
房総リザーバーをホームに、各大会で活躍する超実力派ローカルとして知られている國藤和海さんが特命釣行に挑戦。お題は56センチ1本というもの。亀山ダムで釣った50アップは数知れず。ロクマルもキャッチしている國藤さんが、等身大な秋のリアルな釣りを見せてくれた。
●取材協力:トキタボート
●文:ルアマガプラス編集部
profile
國藤和海(くにふじ・かずみ)
1984年生まれ。千葉県佐倉市在住。バス釣りは印旛沼で覚えて、20歳前後から房総リザーバーに通うように。10年ほど前から房総チャプターに参戦。好きな釣りはカバー撃ち。2024年NBC房総チャプター年間優勝。2023年NBC関東Bブロックチャンピオンシップ優勝。OVER31リアルトーナメント2025亀山戦優勝。
デカバスは春だけのものじゃない、秋だって狙って釣れる
亀山はマグレで釣れない 芯を捉えることが大切
印旛沼などのマッディシャローでバス釣りの原体験を持つ國藤さん。今では亀山のデカバスハンターとして一目置かれている。デカバス率が高くなったのはここ数年のことだという。
「ライブスコープを使うようになったことが大きいですね。シーズナルパターンをしっかり積み重ねていって、今まで点だった考えが、ライブスコープで一気に線に繋がる瞬間があったんです。亀山は、アベレージをたくさん釣っても、デカいのがあまり混ざらないんです。どこか、芯をとらえてないと釣れない。その芯がだんだんわかってきたんです」。
國藤さんの自己記録である65センチは、この取材が行われたのと同時期。デカバスは春のイメージがあるが、秋にも十分チャンスがあるということだ。
「自分は春にロクマルを釣ったことがなくて、夏に2本と秋に1本。スポーニング絡みではないです。65センチは、朝イチに押切沢に入っていって、ジグ&ポークのジグストで釣りました。雨後のタイミングですね。今日は雨後なんですが、そこまでの雨ではないんで、バスがガッツリ上流に差すような感じではないかなと思ってます。また、秋は暖かい日というのも好条件だったりします。一番良くないのは、晴れていて気温が上がらない日。暖かい雨が降ったら最高。春と同じですね」。
特命釣行のお題は56センチを1本。これはOVER31リアルトーナメントで、2025年6月に國藤さんがキャッチした魚と同寸だ。「ヤバいな…。大変なお題ですけど、頑張ります!」。
國藤さんの自己記録は亀山ダムの65センチ!
これまで3本のロクマルを亀山ダムで釣り上げている國藤さん。レコードフィッシュは65センチだ。この魚は2023年の10月17日にジグストでキャッチ。そして、この特命釣行は10月16日に行われた。雨後というタイミングまで状況はマッチしている。否が応でも期待が膨らむ。
この日は雨が降ったり止んだりで、終日ローライトというコンディション。時折強い大雨も降った。デカバスを釣る上ではこの天候は味方になってくれそうだ。
亀山では秋から冬にかけてパワーフィネスの出番が増える
秋こそカエルパターンでデカバスが狙える絶好期
秋は巻き物と言われるが、こと亀山ダムにおいては秋でもカバー撃ちが効果的に機能するという。
「亀山は春と秋にカバーが強くなる傾向があります。それはカエルの存在が大きいですね。いわゆる、ツチガエル・アカガエルのパターンです。とくにカエルを意識した釣りでは雨というのはとても大事な要素です。雨でカエルの活性は上がるし、インレットなどからカエルが流れて落ちきたりもする。カエルに動きが出るので、パターンとして成立しやすくなるんです。寒くても、雨は重要な要素ですね。年内はカバーのカエルパターンでよく釣れますよ。また、アカガエルは冬でも鳴いてますし、2月でも産卵に出てくるので、真冬でもカエルパターンはありますよ」。
このカエルパターンで國藤さんが多用するのがパワーフィネス。浮きゴミやブッシュに、カバー用のスモラバ&エラストマーのカエルワームで攻めていく。
「カバーに引っ掛けて、その直下でシェイクし、バイトがなければそのままシェイクしながら落としていく。落ちパクもあるにはあるけど、シェイクしているときにゴンというのが多いですね。シェイクしながら、細かく落としていけるのがパワーフィネスの利点です。ルアーは、できればカバーの奥の奥に入れたいですね。やはり誰も入れないような奥にいるバスは安心しているし、できるだけ奥を狙うようにしています」。
また、ある程度フィッシングプレッシャーが高い日でも、パワーフィネスは効くことが多い。
「人がいないほうがいいのは間違い無いですが、人が撃った後でも釣れることがあります。亀山のバスはプレッシャー慣れしているんで、ある意味で図太い。その反面、カバーに居座ってそのまま釣られちゃう個体も多い印象です」。
亀山を攻略するならパワーフィネスは欠かせない
國藤さんの亀山ダム攻略の主軸となるパワーフィネスでは、コンスタントにバイトが続く。サイズは伸びないものの、30センチ台が元気にヒットしてくる。「秋はサイズが選べないんです。でも、いきなりデカいのがくるのが秋ですよ」。
この日のメインパターンは、ワンド奥などにある浮きゴミをパワーフィネスで狙うというもの。周囲からはカエルの大合唱が聞こえており、カエルパターンをやらずにはいられないという状況だ。「雨が降るとカエルも鳴き始めます。カエルが鳴いている場所・タイミングはチャンスです」。
パワーフィネスで浮きゴミ周辺のカエルをイミテート
國藤さんがパワーフィネスで使うときのメインルアー。野良ガエルはカバー内での姿勢が良く、シェイクしたときに手足がナチュラルに動いてくれる。また、スモラバはスカートをカットして使うこともある。これはよりワームのシルエットを際立たせたいとき、カバー直下で誘いたいときにセレクトする。カラーは視認性が良く、ツチガエルを意識した明るめをチョイス。
パワーフィネスを繊細に扱うための國藤さんの作法
豪快かつ繊細な釣り味がパワーフィネスの醍醐味
國藤さんがパワーフィネスでスモラバと同じく使用頻度が高いのがリーダーレスダウンショットリグだ。
「スモラバよりもヘビーな場所で使うのがリーダーレスダウンショ ットですね。逆に一番ライトなカバーで使うのがネコリグです。この釣りで気に入っているワームがベローズギル。OVER31で釣った56センチ3342グラムもベローズギルのリーダーレスダウンショットでキャッチしました」。
國藤さんはパワーフィネスでカバーを攻めるとき、ロッドを持つ逆の手でラインを引き出して操作している。
「手でラインを送れるので、数センチ刻みで細かく繊細に落としていけるんです。ベイトPEよりも細かく落としていけるし、ラインを直接手で持っているからアタリも感じ取りやすいですよ。昔はベイトでもやっていたんですか、パワーフィネスの使いやすさを知ってからは、スピニングが多くなっていきました。ベイトPEは、マッディーシャローでアシなどを手返しよく入れていくのにはいいと思いますね」。
魚が掛かってからは、どのように対処したらいいのだろうか。
「まず、バイトがあったらラインスラックをちゃんと取ってからフッキング。これはフッキングのストロークをしっかり取りたいからです。そして、フッキングのパワーでそのままバスを水の上まで抜きあげる。バスに走らせるとバレる可能性が上がります。バスをカバーに引っ掛けたまま、船で取りにいくほうが安全ですね。ラインが強いので、バスを吊るしてランディングできますよ。リールのドラグはフルロックで問題ありません」。
より濃いカバーに入れたいときのリーダーレス
パワーフィネスで使用する、ひと口サイズのリーダーレスダウンショットリグ。シルエットを一体化するためにシンカーはラウンドタイプを使用している。フックポイント周辺のリブをハサミでカットし、フッキング性能を上げている。フックはスーペリオCOフック#1(エンジン)。
ベローズギル2.8インチ(ジークラック)
5.3グラムリーダーレス
ダウンショットリグ
パワーフィネステクニック
ラインを手で持って、感度と繊細さをアップ
ラインを引き出して手で持ち、レンジを送り込むのもこの手で操作する。
「手でラインを送れるので、より細かく繊細に落としていけるんです。スプールをサミングしながらラインをパラパラっと落としていくと、ルアーがスルッと落ちていきすぎちゃうので良くないです。レンジを入れていくのも楽ですし、アタリも手で感じ取れますよ」。
カバーにはラインが直角になるように入れる
パワーフィネスは、カバーに入れる際にラインが直角になるように入れるのがコツ。
これは水面のカバーでも、水の上のカバーでも同様だ。カバー内でラインが枝に当たったりして屈折させてはならない。途中でラインが引っかかっていると、シェイクが伝わらないし、バスのアタリも感じにくくなってしまう。
根掛かりは避けられない
注意していてもヘビーカバーを攻めているとどうしても根掛かりしてしまうことがある。その場合は根掛かり回収棒を使ってしっかりとリカバー。
「巻き物などで使う根掛かり回収棒をそのまま使用していますよ」。
沖のバスはミノー・シャッドで食わせる
トキタボート周辺や居前のフラットなどでボイルが見られたので、小手調べにミノー&シャッドでサーチ。
「沖にいるバスは、ワタカやオイカワなどを食べていると思います。これらのベイトは、梅雨前に産卵して、そのときに生まれた稚魚がバスのエサになっていたり、10センチ前後の個体も食べられています。ビッグベイトサイズのワタカを食べているバスもいますね。ですから、いろいろなサイズのベイトに合わせないといけないのが秋です」。
お得意のパワーフィネス展開も、この日はサイズが伸びない
スモラバとリーダーレスをカバーの濃さなどで使い分け、ベローズギルでも複数のバスをキャッチ。特命釣行のお題を達成するバスを釣るには、他の展開を試さないといけないのかも知れない。
競技もデカバス狙いも両方できる、だから國藤さんは強い!
國藤さんの本領発揮ならず愚直な仕事人の挑戦は続く
これまで亀山では50アップを数多く釣ってきている國藤さん。トーナメントスタイルもデカバス狙いも、両方できるアングラーだ。
「トーナメントの釣りとデカいの狙いとは完全に分けてますね。年がら年中、デカいのを狙っているわけではないです。多くのアングラーが集まって、その日に一番いいウエイトを出す、そのゲーム性はとても大好きで、一方で大きいのに絞った釣りも好きです。プライベートのときは、デカいのに絞って釣りをしている感じです。最近は大きいバスの動きが少しわかってきて、ちゃんと狙って50アップが釣れるようになってきましたね」。
パワーフィネスではサイズが伸びず、ライブサイトに展開を変えてみる。すると、下清水の対岸でかなりのデカバスと遭遇。単独ではなく複数いるとのことで、チャンスはありそうだ。
「デッカブメスに、バスが見えるくらいまでチェイスしてきましたね…」。
時間をかけてバスを追い詰めていくが、口を使わせることができず無念のタイムアップ。
「亀山ダムの東から西方面まで、デカバスを探していろいろなエリアをチェックしました。前半はカバーメインで見ていき、カエルパターンを試しましたが、サイズは出ず。後半はライブスコープで沖目の魚を探して、55クラスを見つけることができたんですが、ルアーのギリギリのところまでいったものの、食わせるまでには至らず。亀山のいい魚を見せることができず残念です。また機会がありましたら、ぜひ挑戦させてください!」。
ライブサイトでデカいのを食わせたいならフットボールのスイミング
ライブサイトで狙うときによく使用するのがこの組み合わせ。カバーの上の中層をストらせながら引いてくる。ライトリグや小さいシルエットのルアーよりも、こういったギル系を入れたほうが、沖のバスもよく食うという。
フットマスター7グラム(レイドジャパン)&ベローズギル3.8インチ(ジークラック)
カエルパターンのデカバス量産ジグ&ポーク
ジグ&ポークはカエルをイメージしたいときに使う。レイダウンやインレット絡みに入れて、ジグストの要領でアクションさせる。國藤さんのレコードフィッシュは、マスタージグ7グラム(レイドジャパン)とピッグダディー(釣り吉ホルモン)の組み合わせだった。
ギャップジグ5グラム(ボトムアップ)&ピッグダディー(釣り吉ホルモン)
デカバスを狂わせる一撃必殺系のビッグトップ
ライブサイトで見つけたバスの頭上を通して、浮かせて食わせる。雨後のインレットなどに入れてもよく釣れる。「デッカブもけっこうデカいのを釣ってますよ。流しながら使うというよりは、デカいのがいる場所に必殺技的な感じで使っています」。
デッカブメスJr.(痴虫)
トータルで5本をキャッチするも、残念ながらデカバスをキャッチすることはできず。「55センチクラスはルアーのギリギリのところまで来たんですけどね…。悔しいので、ぜひまた挑戦させてください!」。
使用タックル
フットボールジグ用●ロッド:スペルバウンドコアSCC-65-1/2マルチ(エンジン)●リール:アルデバラン31HG(シマノ)●ライン:シーガーR18フロロリミテッド 14ポンド(クレハ)
ジグ&ポーク用●ロッド:スペルバウンドコアSCC-68MH(エンジン)●リール:アルデバラン31HG(シマノ)●ライン:シーガーR18フロロリミテッド 14ポンド(クレハ)
ベローズギル・リーダレスダウンショット用●ロッド:スペルバウンドコアSCS-610H-ST(エンジン)●リール:セオリー2506H(DAIWA)●ライン:オルトロスPE WX8ゾーンカバー 2号(Xブレイド)●リーダー:シーガーR18フロロリミテッド 20ポンド(クレハ)
タッガー&野良ガエル用●ロッド:スペルバウンドコアSCS-68MH(エンジン)●リール:セオリー2506H(DAIWA)●ライン:ソラロームルアーPE1.5号(東レ)
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