
魚探すらいらない究極のサーチベイト、ジョイクロ。発売から20年以上、バスとアングラーを魅了し続けている鮎邪ジョインテッドクロー。なぜジョイクロはスレないのか。なぜジョイクロの魔法は解けないのか。生みの親である平岩孝典さんにその問いをぶつけてみた。
●文:ルアマガプラス編集部
profile
平岩孝典(ひらいわ・たかのり)
和歌山県田辺市に居を構えるガンクラフトの代表。元祖S字系ビッグベイトであるジョインテッドクローを開発。独特のデザインセンスをルアーやロッドに落とし込み、数多くのヒットアイテムをリリース。
エイトトラップは一瞬の判断と閃きが要求される高度な釣り
人と魚の間に何かを挟むと食う確率はグッと上がる
リザーバーなどで多く見られる岩盤エリアはビッグベイトが得意とするポイント。高速リトリーブからのエイトトラップは、プレッシャーのかかったバスや、活性の低いバスでも口を使わせることができる。この釣りでよく使うのがシフトシリーズだ。
「シフトは、高速巻きで使ったときに威力を発揮するモデルなので、岩盤沿いを素早く巻いてスイッチを入れるのに最適です。岩盤を攻める場合は、まずはバスの回遊コースをしっかり把握して、ルアーのトレースコースを吟味する。そして、岩に隠れるなど、可能な限りアングラーの存在感を消してあげることが重要です。バスが回遊してきたら、岩盤ギリギリを高速リトリーブで巻いて、手前まで来たら、最後はエイトトラップで仕掛ける」
しかし、簡単なようでなかなかうまくいかないのがこの釣り。ここにも食わせの細かいテクニックが存在する。
「岩盤を通すとき、あえて岩盤から離れるように引くと一気にスイッチが入ることもありますね。岩盤に追い込ませるのではなく、逆に沖側に逃すんです。エイトトラップで食わなかったら、あえてルアーを取り上げて、尻尾だけ水面に付けるよう誘って、また水中に落としたりもします。複数のバスがついてきたら、一番先頭のバスじゃなくて、二番目、三番目についてきているバスの前にあえて落とすのも効きます。二番目、三番目のバスのほうが、より食いたい意識が強かったりするので、素直に口を使ったりするんですよ。この釣りに限らず、ビッグベイトを使うときは、アングラーと魚の間に何かを挟むとより食う確率が上がります。岩や木などのカバーだけじゃなく、ほかの魚とかでもいいんです。バスの目線を気にしながら、これらを一瞬の判断で仕掛けていかないと食わない釣りですね」
ジョインテッドクローシフト183[ガンクラフト]
あらゆる速度域に対応する芸達者3ピースビッグベイト
3連結ボディのテール部分はエラストマー製ダンパージョイントになっており、独特の抵抗感のアクションを発生。スローではS字やデジ巻きで使い、ファストではストレートなエスケープアクションを演出でき、全速度域での可変の誘いを可能にする。
●全長:180mmクラス
●重量:2ozクラス
●価格:6,930円(税込み)
ジョインテッドクローミックス183[ガンクラフト]
よりスロー&ナチュラルに誘いたい場合のソフトテール
シフトのテールをジャバラ状のソフトタイプに変更。よりタイトなS字になり、ロールアクションも追加されたことでナチュラルさもアップ。オリジナルよりも魚っぽさを出したいとき、さらにスローに誘いたい場合はこちらを使用。
●全長:180mmクラス
●重量:2ozクラス
●価格:7,480円(税込み)
オカッパリ・エイトトラップはまず“ゼロ”トラップでバスを寄せてから
エイトトラップはオカッパリでもすごく効果的だ。
「むしろ、アングラーの気配を消せる岸からのほうが強いですよ。バスがいそうな場所で、まずは足元で円を描くようにゆっくりルアーを回してください。それだけで興味をもったバスが集まってきます。次にバスが集まってきたらエイトトラップをするんです。バスが回遊する岩盤などを見つけたら、ぜひ狙ってみてください」
あらゆる食性に訴えかけるシフト三兄弟
シフトにはオリジナルの183のほかに、食わせのひと口サイズの113mmモデル、モンスター対応の263mmモデルがラインナップ。大規模な岩盤まわりではシフト263をチョイスした。
「これから夏にかけては小さいベイトを捕食するようになるので、シフト113は用意しておいたほうがいいですよ」
岩盤エイトトラップは舞台設定が大事。まずバスの回遊コースを見極める
岩盤沿いで効果的なのが、高速リトリーブでバスにスイッチを入れてからエイトトラップで食わせるというもの。まずはバスが回遊するルートとタイミングを吟味し、トレースコースを設定。岩盤ギリギリを引いてきて、食わなければエイトトラップを仕掛ける。ポイントとタイミング、そしてテクニックがマッチしないと釣れない高度な釣りだ。
エイトトラップはバスの裏をかくとスパイスになる
エイトトラップは、8の字を描くだけでなく、その場で左右に揺さぶるように動かしたり、一瞬水面から飛び出させたりと、いろいろな動きを試すのが効果的だ。
「あえてルアーを水面から出して、尻尾だけ水面に付けるよう誘って、また水中に落としたりするのも効きます。バスの動きを見ながら、一瞬の判断で仕掛けていくことが大事です」
実釣フィールド
和歌山県・合川ダム&七川ダム
ガンクラフト本社から1時間ほどで行くことができる、平岩さんのホームフィールド。ジョインテッドクローが生まれたといっても過言ではない場所だ。どちらもバスの魚影が濃く、美しいリザーバーの景色を楽しみながら釣りができる。
取材協力 株式会社キナン観興
将軍川・日置川・前の川の3つの川筋からなる合川ダムの、そのどの筋にも行きやすい場所に位置するレンタルボートショップ。フルリグの和船やバスボートなど、合川ダムのバスフィッシングを存分に楽しめる船を多数用意している。
●住所:和歌山県田辺市合川483-10
●電話番号:0739-62-0039
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