
●文:ルアマガプラス編集部
イサキとは?
イサキは、スズキ目イサキ科に属する海水魚。日本の沿岸で広く見られ、とくに暖流の影響を受ける岩礁帯を好む。成魚は全長40cmほどに達し、体型はやや側扁した紡錘形をしている。体色はオリーブがかった褐色が特徴であるが、幼魚期には体に鮮やかな黄色の縦縞が3本入っており、その姿から「ウリボウ」や「ウリンボ」という愛称で呼ばれる。この縞模様は成長とともに薄れていく。釣り人にとっては引きの良さと食味の良さから、とても人気の高いターゲットだ。
釣ってもよし、食べてもよしで人気なイサキ。
イサキの生態
日本においては、東北地方以南の日本海/太平洋沿岸から東シナ海にかけて分布する。潮通しの良い外洋に面した岩礁域や、その周辺の砂礫底に群れをなして生息するのが一般的。日中は水深30mから50m、時にはそれ以上の深場にある根のまわりに潜んでいるが、夜になると活発に捕食活動を行い、海面近くまで浮上してくる夜行性の一面も持つ。食性は肉食性で、動物プランクトン/甲殻類/多毛類/小魚などを捕食する。産卵期は初夏から夏(5月~8月頃)で、この時期になると浅場に大群で押し寄せるため、釣りの最盛期と重なる。
接岸している場合は陸から釣れることも。
イサキの釣りシーズン
梅雨イサキ(5月~7月)
イサキ釣りのハイシーズンで、「梅雨イサキ」とも呼ばれる。産卵を控えて体力を蓄えるため、とても食い気が盛んになる“荒食い”の状態となる。また、身には脂がたっぷりと乗り、1年でもっとも美味しい時期とされる。数/型ともに期待できるため、多くの釣り人がこの時期を心待ちにしている。
秋(9月~11月)
産卵後の体力回復期にあたり、再び活発にエサを追うようになる。夏に比べてサイズはやや小ぶりになる傾向があるが、まだまだ数釣りが楽しめるシーズンである。水温の低下とともに徐々に深場へ移動していく。
冬から春(12月~4月)
深場で越冬するため、岸からの釣りは難しくなるが、船釣りではポイントを選べば狙うことが可能。この時期は脂の乗りは初夏に劣るものの、身が締まっており違った味わいが楽しめる。春になり水温が上昇し始めると、再び浅場へ移動を開始する。
イサキの釣り方
スーパーライトジギング(SLJ)
30g~80g程度の軽量なメタルジグを使用して狙う、近年人気のルアーフィッシング。とくに魚食性が強まる産卵期前後にはとても有効な釣り方となる。ゲーム性が高く、ダイレクトなアタリと引きを楽しめるのが魅力だ。
イサキはスーパーライトジギングで狙える数多くの魚種の1つ。
仕掛け例
- ロッド:6~7フィート前後のSLJ専用ロッド(スピニングモデルまたはベイトモデル)
- リール:スピニングリールなら2500~4000番/ベイトリールなら小型のハイギアモデル
- ライン:PEライン 0.6~1号
- リーダー:フロロカーボン 3~5号(12~20lb)を1~1.5m
- ルアー:30~80gのメタルジグ。シルエットの小さいタングステン製が有利な場面も多い。カラーは定番のグリーンゴールド/アカキン/シルバー系/グロー系などを状況に応じて使い分ける
- フック:フロントにティンセルやサバ皮などが付いたアシストフックをツインで装着するのが基本。リアにもトレブルフックやアシストフックを追加する場合もある
スーパーライトジギングで使うメタルジグ。シルエットの小さいタングステン製が効果的なことも。
天秤吹き流し仕掛け
船からのイサキ釣りでもっともオーソドックスな釣り方。コマセ(撒き餌)を詰めたカゴと天秤を使用し、潮の流れに乗せて仕掛けを漂わせる(吹き流す)ことで、群れているイサキのタナ(遊泳層)を直撃する。船長の指示するタナを正確に守ることが釣果を上げる最大の鍵だ。
仕掛け例
- 竿:2~2.7m程度の6:4または7:3調子の船竿(オモリ負荷30~80号)
- リール:小型~中型の電動リール
- 道糸:PEライン 2~3号
- 天秤:腕長40~50cm程度の弓型またはストレート型
- コマセカゴ:プラスチックビシやアンドンビシのFL~Lサイズ(オモリは船宿指定)
- クッションゴム:1.5mm径/30~50cm
- 仕掛け:全長2~3.5m/ハリス1.5~2号の吹き流し3本針仕掛け。針はチヌ針2号やイサキ専用針を使用し、枝スの間隔は60~80cm程度。魚の活性に応じて、針に緑やケイムラのスキン/夜光玉などを付けると効果的
- エサ:コマセはアミエビやオキアミ。付けエサはオキアミを使用する
イサキの食べ方
刺身(皮霜造り)
新鮮なイサキが手に入ったら、まずは刺身で味わうべき。とくに皮と身の間に旨味が凝縮しているため、三枚におろした柵の皮目に熱湯をかけ、すぐに氷水で締める「皮霜造り(松皮造り)」が絶品だ。独特の食感と皮の香ばしさ、上品な脂の甘みが口の中に広がる。
塩焼き
イサキ料理の王道。旬の脂が乗ったイサキに丁寧に塩を振り、じっくりと焼き上げる。パリッとした皮と、ふっくらとジューシーな白身のコントラストがたまらない。シンプルな調理法だからこそ、素材の良さが際立つ一品だ。
煮付け
醤油/みりん/砂糖/酒で甘辛く煮付けた料理もまた格別。ゴボウやショウガと一緒に煮ることで、魚の臭みが消え、風味豊かに仕上がる。煮汁が染み込んだ白身は、ご飯のおかずにも酒の肴にも最適だ。
アクアパッツァ
アサリ/ミニトマト/オリーブなどとともに白ワインで蒸し煮にするイタリア料理。イサキの上品な出汁がスープに溶け出し、魚介の旨味を余すことなく味わえる。見た目も華やかで、おもてなし料理としても喜ばれる。
白子/真子の調理
産卵期のイサキは、白子や真子(卵)も美味。白子はさっと湯通ししてポン酢で、真子は甘辛く煮付けにすると、旬ならではの濃厚な味わいを楽しむことができる。
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