菊元俊文直伝Q&A!ビギナーが悩みがちなリールの右巻き/左巻きの使い分け方【バス釣り初心者必読|特選一刀両断】



ルアーマガジン本誌で最長期連載を誇る「菊元俊文のQ&A一刀両断」コーナーから、選り抜きの名回答をお届けする。特に初心者にピッタリなクエスチョンを一刀両断! 今回のテーマは、ビギナーが悩みがちな「リールの右巻きと左巻きの使い分け」について。

<きくもと・としふみ>’97初代JBワールドシリーズチャンピオン。元祖ビッグベイターにしてジグ番長の通り名でも知られるプロフェッショナルアングラー。エバーグリーンインターナショナルで、タックル開発やプロスタッフを統括するプロデューサーとしても活躍。

Q.リールの右巻きと左巻きはどう使い分けていますか?
A.パワー系や巻きモノの釣りには右巻き、繊細な操作が必要なら左巻きも。

僕は基本的にはベイトは右投げ右巻き。スピニングは右投げ左巻きです。スピニングは細かい操作を利き腕で行いたいので全て左巻きになります。ベイトでの巻き物は全て右巻きです。テキサスやジグ撃ちなどのヘビータックルも右巻きです。

ラバージグやテキサスリグなどの撃ちモノを使う時は、右手をロッドのフォアグリップにそえるスタイルとなる。

僕はジグやテキサスを操作する時、左手でリールをパーミングして右手はロッドのフォアグリップを下から掌で包み込むようにホールドしています。合わせは電撃的に合わせる時は右手を跳ね上げるように合わせていくのが僕のスタイルとなります。

フッキングする時は右手をロッドにそえたまま、跳ね上げるようにしてあわせるのが菊元流。

ベイトリールで左巻きを選択する理由は?

それではベイトタックルで左巻きを使うのはどういう時か。

それは細かいロッドの操作が必要と感じた時。例えば、サイドスライドリグのように小刻みなシェイキングリトリーブ。ドロップショットも左巻きです。また、ベイトフィネスでのスモラバやボウワームネコリグなども6インチ、8インチまでは右手でロッド操作をして左で巻くスタイルを取っています。

ベイトフィネスでカバーを次々と手返し良く撃って行く時は、利き腕でキャスト、操作して左手で巻く方がはるかに効率的でスピーディーです。スピニングではベールを返す動作が必要になります。これがベイトでは片手でクラッチを切ってキャストに移れます。ベイトの方が遥かに手数が省け、早い攻めが可能になります。これがベイトフィネスの最大の利点でもあります。なのでベイトフィネスは左巻きを採用しています。

スモールラバージグなどをベイトフィネスタックルで使う場合は左巻きリールが効率的。

とは言え僕も昔はジグでもテキサスでも撃つ釣りで右手で操作、アワセをして左で巻くスタイルを取っていた時代もあります。このスタイルでは片手でロッドを高く跳ね上げるように合わせるので、右ハンドルの時よりもロッドの先端が高くなります。つまり同じ長さのロッドでもアワセのストロークが多く、「打点」が高く取れるのでホンガリングのように電撃的にフッキングする釣りでは有利です。



自分のスタイルに合わせてリールの巻き手をチョイス!

ではなぜ、そのスタイルを止めてしまったか? それは僕が長年の酷使で右手の手首を腱鞘炎で痛めてしまったからです。具体的に言えばおそらく人生最大のバスを池原で掛けた瞬間、手首の激痛でロッドを返され、立木に巻かれ目の前で悶えるモンスターをバラしてしまってからです。しばらくその光景は悪夢となって何度も蘇ってきました。その時から僕は極力デカバス狙いやパワー系の撃ちには右投げ右巻きのスタイルを取っています。フィジカルな問題で僕はヘビータックルでは右手1本ではアワセの衝撃に手首が絶えられないのです。

またデカバスとのファイトでは右ハンドルの方がロッドのバットエンドを脇腹にはさんでの強引なファイト、寄せが左ハンドルより圧倒的にやりやすいという理由もあります。なのでパワー系の撃ちには右投げ右巻きというスタイルになりました。

扱うルアーやフィールドタイプ、釣りのスタイルなどでリールの巻きの左右をチョイスしよう。

でも、個人的にはもし貴方が右利きで手首などに故障がなく腕力に自信があるのなら、右手で投げて左手で巻くスタイルで統一しても全然大丈夫だと思います。慣れてしまえば巻き物も撃つ釣りも左で巻くのは苦にならないと思います。また、右で投げてロッドを持ち替えず左で巻いた方が効率的でキャストの回数も増えるはずです。自分にあったスタイルを探してください。

この記事はルアーマガジン2013年8月号に掲載された内容を元に再編集しています

[ルアマガ+]関連記事