「おいおい、嘘だろ…」都会に潜む肉食魚を知っているか? 1m超えも存在。ラテオラブラックスは何でも食べる。

身近に潜む肉食魚『ラテオラブラックス』とは何か。ラテオラブラックスを釣るための竿には、『ラテオ』や『ラブラックス』という名前のモデルも存在するほどメジャーな魚だ。東京という都会にも数多く生息するこの魚を釣り方とともに解説していこう。

●文:ルアマガプラス編集部

ラテオラブラックスの正体

学名:Lateolabrax japonicus(ラテオラブラックス ジャポニクス)、英名:Japanese seabass(ジャパニーズシーバス)。ホタルジャコ目・スズキ科に属する魚。国内では、北は青森から、九州北部まで幅広い範囲に棲息。北海道や九州南部以南での棲息例はごく稀。

スズキやシーバスという呼び名は知っていたが、ラテオラブラックスという学名を知らなかった釣り人もいたはず。竿の『ラテオ』や『ラブラックス』を使っているのに、この学名を知らないと「おいおい、嘘だろ」と笑い者される可能性もあるのでしっかりと覚えておこう。

出世魚であり、関東では全長 20~30cm 程度のものを「セイゴ」、全長 40~60cm 程度までを「フッコ」、それ以上の大きさの成熟魚を「スズキ」と呼んでいる。大きくなる個体では1メーターを超えるものも存在する。

1メーターを超える個体も身近にいるかも…。

生息している主なフィールド

実に棲息範囲が広いシーバス。主なフィールドとしては、下記の港湾部や河川、などの他に、河口や磯、サーフ、沖堤防など各釣り場のほとんどのエリアに潜んでいる。

例1:港湾部

回遊するもの、そのエリアに居着くもの。各魚種においていろんな個体がいると言われていてその根拠は明らかになっていないが、基本的にシーバスは回遊型で、どんなところにも出没するのだ。

例2:河川

シーバスの習性

基本的にシーバスは昼、夜のどちらがより活発に動くかと問われれば、本来は夜行性。夜は回遊して、日中は何らかの物陰に付いているというのがベーシックな考え方だ。

日中は橋脚などのストラクチャー(障害物)に潜んでいることが多い。物陰に付く理由としては、デカい個体ほど目立つからウロウロしているとベイト(捕食生物)が怖がって寄ってこないということ、そしてストラクチャー自体に生態系が形成されていてエサが豊富だということ。ただ広い場所にポツンといるより、ゴツゴツした岩が沈んでいる根周りだったり、藻だったり、そして橋脚だったりと何らかの変化のあるエリアに付いている方がエサを獲るには効率的なのだ。

しかし、日中でも活動する個体がいて、特に水質が濁っていたりすると、警戒心が薄れるのかどんどん動いていく。シーバス自体の警戒心を解くだけでなく、ベイトも安心できるの「水中の濁り」だ。濁りというフィルターができることで、ベイトに気付かれることなく近づいて捕食が可能となる。濁りがある中でも、ベイトが集まる場所を探すとシーバスと出会える確率がグンとアップする。

シーバスの食性

シーバスがそこにいる最たる条件といえば、エサとなる「ベイトフィッシュ」の存在。シーバス釣りは、ルアーを選ぶよりも、フィールドの状況からベイトの居場所を探すのが一番重要であり、魚探しという意味において釣りの醍醐味を味わえる楽しい作業となる。魚釣りは、その魚の習性を知ることがいかに大切かがよく分かるはずだ。

シーバスは、基本的になんでも食す雑食性。小魚はもちろん、エビやカニなどといった甲殻類に、干潟ではアオヤギなどの貝を食すこともあれば、イイダコなどを食べる例もある。潮目の流木に付くカニの幼生を捕食したりもするなど、実に多彩なエサを捕食する肉食魚だ。

シーバスが好んで食す:バチ、甲殻類、イワシなど、ナミノハナ、小魚類、アミ

たとえば、東京湾の冬~春の風物詩とも言われる一面のバチの群れ、通称「バチ抜け」。シーバスが捕食しているエサのひとつである。捕食しやすいエサが目の前に数多くいるのであれば、他の種類のエサには見向きもしなくなるのが魚というもの。バチ抜けの時期に、専用のルアーが効果的になるのはシーバスが常にバチしか意識できないからだ。魚が意識しているベイトにルアーを合わせる、これが「マッチ・ザ・ベイト」というルアーフィッシングにおける根幹の考え方である。

また、海水ではなく淡水域のフィールドであるが、海に棲息すると言われるシーバスもこのような淡水域まで遡上してくる。例えば、千葉を流れる利根川だが、その河口から100km以上も上流の埼玉群馬での捕獲実績もある。稚アユなどのベイトがいさえすれば、シーバスの淡水棲息はまったく問題ではないのだ。全国各地のフィールドで楽しめる唯一の対象魚といっても過言ではない。

どのタイミングで釣れるのか?

ズバリ、シーバスには釣りやすいタイミングがあると言われている。「大潮」や「中潮」などという言葉を聞いたことがあるだろうか。約15日周期で巡る潮の干満の変化であるが、干潮から満潮へ、もしくは満潮から干潮へといった「潮が動くタイミング」が総じて魚が釣れるタイミングだ。なかでも、潮位差・干満差が大きい日が良いと言われている。

では、満潮に向かう「上げ潮」、干潮に向かう「下げ潮」はどちらが良いのか。一般的に、魚が接岸しやすいのは「上げ潮」で、釣りやすいのは「下げ潮」と言われる。上げのタイミングでベイトとともに寄ってきて、下げの一番潮が大きく動いたタイミングでターゲットを迎え食うのがフィッシュイーター。シーバスもその傾向が強い。ただし、どのタイミングで食うかは場所ごとの特性もある。頭から決めつけずに、色々と試すことが魚探しの楽しさであり、大切なことである。

太平洋側や瀬戸内海に比べて日本海側は潮位の変化が非常に少ない。ただ、それは比較論の問題であって、変化が少ないとはいえ変化が存在するのは確かなこと。その少ない変化の中でどれだけ動くかが重要であり、何事にも変化を見逃さないことが釣りの腕を上げる最要因とも言えよう。

「絶対に釣れない」ということがないのが、ルアーフィッシングの醍醐味。経験を積めば積むほど「この場所はこのタイミングで釣れる」というのが分かってくるが、同じことの繰り返しではそこに成長は望めない。1%の可能性を信じて、それを試す開拓の志をもってどんな条件下でもチャレンジしてみることが上達の一歩なのであり、釣りの進化なのである。しかし、まずはその大きな一歩を踏み出すために基礎をきっちりと学び、魚探しを始めてほしい。

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