
バス釣り=フロロ(カーボン)ラインというイメージが定着しているが、最近はPEが勢力を拡大したり、ナイロンラインも進化している。元トップトーナメンターであり、フィッシングカレッジ現役講師でもある三原直之さんに、ハードベイトを使う上でのフロロラインの長所と現実を聞いてみました。
●文:ルアマガプラス編集部
profile
三原直之(みはら・なおゆき)
2015&2019年JBスーパーバスクラシック優勝、2019年JBトップ50シリーズ七色ダム優勝ほか上位入賞多数。2023年にJBトーナメントを電撃引退し、一般アングラーのためにルアー制作に専念すると宣言、野心作を続々リリース中。近年は兵庫県加東市とイベントを共催するなど、地域とバスフィッシングの融合にもひと役買っている。鳥取県境港市出身、兵庫県三田市在住。レンタルボート店『東条湖ビッグバイト』を運営中。
シングルフック+カーボンロッドなら必ずフロロラインです。
全タックルの7割がフロロ
編集部 今回は三原さんのハードベイトを使う上でのフロロラインについての考えを深堀りしたいという企画です。まず普段使う全タックルの中で、フロロ率はどれぐらいですか?
三原 7割ぐらいですね。もちろんナイロンもPEも使うけど、フロロはトップウォーター以外では何でも使えるので出番は一番多いです。
フロロって糸が水に沈んでなじみやすいのが最大の特徴なので、ポッパーとかペンシルでは長い距離を引けないので使わない。しかしリップがついてたり、バイブレーションなどの潜るルアーでは沈む特性が使いやすさにつながりますね。
僕がフロロを一番よく使うのは、スピナーベイトやチャターなど一本鈎(シングルフック)のルアーの時。一本鈎のルアーにカーボンロッドを合わせる時は必ずフロロを使います。
編集部 その意図は?
三原 トリプルフックで絡め取るような釣りではナイロンがいいと思いますが、ナイロンは伸びが大きいラインです。スピナーベイトだったらフックが一本しかないので、一本をしっかり刺さなきゃいけないっていう意味でフロロを選択するんです。
じゃあPEの方が伸びないからより刺さるんじゃないかと思えますが、やっぱりハードルアーって巻いて使うものが多いので、動いてるものに対してバスがアタックした時に多少のクッション性が欲しい。その『多少のクッション性』っていうところにフロロの伸び率がちょうどいいんですよ。
なのでPEで巻き物する時は、例えばバズベイトとかチャターとかもPEで巻きますけど、そういう時はグラスロッドを使います。グラスのクッション性が欲しいわけです」
三原さんのフロロ率は平均7割程度。バスフィッシングの基準ライン、それがフロロカーボンなのだ。
重いルアーにはグラス&PEがいい
「チャターベイトのトレーラーが大きい時(MJシャッドテールなど)はグラスロッド+PEでやることが多いですね。トレーラーが大きいとルアー総重量が重くなるので、カーボンロッドだとHとかMHを入れなきゃいけない。でも、その強さなら巻き物に合わなくなる。硬すぎて弾いちゃいますよね。そこにグラスロッドを入れてやるとちょうど扱いやすくなるんですよ」
レインボーブレードにMJシャッドテール(ともにイマカツ)は最適の組み合わせのひとつ。かなり重量級ルアーになるので、グラスPEを使用する。
ナイロンとフロロ、そしてPEの三原的使い分け
巻きモノの場合
ナイロン=軽い、クッション性大
⇔クランクやバイブレーションなどのトリプルフック搭載プラグ系
フロロ=沈む、クッション性小
⇔スピナーベイトやチャターベイトなどのシングルフック系
PE=軽い、クッション性なし
⇔グラスロッドと併用してシャローレンジの巻き物に
ナイロンとPE比、フロロの優位性
「一番は沈むことですね。ディープクランクを潜らせやすい。スピナーベイトも沈ませていろんなレンジで扱える。沈むというのはいいことだと思います。そして1本針のときに、フロロの少しのクッション性と伸びすぎないからこそ刺さりやすい、というのが有位なとこですね」。
東レの代表的フロロ『エクスレッド』ってどんなライン?
「他社より径が少し太いので糸が弱いと思われがちだけど、ポンドって単純な引っ張り強度の数字。でも、バス釣りで一番切れる時ってモノに擦れたときなんです。それには径が太いほうが有利で、ゴリゴリ削っても単純に直径が太いほうが強いでしょ。耐摩耗にこだわっている東レの技術もそれにプラスして、やはり根ズレには強いですね。
硬軟で言えば、エクスレッドはしなやか系のラインです。なので万能系でクセがなく使いやすい。ヘビーカバーを撃つときにはビッグバスフロロ(東レ)を使うこともありますが、これはちょっと硬めでごわっとしてますね」。
フロロには2タイプある
ひとくちにフロロカーボンラインと言っても、昔ながらの硬くてパリパリなものと、近年はフロロと思えないようなすごくしなやかなものがある。両方の特徴を持ったオールインワンはないということだ。
しなやかなフロロ
⇔巻き物に有利
巻き物をするときにはしなやかなほうが扱いやすい。ラインのゴワつきがなく、ルアーの動きを邪魔しない。フロロらしさは少ないかもしれないが、ルアー全般を扱いやすい万能系ライン。例)エクスレッド/東レ
硬いフロロ
⇔カバーフィッシングに有利
しなやかなフロロだとブッシュや枝に沿いすぎ、垂れて根掛かりしやすくなる。張りがあってごわっとしたフロロのほうが枝に絡みにくいイメージがあるのでカバーで使いやすい。例)ビッグバスフロロ/東レ
ミハラのライン交換頻度
「かなり遅いです(笑)。週3回釣行したとして、2ヶ月に1回巻き変えるかどうかですね。細いのも太いのも。東レの社員に他社ライン使ってないかと心配されたことがありました(笑)。三原が一番釣りに行ってるのに一番頼まないから。
試合に出てたときは1試合に1回ですね。状況によっては決勝日に変えるかも、ぐらいです」。
特殊状況では細いフロロを使用
「細めを使うのは飛距離の問題だけです。ベイトは遠投したらフッキングの問題が出るので細くはしない。スピニングのみの場合で、三原虫やフラシュリンプを使って、城北ワンドや五三川ぐらいの川幅で、対岸に届かせてちゃんと底を取りたい時。そんなときはPEよりもフロロで飛ばして使いたい。軽いルアーを飛ばして沈ませたいたい時限定ですね」。
フラシュリンプ(イマカツ)
ノーシンカーでフラシュリンプを対岸にぶっ飛ばし、沈ませて食わせるような状況でのみ、3lbフロロを使うことがある。
ポンドの選び方の目安
フック軸の太さで選ぶ
ラインポンド数の選び方ってなんとなくこれぐらいかなとか、このルアーにはこれぐらいを使ってるのを雑誌やビデオで見た、ということが多い。三原さんはどんな基準で選んでいるのだろうか。
「僕の基準はフックの軸の太さです。軸が太いほどラインも太くなる。例えばギルロイドジュニアを使う場合、プロでもフィネスな人は14lb程度を選びがちだけど、力が3分割になるようなトリプルフックで1/0という大きい番手を使うなら、14lbよりも20lbを使う方が伸びが少ないしバシッとアワセられると僕は考えています。例えばギルロイドに6番とかの細軸が付いてたらあの重さがあっても14lbでいけると思います。僕は常に20lbを使いますが」。
ではフィネス系ルアーの場合はどうなのか?
「糸の太さで見切られやすいとかは気にしないので太めを選びます。最近は4lb以下は使わないですね。ボートも陸っぱりも4lbが下限。もちろん4lbより3lbのほうが飛ぶので、どうしても飛ばしたい時限定で3lbを使うことがあります。しかし、そんなシチュエーションにあまり出会うことはないですね」。
三原さんはフックの軸の太さを基準にポンド数を決めている。アワセの強さや狙っているバスの大きさなどを考えると、合理的な思考と言わざるを得ない。
釣行タイプ別 フロロの優位性
ボート釣り
「ボートからの釣りでフロロがもっとも有利になるのはディープクランキング、特にIK800などのスーパーディープクランクですね。フロロ8〜12lbを使うと糸自体も沈むし、どのラインよりも深くルアーを入れることができます」。
8〜12lbの使い分けは?
「フラットのドラッギングなど根ズレの心配がなければ8lbでいい。もっとも深くクランクを差し込むことができます。そこに岩盤などが絡むなら10とか12lbで。カバーがあるなしの判断ですね」。
IK800(イマカツ)
日本最高峰の8mダイブをクリアするスーパーディープクランクベイト。フロロ8lbでカバーさえなければ充分使える。
ディープクランキング適正タックル
●ロッド:テンファイブ/RRRイマカツ
●リール:グラビアス5.6右ハンドル/ジーニアスプロジェクト
●ライン:エクスレッド8〜12lb/東レ
テンファイブは三原モデル唯一の汎用グラスロッド。グラビアス5.6は受注生産できる巻き物特化型リール。三原さんは巻き物には右ハンドルを使用する。
オカッパリ
「岸釣りではやっぱりバイブレとかスピナーベイトなどの沈むルアーが使いやすい。遠くに投げるということは、遠くで掛けるということ。細いほうが飛ぶし、ナイロンよりも糸伸びが少ないのでフッキングがいい。PEになると浮き上がりやすくなったり、足場の問題だったりでフロロ有利かなって感じです」。
IKピラーニャ(イマカツ)
イマカツを代表するレンジキープ型バイブレーション。小型で薄くてよく飛んでよく潜る。
ジンクス スーパーブレード(イマカツ)
リン青銅製スーパーブレードを搭載した超ロングセラースピナーベイト。オカッパリでは1/2オンスが使いやすい。
適正タックル
●ロッド:マスターピース64ML+/ジーニアス プロジェクト
●リール:グラビアス7.3右ハンドル/ジーニアスプロジェクト
●ライン:エクスレッド12〜13lb/東レ
「マスターピースはほぼMに近い、レギュラーテーパーのカーボンロッド。なんでも取り回せるすごく使いやすい竿ですね」。
やっぱりフロロ!
「フロロはバスフィッシングの中でやっぱり基準となるライン。PEが主流になりつつあっても、まだフロロがスタンダードだと思ってます。むしろナイロンやPEを知ったら、よりフロロへのこだわりが強くなるんじゃないかと思う。知れば知るほどよさが引き立つ。ナイロンやPEで失敗したり、煩わしさを感じたときに、改めてフロロのよさが理解できると思います」。
このロケ時はグラスロッド(テンファイブ)にフロロ20lbライン、そしてレインボーブレード+MJシャッドテールという組み合わせだった。その意図は太いフロロラインで少し深いレンジを巻きたい、ということ。しっかり沈めてフッキングも決めやすい20lbフロロでシングルフックのチャターベイトを使ったのだ
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