青木大介、気迫の弥栄湖制覇!通算4勝目!! 三原直之の猛追も一歩及ばず…[バストーナメントJBTOP50第2戦現場レポート]



明暗を分けたラスト1時間の攻防…

TOP50第2戦ベイトブレスCUP最終日、編集部は予選首位の青木大介選手を約1キロ差で追う暫定2位・三原直之選手艇に同船。

事件は帰着終了27分前、12時33分に起こった…。

三原直之(以下三原)「あの魚が運命の1本です」。

レイダウン下に身を隠す50UPの堅い口をこじ開けたのは”ミハラ虫”。

ドラグをフルロックしたスピニングで瞬時に掛けるや、エレキを巧みに操りオープンエリアへと魚を誘導。極限まで竿を曲げたと見るや、クラッチを切ってラインを送り出し、ハンドルは逆回転。

三原「あっ…」。

竿は一直線。少なく見積もっても1500グラムの個体は姿を消した。

三原「今の…(バラした原因となる)反省点が見つからない…」。

帰着後、青木大介選手艇を追ったバサー編集部と密談。すると、驚くべき事実が判明した。何とほぼ同時刻、それも弥栄湖のシンボル・巨大噴水装置を挟んで100メートルと離れていないエリアで、同じく虫ルアーで1本を追加したというのだ。

バス釣りの神に愛された青木選手、一方の三原選手には試練を与えることになった…。

大会会場から至近の小ワンド周辺がラストに選んだエリア。魚を掛けた直後、水面へと姿を見せたアイツは明らかに50UPだった。


青木大介「これが釣りなんで(良い時も悪い時もある)」

帰着間際に仕留めた1本を右手に2本を高々と挙げる青木大介選手。初日と2日目に続き、本日3日目も見出しの言葉を放つことになった。

我らが愛するバス釣り、それもコンペティションの世界ともなると科学的に説明することが難しい現象が度々起こる。

Bass is Bass.

青木大介(以下青木)「あの1本がなければ三原くんに殺(や)られていた」。

3日間の総重量は三原選手13240グラム、青木選手13943グラム、その差わずかに『643グラム』。30センチ台中盤のバス1本の重量差で、表彰台の頂点と次点を分けた。

青木選手がその1本を獲ったのは”シェイクシャッド3インチ(DSTYLE)の虫チューン”。PEをメインラインにフロロカーボンのショックリーダーを組んだDeezロッドを駆使。

下が運命の1本を取った虫ルアー。シェイクシャッド3インチのボディにラバーを仕込んだ自作。上はサブ的に広範囲を探ったステルスペッパー70S(ティムコ)。

次戦もリザーバー戦、奈良・七色ダム。青木2連勝の可能性も!?

青木「釣り方はチョーチン釣り。ただし、普通にやっても釣れない」。

小枝を介して水面へと虫ルアーを到達。通常なら水面を叩くように上下させる。しかし、それだけではないようだ。

残念ながら釣り方自体は非公開。青木選手らしくない奥歯にものが挟まった言い方だったが、それはなぜか? おそらくは次戦・七色ダムが控えているからなのではないかと編集部は読む。

左から4位黒田健史、2位三原直之、優勝青木大介、3位五十嵐誠、5位山岡計文の上位5選手。いずれの選手も具や狙うエリアの差こそあれ、実に内容の近しい攻略だった。

表彰台に立った上位5選手の釣り方を聞く限り、いずれも昨年の七色ダム戦を彷彿とさせるコメントが続出。

虫ルアーのチョーチン釣りはもちろん、魚影の濃いエリアを探すこと、大型の個体が付くカバーを探すこと、バンクと沖の二刀流であることなど。いわば現代のリザーバー攻略メソッドとも言える『普通じゃない釣り』がそこにはあった。

およそ1ヶ月後には第3戦七色ダム戦がやってくる。おそらくはこの釣りが大きな幅を利かすはずだが、今やTOP50選手の誰もが知ってしまっている以上、差がつきづらいと考える向きもある。

新たなリザーバーの釣りが発掘されるのか、それとも青木選手だけの釣りが再び火を噴くのか。今から楽しみでならない。

*今戦の詳細は6月26日発売のルアーマガジン8月号で公開。

また三原直之選手の同船レポート『誇り高き競技者たち』はいずれ当釣りPLUSでお楽しみいただきたい。

*試合詳細はNBCNEWS(http://www.jbnbc.jp)を参照。
※文中敬称略

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