
この男、釣りがまったくブレない。
2020年の琵琶湖艇王に出場していた宮廣祥大さんをルアマガスタッフが1日取材して抱いた感想だ。釣れない時間帯もクランクベイトやスピナーベイトを1日中巻き切る。その表情に不安は一切見られない。どうしてそこまで信じられるのか。「大丈夫、必ず来ますから」と言ってその日も見事に時合いを捉え、スピナーベイトで2kgオーバーをキャッチ。ほかの選手がライトリグや高比重ワームで試合を展開する中、明らかに異色の存在だった。
その宮廣さんが、今回も秋の琵琶湖で巻いて巻いて、巻きまくる! その先には、必然とも言えるモンスターバスが待っていた。
●文:ルアマガプラス編集部
宮廣祥大(みやひろ・しょうた)
琵琶湖を拠点に25年以上活動し「宮廣ガイドサービス」を営む。シーズナルパターンを追い、ファストムービングルアーを主体としたストロングなバスフィッシングを追求する。1982年2月生まれ、広島県出身、滋賀県在住。学生時代は陸上部に所属。スポンサー:エンジン、バスパズル、アブガルシア、ブレンケン。
この秋に巻き倒すべきは琵琶湖の定番3mダイバー
ファストムービング系ルアーを得意とする琵琶湖ガイドは多くいるが、その中でもひときわマイゲームを貫く男が宮廣祥大さんだ。巻き物ルアーがメインで機能する秋は、宮廣さんが愛する季節でもある。
「秋になると、ウィードのアウトサイドエッジにハスなどのベイトフィッシュが集まって、それをバスが食う。そこを釣るには3mダイバーのクランクベイトがぴったり。アクションは速巻き。ウィードのちょい上を巻いてきて、ボトムタッチはしなくてOK。秋はバスの目線ちょい上、レンジはドンピシャに合わせないことが大切です。そしてスピード。速ければ速いほどいい。秋は速さが正義です」
ルアーはハードコアクランク3+70Fを中心に、ファットペッパーやDXフリー3.0を愛用。色はキンクロがもっとも安定感があるという。
「晴れていても曇っていても効くのがキンクロ。特に秋のちょっと濁りが入ったときは抜群ですね。あとは自分が最後まで巻き切れる体力とコンフィデンスがあるかどうかです。それを乗り越えたものが、バスフィッシングの本質に近づけると思っています。秋は投げて高速巻き、これを繰り返すだけ。以上! 体育会系ですね(笑)」
秋のクランクはローギアで高速巻きが鉄則
宮廣さんがクランクベイトで使っているリールがレボ5Xウィンチ。ギア比は5.4で、ハンドル1回転で56cm巻き取れる。
「ハイギアだとルアーの抵抗感が加わって、逆に高速巻きがやりにくい。とてもじゃないけど丸一日投げられないですね。ローギアじゃないと滑らかに速く巻けないんです。ローギアで滑らかな高速巻きを長時間やり続けることが大事です」
秋に欠かせない3mダイバー3選
こちらは宮廣さんが愛用する3mダイバー。この3つではファットペッパーが一番アピールがナチュラルで、ハードコアクランク3+70Fが中間、DXフリー3.0がもっともアピールが強い。
「濁りや荒れ具合に応じて、動きや音の違いでこれらのルアーを使い分けています。ガイド中に複数人で投げているときに差が出たりするので、どれか1個あればいいというものではないですね」
ファットペッパー[ティムコ]
ハードコアクランク3+70F[デュエル]
DXフリー3.0[メガバス]
ブレないで巻き切った先に出会える、琵琶湖からのご褒美
ハードコアクランクを襲った弩級のロクマル。信じてやり抜いた者をねぎらう、すべてが報われる瞬間。
「巻いてたらグッとルアーが止まって、そこからグッグッと首を振った。あぁこれはもうデカいなと。予想以上のデカさでしたね(笑)」
ウィードの上を3mダイバーで高速通過
水深が3~4mで、ウィードトップが3mほどのアウトサイドエッジ。そういったエリアで3mダイバーをとにかく巻いていく。ウィードにはタッチさせる必要はない。バスの目線の少し上を通すのが秋はとても大切だ。
ウィード豊富な琵琶湖にグラスピースの秋がやってくる
エキサイティングで新しい巻きゲームを体感せよ!
水深1.5ートルほどのどシャローで宮廣さんが投げ込んだのがグラスピース。スピナーベイトともブレーデッドジグとも異なる、唯一無二のルアーだ。
「スピナーベイトに近いワイヤーがあるので、ずば抜けた回避能力がある。カバーまわりで使っていて、とにかくストレスがありません。エビモとかカナダモの、水面下20~30cmしかない隙間でも綺麗に通して来れますよ。水面まで伸びたウィードも、その上に乗せてからかわして引いてくることも可能です。これは普通のブレーデッドジグでは引っかかってできない巻き方です。ウィードを乗り越えて、また巻き始める瞬間にバイトしてくることが多いですね」
この日メインにしたのがグラスピース3/8oz。トレーラーはデスアダー6inで、大きめのシルエットにしてバスにルアーを見つけてもらうことを重視。よりスピードを上げたい場合や、季節が進行してウィードの隙間が増えてきた場合などは、さらにウエイトを重くしていく。今年の琵琶湖はウィードの量が多く、この釣り方は今シーズンも長く活躍してくれそうだ。
「グラスピースは浮き上がりやすく設定しているから水面直下を快適に引いて来れる。初めて使ったときの衝撃はすごかったですね。水面に波紋を出しながら引くことも可能なので、バズベイトとかフロッグなどトップに出ないときに次の一手として、グラスピースでサブサーフェスを引いて来るのもオススメです。食ったら水面がグアッて盛り上がって、めちゃくちゃ興奮しますよ!」
ウィードレス性能抜群のNEWジャンルブレーデッドジグ
グラスピース3/8oz[バスパズル]+デスアダー6in[デプス]
スピナーベイトとブレーデッドジグを融合させた特徴をもつグラスピース。障害物回避性能が抜群で、ウィードの際を快適に引いてくることができる。宮廣さんはトレーラーには主にデスアダー6inを使用。重さは3/8、1/2、3/4ozの3種類をラインナップ。
グラスピースで狙ったのは水深1.5mほどのどシャローにウィードが点在しているスポット。こういったエリアの表層を、適度な波動で素早くサーチしていくのにはグラスピースがもっとも適している。
取材前日のガイドでは、グラスピースで50cm後半を2本キャッチ。
「バイトは水面がグワッと盛り上がって、めちゃくちゃエキサイティングです。皆さんもぜひ使ってみてください!」
グラスピースならウィード越しにトレースできる
優れたウィードレス性能を持つグラスピースは、水面まで生えたウィードの向こう側にキャストし、ウィードの上を滑らせるように越えてトレースすることが可能。ウィードを越えて巻き始めた瞬間が一番のバイトチャンスだ。
「普通のブレーデッドジグではウィードを拾ってしまうので絶対にできない芸当ですね」
グラスピースは通常#2ブレードが付いているが、1/2ozには#2ブレードと#1ブレードの2種類がラインナップ。「#1は抵抗が少なくなるので、よりスピードが出しやすくなります。サブサーフェスを高速で巻きたいときにオススメです」
グラスピースのカラーは、ホワイトチャート系とブラック系を使うことが多い。
「膨張色系はオールマイティ。曇ったり水が濁ったりしているときはブラック系をセレクトします。スピナーベイトやブレーデッドジグはブラックのイメージがあまりないかもしれませんが、すごく釣れる色ですよ」
もっと深いレンジを巻きたい場合はフレックスで対応
グラスピース フレックス 5/8oz[バスパズル]+ライク5[エンジン]
ワイヤーに可動域を持たせたフレックス構造のグラスピース。1.5mレンジを一定に引いてくることが可能。
「グラスピースとは逆で浮き上がりにくいので、安定してやや深めの場所を引くことができます。浮き上がらせないためのフレックス構造なんです。バイブレーションプラグではウィードを拾いすぎてしまうような状況に強いですね」
細身シルエットで食わせるクランキンミノー
ブレンケン ノヴェル120HF[ラッキークラフト]
宮廣さんを代表するルアーがこのノヴェル120HF。14lbラインで、2~2.5mまで潜る。
「秋のウィードトップのちょい上を巻けるちょうどいいルアーですね。秋の使い方は、高速巻きでのストップ&ゴー。4~5回巻いて2~3秒止めるの繰り返し。ミノーシルエットなんだけど、水の掴み方はクランクベイト。クランクっぽく使えるけど、細身で明滅もしっかり出せるのが特徴です。カラーはマットチャートのSHOTAレモンがオススメ。濁りが入ったらこのチャートはめちゃくちゃ効く。この色にだけ食うということも何回も経験してますよ」
秋はウエイトを足してサスペンド仕様にして使うことがほとんど。ノヴェル120HFはハイフロートなので、7gほどウエイトを足す必要がある。
プラノのEDGEボックスで出番で待つミノーの数々。春と秋はこれらのハードルアーが楽しめる最高の季節だ。
「一日ワームができるなら、なんで一日巻けないの?」
必然を手繰り寄せる愚直なまでのド直球
夏から秋になって水温が下がり、天候はローライトで微風。取材日はまさに巻くしかないといった状況だ。これ以上ないコンディションではあるものの、バイトは遠い。それでもいつか来るはずと巻き切った先に手にしたのが、前項のロクマルだ。宮廣さんはこの日、グラスピースとハードコアクランク3+70Fの2種類しか投げなかった。この愚直なまでの潔さは、見ていてとても清々しい。だが、宮廣さんは最初からこのスタイルだったわけではない。
「琵琶湖に来る前はライトリグしかしてなかったんですよ。その頃はバスフィッシングの“バ”の字もわかってなかったですね。以前はノリーズのサポートを受けさせていただいてました。田辺哲男さんと出会って、一緒にいろいろ仕事をさせてもらって、そのスタイルに大きく影響を受けました。あとは佐藤信治さんや黒須和義さんなど、巻き物のスペシャリストの方々とも仲良くさせてもらって、皆さんにいろいろなことを教わりました」
宮廣さんが実践するのは、教科書通りのシーズナルパターンとルアーセレクト。あとは、それを信じてやり抜けるかどうかだ。
「みんなワームは一日やり通せるじゃないですか。じゃあ、なんでハードベイトは一日やり切れないの?っていう。よく『宮廣さん、今日も一日巻いてたんですか?』って言われるんですが、僕からしてみたら、あなたは今日、一日中ワームをやってたの?っていう話で。巻き物をやり通すことは何も特別なことではない。それが効果的でチャンスが来るって経験でわかっているから、それをただやっているだけ。別にデコっても恥ずかしくないじゃないですか。自然相手だし、他人の目を気にしても仕方がないし。みんなコンフィデンスがないから負けちゃうんですよ。だから、みんな僕のガイドに来てもらって、一日巻き続けてもらって、ひとつでもコンフィデンスをつけて帰ってほしいですね」
この日は1日涼しく、ローライトで微風。いつビッグバスが来てもおかしくない状況だ。ただ、最高の状況下と思われる日でも、何もないということが起こったりするのがバスフィッシングの怖いところ。
途中、小バスが釣れたが、そういう場所は大事にしたほうがいいという。
「デカいのも一緒の場所にいますから。小バスが釣れたからと言って、エリアが間違っているとかルアーが間違っているわけではないです。突然ロクマルが来たりしますよ。だから投げ続けないといけないんです」
前項のロクマルのランディングシーン。
「ネットを使おうか迷ったんですが、最後はハンドランディングにしました。このサイズには思わず吠えちゃいましたね(笑)」
宮廣祥大監修、琵琶湖仕様ロッドシリーズ
ALLUREMENT[エンジン]*プロト
バスフィッシングの本質へと誘う魅惑のパワーロッド『アルアメント』
宮廣さんが監修する、琵琶湖でのストロングゲームに特化したロッドシリーズ。ALLUREMENT(アルアメント)は「誘惑」という意味。低~中弾性・レギュラーテーパーのモデルが多く、投げやすくて使いやすいロッドを目指して制作。6本のラインナップからスタートし、来シーズンの発売に向けてテスト中。今回の釣行でも1日中ルアーを快適に投げ倒すことができ、ロクマルがヒットしてからは見事な柔軟性でランディングまでをアシスト。取り込まれたバスの口元を見ると、リアフックが1本外側に乗っているだけであった。
TACKLE
使用タックル
フレックス5/8oz(バズパズル)&ライク5(エンジン)用
●ロッド:アルアメント74Hグラスハンター・プロト
●リール:リール:レボ5Xウィンチ
●ライン:バニッシュレボリューション16lb
グラスピース3/8oz(バズパズル)&デスアダー6in(デプス)用
●ロッド:アルアメント71MHサミット・プロト
●リール:ゼノンビースト6
●ライン:バニッシュレボリューション16lb
クアッズキラー(HMカスタムルアーズ)用
●ロッド:アルアメント611Mフェンサー・プロト
●リール:ゼノンMG7
●ライン:X9 4号
ハードコアクランク3+70F(デュエル)用
●ロッド:アルアメント71Mサベージ・プロト
●リール:レボ5Xウィンチ
●ライン:バニッシュレボリューション16lb
アラシ ラトリン トップウォーカー13(ラパラ)用
●ロッド:アルアメント64Mマーベリック・プロト
●リール:ゼノンMG7
●ライン:X9 4号+ナイロンリーダー20lb
※全てロッドはエンジン、リールはアブガルシア、ラインはバークレイ
最新号でも宮廣さんが活躍中!こちらもチェック!!
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
- 1
- 2

































