
佐々木勝也さんの挑戦をお届けするササカツ無双、シーズン3最終回を飾るのは柳川クリークでのアウェイの洗礼。市中に張り巡らされた水路は、まるでどこまでも果てしなく続く迷路のよう。佐々木さんにとって初場所となるこの広大なフィールドからどのようにバスを絞り込んでいくのか要注目だ。
●文:ルアマガプラス編集部
profile
佐々木勝也(ささき・かつや)
1988年生まれ。岩手県出身・茨城県在住。『カスミ水系でもっとも釣る男』との呼び声も高い、オカッパリのプロフェッショナル。卓越したフィネスとパワーフィッシングを駆使し、そのフィールドのMAXサイズのバスを高確率で仕留めていく。
果てしなき迷宮水路 柳川クリーク
総延長930kmの日本最大の水郷地域
柳川市全域に網目のように張り巡らされた水路、その総延長は930kmとも言われている。今回は駐車スペースがしっかりと確保されているエリアに絞って取材を実施。福岡県柳川市三橋町白鳥・松神橋にはバスアングラーに開放されているパーキングがある。1回100円で駐車できるので、ぜひ活用したい。
【MISSION】
アウェイの洗礼は、初場所を舞台とする釣り人の「己との戦い」である。初日のプラクティスおよび現地での情報収集を通して、そのフィールドおよびタイミングでのMAXポテンシャルを自身で設定し、その目標をクリアできるよう2日目に挑む。
【RULE】
●釣行場所はアングラーが決定。
ただし、過去に釣りをしたことがない場所に限る。
●釣行は2日間。初日はプラクティス、2日目が本番。
●現地で案内人を帯同することは不可。
●他人から電話やメールで事前に情報を得ることは禁止。ただし、ロケ中に現地の釣り人や釣具店
などから話を聞くことは可能。
●実釣可能時間は日の出から日の入りまで、2日目は17時ストップフィッシングとする。
●体力面を考慮し、適宜充分な休憩を取ること。
カスミと似て非なる水路。ちょっとした変化が大きな狙い目
佐々木勝也さんがこれまで釣りをしたことがない場所に挑むアウェイの洗礼。今回やってきたのは柳川クリークだ。このフィールドを選んだ理由は?
「九州のメジャーフィールドのなかで、これまで釣りをしたことがなかったのが柳川クリーク。こういう小規模な河川で釣りをするのは好きで、同じような景色が続くなかで、どうやって魚を絞り込んでいけるかというところに興味が湧きました。前日にけっこう冷え込んで、この地域では今年一番の気温の低さらしいです。この冷え込みがどう影響しているのかも含めて、今日一日見ていこうかと思います」。
クアッドフォーゼやスティーズサイレントシャッドをローテしながら、水路を足早にチェック。すぐに狙うべき要素が見えてきたようだ。
「思ったより水が綺麗。ここまで透き通っているとは思いませんでした。緩やかに流れもありますね。川と川がぶつかっている場所や水門、水路が終わってドンツキになっているような場所が重要だと思うんで、そこをしっかりやっていこうと思います。そして、そんなにカバーがない。岸に生えている草がちょっと飛び出しているような場所も大切な狙い目になってきそうです」。
ホームエリアのカスミ水系と似たような景色だが、そことの相違点も見えてきた。
「カスミ水系にある似たような規模の河川に比べて、最深部はちゃんと水深がありますね。想像ではもっと浅いクリークだと思ってました。カスミ水系のこういった川は1メートルくらいしかなかったりしますが、ここはサイレントシャッドのSR(最大潜行深度1メートル)でもボトムがつかないくらいです」。
素早い状況判断と対応力を発揮し、9時までの段階で45cmクラスを含む3本をキャッチ。ササカツ、早くも無双モードか!?
まずは100円パーキング周辺からサーチ。クアッドフォーゼやスティーズサイレントシャッドなどを使い分けながらスピーディーに釣り歩いていく。
7:40 1本目
ノンキー
サイズ以上のヒントになった重要な魚
記念すべき柳川クリークでの1本目はこのサイズ。「水の色が変わっているところで食いましたね。冷え込んでいますが、このサイズが普通に食ってきてくれたんで、魚は割と元気ありそうです。わかりやすい変化で食ってきてくれたのも、いい手がかりになりました」
「広大な水路から魚を絞り込む過程を味わいたかった」
9:03 3本目
45cm!
水質でカラーを使い分けるとシャッドの釣果はより伸びる
「濁ったときはチャート系がどハマりする経験をしたことがありますし、その場にいるベイトフィッシュに合わせてナチュラルカラーを選択するのも大事。冬は水がクリアになる傾向があるので、フロストブルーなど薄めのカラーも用意しておきましょう」。
岸と平行にトレース、草の張り出しは要チェック
シャッドは岸と平行に巻いていき、草の張り出しを通すとそこでヒット。とにかく広大でストレートな水路を探っていくのに、シャッドを直線的に使ってスピーディーにサーチしていくのはかなり効率がよかった。
見えバスに照準を絞り、あっさり45cmクラスをキャッチ
エリアを大きく変えると、浅くて見えバスが複数見える水路を発見。バスが岸を意識していることから、シュリンピードJr.を試すとすぐに答えが返ってきた。「この水路はかなりポテンシャルがありますね。明日も機能しそうなんで、今日はもうセーブしておきます」。
秋のニュートラルな魚には横方向とリアクションがキーになる
冬は寒さが安定してからがむしろ釣りやすい
季節は秋の終わり。晩秋よりも冬になったほうが釣りやすいというのは、佐々木さんがこの時期によく口にする言葉だ。
「秋よりも冬のほうが魚が集まるエリアが明確になりやすい。そして、冬は釣れる時間もわかりやすく、バイトが朝マズメや夕マズメだけに集中したりするんです。また、デカいバスは秋よりも冬のほうがよく動いていて、釣れる印象があります。フィールドにもよりますが、カスミ水系では冬のほうが岸にベイトフィッシュが寄ったりしますし。このロケをしているのは11月の中旬。この雑誌が出る12月のほうが、岸寄りで魚を釣ることが多いですよ。秋はバスもベイトフィッシュもポジションがバラバラで捉えにくいですが、冬になると絞りやすくなって釣りやすいかなと思っています」。
秋のバスはどこか掴みどころがない。そこには、魚のテンションの低さも関係しているという。
「魚がニュートラルな状態で、ふわっとしている感じがするんですよね。秋にどのフィールドで釣りをしていてもそう思います。普段、房総のリザーバーで釣りをすることも多いですが、ライブソナーで魚の反応を見ていても、秋は追ってきて食わないことが多いのに、冬はむしろちゃんと食ってきてくれたりする。これはオカッパリでも同じことが水中で起きていると思うんですね。こういうときは横方向でスピードを出したり、リアクションで攻めたりすると釣れ出すということはありますよ」。
水路にときおりある小さな水門やへこみなどもチェックしていくが、バスからのバイトはない。「きっと、いるときはいるんでしょうけど、今はまったく反応がないですね」。
明日へ繋がるグッドサイズのサイト場を発見
午後になって、水質がクリアで水深が浅い水路にやってきた。水面に目を凝らしながら歩いていくと、グッドサイズを発見。
「やはりけっこう動きがスローですね。岸際を意識しているように見えたので、シュリンピードJr.を試してみます」。
その狙いが見事的中し、サイトで一撃で食わせることに成功。
「トゥイッチを入れたら急にスイッチが入って、2匹で奪い合いました。やっぱり壁際を見ている魚はシュリンピードJr.が好きですね。こんなに冷え込んでるのに、この水深でこれだけ泳いでる魚がいるのは驚き。ポイントについて最初は全然魚が見えなかったんですけど、急に魚が見え出したんです。ここのポテンシャルを見誤ってましたね。危なく見切って移動してしまうところでした。かなり魚多いですよ。よし、ここではもう釣りません。明日に温存しておきます。シュリンピードJr.は他の場所でも明日釣れそうですよ」。
スティーズクランポ
81F(DAIWA)
夕方はトップでもバラシあり
納竿間近、スティーズクランポを岸際と平行に流して、細かいトゥイッチで誘っていくと、グッドサイズがヒット。「エビ食い系が多い印象だったから試したら、やっぱり食いました。この時期でもトップ出ますね」。
足を使っていろいろな水路をチェックしていく。魚が濃いエリアと薄いエリアが、おおよそつかめてきた。しかし、この広大なフィールドにやや精神がやられ気味⋯。「どこまでやればいいんだろう⋯。同じ景色が続き過ぎて、ちょっと疲れてきますね(笑)」。
Day2の目標
45アップを含む6本をキャッチ
「朝は冷え込んだものの、魚はけっこう動いていましたね。今日は4本釣れて、バラシもいくつかありました。この結果を踏まえると、今日以上に釣らないといけないので明日の目標は6本。最大45cm以上とします。できるかできないかくらいの目標を立てないと面白くないですからね。そして、ちゃんと無双できるように頑張ります!」。
プレッシャーが蓄積された秋はもっともサイトが難しい
そして本番となるデイ2。朝一に流れ込み周辺にシュリンピードJr.を入れるとグッドサイズが幸先よくヒット。そして、前日反応のよかったストレッチではスティーズサイレントシャッドで2連発。なかなかいいリズムだ。
「シャッドは岸と平行に投げて、ちょっと歩いてまた平行に投げて、気になるところは少し沖めにも投げていくっていう感じです。手前の草が張り出しているところは特に要チェックですね。昨日より風が落ち着いたからか、水が綺麗になったような気がします。このあとはサイズを狙ってサイトしにいきましょう」。
前日、45cmをキャッチした、サイトができる水路にやってきた。水温は上がりつつもローライトで、魚はいい感じに動いてくれていそうだ。水路を何往復もして見えバスを探していくと、グッドサイズばかりのスクールにも遭遇. しかし、バスの足が速く、うまく捉えることができない。
「スクールのなかには余裕で50アップもいますね。ここで最後まで粘りたくなっちゃうなぁ。魚は賢いは賢いんですが、天才級のバス達というよりは単純にテンションが低いというか⋯。ベイトがいても追いかけるそぶりがあるわけでもない。今はご飯よりも水温低下に合わせるのに大変みたいな。よくある晩秋の一番テンションが低い状態ですね。この時期は1年でも一番フィッシングプレッシャーが蓄積されている時期。サイトがもっとも難しい時期なんですよ」。
そしてデイ2。まずは100円パーキングのエリアからスタートし、前日ラストに反応のあったスティーズクランポから入れていく。「昨日よりは多少、冷え込みは緩いですね。表層には小魚やコイなどの波紋が見えているし、トップに出そうですよ」。
レギュラーサイズを追加。「1本は1本ですけど、25cmなさそうなんで、ちょっとノーカウントにしましょう。このサイズはたくさん釣れそうですけどね」。
7:50 2本目
35cm!
スティーズサイレントシャッド
60SPSR炸裂
前日に反応のよかったストレッチでスティーズサイレントシャッドを試すと、グッドサイズを連発。ノンキーサイズも追加し、柳川クリークを満喫中だ。「ウメキョー(梅田京介プロ)監修のフロストブルー、今回はこればっかりですね!」。
8:30 3本目
40cm!
シャッドでベースは揃えた、 あとはサイズが欲しい
お題達成まであと一歩 デカバスは次回に持ち越し
サイトフィッシングでサイズを狙っていくが、釣れるのは40cmクラスまで。佐々木さんのルアーを無視し、50アップが悠々と通り過ぎる場面も。極め付けは、ロコアングラーが50アップを釣っているのを目撃。ちょうど佐々木さんが先ほど撃っていた場所だ。話を聞くと52cmであった。
「すごいなぁ。正直、あれは見たくなかった⋯。ああいうのを見ちゃうと、もうここで粘るしかないですね」。
サイトフィッシングに活路を見出したが、昼以降は追加フィッシュならず、タイムアップとなった。結果は5本、あと45アップが釣れればお題達成というところでの納竿だ。
「デカイのは3回くらい口を使わせることができたんですがキャッチできなくて、それが悔やまれますね。釣具屋さんの情報では、1日釣れて1〜2本ていう世界だったんで、そんななかでは結構釣れていたとは思うんですが、目標の45アップが釣れなかったのは残念です」。
今回のアウェイの洗礼、自己採点するなら何点になるだろうか。
「大きいのを混ぜられなかったんで、50点くらいですかね。自分が超えられそうで超えられない、ギリギリの目標を立てるのが毎回上手いですよね、我ながら(笑)。ただ、柳川クリークのポテンシャルはすごく感じました。バスの魚影がものすごく濃くて、小さいバスも大きいバスもたくさん見えました。これはフィールドが健全である証拠ですよね。水路ごとに水質や流れが変わって、ガラッと雰囲気が変化するのもとても面白かったです。バスアングラーに開放している駐車場もあるし、とてもいいフィールドだと思いました。また別の季節に必ず訪れたいと思います。次来たときは、絶対50アップを釣りますよ!」。
見えバスをようやく食わすも、45cmの壁も見えてきた
前日デカバスがいたスポットにブラインドで入れると魚が出てきて、バイトに持ち込んだ。「高速トゥイッチ&フォールで2〜3回食ってきて、何回も空振りしてようやく口の中に入りました。ネットに入れたらすぐにフックが外れましたし、危なかったですね」。
11:30 5本目
39.5cm!
100円パーキング前の橋の下で5本目、 お題達成まであと一歩
橋下のシェードにシュリンピードJr.を入れて、ファーストフォールで食った。「柳川クリークでも一番プレッシャーのかかる場所ですし、魚はいますけどスレてますね。かなり飛距離を出して、橋下の奥のほうに入れたら食いました」。
柳川クリークは、バスアングラーに理解があり魚影も濃い健全なフィールド
MISSION FAILED
最後はサイズを狙ってサイトフィッシングに時間を費やしたが、あと一歩及ばなかった。しかし、柳川クリークの計り知れないポテンシャルは充分に感じ取ることができたはず。晩秋の気難しいタイミングにおいても、佐々木さんのバスを絞り出すテクニックを存分に堪能できた2日間だった。
スティーズSC S69UL
キングボルトフィネススペック69(DAIWA)
あらゆるフィネスを1本で使いこなすササカツの右腕
UL表記ながら0.45〜7gという幅広い適合ウェイトを持ち、シュリンピードやクアッドフォーゼ(シュリンプモード)用の各モード、ロングワームやパワーミドストまで高次元に対応。各種小型プラグも気持ちよく扱える、オカッパリスピンの新たな金字塔だ。
❶スティーズサイレントシャッド用 ●ロッド:ブラックレーベルC66ML+ ●リール:アルファスBF TW8.5L ●ライン:スティーズフロロクロスリンク10lb
❷シュリンピードJr.用 ●ロッド:スティーズSC S69ULキングボルトフィネススペック69 ※プロト ●リール:エアリティLT2500S XH ●ライン:PEデュラセンサー×12EX+Si3 0.6号、フロロリーダー1.5号
❸クアッドフォーゼ(シュリンプモード)用 ●ロッド:ブラックレーベルS68UL-ST ●リール:エアリティLT2500S XH ●ライン:PEデュラセンサー×12EX+Si3 0.4号、フロロリーダー1.2号
※すべてDAIWA
ササカツのオカッパリおすすめGEAR
HG メッセンジャーバッグ(C)(DAIWA)
大開口でルアーボックスなどの出し入れがとても簡単。パット付きショルダーベルトで肩の負担も軽減する。レインカバーが内蔵されているので雨天時も安心だ。
DS-3301G フォグラー GORE-TEX ハイカット(DAIWA)
GORE-TEX素材を使用した透湿防水シューズ。開発には佐々木さんも意見を出し、オカッパリにおける最高品質のフットウェアを追求した。業界関係でも愛用者が多い完成度の高い一足。
DP-3525 CORDURA
ハードブッシュパンツ(DAIWA)
耐摩耗性の高い素材を使用した、激しいヤブ漕ぎでもへっちゃらのヘビーデューティー仕様のパンツ。立体裁断なので釣りのあらゆる動きに楽に追従してくれる。撥水機能付きで朝露に濡れても平気。
佐々木勝也さんのアウェイは動画でも!
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