冬の人気釣り物・肝パンパンのカワハギを味わいつくす!【さばき方解説付き|釣り師のレシピ】



カワハギ祭りじゃあ!! 肝ぱんのカワハギをずるむけにしちゃれい!!

寒さが増して、忘年会・新年会シーズン、人間の肝臓が悲鳴を上げ始める時期ではありますが、カワハギの肝もパンパンに膨れて美味しくなる季節でもあります。

というわけで、今回は居酒屋「俺ちゃん」プレゼンツ「ドキ!! 肝だらけの一人カワハギ祭り」を敢行するべく、三浦半島は剣崎まで肝パンパンのカワハギたちを狩りに行ってきました。

この日は天気がよくて比較的暖かく、うねりも少なく、いいコンディション。シーズン真っ盛りとあってカワハギ船がたくさん出てました。

カワハギはキラキラが大好き。仕掛けも派手です
エサはむき身の冷凍アサリ。塩をふりかけヌメリをとり、タオルの上で水気をとると、コンパクトにつけやすくなります

序盤、1投目、2投目で、いきなり2枚釣りあげ幸先いい滑りだしに期待が膨らんだのですが、その後は潮の動きが悪かったようで食いつきがいまひとつ。アタリが少なくて昼過ぎまで釣れません。

「ズルむけにしてやる」と意気込んだものの、皮がむけていないのは俺ちゃんのようでした。

小バカにするように竿先をカモメが漂ってます。

ちくしょう、カモメまで俺をバカにしてやがる

あれこれ誘うより、つついてきたやつをタタキで焦らせて、着実に食わせて釣り上げる方法に切り替え。ラスト1時間で5枚釣り上げ、どうにかこうにか計7枚ゲット。「一人カワハギ祭り」には十分な量か・・・・

上手なベテラン客は25~6枚ほど釣り上げてましたが、調子のいい日なら40枚くらいは上げる人もいる船宿&ポイントなんですよ。

釣ったど!!

少ない釣果ながらも、どいつもこいつも見ごとに肝ぱんぱん。健康診断なら再検査ものです。捌いてみたらコロンと肝が転げて出てきた、肝硬変状態のやつもいました。

陸にあがるその前に締めるべし!!

カワハギを締めておくのとおかないのとでは、肝の味に大きな差が出る!!

釣ったカワハギはバケツの中で生かしておきますが、陸に上がる前に締めて血抜きをしておきましょう。肝に血が巡るとエグみが出るので、味に雲泥の差が表れます。

下の写真にあるように頭の付け根を切り込み、エラの穴をブスッと一刺し。これでバケツに入れておけば血が抜けていきます。

捌き方は意外とカンタン

頭の後ろに切れ目を入れ、エラの穴を一突き。捌く時には口、角、胸びれの硬い箇所を切り取る

1・皮をはぐ___「ずるむけ」にしちゃれい!!

下の写真に示したように、皮をむきやすいように、口、角、ヒレをの硬い部分を切り落とします。口からむいていきますが、途中で皮がちぎれてもその他の切り落とした場所から皮をむくとメリメリとむけていきます。多少を入れても身がちぎれたり崩れるようなことはまずありません。

2・肝を破らないように頭を落とす___ひきちぎっちゃれい!!

腹の下まで包丁を入れると肝が破れるので、頭と背骨が切り分けられたらあとは手で引きちぎる。

3・肝を取り出し、苦玉(胆のう)を取る。 ここは優しうにのぅ

取り出した肝は優しく扱いましょう。苦玉と呼ばれる胆のうをつぶしてしまったら、その肝の味は台無しです。

4・大名おろしにした後、小骨にそって上身と下身に切り分け、5枚おろしの状態にする

写真の点線部をなぞると小骨があることがわかります。小さいけど太くて抜きにくいので、ここは骨にそって切り落とし、上身と下身に切り分けて5枚おろしの状態にします。



さてここからカワハギ尽くしのスタート

【薄造りと肝あえ】

左は薄づくり。肝醤油でいただきます。右は刺身を酒蒸しにした肝とあえたもの

①薄造り

皮の側を下にして、薄くそぎ切りに。こうすると薄皮を引く手間が省けます。刺身を引きながら、お皿の中心から花びらのように盛りつけてきます。

肝は細かくたたいて醤油とともに肝醤油にしたいただきます。

肝醤油だけで飽きたらポン酢もいいですよ。一味と青ネギで。

②肝の酒蒸しあえ

深めの小皿に肝をいれ酒をふりかける。水を薄くはった鍋に器ごと入れ5分ほど加熱。カワハギの刺身は薄造りではなく斜切りの感じで。醤油とともにあえる。

熱を加えることで肝の味がふんわりと膨らみます。

【アラ煮とカブト焼き】

カワハギは頭(顔)にもたくさん身がついてますし、エンガワの部分も美味しいので、煮つけと塩焼きにしました。アサリをたくさん食べているので火を入れると、貝のつぼ焼きとか甲殻類のような香ばしさがたまらないのです。

冷蔵庫にマイタケが残っていたので一緒に煮つけました。
カワハギ釣りの定番外道・トラギスですが、塩焼きにするととても美味しいですよ

③アラ煮

酒、砂糖、醤油、ショウガとともにサッと煮て火が通ったら、アラを取り出し煮汁を煮詰めて出来上がり。肝を後から加えてサッと煮るのも美味い。

④カブト焼き

軽く塩をふって焼くだけ。手づかみでしゃぶりつくようにして食べると美味しいです。

翌日のお楽しみ 風干し

型の小さなカワハギは一夜干しにしました。

薄口醤油・酒・ミリンを1:1:1の割合で調合しジップロックに入れて一晩つけます。

翌朝、出勤前にザルにとり日陰で風干しに。夜帰宅したら美味しい干物の完成。干物用の網がなかったのでザル&水切りネットで代用。洗濯ハンガーで吊っておきました。

薄口醤油・酒・ミリンを1:1:1の割あいで。
一晩つけこむ
ザルに水切りネットをはって即席干物カゴの完成
日影で半日干したらほどよく水分が抜け旨味が凝縮されます

干物には乾燥させて保存するタイプすると、水気を抜いて旨味を凝縮させるタイプのものがあります。

風干しの場合は天日にあてず、涼しい日陰で乾かす感じ。乾燥している冬にぴったりの料理です。

カワハギはウロコがありませんし、身もしっかりしていて崩れにくいので、ポイントだけ抑えれば実は意外と捌くのはカンタンです。ぜひチャレンジしてみてください。

初心者でも楽しめる船宿「瀬戸丸」、手作りソバと看板猫もうれしい

この日、利用したのは剣崎の老舗船宿「瀬戸丸」さん。

私はカワハギ釣りで通い始めて3年目です。

船頭さんは丁寧に親切・丁寧に教えてくれますし、ベテランのお客さんも気さくな方が多く、初心者でも楽しめます。

寄港後に休憩所でいただくサービスのソバが名物で、沖上がりの冷えた体にとても美味しいです。女将さんが猫好きで可愛い看板猫たちが迎えてくれますよ~。

「瀬戸丸」さんは休憩所も楽しみの一つなんです
お菓子・お茶・コーヒー等に加えて、温かいソバのサービスが。冬の釣りの後は格別にうれしい。揚げ玉・卵もご自由に。
入口に陣取るモフモフの看板猫
この二匹はカウンターに陣取り、女将さんに甘えっぱなしです

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