毎回語り尽くしのネタ満載トークインタビュー・清水盛三「帰ってきたシン・ネバギバ。」。連載14回目は、満を持してついに情報解禁となった名作ジャックハンマー専用のトレーラーワーム「ブルポイントシャッド」についてモリゾーさん自ら語っていただいたぞ。
●文:ルアーマガジン編集部（写真提供：MORIZO SHIMIZU）
清水盛三 MORIZO SHIMIZU
1970年5月29日生まれ。大阪府出身。’97JBスーパーバスクラシックウィナー、’00JBワールドU.S.チャレンジinレイク・ミード優勝を経て渡米。老舗トーナメント団体B.A.S.S.が主催するエリートシリーズやFLWなどに参戦。2018年をもって引退、17年間の米国競技生活にピリオドを打った後は日本国内の各メディアへの出演他、ご意見番として後輩の指導にあたる。バサー・オールスタークラッシック2022優勝。
オフィシャルサイト http://www.morizoshimizu.jp/
＜スポンサー＞
エバーグリーンインターナショナル、グローブライド、東レ・モノフィラメント、グレンフィールド、マーキュリー、カラーズインターナショナル、ALL of FAN
＜バスマスター通算成績＞
●B.A.S.S.
’01ウェスタンオープンでデビュー。１シーズン目で、翌年からのツアー参戦権を獲得。公式戦出場151回、クラシック出場3回、2006年にエリート・ケンタッキーレイク戦優勝、入賞66回（優勝：1回、準優勝：2回、トップ10：9回、トップ20：21回、トップ30：34回）。獲得賞金77万1299ドル（約1億1801万円 ＊1ドル153円換算）。
圧倒的晴れ男!? モリゾーさんがいれば天気は安心!!
–いやー、しかしめっちゃ寒くなってきましたね。
清水
めっちゃ寒くなったな。昨日もモードとエバーグリーンでイベントだったんだけど寒かった。 でもスーパー晴れ男やからさ。俺が行った瞬間から雨あがったからな。
–マジっすか。でもホント晴男雨男ってありますよね。ルアマガ編集部にも名物雨男がいるじゃないですか。モリゾーさんと一緒にいるとどうなるんですか？
※ルアマガ事業局にはたまたま取材に訪れた沖縄で、数十年ぶりの雪を降らせたという伝説をもつ局員がいるのだ。
清水
いや、晴れが勝つな。もうウルトラ晴れ男やから。 だって実際な、例えばゴルフとかって日が決まってるやん。
俺がいくと雨降らへんからな。雨予報でもパラパラ降ってすぐ止むし。 でも釣りのロケも晴天ばっかりだからタフやで。（笑）
–確かに。いつも晴天じゃ釣りにはいいコンディションではないですね。
清水
でも最近は雨降ってくれと思ってたら雨降ってくれるからええけどな。
–もう晴れ男というより、願いが通じるタイプですね。（笑）
もう12月も終盤ですけど年末は仕事納めとかあるんですか。
清水
俺の仕事はそういうのが全然ないな。特に昔とかなんかもう全然。アメリカ行ってた時なんてクリスマスとかも関係なくロケしてたからね。大晦日まで撮影だったこともあった。スケジュール的にもう1月入ったらすぐにアメリカに戻らなあかんからね。
–そうですよね。日本にいられるタイミングも限られてますからね。
清水
そうだね。現役じゃなくなってからは、別にそこまで仕事入れんともう終わらして、なんとなくゆっくりして、普通に釣り行ったりとかしてる感じ。
へら釣りとかね。
へら釣りにも精通しているモリゾーさん。清水家に代々伝わる英才教育なんだとか。
名作ジャックハンマーの性能を120%引き出すウワサのトレーラーワームとは!?
–今日はですね、メインテーマとして聞きたいことが。満を持してついに情報公開となったジャックハンマーのトレーラー「ブルポイントシャッド」についてお伺いしたい！
清水
そうですよ、情報解禁になりましたよ。12月1日に情報解禁しようって決めてたからさ。 取材も大変やったと思うで、映さないようにしないといけないから。
–それこそ菊元さんも取材で使ってらっしゃったりして。
清水
そやで。これ使わしてくれ、使わせてくれって菊元さんに言われてさ。その代わり絶対隠しといてくださいよって言ってさ。出したら僕怒りますからねって。（笑）
–もうそれくらいやっぱり特別なトレーラーってことですね。
清水
うん。だって、エグいもん。ブルポイントシャッド。
–youtubeに上がっている全貌公開の動画を見たんですけど、めちゃくちゃ寒そうな格好してる時もバンバン釣れてますよね。
気になる全貌は動画でもチェック!!
清水
うん。もう去年の12月。ちょうど今ぐらい（12月中旬）でボコボコやったかな。
60ぐらいのが釣れたりとか。
–昨今の冬に巻いての釣果でそれはとんでもない。（笑）
今手元にお借りしてるものを持ってるんですけどパッケージ開けるとすごい匂いしますね。（笑）
清水
そう、いろいろ入ってる。もうとにかくゴウ臭じゃないと嫌って言ってさ、だから匂いの調合とかも全部試しまくった。結局な、そのデザイン自体はもう3年、4年ぐらい前からある程度固まってたんだけど、マテリアルとかさ、匂いとかで多分1年ぐらい使ったんちゃう。
–これ、マテリアルも相当柔らかいですけど、癖のつかない、なんというかハリのある感じでいいですね。
清水
そやねん。でもめちゃくちゃ大変やった。もうめちゃくちゃ大変。泳がした時にマテリアルが違ってたら全然泳がへんくなったりするし。形も大変やってん、そこに行き着くまで。現場でハサミ入れたりな。サンプルができてくるやん。それからテスト。それが、もう全然泳がんのよ。やっぱ最初はな、俺が思ったように泳がへんかったりするわけよ。そしたら現場でハサミを入れて、ライターで炙ってくっつけてとか、そんなんやりながら。試しては直して試しては直しての繰り返し。そうやっていくうちに、動くようになってきて、それをまたちょっと変えていったりとかして。
–そういうこだわりがこのリブだったり関節の設計に繋がってたりするわけですね。
清水
そうそう。だから作るの嫌やねん。やりたいことがあって、こういう動きがあったら釣れるんやろうなってわかってるけど、作り始めたら時間かかるから、しんどいから嫌やねん。
–徹底的に納得がいくまでこだわりぬくからこそ、っていうところですよね。
清水
もちろん。もう妥協なんか絶対せえへんからさ。
「そんな動き無理ですわ」とかって開発チームに言われるわけじゃない。そしたらアホかー！言うて。そんなもんな、こうやってこうやってくれって言って続けてやっていくうちに、ほら見てみー！ちょっと動くようになってきたやんけとかって。（笑）
途方もないこだわりが信頼できるアイテムを作り出している。
–このこだわりは開発チームも大変ですね。（笑）構想から、何年でしたっけ。
清水
構想から5年かな。ファーストサンプルで多分2年半ぐらいはかかってんな。
で、最初の1年なんか全然釣れへんねんで。 ただ単純に俺がうますぎて、テクニックで釣れたやつはあったけど、そんなんルアーの力で釣ってる魚ちゃうからって開発に言ってね。こんなん釣れてないのと一緒やしとか、ルアーで釣れる動きにせなあかんって言ってね。
–イメージではこうやって動かすっていうゴールが、あったんですか。
清水
そうそう、脳みその中にね。こうやって動いてくれたら食うんちゃうかって思ってるのがあってな。
–理想の動きに向かって設計と改良を重ねていったと。
清水
そうそう。で、カタチはもちろんマテリアルであったり匂いであったりとかさ。
ジャックハンマーに付けて100パーセント以上の能力を発揮せなあかん。それを作らなあかんと俺は思ってたから。
ジャックハンマーとマッチング12%。見た目にも美しく究極のカップリングが実現している。
–ジャックハンマーに合わせると120パーになる。この理由は各所に色々あると思うんですけど。
あえて1つポイントをあげるとしたら、どこがポイントなんですか。
清水
いつも言われるねんけど全部やな。Dゾーン作った時も、ワイルドハンチ作った時もそうだけど1箇所がどうとかではない。絶対に全部やもん。 全部こだわって、形、シルエットはもちろんそうやし。マテリアルも匂いも動きも全部やな。
–それらが全部高いレベルで合致したからこそ、120パーセントのマッチングを生み出したってことですね。
清水
そうですね。1個ずつ1個ずつ組み合わせていって、この組み合わせじゃ違う、でこっちの組み合わせやってみて、こっちの組み合わせでもない。こっちの組み合わせはちょっといけてるな。じゃあ次こっち試してみようか。その繰り返し。
–あ、途方もない。（笑）
清水
だから嫌やねん。ぱっとできるルアーはないからさ。単純に動けばええってことでもないからな。
その動きにも、やっぱりなんか質というものが僕の中にはあって。あとは、これ残念ながら俺にもわからんところが1つあってさ。最後はサカナに聞いてみんとわからんでっていつも開発に言うねん。それで釣ってみて、エグい釣果が出て初めてそのルアーはめちゃくちゃいいルアーに仕上がるっていう最後のテストが待ってんねん。
俺の今まで作ってきたルアーって全部この過程を経ている。
–自分の思う理想の動きになったなと思っても、それでのサカナから回答が得られなければ…。
清水
何かがおかしいねんって考え出すよ。俺だって間違ったり、ちょっと違うねやと思う時も何回もあんねん。でも、そこは近いとこにおったりすんねん、それって。で、ちょっとしたことを変えたら劇的に釣れるわようになったりするねんいつも。そこの最後のピースをバチっとはめるまでテストを繰り返すね。それで最後はサカナに聞いてみてって感じやな。
モードは開発も実践至上主義バリバリです。
–だからこそ、前回の巻物の時の話にもなりますけど、釣ってる人が作ってるモノを信用して使えよっていうところに繋がってくるわけですね。
清水
そうですね。田辺さんが言うとったやろう。
モリゾーと俺のだけ使っときゃいいよって言うとったやろ。（笑）
–いや、あれ、対談見てて笑いました。本当に言ってるって。（笑）
気になる対談はルアーマガジン1月号をチェック。その模様はYouTubeでも公開予定だ!
清水
あったやろ。俺も一緒におって笑ってもうたもんな。ほんまのこと言いはったわと思ったから。（笑）
でもやっぱり結局サカナに聞かんとわからんもん。 人間が目で見ていいって言うものって、それはもう俺からしたら嘘やと思ってるからな。 だってそれ、人間が見てるだけでしょ。サカナそれ美味しいと思う？みたいな。
–いわゆる釣り人が釣れるってやつですね。
清水
それはもう一切求めてへんからな。こんなん言うたらメーカーに怒られるかもわからんけどさ。ぶっちゃけ一切求めてない。開発チームにもよう言ってるねんけどさ、道具作ってるって、プラモデル作ってんのちゃうねんって。 サカナを釣れる道具を作ってるから、見た目が美しくてもそこに俺は興味を示さへんしサカナも興味を示さへんかったら、それはただの模型やと思う。
–それだけサカナを釣る道具としてこだわりが詰まっていると言うことですね。 ブルポイントシャットをベイビージャックにつけるとしたら、相性はどうでしょう。
清水
全然大丈夫。あの動画の中でもベイビージャックで釣ってるやつが何匹もおるよ。
–それは全くチューンしないで、このままで大丈夫ですか？
清水
全然そのままでOK。頭切らんと。でも、シルエットが大きいと思ったら頭切ってくれたらいいし。
–それはありなんですね。
清水
全然ありだと思うよ。ちょっとだけでも切ったらいいと思う。
俺は普通にそのままつけて釣ってたけどね。
–ベイビージャックとも十分マッチすると言うことですね。当然、動画内でも使ってましたけど、ステルスブレードとの相性も問題ないですよね。
ベイビージャックもステルスブレードにももちろんベストマッチ!
清水
うん、全然。だってもう全部食べてたもん。全部に使えるよ。
全部のジャックハンマーシリーズで、山ほど釣ってるから全く問題はないっちゅう話やわな。
–とにかく、どれにも抜群に相性はいいですよ、というところですね。
あとは、発売予定ですね。ここまで読んでいただいた方はいつ買えるんだ！ってなってると思うんですけど、確か3月頃発売予定ですよね？
清水
そうです。予定。遅れないことを祈るばかり。
–いや、早く欲しいです。きっと読んでる方も早く欲しいはず！
清水
途中ぐらいからさ、もうマテリアル変えていって、それでバチっとハマったらもうずっとサンプル作ってもらってたからな。自分が使う分の。（笑）
開発チームは俺が使う分作るのにずっと追われとったって感じ。
–もう釣れるのわかって、テストは終わってるのに釣れるから使いたいシークレットルアーみたいな。
清水
そう。だから、ロケでも永遠に隠し続けてるやろ。針の部分をこう、ぐっと持って。ジャックハンマーを見せる時はそうやねん。ずっとブルポイントシャッド付けてたから。釣ってる時は全部丸呑みやからさ、口の中ちゃんと入って、ブレードぐらいしか見えないけど。 でもついに出せるようになったから、もうみんなに使ってほしいからね。でかいの釣れるもん。
あとフィッシングショーでエバーグリーンブースに展示するから是非見にきてほしい。
見ての通り丸呑み!! 本気で食いにきているという何よりの証拠だ。
–ちなみにモリゾーさんがいる時間もあるんですか？
清水
多分、なんかすると思う。セミナーなのかわからんけど、横浜と大阪、両方ともエバーグリーンブースにいるから見にきて。
–そしたらエバーグリーンブースの方からブルポイントシャッド臭が。（笑）
清水
臭いやんけみたいな。（笑）
エバーグリーンのブースどこかわからんかったら匂い嗅いだらいいと思う。（笑）
–そこで是非みなさんにブルポイントシャッドを見ていただきたいですね。
清水
ほんまにね。あと一つだけ。絶対にジャックハンマーとかってトレーラーをまっすぐつけなあかんねやん。変な動きになるから。ブルポイントシャッドはまっすぐ刺しやすいように、分かりやすく背中にガイドラインをマークしてる。だから、絶対にまっすぐにワームを刺してほしい。
–溝がありますね。これに沿って差していけばいい。位置はワームのど真ん中でいいんですか？
清水
ど真ん中やで。もうそれは必須でやってほしいですね。
プラグとかのアイチューンと一緒。それでもう120パーセントの力を発揮できるルアーに変身するから。あとはカラーはジャックハンマーの全色にマッチするカラーが絶対にある。だってそれに合わせて作ってんもん。
–3月に無事発売されることを祈って、楽しみに待ちましょう。
清水
そうやなーうん。絶対に遅れへんようにしといてなって言ってるけどね。（笑）
–エバーグリーンさん! 何卒よろしくお願いいたします!!（笑）
清水
今回で年内は最後ですね。
2025年もありがとうございました。来年も引き続きよろしくお願いします。
それでは皆さん、良いお年を。
みたいな感じですかね。（笑）
発売は3月頃を予定! 気になる方は各フィッシングショーでひと足さきにチェックだ!!
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