
これまでに数々の名作ルアーを生み続けてきた日本を代表するルアーデザイナー・加藤誠司さん。そんな加藤さんが2023年に立ち上げたルアーブランドが『レヴォニック』だ。これまでの加藤さんのノウハウが凝縮されたレヴォニックルアーをご本人に解説してもらった。
●文:ルアマガプラス編集部
加藤誠司 かとう・せいじ/日本が誇る天才ルアービルダー[1]。ダイワ精工、ラッキークラフトを経て、ジャッカルを設立。現在はレヴォニックを立ち上げ、これまでのノウハウを詰め込んだ独自性の高いルアーを世に輩出している
01ドットシックス(Dot Six)ver1.5 / 7+ / ドライボーン
バルサを超えたABS製クランク
タイプ: Type FREE / Type P&D
スペック: 長さ:68ミリ●自重:7.5グラムクラス●タイプ:フローティング●価格:2200円(税込み)
7+、ドライボーン7+: 長さ:59ミリ●自重:9.5グラムクラス●タイプ:フローティング●価格:2970円(税込み)
ドライボーン8HF: 長さ:59ミリ●自重:9グラムクラス●タイプ:ハイフローティング●価格:2970円(税込み)
ドライボーン8.5L: 長さ:59ミリ●自重:9.7グラムクラス●タイプ:フローティング●価格:2970円(税込み)
加藤誠司「ドットシックスの最大のテーマは、バルサクランクだけがもつキビキビしたアクションをプラスチック(ABS素材)で再現すること。バルサって外側のコーティングが極薄(通常0.7ミリ)で、中は超軽量だからよく動くんだよね。それを再現するために、ボディの肉厚を極限の0.6ミリまで薄くした。さらに中は空気だからバルサよりも軽いわけ。理由はわからないけど、外側が薄いがゆえに食う魚がいる。明らかに違うことが起きるんだよ」。
加藤的ウラ話
「もっとも標準的なモデルは7+なんだけど、俺が一番好きなのはドライボーン8HF。音が甲高くて、魚の狂い方が全然違うんだよ。裏技として、8HFで水面直下をI字みたいにスーッと引く『ツラを引く』使い方が最高に面白いから試してみて。ちなみに、7とか8っていう数字は内蔵されているウエイトボールの直径サイズ。ドライボーン8.5LのLは鉛(Lead)っていう意味です」
【コラム】ドライボーンモデルの違い
レヴォニックのルアーには多数ドライボーンモデルがラインナップされているが、ノーマルモデルとの違いはどこにあるのか。
加藤誠司「ドライボーンモデルはとにかく『音の響き』がノーマル素材とは全然違う。ボディの壁面にウエイトボールが当たったときの音がものすごく甲高いんだよ。中に空気が入っているボディの中で音が響くから、水の中で響く音の質が別物」。
02 モゴット(Mogott)
魅惑のワンノック音と圧倒的飛距離の薄肉ポッパー
加藤誠司「モゴットはね、とにかく『カチッと鳴るワンノックの音』をポッパーに入れたかったのがスタート。普通のポッパーって肉厚だから、ウエイトを入れたらラトルを入れるスペースがなくなっちゃうんだよ。そこで、ボディを薄肉にしてバランスを徹底的に取ったわけ。Type FREEは球の動く距離が大きくて水平に近い姿勢になるから、スプラッシュを出しやすい。P&D(ポップアンドドッグ)は立ち姿勢でドッグウォークさせやすいモデルです」
加藤的ウラ話
「裏技ではないんだけど、1回ずつポーズするんじゃなくて、連続スプラッシュでリアクション的に引いたほうが、でかいのが釣れると思うよ。あとは、両モデルともびっくりするくらい飛距離が出るのでぜひ試してください」。
03 サラモア(Salamoa)
ギル、フナ食いに効く 薄肉フラットサイドシャッド
ノーマル、ドライボーン: 長さ:58ミリ●自重:8.5グラムクラス●タイプ:フローティング●価格:2200円(税込み)
HF: 長さ:58ミリ●自重:7.2グラムクラス●タイプ:ハイフローティング●価格:2200円(税込み)
加藤誠司「サラモアは、ドットシックスの薄肉の技術を応用して作ったフラットサイドシャッド。ギルとかフナみたいな平らなベイトフィッシュが多い釣り場では、サラモアの出番が多い。HFモデルは軽くなるぶん、動きの戻りが早くなってバタバタと強いアクションでアピールが増すんだけど、飛距離は落ちるから、そこは天秤だよね。各ルアーのHFはマニアックなモデルなんだけど、『これじゃなきゃ』ってわかって使っている人が一定数いる」。
加藤的ウラ話
「サラモアは不思議なルアーで、このルアーを通すと周りのベイトフィッシュだけじゃなく、少し離れたベイトもバーッと水面を跳ね出すという現象を何度も経験している。ほかのルアーでも試したけど、サラモアにしか見られない反応なんだよね。これにバスのスイッチが入って、急にボイルが起きたりする不思議なルアーです」。
04 ラムジー(Ramsey)
カバーをヌルリと抜けるシャロークランク
スペック: 長さ:58ミリ●自重:8.5グラムクラス●タイプ:フローティング●価格:2200円(税込み)
加藤誠司「ラムジーはね、カバーから『ぬるぬるっと抜ける』ルアーが欲しくて作ってたら、偶然できちゃった感じ(笑)。カバーを回避しながら、かつ、カバーから離れないようにルアーを通したいときに有効なクランクです。アシとか立木などの縦ストラクチャー、ロックエリアなど、障害物がガシャガシャ入り込んでいる場所で、それらを綺麗にかわしながら、そこから離れる瞬間のアクションが抜群に効きます」
加藤的ウラ話
「実は初期プロトは、ぬるっと障害物をかわしすぎて、当たった感触が全然手に伝わってこない不思議なルアーだった。だからアイポジションを少しだけ変えて、流石にちょっとだけ障害物を抜ける感触が手に残るようにチューニングして、使いやすくしてあるのが今の製品版。それくらい障害物回避性能が高いのがラムジーです」。
05 シンディー110(Cyndie 110)
身もだえするジャークベイト
スペック:SF-M: 長さ:110ミリ●自重:15グラムクラス●タイプ:スローフローティング●潜航深度:約1.5メートル●価格:2310円(税込み)
SP-M: 長さ:110ミリ●自重:16グラムクラス●タイプ:サスペンド●潜航深度:約1.5メートル●価格:2310円(税込み)
SS: 長さ:110ミリ●自重:14グラムクラス●タイプ:スローフローティング●潜航深度:約0.5メートル●価格:2310円(税込み)
加藤誠司「シンディー110は、ドットシックスと同じ極薄の薄肉ボディで、ボディの中から別パーツで支える機構を搭載しているから、驚くほどレスポンスがいい。ジャークして止めた瞬間に、ギラギラって身もだえするような余韻が残るアクションを出せる。Mリップが標準で1.5〜2メートル潜るけど、水面直下〜50センチ以内をやるならSリップ」。
加藤的ウラ話
「リップの違いによって潜行深度が変わるのはもちろん、動きのタッチも変わるからね。そこも楽しんでほしい。あと、シンディーは縦ジャークと横ジャークでアクションが変わるから、ぜひ両方試してみて。俺的なウラ技は、あえてMリップをシャローエリアで『縦ジャーク』で使うこと。これがすごく効くんだよ」。
06 シェキラー78(Shakiller 78)
細身シェイプの巻きミノー
スペック:SF: 長さ:78ミリ●自重:8.3グラムクラス●タイプ:スローフローティング●価格:2200円(税込み)
SP: 長さ:78ミリ●自重:8.7グラムクラス●タイプ:サスペンド●価格:2200円(税込み)
加藤誠司「シェキラーはクランクを巻いても反応しない魚を、ミノーの細身のシェイプで騙すための『巻きミノー』。元々、DDスクワレル(ジャッカル)が大好きなんだけど、やっぱりクランクではなくミノーの波動やシルエットで巻かないと食わないときが確実にあるんだよね。SFは巻きでボトムに当てながら使って、SPは春先のサスペンドしてる魚に対して止めて誘う」。
加藤的ウラ話
「今年のアメリカの試合でのこと。プラクティスではサラモアでハメたのに、本番は全く釣れなくなった。試合初日はブレーデッドジグで釣れて、2日目はシェキラーで釣れた。場所はまったく同じなんだよ。巻きミノーは巻き物のローテーションには絶対に欠かせないね」。
07 サラモアPORO
とにかく釣れる偶然の産物
スペック: 長さ:50ミリ●自重:5.5グラムクラス●タイプ:フローティング●価格:1980円(税込み)
加藤誠司「サラモアPOROはね、最初は正直あんまり売る気がなかった(笑)。シェキラーのテスト釣行のときにサンプルとして持ってただけなんだけど、投げたらとにかく釣れちゃって。『こんだけよく釣れるなら売るか』ってラインナップに入れた。実際のところ、あんまり売れてないから、みんな、釣れるルアーがほしいわけじゃないんだなって思ってるよ(笑)」。
加藤的ウラ話
「面白いのが、タックルにもよるけど、サラモアより小さいサラモアポロのほうが50センチくらい深く入って2メートルまで潜るんだよね。あと、絶対試してほしいのが、リザーバーのバックウォーター(最上流)で、流れ込みからちょっと川幅が開くエリア。ここにいる小さなベイトを意識している魚に対して全方位に投げてみて。めちゃくちゃ釣れるから」。
08 シンディー94(Cyndie 94)
数釣りが狙えるダウンサイジングモデル
スペック: SF-M: 長さ:94ミリ●自重:11グラムクラス●タイプ:スローフローティング●潜航深度:約1.5メートル●価格:2200円(税込み)
SF-S: 長さ:94ミリ●自重:11グラムクラス●タイプ:スローフローティング●潜航深度:約1.0メートル●価格:2200円(税込み)
SS: 長さ:94ミリ●自重:11グラムクラス●タイプ:スローフローティング●潜航深度:約0.5メートル●価格:2200円(税込み)
加藤誠司「シンディー94は110のダウンサイジングバージョン。確実に数を釣りたいなら94だし、大きめのミノーで一発狙うなら110っていう使い分けだね。日本の今のフィールド、特にオカッパリなんかで『確実に数を釣りたい』ってなったら、圧倒的に94の出番なわけ。110は『デカいミノーでデカい魚を呼び込んで騙す』というパワー型の釣りだけど、94はバスに対して余計な警戒心を与えずに、喰わせのスイッチを強制的にオンにする絶妙なボリューム感になっています」。
加藤的ウラ話
「日本のフィールドで確実に数を釣るなら絶対こっちのサイズなんだよね。極薄ボディだからレスポンスが凄くいい。ジャーク後にピタッと止めた時のギラギラした余韻はオリジナルを継承しているから、どんなフィールドでも釣れるジャークベイト。1つタックルボックスに忍ばせておくと、助けてくれるはずです」。
09 ヴォルビート(Volbeat)60 / 70
徹底的な音作りに拘ったバイブレーション
スペック: 60F: 長さ:63ミリ●自重:8グラムクラス●タイプ:フローティング●価格:1980円(税込み)
60S: 長さ:63ミリ●自重:12グラムクラス●タイプ:シンキング●価格:1980円(税込み)
70F: 長さ:69ミリ●自重:10グラムクラス●タイプ:フローティング●価格:1980円(税込み)
70S: 長さ:69ミリ●自重:17グラムクラス●タイプ:シンキング●価格:1980円(税込み)
70ウェルター: 長さ:69ミリ●自重:21グラムクラス●タイプ:シンキング●価格:1980円(税込み)
加藤誠司「ヴォルビートはね、シンプルにコットンコーデルのフローティングスポットの代わりになるバイブレーションが欲しかったのが始まり。探して、とにかく『音』に徹底的にこだわった。バイブレーションは発生する音がルアーアクションそのものにも影響を与えると思っている。複数の球がカチャカチャ鳴るのと、1つの球がコトコト鳴るワンノッカーとでは、アクションにも差が出るんだよ。ヴォルビートのラトルサウンドは、徹底的なテストを繰り返して『一番釣れるバランス』に配置してあるから、信じて投げ倒してほしいね」。
加藤的ウラ話
「ヴォルビートはね、元々はフローティングが欲しいって開発が始まったんだよ。60と70はサイズ違いなんだけど、70には『ウェルター』っていう重いモデルもある。琵琶湖の冬の釣りみたいな深いディープをしっかり釣るために作ったモデルだね」。
10 ゼンダ(Zenda)100 / 85
加藤誠司の「全乗せ」ペンシル
タイプ(音): ラウド / ラウドドライボーン / サイレント
スペック: 100: 長さ:100ミリ●自重:19.5グラムクラス●タイプ:フローティング●価格:2310円(税込み)
85: 長さ:85ミリ●自重:11.3グラムクラス●タイプ:フローティング●価格:2200円(税込み)
加藤誠司「ゼンダの名前の由来は『全(ぜん)』なんだよね。サミーやT.D.ペンシルなど、これまでいろいろなペンシルベイトを作ってきたけど、それらの釣れる要素を『全乗せ』したペンシルベイトです。普通、首を振りやすくするとダイブしなくなるんだけど、ゼンダは首振りもダイブも両方ハイレベルでできる。お尻を太くして飛距離も抜群だし、フロントの反りでポップ音も出せる。通常ラトルのラウド、甲高い音のラウドドライボーン、タフな場所で絶対に外せないサイレント。これらを用意しているから、状況に合わせて全乗せアクションを楽しんでください」。
加藤的ウラ話
「水面ってすごいんだよ。魚にとって『逃げ場のない壁』だから、バスがエサを追い詰めやすくて一番食わせやすい場所。あと、数あるトップウォータールアーの中でペンシルベイトの強みは一番ベイトフィッシュに形状が似ていること。しかも、バスは首を振る左右の動きにめちゃくちゃ弱いからね」。
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