【あの人といえばあのロッド!】プロアングラーの『右腕』ロッドをズラッと紹介!

【あの人といえばあのロッド!】プロアングラーの『右腕』ロッドをズラッと紹介!

ここに日々のバス界を沸かせる凄腕アングラー10人が集結。
あのプロが必要不可欠とするロッドは何か、あのプロがなぜそのロッドを心底求めているのか。
サイドストーリーを交えてお送りするのが『俺の右腕10+α』。
貴兄の次なる守護神ロッドが見つかれば幸いだ。

●文:ルアマガプラス編集部

馬路久史

まじ・ひさし/ケイテック代表にして、霞ヶ浦水系を拠点とするWBSトーナメントプロ。今回は自身が手がけたKTCロッドから撃ちと巻きで各1本を厳選解説。

【巻き】 ケイテックKTC664NF

●全長:6ft6in
●パワー:Medium Light
●テーパー:Moderate Fast
●ルアー:1/4〜1/2oz
●ライン:8〜12lb
●価格:4万9,500円(税込み)

軽快な巻きを実現する『通称:シンコロスティック』
「私が主戦場とする霞ヶ浦水系は通年カバー絡みの釣りがメインです。撃つ一方で、その周囲を巻くことも。魚の密度が濃くない現状でバイトを得るにはそれなりに広範囲を探ることも必要です」
前述のゴミ溜まりやアシ際を始め、ウッドカバーに消波ブロックなどそのタイプは様々。
「ボートを流しながら手返しよく等間隔キャストを1日中続けていく。最後の最後まで精度高く投げ続けることができるか否か。撃ちの釣りと同じく、そこが最も強く求められます」
巻きの釣りで馬路さんが溺愛するのがKTC664NFだ。
「NFとはノースフォークコンポジット製のブランクスを採用しているという意味です。これが細くて軽いにもかかわらず粘りがある低弾性。取り回しの良い66はシングルハンドで投げピックアップするや次のモーションに無駄なく続けることができ、バイトがあればしっかり乗せてくれます」
馬路さんの十八番・ベイビーTEEボーン1/4oz(シングルコロラドモデル)を主軸とすることから“シンコロスティック”の愛称も。

<セッティング例>

●ルアー:ベイビーTEE-BONEスピナーベイト1/4〜3/8oz(ケイテック)
●リール:カルカッタコンクエスト シャローエディション30HG RIGHT(シマノ)
●ライン:シーガーR18 BASS12lb(クレハ)

【撃ち】ケイテックKTC765-SPG

●全長:7ft6in
●パワー:Medium
●テーパー:Fast
●ルアー:1/4〜1/2oz
●ライン:10〜20lb
●価格:3万1,680円(税込み)

遠くのピンを終始射抜ける軽さと長さ
馬路久史さんによる俺の右腕エピソードは2022年に行われたWBS第3戦に遡る。
「桜川河口をメインとした試合でした。アシ際まで10mほどあるゴミ溜まりが続くストレッチ。バンク沿いをポストの魚が回遊する状況でした」
アシとゴミの間にできた微かな隙間にテキサスを撃ち込みたい。しかし、マットは厚く行く手を阻み、仮に強引にエレキで進めばプレッシャーを与えてしまう。寄れない。
「そんな時こそがこの1本の出番。76というロングレングスでありながら持ち重りのない軽さがある。だからこそ、短い竿との比較で同じ距離をピッチングで飛ばそうとしても力を要さない。軽いモーションで飛ばせる。つまり精度の高いキャストが決まるんです」
結果、KTC765-SPGが見事3位入賞の原動力に。モデル名のSPGはスパイラルガイド仕様を意味する。
「ガイドはノーマル仕様もラインナップしますが、私はSPG推し。竿を立てた時にトップガイドが下を向きリングにラインが乗ってくれる方がバイトを感じやすいように思っています。好みの問題ですが」

<セッティング例>

●ルアー:パドリンビーバー3.5in(ケイテック)+ デコイ キロフックナロー#3/0(カツイチ)+バザーズワームシンカー
 TGバレット5g(DAIWA)*テキサスリグ
●リール:SLX BFS XG RIGHT(シマノ)
●ライン:シーガーR18 BASS14lb(クレハ)

馬路さんはこのモデルを始め76シリーズのグリップ部に『ミリオン ラバーグリップ・スーパー(共和)』を巻く。
「細めの径を若干増してよりグリッピングしやすく、滑りにくさも向上。ラバーなのでごく若干の重量が加わり、軽いベイトフィネスリールをセットしたときの重量バランスも最適化できますね」

青木大介

あおき・だいすけ/国内最高峰JBトップ50に参戦するコンペティターにして、ディスタイル代表。ここでは伝統のファストテーパー“青木調子”を継承する25新作を披露。

【フィネス】ディスタイル ディハイロDHRS-511UL

フィネスシェイク1
●全長:5ft11in
●パワー:Ultra Light
●テーパー:Fast
●ルアー:1/48〜3/16oz
●ライン:2〜6lb
●価格:5万5,000円(税込み)

伝統の“青木調子”を継承したスーパーフィネスの基軸
青木さんが選んだのはハイエンドシリーズ・ディハイロで今季発表となる6モデルのうちのひとつ『フィネスシェイク1』。新作だが、なぜ右腕なのか。そこには理由がある。
「そうです“あの調子”の竿です。自分の意思通りにライトリグを操作するために基本となる1本です」
水中のライトリグをセンチ刻みで繊細かつ自在に操作できる独自のファストテーパー。脈々と受け継がれてきた“青木調子”が時を経て進化を遂げたのだ。
「より軽量なブランクにブラッシュアップ。かつてのモデルは6ftでしたが、1inのショート化を図りながらもショートグリップでブランク有効長はほぼ同じ。取り回しの良さが際立ちます」
対応ルアーはライトリグ全般。「基本動作としては、その名の通りにボトムでのシェイク。自分にとって本当のフィネスの基軸となる1本がここにあります」

<セッティング例>

●ルアー:0.9〜2.6gのライトリグ全般
●リール:イグジストSF2500SS-H(DAIWA)
●ライン:ザルツ バスハード3lb(ラインシステム)

吉田 撃

よしだ・げき/予測不能な言動とスタイルでファンを魅了するフィッシング・エンターテイナー。ここで紹介するのは長きに渡り第一線で活躍し続けてきたキラーズ-00の1本だ。

【中量級バーサタイル】ガンクラフト キラーズ-00 KG-00 4-660MH ディクテイター

●全長:6ft6in
●パワー:Medium Heavy
●ルアー:1/4〜3/4oz
●ライン:12〜16lb
●価格:4万6,750円(税込み)

数々の歴戦を制してきたバーサタイル主軸機
「レギュラーテーパーのMHバーサタイルロッドです。僕の中では投げれるルアーの範囲が最も広い1本です」
吉田さんは、かつて本誌が主宰する無理難題企画『特命釣行』で史上最多となる3度のお題達成を見事に果たしたが、その主軸となったのもこの1本だ。
「レスト128で春の霞ヶ浦50UP…15年前? 懐かしいですね(笑)。ジョイクロ縛りの回では148をメインに使いましたが、竿を替えるのが面倒な時は178も余裕で使ってましたね。タックルセッティングはリール(07Mg→24DC)が代替わりしただけで今でも当時と同じですよ」
その長きに渡る信頼の厚さがディクテイターのハイポテンシャルを裏付ける。
「オカッパリ主軸の僕が乱暴に扱っても破損しない頑丈さ。66というレングスも僕にはちょうどよく、様々なキャストに対応できる。あらゆる巻きから撃ちまで、季節は春夏秋冬いつでも。これがあれば釣りに困ることはない1本ですね」

<セッティング例>

●ルアー:ジョインテッドクロー148、レスト128(ガンクラフト)ほか
●リール:メタニウムDC70RIGHT(シマノ)
●ライン:シーガーR18フロロリミテッド12〜14lb(クレハ)

仙石 快

せんごく・かい/22陸王U-30、終了間際の怒涛の展開で見事に逆転優勝を果たした初代ウィナー。自称「バスに愛される男」。結果を伴うビッグマウスは本物の証だ。

【中量級バーサタイル】ピュアフィッシングジャパン アブガルシア ベルサートVERC-68MH

●全長:6ft8in
●パワー:Medium Heavy
●テーパー:Regular Fast
●ルアー:10〜30g
●ライン:10〜20lb
●価格:3万1,900円(税込み)

1本で何でも! 圧倒的なルアー対応幅!
「オカッパリメインの今の僕が1本で釣りをするならコレしかない」
ワーミングはフリーリグから撃ちモノ、巻きではシャッドテールやスピナーベイト、果てはビッグベイトまで。セッティング例に記載された対応ルアーの数が他より桁違いに多いのが、仙石さんの溺愛するベルサート68MHだ。
「軽いので振り抜けがよく、バランスも良いのでキャスト精度が高まる。手頃な価格も魅力です」
続いて右腕エピソードを訊いた。
「昨季行われた陸王チャレンジでもこの1本が活躍しました。かつての陸王は持ち歩ける竿が2本まででしたが無制限ルールに変更。でも、竿は少なければ少ないほど機動力が上がる。だからこそ、幅広く使えるこの1本を選びました」
結果の詳細はルアマガプライムをご覧いただくとして、存分な釣果を上げたことだけはお伝えしておこう。
「この竿でやらない釣り? クランクベイトなどファストムービング系ですね。その際はベルサート66MRを使います」
仙石さんのもうひとつの右腕、巻きVer.がそれだ。

<セッティング例>

●ルアー:Dゾーン3/8oz(エバーグリーンインターナショナル)、
 ブルフラット3.8in(デプス)+7gテキサスリグ、
 ギャップジグ5g+ギミー3.5in(共にボトムアップ)、
 サイレントキラー145(デプス)、 アベンタクローラーRS(イマカツ)、
 ジョイントフカベイト(ノリーズ)、ヴァラップスイマー4.2in(ボトムアップ)、
 デッドスローラー(ジャッカル)ほか
●リール:ロキサーニBC HS8-L(アブガルシア)
●ライン:バニッシュ・レボリューション14〜16lb(バークレイ)

三原直之

みはら・なおゆき/自身が主宰するブランド・ワザモノで釣れ筋作品をプロデュース。トーナメントシーンから一線を退いて2年が経つが、今なお右腕のバトルクライは不変だ。

三原さんのJBトップ50ラストイヤーとなった2023年の桧原湖戦では、ラージマウス1848gを仕留めBIGFISH賞を獲得。インレット再奥部へアベンタクローラーRSのデッドスローからレイジースイマー6inでのジャークへスイッチして一閃したのもバトルクライだった。

【ビッグベイト】イマカツ ロデオライド リバイバー 70XH バトルクライ

●全長:7ft
●パワー:X-Heavy
●ルアー:1/4〜3oz
●ライン:10〜30lb
●価格:7万7,000円(税込み)

陸でもボートでも欠かせない伝家の宝刀
「バトルクライですね」
当企画の趣旨を説明するや三原さんが即答したのが、伝家の宝刀にして唯一無二のパワーゲームロッド。
「ギルロイドJr.などのビッグベイトからバラム300のジャイアントベイト、でかいワームをセットした1/2テキサスといったゲームをする中で、XHパワーの強さは欠かせない。その表記のイメージから張りがあって硬いと思うかもしれませんが、しっかり曲がって様々なルアーに対応できます。ただ硬いだけの竿じゃないんです」
左の陸王画像がそのポテンシャルを証明する。
「ビッグベイトって、リアのトリプルフックの1本だけが魚の口に刺さることも多い。この竿が完成する以前は正直な話、獲れないことも多かったんです。でもバトルクライはそんな時のファイトでも最後まで竿が魚の動きに追従して、獲れる確率が格段に上がる。近年の池原ダムで数多くロクマルを仕留めることができるようになったのもバトルクライのおかげです」

<セッティング例>

●ルアー:ワザモノ ギルソフト130(イマカツ)
●リール:グラビアス侍 三原直之プロモデル8.1右(ジーニアスプロジェクト)
●ライン:エクスレッド20lb(東レ)

2019陸王第3戦大江川・五三川戦のDAY1。ギルロイドJr.ブーツテール(イマカツ)の8トラップで猛然とバイトした巨体を瞬時にリフトした伝説の瞬間。52cm、2450g。当時の陸王最大魚記録をマークしたのがバトルクライだった。

杉村和哉

すぎむら・かずや/パワーゲームで魅せる琵琶湖の人気プロガイドにしてメガバスの顔。ここでは自身が得意とするディープクランキングの主軸をご解説。

【巻き】メガバス オロチX10 F5.1/2-69XT ベアリングダウン

●全長:6ft9in
●パワー:F5
●テーパー:Fast
●ルアー:3/8〜1.1/2oz
●ライン:10〜25lb
●価格:4万8,950円(税込み)

巻きを主軸に、ヘビーウエイト全般で順応
「ベアリングダウンって、ヘビーウエイトルアーのバーサタイルロッドっていうイメージがあるかと思います。Fテーパーで底物の重いリグに特化した操作性を持っていますが、実は巻き物にも優れているんですよ」
杉村さんの巻きの主軸となるのがこの1本。
「オリジナルデストロイヤーのベアリングダウンはブランクスにシャープな張りがあって底物に強い。ですが、オロチX10は曲がって粘るブランクス。僕はディープ-X300をメインに、重めのワイヤーベイトなどを主力に使っています」
直近の右腕エピソードとしては本誌1月号で公開された琵琶湖釣行が印象深いという。
「時期は11月。体感的に冷え始めリアクションが効果的になり始める頃でした。濁りが入ったウィードエッジに超高速巻きで」
見事に仕留めたのはほぼロクマルの59cm!
そのスピードは「バイブレーション並み」だったという。
「もちろんワーミングにも使いやすい竿なので、オカッパリで1本だけ持って行くなら僕はこれを選抜しますね」

「ボートではディープ-X300専用と言っても良いくらい」というベアリングダウンだが、その汎用性は高くオカッパリにも多用するという

津輕辰彦

つがる・たつひこ/24H-1グランプリ芦ノ湖戦優勝を始め数々の好戦績で知られるハードベイトマイスター。時にはデッキに3本を並べるという溺愛のモデルをここで大公開。

【巻き】ノリーズ ロードランナー ヴォイス ハードベイトスペシャル HB640ML

●全長:6ft4in
●パワー:Medium Light
●ルアー:1/4〜5/8oz
●ライン:10〜16lb
●価格:6万2,700円(税込み)

スピナーベイトが「喜んで動く」ポテンシャル
「僕が使うハードベイトを最も多くこなせるのがHB640MLです」
H-1を始め関東界隈のローカル戦で知らぬ者はいないハードベイトの手練が津輕さん。その戦績の原動力はこの1本に秘められている。
「スピナーベイトが特に好きで、1/4ozから1ozまで使います。ウェイト表記は5/8ozまでですが、それは無視して構わない対応力の幅広さがありますね。しっかり投げれて引きしろも確保できる。スピナーベイトがイキイキと動いてくれます。僕の言葉で言うと『喜んで動く』ポテンシャルがあります」
64レングスは取り回し良く、ショートキャストはもちろん、ロングにも対応可能。
「ハンドルで動かすリーリングベイトだけでなく、動かす系のペンシルベイトやジャークベイトにも高次元に対応。巻いて良し、動かしても良しの1本です」
今やハードベイトスペシャルでは人気機種の筆頭モデルに。
「試合の時にはボートに3本積むことも少なくない信頼のモデル。持っていかないことはない。まさしく僕の右腕です」

<セッティング例>

●ルアー:クリスタルS1/2oz(ノリーズ)
●リール:メタニウムMGL LEFT(シマノ)→ジリオンSV TW1000(DAIWA)
●ライン:シーガーR18フロロハンター タクト16lb(クレハ)

藤田夏輝

ふじた・なつき/JBトップ50で数々の好戦績を誇るトーナメントプロにして、ジャッカル開発スタッフ。まずは昨季の七色ダム戦でトップ50史上最重量ウエイトとなる5445gを獲ったパワーフィネス機から解説。

【パワーフィネス】ジャッカル リボルテージⅡ RVⅡ-S68MH+

●全長:6ft8in
●パワー:Medium Heavy plus
●テーパー:Fast
●ルアー:3.5〜18g
●ライン:6〜14lb、PE MAX2.5号
●価格:3万6,289円(税込み)

トップ50史上最重量魚を仕留めた剛の要
「ナナマルをカバー奥から引っ張り出せるパワー! 昨今どのフィールドでも欠かせないパワーフィネスの主力です」
藤田さんが昨季のトップ50七色ダム戦でナナマルを仕留めたのがリボルテージS68MH+だ。
「68はパワーフィネスで絶妙なレングス。長過ぎるとシェイクなどの誘いがしづらいし、短過ぎると掛けた後にカバーから引っ張り出しにくい。存分なパワーを持った上でトータルバランスに優れた1本です」
剛性が高く巻き上げ力に優れたスピニング、風の影響を受けにくいPE、太径フロロリーダーで回収率を高めたセッティングが釣りのリズムを刻む。
「元々マーモ(加木屋守)さんが開発したモデルです。この竿の強さは言うまでもなく、ナナマルが証明してくれたかと思います(笑)」

ナナマルを試合で仕留めたのは3-Dワッキーだったが、次なる実弾として温めているのが「ヤミィのタコさんチューン」のネコリグだという。

<セッティング例>

●ルアー:ヤミィ改*通称「タコさんヤミィ」+コイロック♯1/0+
 プロトシンカー7g(すべてジャッカル)
●リール:レアニウム2500S(シマノ)
●ライン+リーダー:ソルティメイト キャストアウェイPE
 25〜30lb(サンライン)+レッドスプール16lb(ジャッカル)

ナナマルを試合で仕留めたのは3-Dワッキーだったが、次なる実弾として温めているのが「ヤミィのタコさんチューン」のネコリグだという。

【マイクロホバスト】 ジャッカル リボルテージⅡ RVⅡ-S56XUL/L-ST

●全長:5ft6in
●パワー:ティップXUL/ベリー〜バットL
●テーパー:Xtra-Fast
●ルアー:1/64〜3/16oz
●ライン:1〜4lb、PE MAX0.6号
●価格:3万6,298円(税込み)
●発売:2025年4月予定

直下の「ホバステイ」で高精度ゲーム実現!
「マイクロホバストで垂直方向の真下、近距離戦で使うために開発したモデルです。僕が『ホバステイ』と呼ぶ釣り方で、もはやエリーゼ専用ロッドと言っても良いモデルですね」
プロト作は早くも好実績を上げ、リリースはこの4月を予定している意欲作だ。
「レングスは56というショートで、より操作しやすいスペック。パワー表記のXULはソリッドティップ、Lはバットパワーを示しています」
繊細なモデルだが、ターゲットはスモールマウスのみではない。
「テストでは琵琶湖でラージマウス3〜4kg級も捕獲済み。ストラクチャー周りで掛けても巻かれることなくゴリ巻きで引き剥がせるパワーを発揮。水中でパワーフィネスに似た吊るしの釣りを可能にしてくれますよ」
話が進むと、思わぬキモも。
「ジャッカルのネイルシンカーが必須です。三角形の多面体であるせいか、FFSで非常によく映るんです」
精度がさらに増す。

<セッティング例>

●ルアー:エリーゼ+トラップマイクロ♯6〜10+
 タングステンカスタムシンカー ネイル1.3g(すべてジャッカル)
●リール:ヴァンキッシュC2500SXG(シマノ)
●ライン+リーダー:スーパートラウトエリア インフィニティPE X8
 0.2〜0.3号(バリバス)+シーガー グランドマックス1号(クレハ)

23トップ50桧原湖戦でのウイニングロッドS510UL-STを突き詰め、マイクロホバスト専用へと磨き上げたプロトは24JB入鹿池戦での準優勝に貢献。今季いよいよリリースへ。

安江勇斗

やすえ・ゆうと/地元愛知県から霞ヶ浦水系の畔へ移住して10年超。もはやカスミローカルとも目される気鋭のトップ50プロだ。

【ワイヤーベイト】デプス ゲインエレメント ムービングエレメントGE-610MR

●全長:6ft10in
●パワー:Medium
●テーパー:Regular
●ルアー:1/4〜3/4oz
●ライン:8〜20lb
●価格:4万7,300円(税込み)

長年のハードな使用にも応える巻きの基準
「僕のワイヤーベイト主軸機がムービングエレメントです」
霞ヶ浦水系の畔へ移住して10年超の準ローカル。長きに渡り現場を肌で感じてきた安江さんが巻きで欠かせない1本に挙げるのがこのモデルだ。
「元々中型クラスのファストムービング系を想定したモデルで、テーパーはレギュラー寄り、竿先から曲がるわけじゃない。610でMパワーの同クラスロッドに比べて、トルク感がズバ抜けて凄い。掛けてから寄せる力が非常に強いので、取りこぼしのないモデルに仕上がっています」
安江さんは優れた操作性に加え、高い剛性もロッドに求める。
「長年のハードな使用にも応えてきた頑丈さは特筆。1度たりとも折ったことはない。ゲインエレメントは元々ブランクスが丈夫なんですよ」
スピナーベイトやチャター系、スイムジグを始め、時にライトテキサスでも登板機会があるという。
「巻きのスタンダード。ワイヤーベイトと真剣に向き合いたい方におすすめしたい1本ですね」

<セッティング例>

●ルアー:Bカスタム3/8oz(デプス)
●リール:ジリオンSV TW1000HL(DAIWA)
●ライン:エクスレッド14lb(東レ)

「巻きのスタンダード」というムービングエレメントに加え、今季は自身が手がけたビッグベイト用・GE-64MH+もリリース予定。こちらも要注目のモデルだ。

吉川永遠

よしかわ・とわ/24トップ50開幕戦の七色ダムでシリーズ初優勝を飾ったリザーバーの達人。志達海輝選手と共にEG若手2強の一角だ。

【中量級バーサタイル】エバーグリーンインターナショナル オライオン  OCSC-69MH ムーンゲイザー

●全長:6ft9in
●パワー:Medium Heavy
●ルアー:5〜42g
●ライン:10〜25lb
●価格:7万8,100円(税込み)

5mダイバーもジグストも「何でも自在!」

「最初は打撃系のMHパワーと思っていたんですが、実際に使い込んでみるとキツいファストテーパーではなく、投げる時や掛ける時にしっかりと曲がり込むレギュラーファストテーパーであることに気付きました。なおかつ高弾性ブランクスなので操作性にも優れているんです」
吉川さんがムーンゲイザーのトリコになるまでに長く時間を要さなかった。
「よく使うのはフットボールに、チャター系に、バックスライド系に…何でも使えちゃいますね(笑)。最近のエピソードと言えば…」
そう言って続けたのがテレビ番組での津風呂湖オカッパリ釣行だ。
「ディープクランクのコンバットクランク480を沖へ投げて、岸から狙える最深部にコンタクトさせて跳ね上げるリアクション。グラスコンポジットとはまた別の誘いが効きましたね」
ボートではジグストでの登板も。
「フワフワとスイミングさせる中で、時に強く弾いてトリッキーに食わせのトリガーを入れることも。張りのある竿ならではの仕掛けです」
その用途は実に多彩だ。

<セッティング例>

●ルアー:コンバットクランク480、TGブロー3/8〜1/2oz+フラップクロー3.3inor
 キッカーバグ4.5in、ジャックハンマー3/8〜1/2oz+ラストエース128S、
 シャワーブローズ ショーティ(すべてエバーグリーンインターナショナル)、
 ジョインテッドクロー178(ガンクラフト)ほか
●リール:16メタニウムMGL HG LEFT(シマノ)
●ライン:バスザイル マジックハードR14lb(エバーグリーンインターナショナル)

陸っぱりでディープクランク!? リザーバーの達人ならではの見極めで見事にビッグフィッシュを仕留めた吉川さん。その模様は現在、YouTubeチャンネルで視聴可能だ。
©サンテレビThe Hit

番外編 LM編集部 ティーチャー大場

おおば・あきら/元中学校教員の経歴をもつ7代目ルアーマガジン編集長。最近はもっぱらクランクベイトにお熱な様子。

【中量級バーサタイル】メジャークラフト デイズ360 D360C-66MH

●全長:6ft6in
●パワー:ミディアムヘビー
●アクション:ファスト
●ルアー:1/4〜1oz
●ライン:12〜20lb
●自重:114g
●価格:3万8,500円(税込み)

リアグリップが長くとってあるので、しっかりと握り込んで重たいルアーを遠投することもできる。

軽い・強い・投げやすい超快感MH
「現在自分が使うミディアムヘビークラスのロッドで、間違いなく一番活躍しているロッドです。まずは軽さ。フロントグリップより上に何もついていないように感じるくらい全く先重り感がなく、ビッグベイトなど重たいルアーでも軽快に振り抜けるので、キャスト精度が上がります。自重は114gと数値上は驚くほどの軽さではないように思いますが、これはリアグリップが長くしっかりしているためで、おそらくそこの重量増。ブランクス自体はめちゃくちゃ軽い。ブランクスはT1100Gにチタンフレームガイドです。ブランクスの見た目は華奢で先径元径ともに細く、MLパワ―くらいのロッドに見えますが、竿先を天井などに押し当ててみると『えっ!? 硬っ!』ってだいたいみんな驚きます(笑)。1.5ozくらいのビッグベイトまでなら余裕でいけちゃいますね。ただ、ガチガチの棒のようなロッドではなく、硬いのに不思議とキャスト時はティップからベリーにかけてきれいに曲がってくれるので投げやすいです。あとは高比重ワームのボトムタッチ専用を謳っているだけあって感度も抜群。デイズ360は密かに今後の追加番手も気になっているシリーズです」

<セッティング例>

●ルアー:ギミー4.5in(ボトムアップ)+STEEZフレックスジグ7g(DAIWA)、
 カバースキャット3.5in(デプス)、3/8oz以上のラバージグ・テキサスリグ・フリーリグ、
 1〜1.5ozクラスのビッグベイトなど
●リール:16スティーズSV TW 1016SHL、スティーズA TW 1016SHL(ともにDAIWA)
●ライン:フロロ14〜20lb

24年は大きめのワームを使用したジグストで活躍。
全く先重り感がないのでロッドワークに集中できる。

高比重ワームのボトムタッチ専用を謳っているがそれ以外の汎用性も高い。

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