釣り好きが憧れる夢の空間。鬼才のバスプロ・福島健のルアー工房を大公開!



趣味を持つ男性なら誰もが憧れる、「自分だけの部屋」。記憶をたどれば、男子はみんな秘密基地好き…。そして人よりも釣りの引き出しと釣具の多いバスプロは、仕方なし(?)に「自分だけの部屋=釣具部屋」を持っていることも多い。今回はJBトップ50等で活躍するプロアングラー・福島健さんのお部屋を紹介しよう。

ふくしま・けん/JBトップ50とJBマスターズに出場し続けている京都府在住のプロアングラー。釣り方を絞り込めれば、1タックルのみでトーナメントをやりきる事でも有名。エバーグリーンインターナショナルでは自身のブランド「ファクト」にて、スモールクランク「クラフト」や、リアルシェイプワーム「ラストエース」をはじめとした実戦的アイテムの数々を生み出している。今回はそんな名作を生み出してきた工房に潜入だ!!

工房に潜入!!

福島さんの部屋と言えば、ちょっとした工房としても有名。釣具もさることながら、ルアービルドやロッドメイキングのための機材が揃っているからだ。

こちらが福島さんの部屋の全貌。
4畳半程のスペースには、壁一面を覆うように収納家具や棚が並ぶ。

福島さんが座っている場所を中心にして、様々な作業をこなせるように配置した結果がこのような工房なのだ。

全体をチェック!!

さてここからは福重が気になった部分をざっくりと紹介して行こう。

① 正面の棚

プラスチックビンのが沢山並ぶ棚。その中には、塗料用の希釈に使う溶剤、塗料やワームを作る際に混ぜ込むラメ・パール粉などがハイいている模様。また、調色済みと思しき塗料も。

エアブラシで色を塗る時は、よく使う色を沢山用意しておくとあとあと楽なのだ。

②正面右の収納ケース郡

細かな引き出しの付いた収納棚、そしてその上にはプラスチックケース。こちらは主に、ガイドやグリップなど、ロッドビルディング系のパーツが収まっていた。右奥の壁には、ジグヘッドを作る時の鋳型やシリコン型を作成するのに使うブロックも見受けられる。

また、引き出しの中からはこんなものを発見。

まち針

いったい何に使うのか尋ねたところ、「色々と便利なんですよ」と、意味深な答え。

福島さん「ハンドメイド時代のラストエースは、これに刺してトップコートにディッピングしてましたけどね」。

小さなゴミをとったり、アイに詰まったコーティングを取り除いたり、ちょっとした下穴をあけたり…確かに針は便利な場面が多そうだ。

③棚上部

頭上をかこむ棚。ここには福島さんが獲得したトロフィーや楯が追いやられていた。

そしてその手前にはミルサーが。

これでエビを粉末にして、ワームを作る際に混ぜ込んでいたらしい。

福島さん「溶けたワームの熱でエビの粉末が焦げていいにおいがするんですよ」。

④右側の壁

合板を利用して、主に工具類が掛けれている。ハサミや糸ノコ、ガンタッカー、ハトメパンチの様な道具など、様々な工具が見受けられる。下の方にはミキサーやエアブラシも。

そしてその下には、缶スプレー類が並んでいた。

スプレー塗料やサーフェイサー、パーツクリーナーやプライマーなどの姿も。

強力な食い付きの良さが頼もしい”染めQ”に、プライマーの決定版(?)”ミッチャクロン”。ミスターカラーの黒のサーフェイサーや他用途接着剤のボンドG17…職人ぽいチョイスがカッコいい!!

⑤机の左側

机の左側には電子レンジが置かれていた。こちらはワーム素材を溶かすのに使用しているそうだ。
また、手前の四角いケースには良く使う道具を雑多機能的に収納。

ニッパー、マーカー、のこぎり、ナイフの替刃、スクレーバー、レンチ、ライターなどなど

いや、こういう形でまとめて置いておくのが究極便利なんですって!

なお、奥に見える四角い赤茶色の物体は、ルアーやワーム用のシリコン型だ。



机周りをクローズアップ!!

続いて福島さんの工房の本丸、机周りをクローズアップだ。

まずは左側の箱周辺

噂の浮くスモラバ”ギズモ”が入ったタッパーに関する話は、今回ありませんのであしからず!

最下段のケースにはセロハンテープや両面テープ、マスキングテープなどのテープ類が収まっている
そしてその上にはカッターナイフやその替刃、マーカーやライターなどが入ったタッパーだ。右側の小さなタッパーには紙やすりなどを収納。

中でも心をときめかせたのはこの「切れてるヤスリ」! 付箋の様に一枚一枚使える小さな紙ヤスリで、超便利そう!!

普段福重は、大判の紙ヤスリを使う。そのままだと大きすぎて扱い辛いし、うまく切らないと使いにくい・・・そんな悩みの特効薬がコイツ!! 欲しい!!

その横には、棒やすりやリューターの替刃が入ったケースが並んでいる。

ちなみに、福島さんが使用しているのはドレメルのリューター

ガングリップのように握れるデザインで、安定した操作が可能なのだ。

また、他にも面白い道具として紹介してくれたのがコチラ

ハンディサイズのガスバーナーだ。
ターボライターと同じ原理だそうで、燃料もライター用でOK。

お尻側をカチンっと押しつけるだけで着火! 斜めに自立させることも出来るので、両手がふさがる事無く、自由に作業が行えるのだ。福島さんは、ロッドのスレッドのエポキシを溶かす際などに良く使うそうだ。

他にも細かいところを見て行くと…

・左下:ホームセンターのプライベートブランドの瞬間接着剤
使う量(頻度)は多いので沢山ストックしておきたいし、一度開封してしまうとしばらくすると中身まで硬化してしまう…そんな瞬間接着剤の悩みを解決してくれるのが、このプライベートブランド製の瞬間接着剤なのだ。

一個100円程度! 福重もお世話になってます!

・中央下段:メモ帳
2液式の接着剤を使う人で、これを知らない人はいないのではないかという程便利なのが、メモ帳。この上で接着剤をこねて使い、硬化の様子はメモ帳側に残った接着剤を触って確認! そして捨てるのは一枚めくるだけ! 超便利!!

つまようじも併せて・・・福重もお世話になってます!!

・中央上段:電子測り
コチラは0.1グラムまで測れる電子測り。リールカスタムの際の総重量を気にする際にはパーツ毎に測ったり、ルアーやシンカーのウェイトを測ったり・・・。何かと便利なのがこの電子測り。数千円程度で買えるので、試しに買ってみてはいかが?

福重は0.01グラムまで測れるのを持っていました! お世話になっていましたが、落として壊しました(涙)

右上:デザインナイフ
安心と信頼のオルファのデザインナイフ!! たっぷり替刃で常に最高の切れ味!! 福島さんも絶賛の基本にして最高のアイテムだ!!

福重もお世話になっています! キャップがよく何処かへ行ってしまうんです(汗)

そしていよいよ登場。福重の憧れ!

集塵&塗装ブース!!

中央の板を挟んで左右の壁には換気扇がはめ込まれており、削りカスやエアブラシで作業した際の余分な塗料を排出してくれるのだ。そのため、部屋の中は非常に汚れにくく、塗料の匂いも残りにくい。

また、蛍光灯の手前側に板を設けることで、作業をする際の手元だけをしっかりと照らす事が可能となっている。

ブース手前にはパテとヤスリ。

特にこのウェーブ社のヤスリスティックは番手や形のラインナップも細かく、掃除をすれば長く使える超便利アイテム!! 芯となっている硬い素材と、ヤスリのすぐ下の柔らかな素材の三層構造は使い心地も抜群なのだ。

紙ヤスリを綺麗に切って板に張るって、意外とめんどくさいんですよう

数が多くなりがちで収納に手間どる塗料は、塗装ブースの下に引きだしを設けて収納。写真右側にはエアブラシが2つ。そのどちらもトリガータイプだが、ボディ後部が外されていた。

ちなみにほとんどがクレオスのミスターカラー!! 値段も安く、色も豊富。比較的どこでも手に入るので、プラモデラーからルアービルダーまで、みんなに愛されております。

塗装ブースの右側には、あると便利なボロキレ(ウエス)を配備。何時でもさっと取り出して使える距離感だ。ボロキレの左には塗料を混ぜる用のカップ。金属製の物と、使い捨てられるプラスチック製の物を併用しているようだ。その反対のビンには、塗料の攪拌やエアブラシのメンテナンスで使われる、筆やスポイト、歯ブラシなどが立てられていた。

最後に玉座からの風景

本当に色々な楽しい物があって、とても紹介しきれない福島健さんの工房。最後に、福島さんの椅子から見た光景をどうぞ。

たまらないでしょう??

余談お部屋にお邪魔したのは、ルアーマガジン7月号「実体験から導き出された真実 ”小さい”からこその強さ」のインタビュー取材のため。しかしそちらの話はそっちのけ(失礼)で、福島さんのお部屋の話に大興奮&夢中になっていた自分。インタビューを終え、ほくほくして帰る途中、福島さんから電話があったんですね。「取材の時に使っていたボイスレコーダー、うちに忘れてますよ」って。

[ルアマガ+]関連記事