ヒロ内藤のバスロッド「ジ・アンサー」勝手にインプレ釣行〈前編〉



フィッシングライター・横沢鉄平の得意とする企画の一つが、タックルインプレッションネタ。豊富な釣りキャリアから導き出される、独自の辛口(?)批評にはファンも多い。今回は、バスフィッシングレジェンド・ヒロ内藤氏から託されたバスロッド「ジ・アンサー」を実釣インプレする〈前編〉。

バス釣りの本場アメリカを知るヒロ内藤の哲学

バスロッドのブランドは、それこそ星の数ほど存在します。万人受けを狙った最大公約数的なブランドから、トーナメントを意識したカリカリのレーシングモデル、独自のコンセプトに基づいたマニアックなシリーズもあります。

そんな広大なバスロッドの森林の中で、ここ数年、僕が気になっているシリーズがあります。それはOFT社のヒロイズム・エアー「ジ・アンサー」です。

2003年にリリースされたヒロイズムエアーを更に磨き上げ、2015年に復活させたのが「ジ・アンサー」シリーズだ。

ヒロイズムとは、ヒロ内藤さんの哲学を意味します。ヒロ内藤さんを知っていますか? 

彼は、日本で初めてバスマスターズクラシックを取材したフィッシングジャーナリストです。そしてバグリーズやプラドコと言ったアメリカを代表するメジャーな釣り具メーカーに勤務し、長年に渡って日本へと本場アメリカの釣りを伝えてきた功労者でもあります。

内藤裕文:1955年生まれ。1978年よりアメリカに留学し、1981年ごろからフィッシングジャーナリストとして活躍。プラドコ社では海外事業部の極東を担当。アメリカのバスフィッシングを日本に伝えてきた功労者の一人。

その彼が渾身の力を込めて開発したロッドシリーズが、この「ジ・アンサー」なんですね。以前、僕がその詳細を取材し、ルアーマガジンで特集記事を書いたこともあります。

ルアーマガジン2015年12月号で3ページにわたって記事にした

キャスティング性能のために求めた軽量化

内藤さんがジ・アンサーに求めた能力は、大きく分けて2つあります。まずは高いキャスティングアキュラシー。正確無比のキャスティングを実現するには、振りぬいた直後のブレを極力なくすことが求められます。その答えがHVFとAGSの採用による究極の軽量化だったのです。

DAIWAの誇る軽量カーボンマテリアル「HFV」。軽さを追求するために、ジ・アンサーではX45などの素材は選択しなかった。
DAIWAが独自開発したカーボンフレームのガイド「AGS」。その軽さは他を圧する。ジ・アンサーでは、カリプソLJ、SJ、カプリコーンTWの3機種で採用。

そう、OFTのロッドなのに、なんとDAIWAのテクノロジーが注ぎ込まれているんですね。この掟破りのコラボを実現させたのも、内藤さんならではの力技なのでしょう。

操作性のために必要な長さとは?

ジ・アンサーに求められたもう一つの能力は、抜群の操作性です。内藤さんのバスフィッシングは、ここぞという場所で、ジャーキングなどの必殺アクションを加えるのが極意。そのために、基本的なテーパーは先調子になっています。

さらに、ジャークベイトなら5フィート5インチ、トップなら5フィート8インチがベストであるというのが、内藤さんの最終回答。だからレングスは短めなのです。

このあたりの、独自のバスフィッシング論が、魅力的なのです。ただ、しがない釣りライターが簡単に購入できる価格ではないので、僕が使う機会はなかなかありませんでした。ところが、先日の大阪フィッシングショーで内藤さんにお会いしたところ、「鉄平君、貸し出すから使ってみてよ!」という話になったのです。



実釣インプレで「ジ・アンサー」を斬る

●インプレッション用「ジ・アンサー」3アイテム

こうして送られてきたのが3本のジ・アンサー。カリプソSJとカリプソLJというジャークベイト用の2本、それに加えてトップ用のカプリコーンTWも預かりました。

早速、ルアーマガジンのドラマチックハンターのロケなどに持っていきましたが、運悪くトップやジャークベイトのパターンにならず。あまり活用できずに時が流れていきました。そして、返却期限が近づいてきた先日、この3本を使い倒すべく、僕は相模湖へと向かったのです。

実釣インプレ【後編】へと続く。

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