
バス釣りの本場・アメリカの香りを残しつつも、しっかりと日本的なスペックに収まってユーザーに感動をもたらしているノースフォークコンポジットのロッドたち。意外と知られていない、その誕生までの経緯を、ノースフォークコンポジットの総代理店となっている株式会社ブルーピークスの堀口 健さんにお話を伺った。
●文:ルアマガプラス編集部
profile
堀口 健(ほりぐち・たけし)
1967年生まれ。株式会社ブルーピークス代表。趣味のロッドビルディングが講じてゲイリー・ルーミスを訪ねたことをきっかけに、ノースフォークコンポジットの総代理店を立ち上げる。ジャパンモデルの企画・デザインを担当、コアなアングラーをも唸らせる堅実なロッド作りに定評がある。
欲しいロッドを手作りしていた時代
アメリカで作られた良質な素材に、日本人好みのアレンジを加え、ひとつのロッドにまとめあげる。それが「ノースフォークコンポジット」のジャパンモデルだ。
ロッドの企画とデザインを手掛けるのは堀口健さん。実は40代前半まで、釣具とまったく縁のないIT企業に勤務していたという、珍しい経歴の持ち主だ。
堀口「もともとはアマチュアのロッドビルダーでした。リザーバーでの釣りに夢中だった90年代、岩盤にチューブやブラッシュホッグを落とす釣りが好きだったんですが、ベイトよりもスピニングタックルのほうがスムーズに操作できる。でも当時の日本には、強めのスピニングの選択肢がほとんどなかったんです」。
そこで目をつけたのがアメリカンロッド。さまざまなメーカーの製品を模索するなかで、もっともフィーリングが合ったのが「Gルーミス」のロッドだったという。GLXやIMXといった傑作を世に送り出し、のちにノースフォークコンポジットを立ち上げる、ゲイリー・ルーミスのブランドである。
当初はGルーミスの既製品を使っていた堀口さんだったが、セッティングを追求するうち、ブランクそのものを入手して自分なりのカスタムを行なうように。こうしてロッドビルディングの沼にハマったことが、のちのロッド作りの糧になっていく。
堀口「日本とアメリカでは釣りの文化がまったく違うと思うんです。ウキ釣りやミャク釣りがルーツの竹竿は、穂先からきれいに曲がってくれることを目指して作られていますよね。けれどもルアーロッドは、なによりもまず投げることが第一。気持ちよくキャストできれば、どんどん釣りが楽しくなっていく」。
ゲイリー・ルーミスの作ったロッドは、優れた道具であるだけでなく、堀口さんにルアーフィッシングの本質を教えてくれる存在でもあった。
ゲイリー・ルーミスとの出会い
転機が訪れたのは2009年。よんどころない事情で無職になった堀口さんの耳に「ゲイリー・ルーミスが新たにブランクスメーカーを始める」という噂が飛び込んできた。
堀口「がぜん興味が湧いたのですが、日本に入ってくるかどうかすらわからない。そこで、思い切って『ロッドを見せてほしい』とコンタクトしてみました」。
なんのツテもなくやってきた一介のルーミス・ファンを、ゲイリーさんは温かく迎え入れてくれた。自宅に1週間ほど泊めてもらい、寝食をともにした堀口さんは、思いがけない提案を受けることになる。
堀口「最後の日、空港に向かう途中にゲイリーから言われたんです。『ウチのロッドを日本でやってみないか』と」。
まだカーボンロッドの製法が確立されていなかった70年代。若かりしころのゲイリー・ルーミスは、ボーイング社の通用口に立ち続けて技術者をつかまえた、というエピソードがある。熱意だけで飛び込んできた日本人の姿に、心動かされるところがあったのかもしれない。
こうして堀口さんはノースフォークコンポジットの輸入総代理店・ブルーピークスを設立した。当初はブランクだけを扱っていたが、ビルダー以外にも素材のよさを伝えたいと考え、日本に最適化したシリーズ「Jカスタム」を発表。数度のモデルチェンジを経て、現在は「NFX PRO」および「ZFX」が2枚看板となっている。
NFX PRO
LEAP TO THE NEXT LEVEL
ルアーロッドの根幹である「投げる、巻く、掛ける、寄せる」の基本性能を高めた低弾性~中弾性カーボンのシリーズ。クランキングやジャークベイト、フロッグやタイニープラグなど用途ごとに細分化した12機種をラインナップ。アメリカンブランクのよさをそのままに、先鋭化する日本の釣りにフィットさせたスペシャリティロッド。
ZFX
Zone Fishing eXperience
ゾーンに入ったアスリートをコンセプトに、ジグやワームの釣りにおけるストレスフリーな集中力向上をサポートしてくれるシリーズ。ノースフォークコンポジット最高峰の高弾性マテリアル「HM G3 ZFX」を採用、伝導性やリカバリースピード、パワーウエイトレシオに優れているのが特徴。ベイトタックル9機種、スピニング6機種をラインナップ。
堀口「スペックを問わず、基本的にはどれも『よく曲がるサオ』です。とはいえベロンベロンではなく、高弾性なら曲がった状態からすばやく収束し、低弾性ならゆっくり戻る。そのバランスが本当によくデザインされていると思います」。
目指すのは、オーソドックスでありながらコアなアングラーの要求にも応えるロッド。細分化が進む日本のシーンに向けて、良質なアメリカンブランクを最適化するのがコンセプトだ。
堀口「ひととおりバス釣りを覚えて、得意な釣り、あるいは苦手な釣りが出てきた人にこそ手に取ってもらいたい。自分なりの楽しみ方を見つけたアングラーにとっては、すごくしっくり来るロッドだと自負しています」。
「ZFX」「NFX PRO」の両シリーズは2026年にマイナーチェンジを予定。機種のラインナップは現モデルを踏襲しつつ、繊維が高密度になり樹脂の含浸率もアップした新素材を採用していく。
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