
浜名湖のマルチアングラーである「稲垣文哉」さんが、さまざまなジャンルの釣りの楽しさを解説してくれる当連載。今回は浜名湖の夜に響き渡るシーバスの捕食音。秋の訪れにテンションが上がるが甘くなく悶絶。悔しさの先に導き出されたルアーとは。
●文:稲垣文哉
秋の始まりを告げるボイル
湖畔を犬と散歩していると、水面がにわかに騒がしくなる。こうなると、散歩中なのに僕のほうがソワソワしてしまう。
時折聞こえる「バシャッ」という音。イナッコの群れをシーバスが襲っているボイル音だ。この音が聞こえ始めると、浜名湖にも秋が来たなと感じて、一気にテンションが上がる。
フィールドは水深1mもない浅瀬。目の前でこれだけボイルしているのだから、「これは簡単に釣れるっしょ」と思っていた。ところが、そんなに甘くはなかった。
甘くなかったボイル撃ち
まずは潜行レンジを変えるためにルアーをローテーション。水面直下を引き波で誘うモアザン クロスウェイクR、エクスセンスのレスポンダー、モニカ、サイレントアサシンと、ミノーで少しずつレンジを刻んでいく。反応はない。イナッコの群れに当たるレンジを通してみても、やはりダメ。
ボイルしているのだから、答えは水面近くにあるはず。そう考えて表層系に絞り、夜の湖畔に通っては投げ倒す日々が続いた。
それでも釣れない。そこで行きつけの釣具店に立ち寄り、店員さんに相談してみた。教えてもらったのが、ロンジンのウェイキーブー86だ。
さっそくボラカラーを結んで投げていると、ようやくヒット。暗い水面で派手なエラ洗いをされながらも、なんとか手前まで寄せた。と思ったところで、もう一度エラ洗い……。ふっとテンションが抜けて、フックアウト。
しばし放心状態。暗い湖畔でひとり立ち尽くしていた(笑)。
リベンジの一本
それでも、ヒットまでは持ち込めた。ルアーは間違っていないはず。次こそはと、同じウェイキーブーでリベンジに向かった。
今度はイナッコに時々当たるくらいのレンジを意識して、ハンドル1回転1秒ほどのゆっくりしたスピードで巻いてくる。するとゴンッとヒット!
前回の悔しさがよみがえる。今度こそと竿を寝かせ、エラ洗いをなるべく食らわないようにファイト。慎重に寄せて、無事キャッチ。
手にしたのは60センチをちょっと超えるシーバス。
60センチちょっと超え。悔しさを晴らしてくれた一本。
すんなり釣れた一匹ももちろんうれしい。でも、悔しい思いをして、通い詰めてやっと出会えた魚はやっぱり格別だ。浜名湖の秋はまだ始まったばかり。この秋はどんな魚に出会えるだろうか。
TACKLE DATA
Rod:ricordo Deto 90 Finesse
Reel:ダイワ 18イグジスト LT3000S-C
Line:PE 1号
Leader:フロロカーボン 20lb
Hit Lure:ロンジン ウェイキーブー86(ボラ)
稲垣 文哉(いながき・ふみや)
幼い頃から水辺が身近で、今も浜名湖を拠点に釣りを楽しむ浜名湖育ちのマルチアングラー。珍しい魚やまだ釣ったことのない魚を追いかけるのがマイブーム。ライトゲームを中心に、渓流からオフショアまで気の向くままに釣りを満喫中。ロッドビルディングも趣味で、自分だけの一本を作る時間も楽しむ。
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