
櫻井亮さんがハードベイトオンリーのスタイルになってから15年ほどが経つという。現在ではスピニングタックルすらもほとんど使わない。フロッグはたまに投げる程度。ソフトベイトは1年に1尾だけ釣ることを解禁するという(それがスイムベイトのヴェイロンで釣った59.5cmだったりする…)。そんな生粋のハードベイターの櫻井さんに、将監川でクランクベイトのみで実釣してもらった。
●文:ルアマガプラス編集部
profile
櫻井 亮(さくらい・りょう)
埼玉県出身。自身のブランド『MPBルアーズ』でこだわりのハンドメイドクランクを製作販売、今年はインジェクションルアーブランドの『グラベル』も立ち上げた。ハードベイトオンリーの大会H-1 GPXでは過去2回の優勝を果たす。ローカルトーナメントのThe Battle、Bank Beatersを主催。
- 1 その1 着水音はなるべく優しく
- 2 その2 着水後はひと呼吸おいてから巻き始める
- 3 その3 キャスト時、ラインのタラシは短め
- 4 その4 魚探は使用しない
- 5 その5 カバーはいきなり奥を撃たない
- 6 その6 クランクは力を抜きながら巻く
- 7 その7 ミスキャストしそうになったら着水の前に回収
- 8 その8 根掛かりしたら状況をよく見て対処
- 9 その9 リールはハイギアを愛用
- 10 その10 ラインは比重で使い分ける
- 11 その11 いろいろなメーカーのルアーを使う
- 12 その12 移動距離を抑えたい場合はシェイキー
- 13 その13 超ピンスポットにもクランクを入れていく
- 14 その14 カラーは好きなものでOK
- 15 その15 ミスバイトが多い場合はルアーローテ
その1 着水音はなるべく優しく
ルアーは低弾道で入れて、なるべく着水音を抑える。高い位置から落ちると、その衝撃でルアーが沈み込んで、浮上するときにカバーなどに当たって根掛かりしてしまうことがある。
その2 着水後はひと呼吸おいてから巻き始める
着水したらいきなり巻くのではなく、ひと呼吸おいてから。
「よく着水後すぐに巻き始めてルアーの後ろでモワンッて波紋が出てミスバイト…っていうことがありますよね。あのバイトを失うのはもったいないですから」
その3 キャスト時、ラインのタラシは短め
ロッドティップからルアーの間のラインのタラシは短めにしたほうが安定してキャスト精度が上がる。櫻井さんはサークルキャストを多用していたが、タラシは0~5cm程度。ベリーまでよく曲がる竿を使うのがキモだ。
その4 魚探は使用しない
初めてのフィールドは魚探を使用するが、2回目以降はもう使わない。水深や地形変化は1度でだいたい把握できるという。
「ボートの前方に体を乗り出してキャストすることもあるので魚探は邪魔なんですよね。水温? 気にしないですね。水温で左右されるのも嫌だし」
その5 カバーはいきなり奥を撃たない
一級スポットがあったら1投で通し切るのではなく、手前からショートキャストで徐々に奥まで探っていく。
「もし奥で掛けたら、手前で釣れるかもしれないチャンスを潰してしまうじゃないですか」
その6 クランクは力を抜きながら巻く
ロッドもリールのハンドルも、グリッピングは極めてソフトに。手は脱力しながら“抜く”ようにして巻くとラインテンションもやや弛んだ状態になり、ルアーがより生き生きと動くようになる。
「ラインが張っていないのでショートバイトも乗りやすいですよ」
抜きながら巻くと回避性能も上がる
ラインテンションを抜きながら巻くと、カバーに当たったときにぬるっとかわしてくれてる。ラインが張っているとカバーにコンタクトしたときにルアーが跳ね上がって、水面に飛び出したりあらぬ方向に軌道が変わってしまうこともある。
その7 ミスキャストしそうになったら着水の前に回収
せっかくの有望スポットもミスキャスト1回で潰れてしまう。そうしないためにも、狙った場所に入らなそうなら、投げている途中でもロッドを大きくあおって、ルアーを空中で戻しキャストをキャンセル。もう一度狙いを定めてキャストし直せばいいのだ。
その8 根掛かりしたら状況をよく見て対処
ブッシュなどに引っ掛かったら、焦らずにルアーのどこが何に引っかかっているのかをよく見て把握する。ゆっくり優しくシェイクしたり、ちょっと引っ張ればすぐに外れることも少なくない。よく見ないでガサガサやるのが1番回収できない。
その9 リールはハイギアを愛用
櫻井さんがクランクベイトで使うのはハイギアが基本。「ローギアよりもハイギアの方が水中の情報を感じ取りやすいんです。同じギア比でもリールによって1回転の巻取り長が違うので、そこは実際に使ってみて、しっくりこなかったらギアを交換したりもします」
その10 ラインは比重で使い分ける
フロロ、ナイロン、PEはやりたい釣りのイメージで使い分ける。
「僕は『アンカー効果』って言っているんですが、フロロは重いのでキャストした先では想像以上にルアーの浮力を殺しているんです。逆に深く潜らせたいならフロロの方がいい。ナイロンは低比重なので、小さいルアーもよく動いてくれる。PEは表層系などでよく使いますね
その11 いろいろなメーカーのルアーを使う
国内メーカーのものから海外メーカーのレアなものまで気に入ったものは分け隔てなく使う。この日は自身プロデュースルアーだけではなく、ラパラやブリッツシリーズを多用した。
その12 移動距離を抑えたい場合はシェイキー
フラットサイドクランクをチョンチョンと左右にドッグウォークさせながら使うのがシェイキー。
「イメージはフロッグ、左右に首を振らせるようにアクションさせてみてください。シェイキーはアフターによく釣れますね。以前、霞ヶ浦水系の小野川の矢板で5本で7.5kgくらい釣ったことありますよ」




シェイキーは水中でクランクベイトを首を振らせながら引いてくる釣り。水面下の見えるレンジを移動距離を抑えて誘うことができる。
その13 超ピンスポットにもクランクを入れていく
カバーの奥の奥、十数cmでもクランクが引けるようなら臆せずどんどん入れていく。キャストしたらシェイキーで数アクションして回収。本当にソフトベイトのような使い方だ。
その14 カラーは好きなものでOK
赤系、白系、黄色系を気分でローテーション。
「自分が使ってて気分が乗る色を選ぶのが大事です。釣れる要因としては、カラーは最後のほうですね」
その15 ミスバイトが多い場合はルアーローテ
バイトがあっても乗らない、乗ってもすぐにバレるという場合はルアーの何かが合っていない。ルアーの大きさ、スピード、レンジ、ラトルの有無、カラーなどを変えていく。
※本記事は”ルアーマガジン”から寄稿されたものであり、著作上の権利および文責は寄稿元に属します。なお、掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。 ※特別な記載がないかぎり、価格情報は消費税込です。
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