【黒き宝石】自己記録更新なるか⁉奥田学がパックロッドで怪魚に挑む!!【相棒ロッドキャプチャーが大活躍!】

【黒き宝石】自己記録更新なるか⁉奥田学がパックロッドで怪魚に挑む!!【相棒ロッドキャプチャーが大活躍!】

奥田学さんが魚種を問わず国内外のビッグターゲットを狙う旅に出た。まずはタイの釣り堀でマグナムサイズのオオナマズやバラマンディをキャッチした奥田さんが次に狙ったのはネイティブのチャドー(トーマン)。新たな遠征の相棒となったキャプチャーマルチピースモデルで挑む。

●文:ルアマガプラス編集部

奥田学
おくだ・まなぶ/かつては琵琶湖北湖きってのビッグバスガイドとして名を馳せ、現在はビッグベイトやジャイアントベイト、アンブレラリグなどストロングスタイルを主軸に各地で現場最大級のバスを仕留め続けるビッグバスハンター。シマノインストラクター。

大自然の中のダム湖。しかし難易度はMAX級!

案内人のオックスさんの運転でバンコクから車で3時間半。主幹道路を外れて内陸部に進むにつれて道の両側は草木や畑だけになってきた。広大なパイナップル畑を過ぎたところに今釣行の舞台、プランブリーダムのスロープが姿を現した。

プランブリーダム
バンコクから車で3時間半ほど南下した場所に位置するダム湖。チャドー釣りでは国内でも有数の人気フィールドで、チャドーのトーナメントも年に3回ほど開催されている

スロープと言ってもただの土の斜面だ。いかにも「秘境」と呼べる大自然の光景。水辺には草木が生い茂り、背の低い木々の間からはたくさんの牛が顔を出していた。しかし、そんな光景に惑わされ、手付かずの自然の中で魚を釣るのだと勘違いしてはいけない。

ここはチャドー(トーマン)釣りの激戦区。

連日、チャドーを狙うルアーマンたちのボートで賑わい、中にはライブ魚探を搭載し、上下に設置された2画面と睨めっこしている釣り人の姿も。年3回、チャドーのトーナメントも開催されているという。釣れても、やり切って1日1~2本というのが奥田さんの見立てだ。しかも当然ながら、今回奥田さんが狙うのは自己記録更新のビッグチャドーだ。

夜明けとともに地元のフィッシングガイド、ジャックさんのボートで出船した奥田さん。

このような船は現地で広く使用されていて、船外機は発電機にシャフトとペラを取り付けて改造されたもの。高速走行が可能で安定性も高いという。

チャドーの狙い方は、シャッドテールがついたフロッグワームをスキッピングでカバー奥に入れて水面を引くスキッピングチャドーと呼ばれる釣り、バズベイト、そしてフライボールにつく成魚を狙う釣りが一般的だという。

オックス「最近はクランクベイトよりもミノーのほうがよく釣れているね。理由はわからないけど」。

現地では強力な助っ人がサポート!
オックス・ラチャシットさん
バンコクからの移動や現地での案内を担当してくれたのが、以前から奥田さんのチャドー釣りをサポートしているOx Ratchasitさん。祖父の代から引き継いでいるレストランを経営する傍ら、釣りアパレルブランド『RUTHLESS!(ルースレス!)』を展開している。

奥田さんは操作性が高いキャプチャー1510MH-4を2セット用意し、ディープクランクとミノーをセット。

遠距離射撃用にはプロトの7フィートベイトロッドをスタンバイさせている。

ライギョの仲間で肺呼吸をするチャドーはときおり水面まで上がってブレスをする。そういった生命反応をもとにガイドのジャックさんは大型のチャドーがいるエリアを見極めながら場所移動を繰り返していく。

奥田「1日1本でいい。僕がいつも言っているワンビッグ。それを獲りにいきたいね」

試行錯誤の末に辿り着いた初日のワンビッグ

ときおりクランクベイトやミノーに『ドゥン!』という強烈なバイトを得るものの、フックアップにまで持ち込めない奥田さん。バルサ製のクランクベイトに空けられた深い穴が、もどかしさを増幅させる。

チャドーに襲われたリストラップRR9を回収すると、その凶暴な牙がボディ側面に深い穴を空けていた。ABS製だと浸水して使えなくなるが、バルサ製ならとりあえずキャストを続けることができる

次第に風が強まり白波立つ湖面。それでも集中力を切らすことなく、場所移動とキャストを繰り返していた奥田さんについに待望のときが訪れた。

奥田「きたっ!」。

時刻が16 時を回ったころ、突如として静寂が破られ、船中は一瞬にして緊迫感に包まれた。

しかし、幾度も水中に絞り込まれる奥田さんのタックルはしっかりと水中の怪力をいなしていた。

ネットに収まったビッグワンを見て、思わず拳を突き上げる。

奥田「よしっ! いや~苦しんだ!ここまで6バイト1バラシできて、なんでこんなに噛みが甘いのかなって。今日が連休明けで、連日釣り人に叩かれたプレッシャーが蓄積していた。そこでルアーを小さくしてプロトの7フィートロッドでロングシューティング。こうやって試行錯誤を繰り返して辿り着くんやね」。

チャド―
東南アジアに広く生息するライギョの仲間で肺呼吸とエラ呼吸を両方行う。大型になると1メートルを超えるまでに成長する肉食魚で、ルアーフィッシングの人気ターゲット。マレーシアやインドネシアでの呼称はトーマン。ジャイアントスネークヘッドと呼ばれることも。

リール、ライン、ルアー、フックそしてロッド。タックルセッティングを煮詰めて臨んだ者だけがモンスターを手にできる。この日を締めくくるグッドサイズに奥田さんも思わず渾身のガッツポーズ。

やり切った先に現れたトロフィーフィッシュ

ハイプレッシャーと爆風。

2日目も続いたプランブリーダムの洗礼を受けながらノーフィッシュで迎えた15時半ごろ、風を避けて入ったワンド内で事件は起こった。

奥田「んんっ!」

言葉にもならないうめきとともにフッキング。

しかし途中でロッドが止まった。

でかい。

奥田「うおお! めちゃくちゃ引くな。フルロックなのにドラグが出ていく!」。

写真の杭に巻かれそうになったがキャプチャーのロッドパワーと25アンタレスのトルクで阻止。船縁に当たりそうになるほどロッドが絞り込まれる。「これはデカいで…」。姿を現した巨大チャドーにスタッフ全員が奥田さんを祝福した。

すかさず追いアワセを入れ、ドラグワークを駆使して慎重にファイト。キャプチャー1510MH-4のリフティング力と25アンタレスのトルクで、曲げて、寄せて、巻いてを繰り返していく。

奥田「おっしゃー! これやて! ジャイアント!」。

姿を現したのは奥田さんのそれまでの自己記録をはるかに超える91センチのモンスターチャドー。

奥田「ちょっと今、放心状態。これまで少しずつ増やしてきた自分のチャドー釣りの引き出しと、全てのタックルバランスが整って取れた魚。泣きたいくらい最高。この竿を作ってよかったよ」

奥田スタイルで切り拓く新たなONE BIGゲーム

プランブリーダムでの釣行を終えた奥田さんは最終日、オックスさんの紹介でバンコク郊外にある池にやってきた。今回も狙いはチャドーだ。

最近オックスさんが爆釣したという池で期待値が高かったが、あいにくこの日はかなり状況が悪いようで、フロッグワームやバズベイトで岸沿いを流していくがチャドーからの反応がほぼない。

1本をキャッチして厳しい状況のまま迎えた午後、奥田さんがおもむろに取り出したルアーはビッグベイトのアーマジョイント(フローティング)だった。

幅の小さいS字で直線的に引いてくると、なんとその一投目でチャドーが追尾し、そのままバイトしたのだ。

残念ながらそのチャドーはファイト中にバレてしまったのだが、意外にも奥田さんの表情はプランブリーダムで自己記録を釣ったときと同じくらい晴れやかだった。

奥田「今日はこの池が最悪なくらい厳しい状況だっていうオックスの話で、午後になってようやくビッグベイトでやってみよう、ビッグベイトの力ならなんとかなるかも、と思って試してみた。その答えが見事に返ってきたことが率直に嬉しいね。本来、チャドーの釣りでビッグベイトを使う人は少ない。でも僕は、チャドーをやり始めたときから実はビッグベイトを試していたんだけど、そのときは結果が出なかったんです。直線的な動きのルアーじゃないとストライクしないチャドーは、S字軌道だと釣れにくいっていうのがあった。でも、ここにきてアーマジョイントなら直進性で訴えられると直感的に思った。今、その考えが見事にハマった。次からの新しい突破口が見つかったんです。獲れた獲れなかったは関係なく、それが率直に嬉しい。あの食い方はたまたまではなくパターンとして成り立つ。僕の中で今後の新しい引き出しがまたひとつ生まれたんです」。

けたたましい音を立てて水面を走るフロッグワームに襲いかかったチャドー。激しく水面が割れるバイトは病みつきになること間違いなしだ

キャプチャーとともに挑んだ奥田さんのタイ遠征はこの新たな発見と可能性で幕を閉じた。これからも国内外のワンビッグを求めて奥田スタイルの模索は続く。

奥田さんのタックル

(上から順に)
[ロングシューティング用]
●ロッド:7フィートベイトロッド *プロト●リール:アンタレス DC MD XG +夢屋ウルトラストロングハンドル48ミリ●ライン:PE4号+フロロ60ポンド
[ビッグスピナーベイトなど]
●ロッド:キャプチャー 163H-5●リール:アンタレス DC MD XG +夢屋ウルトラストロングハンドル48ミリ●ライン:PE4号+フロロ60ポンド
[クランクベイト、ミノー、フロッグなど]2セット用意
●ロッド:キャプチャー 1510MH-4●リール:25アンタレス XG +夢屋ウルトラストロングハンドル48ミリ●ライン:PE4号+フロロ60ポンド
※ロッド、リールは全てシマノ

・ビッグスピナーベイト*プロト(シグナル)
・IK-420BWKモザイク(イマカツ)
・IK-400RSカオスダイバー(イマカツ)
・DEEP-SIX(メガバス)
・DEEP-X300(メガバス)
・ハッピーフロッグ シングルテール(ハッピーフロッグ)
・リストラップ RR9/RR8/RR7(ラパラ)
・マッドバズ(シグナル)
・ゴールドディガー600(エバーグリーンインターナショナル)
・レアリス ファングベイト120DR(DUO)
・レアリス ファングベイト100DR(DUO)
・タイ製バズベイト

今や奥田さんの遠征に必携となっている防水バッグ『ドライロールアップダッフルL』(シマノ)。マルチピースロッドやリール、ルアーなど必要なもの全てをこのバッグひとつに収納していた。

動画でも激闘をチェック!!

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