
初夏から真夏にかけてのオカッパリは、バスの活性が高まる一方で、猛暑や強力な紫外線、害虫などアングラーの体力を奪う要素が充満している。若手注目アングラーである植盛幹太(カンタ)は、身体の快適性を維持する厳選された夏ギアと、季節の進行を的確に読み解くシェード攻略を軸に、白竜湖、三川ダム、八田原ダムで50アップや55センチのビッグバスを連発させた。過酷な夏を快適に釣り抜き、確実に釣果へ繋げる「カンタスタイル」の全貌を紐解く。
●文:ルアマガプラス編集部
植盛 幹太(うえもり・かんた) 1997年生まれ、岡山県在住。小学生時代にショップトーナメントで優勝して才能を開花させ、幼い頃から憧れていた『陸王』の舞台にも立った、いま最も勢いのあるネクストアングラーである。夢の途中で歩みを止めることなく、今日もフィールドに立ち続けている。
夏を乗り切る「快適性と機能性」のギアセッティング
夏の釣りを攻略するうえで、植盛が最も重視するのが「快適性と機能性の両立」である。かつてはTシャツと短パンという軽装で釣りをしていたが、現在は上2枚、下2枚のアンダーウェアを着用し、フェイスガードやキャップ、グローブまで固めるスタイルへと変化している。
肌に密着する冷感アンダーウェア(ゴールドウィン C3fit)と速乾性に優れるFXRのドライウェアを組み合わせることで、かいた汗の気化熱を効率よく利用し、逆に涼しさを生み出す仕組みとなっている。肌の露出を抑えることは、強力な紫外線やマダニなどの害虫から身を守るうえでも必須となる。
頭部には直射日光を防ぐキャップをかぶり、首回りにはFXRプロシリーズのUPFネックゲーターを装着して集中力を維持する。足元には通気性と水抜けに優れ、疲れにくいホカ(HOKA)の「ホパラ2」を着用し、移動時やランディング時の安全面を考慮してグローブとメガバスのウエストタイプライフセーバーを常時装着している。
バッグには数々の試行錯誤の末にたどり着いたリーニアのバックパックを採用し、糸くずワインダーやペンチホルダーをセットして機能性を高めている。
さらに、近年植盛が手放せない必須アイテムとして愛用しているのが、GPSスマートウォッチ「COROS NOMAD」である。
通常モードで50時間使用可能なバッテリー性能を持ち、気圧や天気、釣行時間、キャスト数などを数値としてデータ化して確認できる。感覚に頼りがちな釣りをデータ化して残すことで新たな気づきが得られるだけでなく、腕元で素早く天候変化を把握できる標準装備として機能している。
偏光グラスにはエレクトリックの「ノックスビルS(HTグリーンレンズ)」を年中愛用し、シェードからオープンまで安定した視認性を確保している。
ラインは長年絶大な信頼を寄せるシーガー(R18フロロリミテッドおよびグランドマックスFX)で固めている。
季節を読む見立てと「狭いシェード」攻略法
実釣初日、朝イチにエントリーした白竜湖から移動を決断し、水温上昇の早い小さなため池へ向かった。狙い通り、日の当たる側のブッシュに形成された「ごく小さな影(シェード)」へヤゴットのノーシンカーを送り込み、見事にため池のヌシクラスとなる50アップの捕獲に成功した。水温が上がりやすい季節においては、広大なエリアよりも日当たりの良いスポットにできるピンポイントの影こそがバスの着き場となる。
続いて移動した難関フィールドの三川ダムでは、オープンウォーターの見えバスに対して直接アプローチするのではなく、魚が固執して必ず戻るカバーの「狭いシェード」に着目した。日が落ちてシェードが広くなると魚が散って絞り込めなくなるため、あえて日中の狭い影の最奥へルアーを送り込む逆転の発想を展開した。
対岸カバーの最奥へルアーを撃ち込み、短距離を超スピードで通すアプローチによってバスのスイッチを入れた。下ビレをカットして1.3グラムのネイルシンカーを挿入した「マグドラフトフリースタイル」の高速引きをはじめ、「スパークシャッド4インチ」や「ヤゴット」のノーシンカー、さらには緩やかなワンド側へのジグ系(スリーパークロー)による素早いフォールを使い分け、55センチを頭に50アップを含めて3本のキャッチを達成した。
八田原ダムでの再現性と一撃必殺の「マリオネット」
ロケ2日目は、朝の期待値の低さを見越して遅めのスタートを切り、八田原ダムの宇津戸川筋バックウォーターへ短時間勝負でエントリーした。対岸のシェードへ差してくるバスの行動パターンを読み切り、水面系の虫ルアー「シグレ」を投入した。
対岸のオーバーハングにラインを引っ掛け、水面を叩くようにシェイクして焦らす「マリオネット」のアプローチを繰り出すと、狙い通り水面を割って54.5センチのビッグバスがバイトした。前日の三川ダムに引き続き、アフター回復期におけるシェード攻略の正しさを鮮やかに証明する一撃となった。
6月後半から7月にかけては、オカッパリのアドバンテージが非常に大きく、トップウォーターやノーシンカーといったエキサイティングな釣りで素直な反応が得られる絶好のシーズンである。日焼けや害虫対策を万全に整えて快適性を保つことこそが、集中力を維持し、価値ある1本を引き寄せる最短の近道となる。
※本記事はWEB向けのダイジェスト版です。フルバージョンは『ルアーマガジン2026年8月号』に掲載されています。
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