影でリザーバーに行って最終プロトを使って5本で10kg近く釣った。それを皮切りにポストスポーン以降も良く釣れて。シャローがダメなときはこれでディープを釣るっていう。夏も深いところにおるやつを釣るのに活躍したしね。秋もシャローが全然釣れへんってなったときは、DDエックスオーバーで沖を引きに行って3〜4本連発するとかあった。早春は単発の魚を拾っていった感じやったけど、6月以降は沖のディープに複数で固まってる場所がリザーバーとかにはあるねん。そこで1ヶ所で連発したりするから。やっぱりワームだけではなくて、こういう釣りもあるっていうことを多くの人に知ってもらいたいよね。

米国で清水盛三はオフショアパワーフィッシャーマン

僕のディープクランクの始まりは琵琶湖。

渡米前は、琵琶湖はもちろん霞ヶ浦とかでもディープクランクをメインに試合を組んだこともあった。そやけど、アメリカに行って、それだけでは全然甘いことがわかった。やっぱりアメリカのフィールドって、ディープクランクが有効な場所やエリアがすごく多くて、それで釣れる魚がたくさんいる。僕が渡米してすぐの頃は、実はアメリカ人選手の中でもディープクランクをメインの戦略に組んでくる人は少なかった。ただ、僕は琵琶湖で浚渫のディープをやったりしてたから、すごくオフショア(沖)の釣りが得意やった。僕が出場し始めた頃のアメリカ人選手は、オフショアの釣りが得意ではない人がほとんどで。

そんなときに、僕がディープクランクやミドルレンジ以上のクランクベイトを駆使してオフショア戦略でガンターズビル戦などで上位入賞したり、ケンタッキーレイク戦で優勝したりしてね。アメリカのトーナメントで僕のディープクランクの釣りがブラッシュアップされたのは間違いない。理解度が高まったっていう感じ。カラーセレクトにしても何に関してもね。だからアメリカ人の僕に対するイメージは『オフショアパワーフィッシャーマン』やと思うな。ディープクランクとフットボールジグとヘビーウエイトテキサスを使う選手っていう。そのレンジにいい魚がいたら必ず上位に来るタイプの人間だと思われていたと思う。最初の頃はね。特に2005年ガンターズビル戦の最終日に、年間の単日最重量ウエイトを釣ったオフショアでのクランキングっていうのが、みんなに鮮明に意識づけられたんちゃうかな。その次の年にはケンタッキーレイク戦でディープクランクで優勝してるからね。やっぱりそういうイメージっていうのはあるんちゃうかな

2024年の清水盛三さんにとってDDエックスオーバーはシャローが沈黙したときのまさに「お助けルアー」だった。
©サンテレビ『THE HIT』

DDエックスオーバー開発のきっかけ

正直な話、僕がアメリカのトーナメントに出ていた頃にこのディープクランク(DDエックスオーバー)が欲しかったなと思う。こういうルアーがあったらもうちょっと簡単な試合もたくさんあったんちゃうかな。

DDエックスオーバーを作るきっかけになったのがオリジナルのXオーバー。このルアーは普通にただ巻きしても釣れるし、リッピングって言って、こうピッピッと軽いトゥイッチをしたときにいわゆるジャークベイトのようなダートする動きも出せる。あとはスローフローティングやから、実は僕がよくやるのはポンプリトリーブ。低水温のときに竿でルアーを引っ張って動かして止めて、を繰り返して食わせる。結構いろんな使い方ができるルアーなんやけど、アクション自体がいいから普通にただ巻きするだけでも釣れる。こういうタイプのディープクランクがあれば、めちゃくちゃ破壊力あるんちゃうかっていうのがDDエックスオーバー開発のきっかけ。Xオーバーがまずあって、これはシャローを釣るルアーやから、こいつを深く潜らせたら、もっと未知との遭遇ができるはず。まわりの人がまだ触ってない、よう釣られんようなバス達を釣ることができるんちゃうかなって。

あとは、ディープクランク自体もずっと作りたいと僕は言っていた。こういうディープクランクがあればもっと使いやすくてもっと釣れるルアーになるって。ただ、ほかのルアーもたくさん同時にテストしていたからなかなか手が回らんくて。日本に帰ってきてもう6年になるんやけど、また日本で釣りをしていく中で、これってディープクランクがあったらもっと釣れるのにっていうシチュエーションに何度も出くわした。そこでやっぱ作ろうってなって、Xオーバーを作った時点で、実はもうDDエックスオーバーの構想も頭の中にありましたね。Xオーバーでディープクランクを作ったら新しい扉が開くぞっていう確信があった。

清水盛三さんのアメリカトーナメントでの活躍はディープクランクなしには語れない。

釣れるディープクランクとは

釣れるディープクランクとは何かって? もうこれに関しては全て企業秘密やから!(笑)

DDエックスオーバーはとにかく釣れるから、アングラーの皆さんはまずは使ってみてください! みんながこのルアーを目で見てわかる外観の部分以外にも、僕個人にしか絶対わからへん企業秘密がいっぱい詰め込んである。それは教えられません。投げてください、釣れるから(笑)。聞くよりも使ってください。みんなやっぱり、どうしてもそういう答えを求めがちやからね。人に答えを求めてたら、その先はないからね。僕らが良いルアーを見つけてきたように、良いルアーを見つけるのはあなた自身。

ただ、見てわかるようにこのルアーの中にはリップ形状とかも含めて細かい部分でこだわりのギミックがたくさんある。ディープクランクはバレやすいルアーやから、スリーフック搭載っていうのも新しいしね。僕はいちいちこれがどうのこうのっていう説明はせえへん。一部だけ真似しても完コピしなかったら、僕のルアーにはならへんからね。同じ動きや性能は出ないと思います。

盛三さんのルアー(モード)はワイルドハンチをはじめ開発期間が長いことが知られているが、今回のD Dエックスオーバーも難産だったのだろうか。

Xオーバーと比べると実は形状がかなり異なる。兄弟分にして異質な存在。それぞれの個性を最大限に引き出す形状の終着点だ。

当然!(笑) 簡単にできるはずがない! 僕は無理難題しか開発チームに言わへんから。とにかく『そんなんできませんよ、無理ですわ』って言われても『いやいや、それはやってみんとわからへんで』って返す。トライを諦めると、やっぱりいいルアーはできへんから。こうしてみてや、ああしてみてやって言って少しずつ階段を上っていく作業をするから僕のルアーは時間がかかると思う。その中で失敗があってもええねん。でも、こういうルアーがあれば絶対釣れるっていう確固たるイメージが僕の中にはあるから。リールを握る自分の手の感覚、ルアーの動きを目で見た視覚、竿から伝わってくる動きとかで大体わかる。それらの感覚をもとに、最初から不可能に近い無理難題を言うねん。そのハードルが開発の初期段階からすごく高いところに設定されているのがモードのルアーであって、まずはこのレベルに行ってくれって。そこからまたさらに上の階段があるからね(笑)。そこまで行ってようやく、あとは実際に魚に聞いてみようってなってフィールドテストをする。

DDエックスオーバーは、そういうふうに僕の中の基準をまず超えることからスタートして、簡単に言うとよく飛ぶ、よく潜る、こういう動きにしてほしいとかっていう一筋縄ではいかない僕からのリクエストを1つずつ解決して完成に近づいていく。ほかの人からしたらどれだけ良く動いているように見えたとしても、僕の目ではこれは釣れそうな動きをしてへんから、もっとこういう動きにしてほしいって言って…。っていうことの繰り返しやから結局、作り始めてからすごい時間がかかる。この子(DDエックスオーバー)はオリジナルのXオーバーがあったから早いほうやけど、それでも3年近くかかってるかな

DDエックスオーバー
[モード・エバーグリーンインターナショナル]
全長:100mm
重量:29.5g
カラー:全10色
※画像カラーはブラウンベルベット

琵琶湖でも再燃? 流行り始めたディープクランク

撮影とかに行ってても、僕は今年が1番DDエックスオーバーで釣ってるんちゃうかな。ヤバなったらとにかくこの子を投げたらなんとかなるやろ、みたいな信頼感があったし(笑)。最近僕があまりにもDDエックスオーバーでディーブランク、ディープランクって言うてるからかわからんけど、世の中ちょっとディープクランクが流行り気味やからね。

琵琶湖の人もディープクランクを投げるようになってきてるからね。それまではあんまり投げへんくて、例えば高比重ワームのボトムジャークが流行ったりしたけど、今やっと日本でもディープクランクが再び日の目を見つつある。やっとみんなが『ディープクランクって釣れるんだ』っていうことに気づいたのちゃうかな。

ディープクランクは年中釣れる!

一般的にディープクランクを投げる時期は、水温が下がる秋以降というイメージがある。むしろそういうイメージ『しか』ないといっても過言ではない。

でもディープクランクって春のスポーニング(産卵)真っ最中のバス以外は一年中釣れるルアーやから! 本当に年がら年中、1月から12月まで釣れる。まあ、スポーニングシーズンでも産卵に絡まない魚が釣れるかもわからんけど。それ以外は基本的に年がら年中釣れるルアーやで。それをみんな知らんだけ。僕は向こう(アメリカ)でやってて、年がら年中釣れるルアーだっていうことを知ってるから。だから水温や季節感よりも『水深』が全て。魚を見つけて、今、ディープクランクのレンジにバスがいるってなったら、どんな時期でも釣れる。

多くの人はディープクランクは秋っていう固定観念があるから、春に投げへんやん。僕は今年の春、プリスポーンのバスをDDエックスオーバーでいっぱい釣っている。僕はもうずっと言い続けてるけど、魚を見つけることがバス釣りであって、それは『水深を釣る』ということ。よく言われるシーズナルパターンとかって…。これ、いつも言ってるようにメディアが悪いんやで!(笑) メディアがそういうふうに固定観念を植え付けてしまってるから。そうではなくて、魚がいる場所と水深を合わせれば、こういう巻きの釣りで年中釣れるから!」

清水盛三のカラーへのこだわり

盛三さんを取材すると必ずと言っていいほどルアーカラーに話題が進む。実釣動画でも、水の色に合わせて繊細なカラーセレクトをする姿はよく目にする光景だ。

DDエックスオーバーもルアーカラー一つひとつにめちゃくちゃこだわっている。このワカサギカラーとか、アユもゴーストだけじゃなくフラッシング系のミラーアユっていうカラーも入れている。あとはこういうチャートリュースって日本では使う人が少ないかもわからへんけどね。でも、濁ったときに爆発的に当てられる必須カラー。このブラウンベルベットとかもすごいこだわってるからね。あとはオリジナルのXオーバーでよく釣れたカラーも一部ラインナップに入れている。

僕は色にすごくこだわるんで、今回も特にこだわったしアメリカも見据えて色を作った感じです。アメリカで釣れるルアーって日本でも釣れるし、その逆も然り。破壊力があるルアーはどの国に行っても、どこのフィールドに行っても釣れると思う。だからジャックハンマーがアメリカで一世を風靡しているように、DDエックスオーバーもそうなるんちゃうかなと僕は思ってるけどね。うん、それくらいのポテンシャルを秘めている

水質別にカラーの使い分けを聞いてみると机上のルアーがこのように分類された。上段がマッディ、中段がステイン、下段がクリアウォーターだ。

清水盛三にとってクランクベイトのカラーは釣るための重要な要素。手に持っているのはKO-ワカサギ。

●カラー:コークスクリュー

●カラー:ブルーギルチャートベリー

盛三さんは水質に応じてこまめにカラーを使い分ける。画像のようにロールアクションによるカラーの明滅効果も意識して考えられた全10色どれもが盛三さんにとって欠かすことができないカラーだ。

ワイルドハンチのディープクランクを作らなかった理由

今回盛三さんがディープクランクを作るに当たって、現在2.5mダイバーまでラインナップがあるワイルドハンチシリーズで作る方向性はなかったのだろうか。

僕の中ではラウンドボディのディープクランクってありきたりかなと思って。で、ワイルドハンチはエイトフッター(2.5mダイバーモデル)までで止めたんです。これより深いルアーはワイルドハンチではない、ちょっと違う感じの方がええんちゃうかなって思った。あのサイズと形状はあのルアー達(ワイルドハンチシリーズ)までって感じ。そこから外は違うものを考えていく必要性を感じた。ワイルドハンチを引き継ぐ必要はない。

僕は『この子はこの子やから』っていつも思ってるから。この子の個性がここに最大限詰まってるから、この子の守備範囲はここまでだっていう。そこから外は引き出されへんから。それを自分でわかってるから、違う形状になったりするわけで。深度別のシステムクランクっていう考え方もあるけど基本的に僕のルアーってなかなかそうはならない。

例外的にシャワーブローズだけはシステマチックにさまざまなサイズ展開ができたけど。でもワイルドハンチをシステムクランク的にレンジ別にっていうのはなかなかできへんのかなと思いますね。例えば次にこういう守備範囲のルアーを作りたいってなったとき、既存の子の特徴であるDNAが生きてこんかったら、そこでもうスパッとここまでで終わって、違うDNAを使うっていうことになってます。だからワイルドハンチにこだわっているわけではない。ワイルドハンチが基軸だとしたらその左右にSRとエイトフッターがあって、ワイルドハンチのDNAはそこまでがベストな守備範囲だと思ってます

モードルアーにはそれぞれ個性があり、それを最大限に引き出す形状がある。

ディープクランクこそ道具立てにこだわるべし

ディープランクで釣れるか釣れないかは使ってる道具にもよるんちゃうかな。すごく重要。いくらルアーが良くても、リール、竿、ラインが合ってないとダメ。そのルアーを使いこなせるタックルじゃないとあかんっていうことです。

ディープクランクって大遠投して巻いてゴーンッて食ってくるような大雑把な釣りだと思われがちやけど、本来は巻く釣りのほうが繊細やから。ミドストのように中層でワームをやるのも確かに繊細やし、ライトリグもフィネスフィッシングって言われるだけあって、繊細な釣りだとは思う。だけど、僕の中では実はパワームービングベイト系の釣りもすごく緻密でフィネスな釣りやからね。キャストからして、どこをどう通してくるかとか、どういうふうに巻くかとか、タックルから伝わってくるちょっとした変化を全部を感じながらやらなあかんから。たぶん本来はみんなが思ってるよりもスーパークラスに緻密で繊細な釣りやねん。さらに、ディープクランクになればなるほど水深が深いから、その伝達される情報っていうのがより曖昧になりがち。だからこそ、タックルセッティングがよりシビアになってくるから、適したものを選んでほしい。

例えばこれは今僕が作ってる最中のデパシオンのプロト。ディープクランク以外にも使えるけど、ディープクランクが扱いやすい竿になっている。昔はそういう竿が少なかったから、無理くりフリッピングロッドとかでやってたけど、やっぱり全然違うもんね。アメリカから取り寄せたディープクランキングロッドを使った方がやっぱりよう釣れたもん。その当時ね、30年ぐらい前とかの大昔ですよ。でも僕はその違いを知ってるから。同じディープクランク用の竿だと謳っていても、こっちの竿はよう釣れるのに、あっちの竿は全然釣れへんとかあるわけ。僕はそういう事実が存在することを知ってるからね。

具体的には、7ft以上あるロングレングスのグラスコンポジットロッド。一般的にヘビークラスと言われるくらいのパワーがあったほうが扱いやすい。ロングロッドは飛距離を出せる、遠くでもフッキングが決まりやすい、かけたあともバラしにくいといった利点があります。グラスコンポジットはクランクベイトのベストなアクションを100%引き出すために必要。

あとはできる限り強靭なリールを使ってほしいね。リールも柔いとたわんでしまうから、それだけで情報伝達率が悪くなるんです。重たくてもいいからなるべく強めのパワーがあるリールを使ってもらえればいいかな。僕は今はジリオンSVTWのギア比6.3を使っています。

あとはライン。僕がディープクランクを使うときはフロロカーボンの10lbから12lb。太くてもマックス12lbまでやな! それはもう単純に深く潜らせたいという理由。あとは太すぎると情報伝達の曖昧さが増えてきて嫌やなと思ってるから。素材は僕はフロロ一択です。別にPEラインで投げたい人はPEでもええで。僕はフロロカーボンの方が扱いやすいと思ってるから。ナイロンは使わない。シャロークランクはナイロンの方が多いけどね。ラインの使い分けって難しくてさ、週末アングラーの人だと、そんなにたくさん釣りに行かれへんから、どれがええかとか正直わからんやん。僕の場合は、道具選びはすごいシビアだっていうことを身に染みてわかってるから。人よりもたくさん釣らなあかんっていう仕事としてバス釣りをしているからね。

僕は30年近く、試合に出るのをやめてからも、バス釣りには遊びで行ったことが1回もないんです。全部プラか試合か撮影か、あとは開発か。全部仕事。仕事だからプレッシャーや緊張の中でしかバス釣りをしたことがない。もちろん撮影とかは釣ってて楽しいよ。でも基本、絶対釣らなあかんっていう緊張やプレッシャーがあるから。そういう環境でバス釣りをしているからやっぱり道具にはすごいシビアなんちゃうかな

清水盛三 ディープクランク用タックル
ロッド:デパシオン・プロト7ft台
リール:ジリオン SV TW 1000(ギア比6.3)[DAIWA]
ライン:エクスレッドNS 10lb[東レ]

DDエックスオーバーはこう使え

どのシーズンでもDDエックスオーバーの釣り方は一緒。投げて巻くだけ。本当、何のトリックもなく投げて巻くだけやねん。

強いて言うならシーズンによって投げる場所が違う。そこさえ間違えへんかったら、年中釣れます。ほかに試してみるとしたら、寒い時期なら最高到達深度に届いた瞬間からちょっとゆっくり巻いてみるくらいかな。冬でもそれぐらいの差くらいちゃう。ハイシーズンは速く巻けばいいし。それ以外は、別に春やからこう、夏やからこうみたいなのはない。今の人ってそれをなんか難しくああだこうだ言いがちやけど、そんなことを教わっても余計に釣れんくなるからね。

だって僕なんか本当に普通やで。取材スタッフはよく見てるはずやけど常に普通なことしかしてへんから。そこに高等な技術はあるにはあるんやけど、その緻密な部分ばかりを意識するよりかは、投げて巻いてもらってるほうが絶対釣れる確率は高くなるから。例えば真冬なら、当然どんな釣りをやったとしても釣れにくい。ゼロかイチか。うまくいって3匹とか。厳しい季節であることは間違いないけど、確実に言えることはディープクランクで釣れる魚はいるということ。もう少しだけ具体的なことを言うと、日差しが長時間当たる暖かい場所のディープは確かに釣れる。でも僕の動画を見てくれたらわかるけど、冬の陽が当たらない日陰のディープでも実は釣れている。条件が合っていればね。めっちゃ流れてるところはアカンけど、少し流れが効いていたり澱んでいたりする場所。リザーバーとかだったら4〜6mくらいがボトムのディープフラットを巻いてほしいかな。あとは、必ずフルキャスト。うしろの人に気をつけてとにかくフルキャストです(笑)! 少しでも長い距離を深く潜らせるためにね。じゃあ次は実釣で1回見せようか! 今日僕が言ったことを実践しに行こ! それで見てもらったほうが百聞は一見に如かずでわかるんじゃないかなと思います。

これでガンガン釣ってや!

※本記事は”ルアーマガジン”から寄稿されたものであり、著作上の権利および文責は寄稿元に属します。なお、掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。 ※特別な記載がないかぎり、価格情報は消費税込です。