バスボートのエレキモーターを改造してみた(1)まずは分解編【エレキのシャフトをカットして短くしちゃうぜ|釣り人的DIY】



バス釣りといえば、スモールマウス(@野尻湖)にドップリな自分ですが…、一昨年のルアマガ編集部内対決バトル『TAHARA CUP』辺りからラージのフィールドへも、随分行くようになりました。

@亀山湖。ラージも楽しいよね、ラージも!

野尻湖ではバスボートを乗り回してますが、そもそもボートの釣りを覚えたときのホームグラウンドは津久井湖だったんで、レンタルボートでの釣りは原点回帰的な部分がありまして。

さらに、『TAHARA CUP』のフィールドがカスミ水系とか、房総リザーバーとか、これまであまり行ったことのない場所で行うようなこともあり、新鮮だったのも大きな理由になったんです。

で、レンタルボート熱が上がってくるとスピードの速いエレキモーターが欲しくなってくるわけですよ。今使ってるのがモーターガイド・エナジーシリーズのEF54Vという古い12Vのエレキなんで、今のハイスペックな24V機とかには全く敵わないんです。

パワーとか操作性とか。

今使っているエレキモーターはシャフトが長い

デッキは友人の自作。

こちら、今使っているEF54Vをロウボートへセッティングした様子なんですが、ヘッドがめっちゃ上に出ているのがわかりますよね?

これ、実はスゲー邪魔なんですよ!

普通に投げる分にはなんの問題もないんです。が、オーバーハング狙いなどで、サイドキャストを多投するリザーバーだと、クランクをぶつけてリップを折ったり、スピナーベイトが曲がったり。
テキサスとかジグをブツけたりした日には、エレキモーターのカバーが割れたり…と、辛いことばかり。

最悪『ティップ折る』まであります

そしてもう1つのデメリットが、積載時のサイズ。

これ、非常にスペースをとるんです。シャフト長42inのエレキはざっくり100cmほどあります。普通の3ナンバーだとカーゴスペースに横置きは出来ません。必然、リアシートを倒して置くとか、ナナメに置くとか配置に困るわけです。

編集部だと、ニッシーのエレキモーターが32inと短いんですが、非常に可搬性が高くてうらやましいのです。

オレもエレキモーターを短くしたい。

で、ネットで調べてみると皆さん自分でシャフトをぶった切ったり交換したり、いろいろしてるみたい。自分でできるなら、チャレンジしてみようかなと思った次第。

成功しても失敗してもネタにできるしな!

ということで、今回の本題。

DIYでエレキモーターのシャフトを短くしちゃうぜ!

まずはヘッドからバラします。

ここはプラスのドライバーで。3ヶ所止まってます。

っと、その前に…。今回バラすエレキのお話。

先ほど写真でお見せしたEF54V42inはなんだかんだ言いつつ、和船とかアルミなどの喫水が高い船用にキープすることにして、中古の24Vのエレキモーターを入手することにします。

だってさ、せっかくなら速いヤツが欲しいじゃん! しかしモーターガイドの”ツアーエディション”は高いのです。

そこで”エナジー”シリーズの上位機種としてリリースされていた”ブルート”の中古を入手することにしました。24V67lbの”BLUTE 767V”っていうヤツで、”EF54V”よりもはるかにパワフルなモデルですが、古いので今はお値段もこなれてます。

ただし、古いエレキ。しかも中古なんで、中身が大問題。実は手元に来るまで紆余曲折があったんですよねー…。

早速ですが、入手したブルートのヘッドからバラしていきます。一応、通電させて動くのは確認しましておきました。

カパっとね。

中央に見えるのがスピードコントロールを行う基盤。ミズモノなのに、全く防水対策とかされてません。ヘッドに基盤が入ってるのはアナログと呼ばれる、既に生産されていない古いタイプのモノです。

意外にも、配線焼けはなく、わりと綺麗なヘッド内部。ブルートも随分古いエレキモーターなので、結構心配してましたが、問題なさそうです。基盤も平気そう。配線が分からなくならないように写真を撮りつつ、バラしていきます。

配線は迷わずぶった切れ!

どのみちシャフトを短くすると、配線が余ってしまう分カットする必要があります。なので、外れにくい端子の部分はバッサリと。

コントロール機構を分解

あるていど配線をバラしたら、こんどはコントロールワイヤーをハズしていきます。

このカバーを外すと、シャフトピニオンが見えてきます。

このクロスギアでエレキの左右転回をコントロールしています。さらにこのギアを外せば…。

ピニオンギアが登場します。

今回バラしているBLUTEシリーズやEF、FW、それにツアーの後期形などはメインシャフトに対してこのピニオンギアがネジ込まれていますので、これを外さなければこれ以上の分解ができません。

イモネジはインチサイズの6角レンチで外します。

ピニオンを回すためには、まずここのイモネジを緩めます。

そうすると、ギアを外せる…。外せる……。

外せ………、ない……、だと?

情報をいろいろ調べると、ブルート時代はピニオンギアのネジ込みにはネジ止め剤が使われていないので、比較的あっさり外せるということだったんですが…。どうやらガッツリとネジ止め剤が使われているか、錆びてカジりついてるかのどちらかの模様。

いずれにしてもカンタンには外れなさそうなので、とりあえずそのままに。

バーナー買うしかないかな…?



モーターをバラす

仕方ないので、先にモーター部分をバラします。

コムキャップ(モーター部の後ろ側カバー)を外して配線をシャフトから引き抜いてあります。さらに軽く洗浄済み。コムキャップの分解時はインチサイズのボックスレンチが必要なので要注意。基本的に工具類は全てインチサイズが必要です。

さっくりバラしました。

白い盤面の真ん中にある2つの物体がモーターのブラシです。

ここからアーマチュアに通電させることでエレキのモーターは回転するのですが、外すときに注意しないとココがアーマチュアシャフトのワッシャーに引っかかります。細いマイナスドライバーとかでブラシを押さえ込んで、上手くハズします。
ブラシが破損したらカードASSYで交換なので、中々よいお値段がします。

そもそもブルートはアナログモデルなので、部品供給が既に終ってます。つまり、壊したら終わり!

まあ、構造も単純なんでブラシをどこかから持ってくればなんとかなる? かも?

ところで、よーく見るとグリーンの配線皮膜が削れて中身見えてますね……(アカン)。
後ほど一旦カットして繋ぎ直し、収縮チューブで保護しておきます。

いよいよアーマチュア登場! おや、様子が………

アーマチュアっていいます。新品はきれいな緑色で、コミュテーターは鮮やかな銅色なんです。つまり……

コムキャップを外したら、モーターのコイル部分を取り出します。

えーっと、良い色だねぇ…………………。

程よくコンガリ焼けとるやないかーい!
まあ、このくらいの焼け方は、年式考えれば仕方ないのですかねー。とこの時点では楽観視。
だって、さっき動いたし。

しかしこの後、大問題が発覚します。それは……

アーマチュアシャフトが曲がってた。

シャフトの修正はほぼ不可能。つまり、コイツは使えません。ナンテコッタ。

実はこのエレキ、入手時に運送業者がスケグを破損させてしまってたんです。恐らくそのときに負荷が掛かって曲がったんだと思うんですが…。

シャフトを短くするどころのハナシじゃなく、いきなりブルートちゃんはジャンクになりました…。

仕方ねえんで、ツアーエディション(ワケアリ物件)買いました。

42inのツアーエディションです。コイツ、実はアナログ最初期形のツアーエディションTE781Vっていう36V機を24V82lbのデジタル仕様にコンバージョンしたものです。

でも、やっぱりシャフトの短い速いエレキが欲しいのです。

というワケで遂に買っちまいましたぜ“ツアーエディション”

しかも、デジタル仕様です。

某所にて激安入手したのですが、それもそのはず。こいつ、実はワケアリ物件です。

どうやら、スピードコントロールがおかしいらしい。

無段階でスピード調整ができるエレキの場合、ダイヤルをゼロにするとスイッチONでもペラが回らなくなるのですが、コイツはゼロでも回るらしい。

さらに、70%〜全開で走るとスグに止まっちゃう。とか、回転が上がると異音がする、とかいろいろあるようで…。

でもまあ、現状は動いててスピードコントロールも完全ではないものの効いているワケです。で、全開にしなければ普通に使えると。

じゃあ、なんとかなるんじゃね?

ってことで、こいつをベースにしてショートシャフト仕様を作ることにします。

なんか改造っていうよりも、レストアになってきましたけど。まあいいか。

というわけで次回に続け!!

とりあえず分解中。

(2)シャフトカット編に続く ↓

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