
●文:ルアマガプラス編集部
ハスとは?
ハスは、コイ目コイ科に属する日本固有亜種の淡水魚。最大の特徴は、大きく裂け、“へ”の字に曲がった硬い口だ。この口で小魚を巧みに捕らえる。琵琶湖/淀川水系および福井県の三方五湖が本来の生息地だが、アユの放流に混じって全国各地の河川や湖沼に分布を広げた。関西地方ではその習性から「ケタバス」とも呼ばれる。引きが強く、ルアーへの反応も良いため、ライトタックルで楽しむゲームフィッシュとして人気がある。
ハスの生態
コイ科の魚としては珍しく、成魚は完全な魚食性(フィッシュイーター)。アユ/オイカワ/モロコといった小魚を主食とし、俊敏な泳ぎで獲物を活発に追い回す。流れのある河川の中流域や、湖の沿岸部に群れで生息することが多い。産卵期は6月から8月頃で、この時期になるとオスは体側に美しい婚姻色(追星)が現れ、浅瀬に集まって産卵行動を行う。このアグレッシブな性質が、釣り人にとっては大きな魅力となっている。
魚食性のため、ルアーへ高反応するハス。
ハスの釣りシーズン
ハスの釣りシーズンは、捕食対象となるアユなどの小魚の動きと深く連動している。
ハイシーズン(5月~10月)
初夏、アユが川を遡上し始めると、それを追ってハスの活性も一気に高まる。とくに産卵を控えた6月~8月は、浅瀬で積極的にベイトを追い回す姿が見られ、数/型ともに狙える最高のシーズン。夏から秋にかけては、成長したアユやオイカワを狙って活発に捕食活動を行うため、引き続きルアーへの反応が良い時期が続く。
オフシーズン(11月~4月)
水温が低下する冬場は、深場で越冬するため、岸から狙うのは難しくなる。春になり水温が上昇し始めると、徐々に活動を開始するが、本格的なシーズンインは初夏を待つことになる。
ハスの釣り方
その魚食性の高さを活かしたルアーフィッシングがもっとも一般的でエキサイティングな釣り方。
ハスフィッシング
河川の流れ込みや瀬/湖の岸際など、小魚が集まりやすい場所がポイントとなる。小魚の群れ(ベイトボール)や、水面でハスが獲物を追い回す“ボイル”が見られたら絶好のチャンス。ルアーを投げて巻くだけでも釣れる手軽さがありながら、ルアーの種類やアクションを工夫する奥深さも併せ持つ。
獲物となる小魚が集まるポイントには近くにハスが潜んでいるかも。
仕掛け例
- ロッド: 5ft~6ft台のトラウトロッドやアジングロッド(UL~Lクラス)
- リール: スピニングリール 1000番~2000番
- ライン: ナイロン 3~4lb/PEライン 0.3~0.6号+フロロカーボンリーダー 4~6lb
- ルアー:
- スプーン: 3~5g程度。シルバー系やゴールド系が定番
- スピナー: ブレードが回転しアピール力が高い。#1~#2サイズが使いやすい
- ミノー: 4~5cmの小型ミノー。フローティング/シンキングを状況で使い分ける
- トップウォーター: 小型ペンシルベイトなど。水面を割ってバイトするシーンは迫力満点
ハスの食べ方
上品な白身で美味しい魚であるが、身の中に細かい骨(小骨)が多いという特徴がある。そのため、調理にはひと手間かかるが、その味は格別だ。
塩焼き
ハスの味をシンプルに楽しむなら塩焼きが一番。大型のものは、焼く前に骨切り(身に細かく切れ込みを入れる)をすることで、小骨が断ち切られて格段に食べやすくなる。淡白ながらも旨味があり、美味である。
甘露煮
小ぶりのハスを骨まで柔らかくなるようにじっくりと煮込んだ甘露煮も定番の食べ方。醤油と砂糖で甘辛く煮付けたハスは、ご飯のお供や酒の肴に最適である。
唐揚げ/フライ
三枚におろして骨切りをした後、唐揚げやフライにするのも良い。油で揚げることで小骨が気にならなくなり、サクサクとした食感とふっくらとした白身を楽しむことができる。
なれずし
産地である琵琶湖周辺では、鮒寿司と同様に、ご飯に漬け込んで発酵させる「なれずし」の原料としても利用される。独特の風味と旨味を持つ、伝統的な郷土料理である。
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