松本幸雄のナマズタックル愛用ラインはアバニキャスティングPE SMP
2017年3月発売以来、おかげ様で好評の『ルアーマガジン ナマズ王』。取材期間約1年…全112ページの特濃本なのですが、実は取材からして特濃すぎて、鯰王ムック本誌でだけではご紹介しきれなった、ノウハウネタがまだまだあるのです。今回はそんなネタのひとつをご紹介させていただきます。
松本幸雄さんがナマズゲームのときに、一度もブレることなく一貫して愛用し続けているラインがある。
それは、「バリバス アバニキャスティングPE SMP/スーパーマックスパワー」(モーリス)。厳密にいうと、マグロやヒラマサ用のソルト用ラインなのだが、松本さんがナマズで使い続けている理由は、単純な強度面だけではない。
カバーに対して超タイトに攻める松本スタイルでは、ラインも非常に重要!
ナマズに限らず、松本さんの釣りは、極度に精度の高いキャストで組み立てられていることが多い。特にナマズゲームとなると、その傾向は顕著になる。
例えば、カバーから15センチの距離を開けてしまうとナマズが反応しなくなる。それは、真夏のデイゲームにおいては日常的な現象といえる。
そんなときの松本さんの基本的な考え方は、仮にカバーから5センチの距離を開けて着水させたら、効果的に誘える距離は残り10センチしか残っていないことになる。10センチという距離をルアーアクションで考えると約2回。チョンチョンと2アクションを入れたら10センチに達してしまう。
松本「だからカバーのキワキワ0センチを目指します(笑)。そうしたら、有効距離が15センチ稼げるので、3アクションを入れられます。このワンアクションの違いは大きいですよね(笑)」。
実際、松本さんがカバーに対してタイトに攻めるときには、ルアーのテールフックが、かすかにカバーに触れていることが多い。つまりカバーとルアーの距離は0センチ。
そのとき、やわらかプップ(ロデオクラフト)などの中空ノイジールアーを使用していたら、着水と同時にスイッチを入れることが可能(詳細は鯰王ムックP36-39参照)。
松本「着水と同時にスイッチを入れて、有効距離である15センチで誘って喰わせることができます。だから、タイトなキャストはマストなんです」。
そのタイトなキャストと、松本さんの愛用ラインは密接に関係している。
原糸とコーティングが違うSMP
松本「自分が愛用しているSMPは原糸とコーティングが特殊です。簡単に言うと表面がツルツルというか…、スベスベというか…、要するに滑りがいいんです」。
この独特のツルツル感が、カバーに対して超タイトに撃ち込んだときに、ラインがカバーに触れていても、抜群の抜け感を維持してくれる。
また、ラインを意図的にカバーやアシに引っ掛けて、ルアーのテールのみを、チョンチョンと水面に付けるチョウチン釣りのときにも、滑りの良さに助けられる。
極限までタイトに攻めると、どんなに高精度のキャストを決めても、ラインはカバーに触れている。そのときにラインがキレイに抜けてくれないと、その後のルアー操作において、一瞬のタイミング誤差がでたり…、ときにはライン摩擦によって余計な場所のカバーがわずかに揺れてしまったり…、などという状況にも成りかねない。
また、どんなにSMPの抜けが良くても、ロッドが軟らかすぎると、レスポンス的な見地から、ライン抜けの良さが反映されないことになる。
つまり、松本さんはSMPと硬めのロッドを組み合わせることよって、カバーに対してタイトに攻めることを可能にしている。
ラインの太さ理論とリーダー理論
3号、4号、5号。この3タイプのラインが松本さんのナマズゲームのレギュラー。
松本「SMPだと3号でも約50ポンドの強さがあります。強いですよね(笑)。個人的には、ナマズタックルが1本しかない方には4号がオススメです。2本ある方は3号と5号。そして、3本持っている方は3号、4号、5号の3セット。これで完璧です(笑)」。
松本さんの中での3タイプのラインの使い分けは、3号は小河川、および、大河川の遠投用。4号がカバーも撃てて精度も高い標準用。5号がヘビーカバーを狙うフロッグ専用。
3号、4号の場合は60ポンドのナイロンリーダーを接続する。メインラインとリーダーの結束はFGノット。
リーダーを接続する理由は2つ。ひとつはナマズを抜き上げるときに、直接ラインをつかむことが多いので、手を守る役割。もうひとつが激しいルアーアクションを必要とするときの絡み防止。リーダーの長さは短くてもOKだが、抜き上げのときに手でつかめる長さが条件となる。
5号の場合は基本的に直結だが、Wライン(ビミニツイスト)の編み込みを行う。
松本的スナップ理論
最後にラインとルアーの接続だが、松本さんが愛用しているスナップはファイターズスナップ(ヤマリア)。
松本「スナップで一番強いのがクロスロックスシテムですよね。ですけど、強い分、少しだけ開きにくかったり、接続しにくいです。ファイターズスナップは限りなくクロスロックに近い強度ですが、接続もストレスなく行えるので、個人的に大好きです。
ラインが3号のときにはスナップは#1。ラインが4号のときには#2。5号のときにはスナップは使わずに直結です。以上が自分のナマズゲームにおけるライン回りの考えです。ナマズシーズンは目前です。皆様も楽しいナマズ釣りを満喫して下さいませ」
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