バストーナメントJB TOP50第3戦直前プレビュー<前編>注目選手直撃インタビュー【2017年タイトルレース正念場!】



国内最高峰のバストーナメント、JBTOP50第3戦七色ダムが7月7日〜9日に開催される。全5戦で争われる年間タイトルの行方を占う上でも、大きなカギを握る折り返しの試合を前に、釣りPLUS編集部が注目する3選手に直撃インタビューをおこなった。

JBTOP50紀伊ラウンド、懸念の台風も影響なく通常開催へ

2017シリーズの折り返し地点、第3戦七色ダムがいよいよ明日、7日(金曜)に迫った。前戦の弥栄湖から約1ヶ月をあけて続くリザーバー2連戦目。開催フィールドとして近年は定着した感のある第4戦の福島・桧原湖と最終戦の霞ヶ浦を除き、この3戦目までをどう凌ぐかが、今季のA.O.Y.レースを有利に進めるカギとなりそうだ。

当プレビュー公開時点では選手は既に試合直前2日間のプラクティスを無事終え明日の本戦に備えているが、前週末から気象情報を賑わせていたのが台風3号の存在。直前プラ時に直撃か、速度が遅くなれば本戦当日かと気を揉む天気図だったが、恐れることなかれ。4日(=火曜日)夕方の時点で七色ダムの上空をかすめる程度に留まったのは幸いだ。

画像は本流の中流域に突如現れる七色ダム最大のマンメイドストラクチャー・発電所跡。陸上から望むことはできないボートアングラーだけが目にできるレアな光景だ。なお、大会メイン会場となるスロープロクマルへ来場の際は、大阪方面の方は白浜から東方向へ、名古屋及び東京方面からは尾鷲からの北上ルートを。池原ダム周辺で発生した土砂崩れの影響で国道169号は深瀬付近で通行止。現時点で解除の見込みは立っていない。

今戦のメイン会場となるのはスロープロクマル。直前の湖況を尋ねるべく、名物スタッフ・ケヴィン宮本氏に連絡をとった(*5日午後1時現在)。

「台風が直撃することを想定してダムは水位を減らしていたが、意外や大雨は4日の夕方に一瞬で終了。現時点で水位は若干減った状態だが、平常通りに週末に向けて徐々に増えて行くだろう」(宮本氏)

七色ダムは土曜まで徐々に水位を上昇して、日曜以降に減水していくのが慣例。とはいえ、水位の差は1メートル程度で、激しい増減ではない。では、気になる水色はどうか。

「濁りはほぼ影響がありません。ただ、水が動きにくい会場前は赤潮の影響が若干ある。川筋の中流域もおそらく同様。注目したいのは潮回り。金曜から大潮なので、もしや…」(宮本氏)

4日間続く大潮は試合3日間全てに該当。昨季同様、驚くべきハイウェイトが飛び出す可能性も高い。これは全日見逃せそうにない!

【情報協力】七色ダム・スロープロクマル

お馴染み・鬼形解説者が七色ダム戦の勝者を予想!

鬼形毅さん(以下、鬼形解説者)「勝者予想ですか…。現時点では弥栄湖での上位陣が優位なのは否めない。おそらく七色ダムも同じ釣りが通用するだろう」。

鬼形毅(おにかた・たけし) 釣りPLUS及びルアーマガジンのTOP50記事、そしてAbemaTV『艇王』の解説でもお馴染み、日本初のトーナメント解説者。現役トーナメントプロならではの卓越した読みと軽快なトークが視聴者のツボを直撃中。レジットデザイン・ロッドエンジニア。

当サイトでもお馴染みの鬼形解説者は、弥栄湖戦終了から1週間後の6月10日時点での勝者予想を語り始めた。大型のスクールを探し食わせどころを見つけてのチョーチン釣りは昨季七色ダム戦の上位陣が魅せた釣り方で、この釣りが前戦弥栄湖ダムでも大いに幅を効かせたのは知られるところだ。

鬼形解説者「優勝の青木大介選手が表彰台で何やらチョーチン釣りのキモを見つけたと語っていたが、それが再び炸裂したら2連勝の可能性も否めない。しかし、それでは勝者予想というには順当すぎる」。

「期待値を込めて」と前置きした上で、3人の選手の名を挙げた。

編集部はプリプラクティスが終了した直後に、その3選手にインタビューを敢行。各選手の驚くべきポテンシャルとバックボーンを再確認することになったのだった。



優勝候補本命! 紀伊半島のキングカズ・山岡計文

筆頭に登場するのは、開催地七色ダムをホームグラウンドとする、リザーバーマスター山岡計文選手。

やまおか・かずふみ 1981年2月2日生まれ(36歳)、AB型。奈良県吉野郡下北山村出身。右投げ・ベイト&スピニング左巻き。2012第1戦早明浦ダム優勝。スポンサー:ティムコ、O.S.P inc.、リューギ、東レ、バスプロショップ50upピンスポット。2017ゼッケンNo.12。第2戦終了時点の暫定ランキングは17位。*写真は昨季七色ダム戦DAY2より。

鬼形解説者「まぁ、山岡選手は堅いですね。七色を知り過ぎているが故の葛藤もあると思うが、順当に考えれば優勝候補の筆頭」。

鬼形解説者がそう読むのは、七色ダムが位置する奈良県下北山村で生まれ育ち、現在は同村の村会議員としても活躍中の山岡計文選手だ。選手の傍ら、TOP50開催の招致からルール決定まで様々な面で尽力。自宅の敷地内からルアーをキャストすれば、七色の湖面に届くとすら言うほどのスーパーロコ、いやナチュラルボーン七色。この慣れ親しんだ地で身に付けた底力は、2011早明浦ダム優勝を始め、リザーバー戦で圧倒的な強さを誇っている。

山岡計文選手(以下、山岡)「去年の開催(=7月8〜10日)とほぼ同時期ですが、水中の季節は若干遅れているように感じた」。

プリプラを終えたばかりの山岡選手は、目の前に七色ダムがあるにも関わらずオフリミット(*試合前2週間の釣り禁止)のため釣りができない「2週間のジレンマ(笑)」中にこうコメント。ならば『すぐ隣に池原ダムがあるではないか、そこで練習をすればいいのではないか』と安易に考えがちだが、山岡選手の答えは「NO」だ。

山岡「それぞれのリザーバーを正式名称で言うと”池原貯水池”と”七色調整池”。いわば七色は池原の調整用なんです」。

聞けば、池原の水は発電のために七色へと落とされ、再び池原へと汲み上げられては落とすというサイクルなのだという。

山岡「そのために七色は河川の流入量も調整して1メートル程度の水位増減を繰り返す特殊なダム。池原は減水によって赤土やガレ場が剥き出しになるのに対して、七色はいつ来てもほぼ同じ景色で常に岸際にはブッシュなどカバーが豊富なフィールドなんですよ」

昨季七色ダム戦DAY3早朝、西ノ川エリアで見かけた山岡選手。彼が言う通り、岸際にはあらゆるカバーが豊富なのがわかる。この一戦で結果はま・さ・かの14位と、2003年開催時の第4位から大きく順位を落すことに。その悔しさ、今戦こそが晴らす時だ。

だからこそ、釣り方の幅が広く、より高い精度も求められる。前戦の弥栄湖と実に似た戦略が講じられそうだ。

山岡「そうですね、チョーチンの釣りは効きそうです。ただ、今や全選手に知られてしまっている以上、それだけでは勝てない。『+α』の釣りがないと、3日間を凌げないと思う」。

昨季の七色ダム戦を彷彿とさせた前戦。上位の多くが口にしたチョーチン釣りは「ベースにはなるはず」というが、50人の手練が同戦法へとなびけばもはや突出したスコアメイクには至らないとも読む。

山岡「僕は七色なら、人(=他の選手)より手駒は多いほうだと思う。その辺りでうまくアジャストできれば、出し抜けるかなと」。

これは期待してよさそうだ。気になる優勝予想ウェイトは?

山岡「『6・3・3』の12キロ。前戦から(自身の調子の)流れはわるくない。ただ、七色の魚はヒネくれているので(笑)、うまく修正して全力で戦っていきたい!」。

紀伊半島のキングカズ、表彰台の頂点へと上る準備は万全だ。

さらなる七色ダム戦、要注目選手は?

第3戦七色ダムでの要注目選手として、釣りPLUS編集部が直撃インタビューを敢行したアングラーはあと2人。その人物は? そして戦略は?

<後編>につづく↓

【大会情報はJBNBC公式サイトでご確認ください】

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