バストーナメントJB TOP50最終戦”霞ヶ浦”直前プレビュー!〈前編〉【年間タイトルA.O.Yの行方は?】



日本のバストーメント最高峰の戦いであるJBTOP50の2017シーズンも、茨城県霞ヶ浦で10月20日〜22日に開催される最終戦を残すのみ。注目の一戦を前に、年間を通してTOP50現場取材をしているフィッシングライター近藤圭一が直前プレビューをお届けする。〈前編〉では年間タイトルと連勝記録の行方を追った。

TOP50年間優勝”A.O.Y.”が決まるファイナル関東ラウンド!

いよいよ明日から、国内最高峰バストーナメントの2017年を締めくくるTOP50シリーズの第5戦(=最終戦)が開催。舞台は茨城県・霞ヶ浦。第4戦桧原湖に続く、TOP50伝統の開催地にして難攻不落の関東マッディレイク。

最終戦と言えば気になるのは、やはり全5戦トータルの成績で決まるA.O.Y.(=アングラー・オブ・ザイヤー、年間優勝)の行方。

まずは第4戦を終了した現時点での暫定順位をご覧いただくことにしよう。現時点での暫定首位は青木大介選手で、次点の今江克隆選手に27ポイントのリード。下の表組は、その差40点以内で首位を追う上位5選手を掲載した。

2017A.O.Y.レース暫定ランキング(第4戦終了時点)

全53選手が出場する2017TOP50シリーズ。表組はA.O.Y.に最も近い年間上位5名のみにフォーカスした。

青木大介、最終戦で”マジック28”点灯!

年間順位は、各試合の獲得ポイントの合算で決定する。優勝は60ポイント、2位は59ポイント…以下、50位11ポイントと1ポイントずつ獲得できるポイントは下がり、51位以下は一律5ポイントとなる。

現時点で首位青木選手が次点の今江選手に28点差。最終戦で仮に今江選手が優勝60点を獲得して勝ち点を253点へ積み上げたとしても、青木選手には33点があれば逃げ切る。その点差内に留める順位とは「28位」。つまり、予選通過(30位内を)を果たした2日目終了時点で2017A.O.Y.の座を確定する可能性もある。

中央の暫定首位青木大介選手を、2位今江克隆選手(右上)、3位市村修平選手(右下)、4位小森嗣彦選手(左上)、5位野村俊介選手(左下)ら後続選手が猛追。

今季の青木選手の順位を振り返ると、開幕戦遠賀川こそ20位と振るわなかったが、以降の第2戦弥栄ダムは優勝、第3戦七色ダム準優勝、そして第4戦桧原湖で年間2勝目を達成! 恐るべき高値安定で、もはや3度目のA.O.Y.獲得は揺るぎないと見る向きも多い。

ただし、TOP50最終戦には魔物が潜むことを忘れてはならない。一昨季は最終戦を残して28ポイント差で首位に立っていた五十嵐誠選手が、青木選手に差し切られ栄冠を奪われた経緯もある。今季は逆に追われる立場で挑む青木選手。後続選手の猛追に対して、どう防御を図るのか、どう勝ち切る策を練るのか。その辺りにも注目してみたいところだ。

年間1勝記録、五十嵐誠と北大祐が鋭意更新中!

「五十嵐誠選手と北大祐選手による”年間1勝記録”の行方は最も気になっている」と語るのは、当サイト及びルアーマガジン誌でお馴染みのトーナメント解説者、鬼形毅氏。

この両選手は、五十嵐選手が2年連続、北選手が4年連続してのTOP50勝利記録を継続中で、今季はチャンスもあったがそれぞれ寸止め。20年に及ぶJB最高峰戦の歴史で、北選手の4年連続優勝は史上初の記録として君臨している。

北大祐選手(上)と五十嵐誠選手(下)の水面下での静かなる戦いにも注目したいところだ。

鬼形解説者「記録を更新するにはもうこの最終戦しかない。しかも、獲得できるのは両選手のうちどちらかのみ。同点優勝はない。彼らの勝ちへと挑む気迫は尋常ではない」。

昨季は最終戦の最終日までA.O.Y.レースを競い合った両選手。結果は5点差で北選手が勝ち越して2度目の栄冠。勝者のメンタルは継続。一方、2年連続でA.O.Y.を逃した五十嵐選手だったが、一戦一戦に賭ける迫力はなおも増し周囲を震え上がらせている。

今季の暫定成績は奇しくも、何とそれぞれ9位と10位で、わずかに1点差! 共に首位奪還にはやや難しい位置に着けているが、だからこそ、この一戦、最終戦のみに全精力を集中できるとも考えることができそうだ。

今季のA.O.Y.争いのみならず、こちらの熱き戦いにも注目してみたいところだ。



早野剛史、霞ヶ浦経験値を増し牙をむくヤングライオン!

最終戦・霞ヶ浦戦の注目選手は、五十嵐、北両名だけではない。鬼形解説者は、さらに3名の有力選手の名前を挙げてくれた。

鬼形解説者「まずは、早野剛史選手。桧原湖戦終了後、彼と話してみて『間違いないな』と。既にJB霞ヶ浦でA.O.Y.を獲得して、来季TOP50の出場権も獲得済み。この地での練習量はおそらくナンバー1なのではないか」。

今季、それまでの河口湖から霞ヶ浦の畔へと移住して、年始には「勝負の年!」と記者に宣誓した早野剛史選手。昨季最終戦、同じく霞ヶ浦での最終日同船時、目の当たりにした身体のキレは近年稀に見る仕上がりで『よもや逆転優勝か』と思わせるに十分だった。

はやの・たけし 1988年02月20日生まれ(28歳)山梨県在住。主な戦績:2014年 JBバズアングラーオブザイヤー、2011年 JBマスターズ第2戦 河口湖 優勝。スポンサー:シマノ、ジャッカル、モーターガイド。2017ゼッケンNo.23。写真は昨季最終戦最終日、記者が早野選手に同船時のカット。洞察力に瞬発力、そして第六感。その日、全てが揃っていたかのように思えた。

鬼形解説者も彼の動向に注目。年間暫定順位は34位と、来季TOP50出場権を獲得できる30位内を現時点では満たしていない。しかし、JB他シリーズA.O.Y.によって次季TOP50残留確定というルールが彼に舞い込んだ。今季の最終戦に対して、もう迷いはない。伸るか反るかの大博打を打ってもいいはずだ。

早野剛史選手「プリプラクティスは3日間を戦う上で、状況変化に対応する柔軟性を考えた。風向き1つで変わる霞ヶ浦。全ての状況に対応すべく自分を変えて行かないと、次のステップへ進めない」。

2013年にTOP50昇格して5年目。その翌年にはマスターズA.O.Y.を獲得するなど話題性に事欠かず、その切れ味鋭いパフォーマンスも大いに注目されている。しかし、なぜか最高峰戦では2015第1戦遠賀川での第4位が最高順位。まだまだ上が望めるはずだ。

早野選手「今年は居を移して、誰よりも霞ヶ浦に浮いてきたという自負がある。JB霞ヶ浦では結果を出すことができた。今度はTOP50という最高峰の舞台で魅せたい」。

プリプラの詳細も聞くことができた。豊富な練習量と努力は必ずや表彰台の頂点へと彼を導くはずだ。

鬼形解説者が要注目選手として挙げたのはあと2人。その顔ぶれは〈後編〉で明かされる…。

※大会の詳細については、JBNBC公式サイトでご確認ください。

※バストーナメントJB TOP50最終戦”霞ヶ浦”直前プレビュー〈後編〉に続く ↓

関連サイトリンク

[ルアマガ+]関連記事


[釣りPLUS]>> HOME