
エギングエキスパートの湯川マサタカさんが全国各地の猛者のホームに乗り込み1 on 1のエギングバトル! YouTube ルアーマガジンソルトチャンネルでこんな企画がスタートを切った。湯川さんが横綱相撲をみせるのか? 対戦者がひと泡吹かせるのか? の真剣勝負! 今回はその初戦の模様をダイジェストでお届けしよう。実釣の舞台は宮城県牡鹿半島だ。
●文:ルアマガプラス編集部
- 1 2024シマノ セフィア エギングパーティ インスタグラム オンラインダービーの優勝者と湯川さんが一騎討ち!
- 2 エギング新興エリアの牡鹿半島。完全アウェイの湯川さんはどんな戦いをみせるのか?
- 3 髙橋さんが地の利を活かしてスタートダッシュ! そのベースにある湯川さんの教え
- 4 「秋イカの捕食場はどこや?」。湯川さんは水深も地形もわからないゼロからのポイント探し
- 5 プランどおりの釣りで確実にサイズアップ! 自信が結果に現れる
- 6 「アウェイの釣りはシビアにこだわる」。湯川さんはこれをキーにイカの反応を引き出す
- 7 沈下速度を落として抱かせる! 湯川さんが実戦で魅せる釣るための対処法も動画の見どころ
- 8 午後は潮が動かずイカの気配は消滅? 髙橋さんは成長ぶりを結果で表す
- 9 あと30分あれば…叶わなかった湯川さんのラストスパート
- 10 北海道•東北エリア優勝者が勝利! 動画は2人の実釣のプロセスにも刮目せよ!
2024シマノ セフィア エギングパーティ インスタグラム オンラインダービーの優勝者と湯川さんが一騎討ち!
今回の対決企画の実現は 2024年に開催されたシマノ セフィア エギングパーティ インスタグラム オンラインダービーに起因する。
この大会は、北は北海道から南は沖縄まで全国を5エリアに分けて、規定に則った写真投稿で各エリアごとに釣果を競い合うというもの。そして各エリアのアオリイカ部門の優勝者が湯川さんへの挑戦権を獲得。
つまり湯川さんは全国5エリアの猛者たちの地元に乗り込み、対戦することになる。
その初戦が10月中旬に開催。対戦者は北海道•東北エリア優勝の髙橋郁弥さんだ。
シマノ セフィア エギングパーティInstagram ONLINEダービーは2024年10月18日~12月31日に開催された。
初戦の相手は北海道•東北エリア優勝の髙橋郁弥さん。湯川さんが対戦者のホームの宮城県牡鹿半島で勝負に挑む。
今回紹介する動画はこちら
エギング新興エリアの牡鹿半島。完全アウェイの湯川さんはどんな戦いをみせるのか?
対戦者の髙橋さんがエギングにハマったのはおよそ5年前。
髙橋「当時は牡鹿半島でエギングをしていると奇異な目で見られました。エギンガーが普通になったのは2年前くらいからです」
東北の太平洋岸は北海道と並ぶエギングの新興エリアだ。
湯川「牡鹿半島は春イカとライトエギングで3回ほどきたことがあるけど、秋イカは初めて。本気で勝負させてもらいます。まずはポイント探しからになるけど(笑)」
髙橋「湯川さんは手強い相手ですけど、いつもの釣りをすれば勝てるチャンスはあるかもしれないので頑張ります」
“ポイント探し”と“いつもの釣り”。牡鹿半島沿岸は切り立った岩壁が釣り人の進入を拒む磯も多い。湯川さんにとっては過酷なバトルがスタート。
勝負は胴長15cm以上の1杯の重量で競われる。釣り場は地磯のみ。安全第一、マナー遵守で実施。
髙橋さんが地の利を活かしてスタートダッシュ! そのベースにある湯川さんの教え
髙橋さんが最初に入った釣り場は、岬の両側にワンドが絡むエリアだ。
髙橋「潮通しが良くてブレイクが近くて藻場もある。まずはワンド奥のシャローを。夜に入ってきたイカが残っていればいいかなと」
エギはクリンチシャロー3.5号(シマノ)のハッピーイエローをセレクト。するとすぐにイカの反応が!
髙橋「うあ、やべぇ、触腕一本、あっ、ごめんなさい。大事にいけばよかった」
抜き上げで身切れし、フックアウト。
髙橋「昔はこんなシャローでイカが釣れるとは思っていなかった。南紀(和歌山県)で湯川さんのガイドを受けてからです、シャローを釣るようになったのは。おかげで数もサイズも釣れるようになりました」
ワンド奥のシャローでイカがエギに触るが、カンナがかかったのは触腕一本。慎重に抜き上げを試みるも1杯目のキャッチは成らず。
シャローでイカの反応が続かずエギを交換。
髙橋「クリンチフラッシュブースト3.5号のアボカドケイムラです。水深があるエリアを狙うのでノーマルタイプ。フラッシュブーストでアピールしていこうと思います」
髙橋「きました! 潮通しの良いワンドでイカが入ってきやすい地形なので朝はここかな、と思ってきました。よいしょ!」
抜き上げたのは胴長15cm超は確実。狙いどおりの釣果。やはり地元の釣りは手堅い。
1杯目は胴長18cm。400gをキャッチ。ヒットエギはセフィア クリンチフラッシュブースト3.5号(シマノ)。カラーはアボカドケイムラ。
「秋イカの捕食場はどこや?」。湯川さんは水深も地形もわからないゼロからのポイント探し
「まずはポイント探し」。スタート前にそう話していた湯川さんは、髙橋さんが1杯獲った頃もそれを実行していた。
湯川「春に来たときに気になっているところを見に行きます。潮の高さによっては入れないかもしれんけど。本来は新子の捕食場を狙いたい。それを特定するヒントが河口エリアなんやけど、牡鹿半島には地図上でみると良さそうな川がないんよ(笑)」
見つけたいのは秋イカの捕食場。そこにたどり着ければ勝機はある。
最初に入った磯は、深場が隣接した潮通しの良いエリア。
湯川「岸からカケサガリになっていて潮が動きやすい。まずは1杯、探したい。300g以上目指して頑張ります」
クリンチフラッシュブースト3.0号アボカドケイムラ(シマノ)で実釣スタート。
湯川「濁ってるし逆光やし、何も見えへん。シモリの位置とか地形を分かってれば撃てるんやけどな」。実釣開始早々、アウェイの洗礼を受ける。
プランどおりの釣りで確実にサイズアップ! 自信が結果に現れる
髙橋さんは“いつもどおりの釣り”で実釣を進める。
髙橋「今(実釣時)、牡鹿半島で胴長20cmが狙える時季に入っています」
目標はそのサイズで1杯目を獲って間もなく、潮通しの良いワンド入り口でそれを手中に収めた。
髙橋「前がブレイクになっていて1回チェイスがあった。角度を変えて投げたらアタりました。多分、同じ個体かなと思います」
確かに髙橋さんに地の利はあるが、朝の時間帯に上げ潮のタイミングに合わせて磯を選び、狙いどおりにアオリイカを釣ったのはさすがだ。
髙橋「湯川さんのガイドで教わってから数も型も倍、釣れるようになった」
物静かな人柄の髙橋さんが発したこの言葉。“いつもの釣り”に揺るぎない自信があるから口にし、それを証明してみせた。
ウェイトを計測すると460g。入れ替えに成功。ヒットエギはセフィアクリンチフラッシュブースト3.5号アボカドケイムラ(シマノ)。
「アウェイの釣りはシビアにこだわる」。湯川さんはこれをキーにイカの反応を引き出す
一方、湯川さんは春イカ狙いで訪れたことのある産卵場のある磯に移動。
湯川「カケアガリになっているけど潮(の流れ)はないね。
エギはセフィア クリンチフラッシュブースト3.5号のキンアジ。潮が澄んでいて視認性も十分あるんでナチュラル系で誘ってみます」
動画では湯川さんも髙橋さんもエギや場所をかえるごとに状況を解説。視聴者の皆さんの釣りの参考になる理論やテクニックが散りばめられている。
湯川「アウェイの釣りはシビアにこだわったほうがええからね。秋といえども、なんでもえーわ! で釣れるほど甘くはない(笑)」
それを突き詰めるのが、湯川さんの今回の実釣といえる。納得の行く釣りにたどり着けば、結果も自ずとついてくるはず。
湯川「喰った! 気持ち良いね! プンッと新子独特のアタリ(笑)」
湯川「胴長15cm、ギリあるか?」。湯川さんの1杯目は、愛竿のセフィアリミテッドS84L+(シマノ)のバットに期待を持たせる重みを伝えた。
湯川「まあとりあえず1杯獲れた。ひと回り大きいサイズを狙って引き続き頑張りましょう」
沈下速度を落として抱かせる! 湯川さんが実戦で魅せる釣るための対処法も動画の見どころ
湯川「エギを3号のシャロータイプに替えます。3.5号のノーマルでアタリをとりにいってもチョンッと触ってパッと放す。ゆっくり沈めてしっかり抱かそうかなと。イカがだいぶ小さいんやろうな」
エギをセフィアクリンチシャロー3.0号(シマノ)に交換。カラーはフフフネーブル。
この交換は吉と出るが、サイズは湯川さんの予想どおりだった。
湯川「よっしゃっ、のった。今度はアワしたぞ。これは絶対、15(cm)ない(笑)」。
ファイト中にノンキーパーを告げる。
狙いどおり喰わせたが、ひと目で計量対象外とわかるサイズ。
釣り方も釣れるサイズも想定どおりのある意味快心の1杯。このように真剣勝負の場で湯川さんが魅せる釣るための対処法もこの動画の見どころだ。
湯川さんの実釣は決定打が出ないまま昼を迎え、ここで2人は電話対談。釣果は伏せて相手の釣況を探りあった。
対談後、湯川「なんか声のトーンが上がっとたよ。釣ってるん違うんか(笑)」。髙橋「もう5、6ヶ所ランガンしたと言ってました。いつもどおり釣ってるんだと思います」。ラン&ガンのスペシャリスト vs ロコ。互いの強みを知っているだけにこの対談で相手の釣果に警戒感を強める。
午後は潮が動かずイカの気配は消滅? 髙橋さんは成長ぶりを結果で表す
午後、髙橋さんはサイズアップを狙って、新たな磯で粘るが潮は動かず、イカの反応もなくストップフィッシングを迎える。
髙橋「湯川さんと対戦なんて恐れ多いことですけど、ガンガン歩いてイカを探すスタイルは湯川さんと出会うまで自分にはなかった。ポイントの見方とか教えてもらうようになってから、自分なりに成長できているかなとは思っています」
今回の対戦で湯川さんにその成長ぶりを結果でみせるのも髙橋さんのミッションだった。
髙橋さんにとって師匠といえる湯川さんとの対戦。成長はみせられた。
あと30分あれば…叶わなかった湯川さんのラストスパート
湯川さんはラストスパートをかけに小型イカの反応が多かったワンドへ。使用エギは午前中と同じくセフィアクリンチシャロー3.0号(シマノ)のフフフネーブル。
湯川「きたきた、イケッ! 喰わんか(笑)。やる気ないな。まぁ経験上、喰うときって何かしらの理由があるからね」
最後まで諦めずエギをシャクる湯川さん。エギが水中にあれば、なにが起こるかわからない。
満潮潮止まりで潮は動かず、好条件は見当たらない。タイムアップ5分前…。
湯川「ホントはストップフィッシングの15時頃から潮が動いて、釣れるとしたらそこからなんやけど。経験上、交通事故ってなかなかない…きたっ! のった! すごいな、オレもびっくりした(笑)」
釣れると思っていなかったタイミングでまさかのヒット!
湯川「これはいったんちゃう? 計測。また13cmか。これは交通事故。オレの実力じゃない(笑)」
またしても胴長13cmでノンキーパー。ヒットエギはセフィアクリンチシャロー3.0号フフフネーブル(シマノ)。
そのままタイムアップを迎え、撤収をはじめると水面にベイトフィッシュが現れ、逃げ惑う小魚の姿も見える。
湯川「あれ、追ってるのイカやで。やっぱり(時合いは)これからなんや」
タイムアップ5分前に釣れたイカもあながち交通事故ではなく、わずかな潮の変化を感じ、先行して動いていたのかもしれない。実釣時間があと30分あれば、勝負はどちらに転んでもおかしくなかったか。
北海道•東北エリア優勝者が勝利! 動画は2人の実釣のプロセスにも刮目せよ!
結果は湯川さん0g。髙橋さん460g。ロコアングラーが金星をあげた。
湯川「ウォーッ、良いサイズやね(笑)。おめでとう!」
エンディングはお互いの実釣の模様を語り、健闘を称えあった。
湯川「最後まで表情カタいね(笑)、緊張してるの?」。髙橋「はい。慣れない撮影に。プロってすごいなと思いました」。そのプレッシャーの中で釣った髙橋さんも勝利に値する実力者だ。
髙橋さんは地の利を活かしたいつもの釣り。湯川さんはポイント探し。
湯川さんは良さそうな磯に目星を付けても駐車スペースや磯へのルートが見つからず断念というケースが何度かあった。湯川さんにとっては完全にアウェイの釣りだ。
今回は初戦。この後、関東、中部•北陸、関西•中四国、九州•沖縄の4エリアの優勝者が手ぐすね引いて待ち構えている。湯川さんにとっては厳しい戦いが続きそうだ。
湯川「挑戦者のつもりで頑張ります。やってて楽しいし(笑)」
そう、湯川さんにとっても対戦者のホームに乗り込む道場破り的なチェレンジでもある。
動画は結果だけでなくプロセスにも注目してみてほしい。何度も言うように湯川さんと対戦者の釣果を出すための考え方やテクニックが顕に映し出されているからだ。
そして次戦以降もお楽しみに!
ロケ後のオフショット。髙橋さんは、2024 シマノ セフィア エギングパーティ インスタグラム オンラインダービー 北海道•東北エリアのツツイカ部門でも優勝。2冠を記念して作ったデジタル魚拓に今回、湯川さんのサインが入った。髙橋さんはこちらもミッションコンプリート! 「大切なのは釣果でなくプロセスだ」。湯川さんの座右の銘が記された。
使用タックルデータ
アングラー プロフィール
湯川マサタカ(ゆかわ•まさたか)
和歌山県紀伊半島をホームに全国各地のフィールドで活躍するエギングのトップアングラー。日中の釣りをメインに攻撃的なラン&ガンから丁寧なボトム攻略まで釣りの振り幅は広く、1杯を獲るまでの過程を大切にする釣りを展開する。紀伊半島南紀エリアが拠点の『JOE STYLE EGING RUN&GUN ADVENTURE』でガイドとしても活動し、一般アングラーへのエギングの手解きもお手のもの。
髙橋郁弥(たかはし•いくや)
岩手県在住。宮城県牡鹿半島周辺や秋田県男鹿半島周辺をホームにする東北ロコエギンガー。5年ほど前にツツイカ用エギで初めてアオリイカを釣って以来、アタリを出してのせる楽しさや魚にはない引き、食味の良さに魅了されエギングに熱中。東北エリアのエギングの開拓にも余念がない。エギングのオフシーズンはサクラマスやロックフィッシュなど東北らしい釣りを楽しんでいる。
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