【デプスの伝説的ロッドが復活⁉】27年間変わらないサイドワインダーの”道具”としての存在感

【デプスの伝説的ロッドが復活⁉】27年間変わらないサイドワインダーの”道具”としての存在感

2026年、創立30周年を迎えるデプス。そして、1999年に発売されたサイドワインダーも27年目である。四半世紀以上にわたりでかバスハンティングロッドの代名詞として支持され続けてきたこのシリーズについて、改めて令和の視点でデプス代表の奥村和正さんに語ってもらった。

●文:ルアマガプラス編集部

profile

奥村和正(おくむら・かずまさ)
1969年、京都府出身。1990年代初頭から琵琶湖のレンタルボートで名を馳せ、メディアに登場する。1996年にデプスを立ち上げ、デビュー作はBカスタム。1999年には「でかバス専用」という発明的なコンセプチャルロッド、サイドワインダーを世に問うた。

進化を拒んだ現代の恐竜

初代サイドワインダー HGC-76XXスラップショット

1999年に登場した初期3部作の1本。スイムジグ、ヘビー系スピナーベイトのスローロールなどを想定して作られたパワー系万能ロッド。フリッピングロッド級の長さとパワーに誰もが驚いた。

初代サイドワインダー HGC-70XFスーパーボーダー

1oz級フットボールでのディープジギングの操作性、ヘビーカバーとロクマルの分厚いアゴを撃ち抜くパワーを備えた超攻撃的ジグロッド。スイムジグにも使いやすようで、いまも熱烈な信者がいる。

初代サイドワインダー HGC-67XRアウトクロス

記者がその昔、3/8〜5/8ozのBカスタムを使いたい⋯と先輩に相談したら、「四の五の言わずこれを使え」といわれたのがアウトクロス。取り回しのいい長さと強靭なバットで、リザーバーのフロッグゲームにも最適だったりする。

令和に生き残る、 平成の恐竜

まず、伝えておくべき事実。サイドワインダーのブランクスは発売されてから変わっていない。特に初期の3本の槍というべき、スラップショット、スーパーボーダー、アウトクロスは1999年の発売以来同じブランクス。恐竜時代の生き残りのようなロッドである。しかも懐古趣味的な復刻モノなんかではなく、現役そのもの。そんなバスロッドが他にあるだろうか?  令和の今の視点から改めてサイドワインダーについて、奥村和正さんにインタビューした。

— サイドワインダーはかなりのロングセラーシリーズになりましたが、それは意図していたのでしょうか? 

奥村「いや、意図はしてなかったけど、結果的にそうなったかな」。

— この27年間の間にビッグベイトからライブスコープまでいろいろな釣り方が登場しました。釣りは変わりましたが、ロッドは変えませんでしたね? 
奥村「変える必要性を感じなかったからね」。

例えば今も琵琶湖のでかバスハンターたちに支持されているスーパーボーダー。当初はスイムジグやスピナーベイトのスローロールなど横の釣り、そして1ozのフットボールジグなどの縦の釣り、その両方に対応できるというのをコンセプトに作られた。のちにハネラバやリアクションジグなど新しい言葉や釣り方が生まれても、スーパーボーダーは使われ続けた。

奥村「なぜかというと、テクニックの名前が変わっただけで、基本動作は変わってないから。あと、高比重ワームのノーシンカーがここ数年で定着したけど、これアウトクロスでちょうどできるやん⋯ていう。だから変えなくてよかった」。 

例えば、フロッグゲームでも同様だ。超ヘビーカバー用の剛竿もあれば、リザーバーで操作性とキャスト精度を重視するスタイルもある。バレットショットくらいのパワーで成立する場面も多く、作り直す必然性は感じられなかったという。

サイドワインダーは 定番道具と化した

この話を聞いて思い浮かぶのは⋯レザーマンのマルチツール、ホンダのスーパーカブ、BICの100円ライター、スナップオンのラチェットレンチ、トヨタのランクル70⋯と、その道の愛好家やプロフェッショナルが長年愛用し続けるような道具たち。最新素材や新機構はなくても、一度究極へと到達した道具は、そのままであり続けること自体が価値となる。サイドワインダーはそういった領域へ到達した唯一無二のバスロッドなのかもしれない。 

奥村「商売を優先するなら、売れ行きが悪くなったモデルを廃番にして新しい釣りに適応したロッドを新たに出す、っていう展開が多いと思う。ただ、アングラー目線だと、廃番にしてまで新しい釣り方に便乗したい新機種というのはあまりなくて。もちろんウチも新機種の追加はしているけどね。まあ俺自身があんまり道具に頼りすぎるのがあかん性格なのもあるかな」。

グレートパフォーマーの誕生

そんなデプスも、かつてはロッドがまったく売れなくなった時期があったという。問屋から「何か変えないと売りようがない」とモデルチェンジを迫られたりもしたという。

奥村「一度モデルチェンジを強いられたとき、何も変えたくなかったのでフードキャップとグリップエンドメタルの色をゴールドからガンメタに変えた(笑)」。 

その後も変えなければいけないが変えるところがない⋯というジレンマに悩み続けたが、数年後、サイドワインダー・グレートパフォーマーへとモデルチェンジを果たした。

奥村「ブランクスが一緒でもガイドの径を小さく、軽量ガイドに変えて数を増やし、リールシートの位置をちょっとだけ変えた。それだけでここまで劇的にフィーリングが変わるんだ、というのを見てほしかった。実際、軽くはなっているんだけど、ブランクスはまったく変わってない」。

ブランクが同じでもロッドはここまで変わる、という事実。それを示すためのモデルチェンジだった。

サイドワインダーの 始祖3本が完全復刻!?

奥村「サイドワインダーを使ってる人はほとんどがヘビーユーザー。買い替えるときもまた同じものを買ってくれる。替えがきかないと感じた人だけが使い続けてくれればいいので、そんなに深追いはしてないです」。

ライブソナー全盛の時代でもロッドの操作そのものは変わっていない。そして、釣りの大きな流れは巡るのでは、と奥村さんは予想する。

奥村「なので、自分の得意な釣りと自分の好きな釣りを大切にしていればいいと思います。もちろん、流行には乗っかって」。

— 2026年にデプス30周年を記念したアニバーサリーモデルが出ると聞いています。どんなロッドなんだろうと期待してしまいますが⋯。

奥村「初代の3本、スラップショット、スーパーボーダー、アウトクロスを当時のデザイン、当時のグリップで限定的に復刻させようという話になっています。ただ、ガイドなど廃番になったパーツもあって完全な初期型を復刻することはできないんだけどね」。

一部では血眼になって探している人もいるという初期型サイドワインダー。変わらないというのは必ずしも停滞ではない。到達点に至った道具、それを求め続けるユーザーがいる限り、デプスは作り続けるのだろう。

※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。