「錆びたら即交換」「ワームフックよりバラしやすい」エリートプロが語る『トレブルフック』の話

「錆びたら即交換」「ワームフックよりバラしやすい」エリートプロが語る『トレブルフック』の話

多くのバスアングラーにとって、釣りの最中に頭の中の大部分を占めているのは、どのルアーを使おうかということかもしれない。確かにそれも大切だが、それ以上に意識してほしいのはあなたのルアーにぶらさがっている、そのフック。そう主張するのは、アメリカの試合がひと段落して一時帰国中のタク・イトーこと伊藤巧さん。その言葉の真意を聞いてみた。

●文:ルアマガプラス編集部

profile

伊藤巧(いとう・たくみ)
陸王2連覇、艇王2連覇など国内で数々の成績を収め、2019年より米国B.A.S.S.ツアーに参戦。わずか1年でエリートシリーズに昇格を果たし、2021年セントローレンスリバー戦優勝、2024年スミスレイク戦優勝など日米を問わず活躍中。1987年3月生まれ、千葉県出身。リューギプロスタッフ。

細かなルアーチェンジよりもフックに気を遣うほうが大切!

ルアー選びよりもまずはフック選び

「僕はフック交換の回数がほかの選手と比べても圧倒的に多いと思う。特に魚がたくさん釣れているときとルアーがボトムに当たるとき。針先を爪に当ててチェックする人もいるけど僕は指先の腹の皮膚に当てて確認しています。針先が丸まっていないか(鈍っていないか)だけではなく、たとえ丸まっていなくても、先端が右や左に少しでも曲がっているとフッキングに悪影響を与えてしまいます。試合中に100%自信をもってフッキングするためには、不安材料はなくしておかないといけません」

伊藤さんはこのように指先の腹の皮膚に針先を当てて、鈍っていないかこまめにチェックする。「爪に当ててチェックする人もいますよね。僕はこっち派」

「フックは大事ですよ。最近の日本のアングラーを見ていると『このリグが釣れる、あのルアーが釣れる』っていう部分にはすごく注目しますが、『どうしてフックをもっと気にしないの?』って思うことがあります。似たようなルアーでどちらを使うか迷うよりも、フックに気を遣ったほうがもっと釣果に直結するんです。僕はアメリカのバスマスターエリートシリーズに参戦していますが、僕ほど頻繁にフックを替えている選手は見たことがない。でもアメリカの選手もフックはすごく気にしていて、良いフックを選んで使っていますね」

伊藤巧がトレブルフックに求める性能

伊藤さんがトレブルフックに求める性能は大きく分けて2つ。「魚が釣れること」そして「魚が釣れ続けても壊れないこと」だという。

「ハードベイトの釣りはフィーディングなどの良いタイミングで連発させられることがある。そのときにミスしないことが大切。連続してバイトがあったときに、そのバイトをすべて取れるフックじゃないといけません。実はワームフックのほうが1本の針に全パワーをかけられるからバラシは少ない。トレブルフックはパワーが分散してカエシまで刺さらないことがある。それを防ぐためのフック選びが重要になってくるんです」

スプリットリングオープナー付きのプライヤーを使おう!

「オープナー付きのプライヤーが安全かつ素早く交換できるのでおすすめです。僕はリューギのR-プライヤーを気に入って使っています」

「おすすめはしませんが早いです!」

「僕レベルになってくると爪で(笑)。試合中にハイスピードでクイックにフックを替えたいときは、スプリットリングの間に爪を入れて交換します。ただ、爪が傷つくので自己責任でお願いします(笑)」

こんなフックは即交換!ダメフック代表例

①針先が丸まったフック

「魚がたくさん釣れたり、ボトムやモノに当たったりすると針先が丸くなる(鈍る)。僕は魚が釣れたりするごとに必ず針先を指の腹で触って確認しています」

②針先が曲がったフック

「フックポイントが曲がってしまっているものは論外。フッキングしても針が刺さる方向に力がかからないので。針先が鈍る以上に曲がっているのが1番ダメです」

③錆びたフック

「針先が錆びていたらダメなのはわかると思いますが、針先以外の部分が錆びているのもダメです。サビはそのまわりにもすぐに飛び火していくので」

ピアストレブル(リューギ)

●サイズ(入本数):10(6)、8(6)、7(6)、6(6)、5(6)、4(5)、3(5)、2(5)、1(4)
●カラー:TCブラック
●価格:748円(税込み)

伊藤巧が絶対の信頼を置くトレブルフックの理想系

「昔は一部のルアーでは用途に応じてほかのメーカーのフックを使っていたこともあったのですが、今はピアストレブルしか使っていません。だから、どこが良いかと聞かれても『全部良い』としか言いようがない。全体的なバランスが絶妙なんですよ。僕は少しだけ内向きのフックが好きなんですけど、このピアストレブルがまさにそうなっています。内に向き過ぎていないっていうのも肝で。中には外に向いているフックもあるんですが、それだと確か魚に触れたときにフックポイントが刺さりやすいっていう利点はあるけど、そのぶんいろんなものを拾いやすい。ピアストレブルはゴミなどを拾い過ぎない一方で、遠くでもしっかり掛かるしあまりミスったことがない。カエシもやや大きめでこのサイズ感が好きですね。どこを取っても非の打ち所がない。日本だと細軸のダガーと使い分けますが、アメリカだとほぼピアストレブル一択ですね。あと、TCコートのおかげで錆びづらいし、針折れがなくて強度も十分です。ダガーやクアッドなどほかのタイプも組み合わせればリューギのトレブルフックでほぼすべてに対応できるのもすごいところ。アメリカのプロは太軸のピアストレブルブルータルも使っているのをよく見かけますね」

装着例 ・ルアー全般に使用

マルノミフラット60(ノリーズ)

フックサイズ:#6

ビジョンワンテン(ITOエンジニアリング)

フックサイズ:#7

ショットオーバー5(ノリーズ)

フックサイズ:#5

T.D.ハイパークランク(DAIWA)

フックサイズ:#6

ピアスクアッド(リューギ)

●サイズ(入本数):4(2)、3(2)、2(2)、1(2)、1/0(2)、2/0(2)
●価格:792円(税込み)

2本の針がカエシまで刺さる神セッティング

「ピアスクアッドはめちゃくちゃ使う。これを作った木村建太さんは天才ですね。ビッグベイトやトップウォータープラグもキャッチ率が上がるし、4本針による重さを利用して、あえてルアーウエイトを上げたいときにも使います。4本針のリスクとしては、2本の針が同時に刺さりやすくなる。それってフロッグのフッキングと同じで、本来は、より強いフッキングパワーが必要になるんです。でも、ピアスクアッドは軸線径を太くし過ぎていないのが肝で、普通のフッキングでも2本の針がカエシまでしっかり刺さる。伸びにくいけど貫通させやすい神セッティングになっています。針がやや内向きなのもピアストレブルと同様に僕の好み。もちろん360度回転するアイでバレにくい点も優秀です」

装着例 ・大型トップウォーター ・ビッグベイト ・ビッグスプーン

ダイラッカ(ノリーズ)

フックサイズ:#1/0

ヒラトップ170F(ノリーズ)

フックサイズ:#1

2本掛かりしやすくなるクアッドだが、太過ぎない軸線径にすることで貫通力を高めている。

ティンセル仕様ピアスクアッドの作り方

①ダイラッカのフックから、ティンセルを取り外す。

②ティンセルをつまんでよじり、束にする。

③ピアスクアッドのアイにティンセルの束を通す。全部きれいに入らなくてもOK。

④ティンセルの束の中央で折り返し、元のフックについていたシリコンチューブをアイにはめ込む。

⑤これでビッグスプーンのフッキング率も大幅アップ!

ピアストレブルダガー(リューギ)

●サイズ(入本数):12(6)、10(6)、8(6)、7(6)、6(6)、5(6)
●カラー:TCブラック
●価格:748円(税込み)

向こう合わせのスペシャリスト

「ダガーはショートバイトが多発するときに使うフック。低水温でバイトが弱くなるときにシャッドなどにフッと触れるだけのバイトも掛けることができます。あとはメタルジグをしゃくるときに食うけど外れてしまうことがある。そのときもダガーにすると、ルアーの重みだけでカエシまでスッと刺すことができます。ただし、それだけ線径が細いしカエシも小さいから、曲がるリスクや外れるリスクはあります。ほかにはスモールマウスのi字系プラグでも有効です。遠投した先でも掛かってくれる。まさに向こう合わせのスペシャリスト。真夏でも、小型のフラットサイドクランクを高速巻きして反射的に食わせるときなどはダガーを使いますね。高水温か低水温。両極端のシビアな状況で活躍してくれるフックです」

装着例 ・シャッド・ メタルジグ ・ジャークベイト ・I字系 ・スパイベイト

ジェティーシャッド62SP(ノリーズ)

フックサイズ:#7

シャッドラップ SR6(ラパラ)

フックサイズ:#6

フェザードピアストレブル(リューギ)

●サイズ(入本数):8(2)、7(2)、6(2)、5(2)、4(2)、3(2)、2(2)、1(2)
●カラー:ホワイト、ブラック
●価格:550円(税込み)

フェザーの外反りには意味がある

「これもめちゃくちゃよく使うフック。そもそも元がピアストレブルなので完成度は高いんですけど、ちょっとオタクなこと言っていいですか? フェザーが外を向いているでしょ。この重要性! ポッパーもそうだけど、フェザーがあると抵抗になって移動距離を抑えて誘うことができる。さらにそのフェザーを外に反るようにセッティングすることで、よりストッパーとしての効果が高くなるんです。たまたまそうなっているのではなく、意図的に外向きにしてあるんですよ」

フェザーを外に外らせるようにセッティングすることでストッパーとしての機能を高めている。

装着例 ・ポッパー ・ペンシルベイト ・ウエイクベイト ・クランクベイト

ショットオメガビッグ62(ノリーズ)

フックサイズ:前#6、後#5

レイダウンミノー・ウエイクプロッププラス(ノリーズ)

フックサイズ:#7

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